
SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」 その内容と解決に取り組む企業の事例

「10.人や国の不平等をなくそう」がSDGsの10番目の目標です。
不平等と聞いて思いつくことはどんなことでしょうか?
・お金持ちと貧乏?
・人と比べて自分に対する接し方が違う?
・同じ職場なのに任される仕事が違う?
など、みんな等しく同じ生活をしてないので差が生じてしまいます、当たり前ですが。
これまでSDGsの目標1~9まで見てきたらお分かりかと思いますが、不平等であるがゆえに起こっている問題が多くあります。
世界で起こっている、問題となる不平等をなくすという視点で目標が掲げられています。
この記事から、いま世界で問題とされている不平等が理解できると思います。
会社は社会の縮図ともいわれています。
もし会社など組織で働いていて、不平等を感じていたら解決となるヒントになるかもしれませんので、是非最後まで読んでください。
目次
- SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」とは?
- 世界に存在する不平等とは?
- SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」のターゲットとは?
- SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」達成のための取組とは?
- 最後に
「10.人や国の不平等をなくそう」とは?

国内および国家間の不平等を是正する」ことを目的としています。
世界不平等研究所が発表した「世界不平等レポート2022」によると、世界トップ10%の裕福な家庭が所有する富は全体の75.6%を占めている一方で、ボトム50%の貧しい家庭が所有する富は全体の2%にすぎません。
SDGsで不平等と聞いて、真っ先にイメージするのはこの所得格差ではないでしょうか?
実は、その他にも
・ジェンダー格差
・人種差別
・移民・難民に対する人権侵害
・少数民族に対する人権侵害
等、解決すべき問題は数多く存在します。
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にはスローガンは「誰ひとり取り残さない-Leave no one behind」です。
誰ひとり取り残さないために不平等を是正することは不可欠です。
世界に存在する不平等とは?

不平等をなくそうと目標を上げるということは、残念ながら不平等が存在するということです。
世界にはどのような不平等が存在するのでしょうか?
経済格差

わずかな人に富が集中し、多くの人が貧しい生活を送ることを余儀なくされています。
力のある富裕層に、より多くの利益が入ってくる有利な経済の仕組みになっているのが実情です。
2008年に起きたリーマンショック以降、所得の不平等縮小を働き替えてきましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響でその前進が帳消しになってしまう可能性が有ります。
開発途上国やそうでない国関わらず、不当な賃金による雇用の排除、株主利益を追求から、従業員や社会へ分配する仕組み作りが求められる課題です。
性別による格差

就業率や賃金格差・労働時間など性別による格差や、宗教や伝統によるしきたりが関係する性差に関連した問題も存在しています。
例えば、オックスファムの発表によると、途上国では女性が一週間に働く時間は90時間になることがあるようです。
先進国でも途上国でも女性の方が長時間働いているというデータもあります。
働くという中には、金銭が発生することとそうでないものがありますがご存じでしょうか?
無償労働(アンペイドワーク)とは、家事労働・育児・介護など金銭が発生しない労働のことで、そのほとんどを女性が行なっています。
実は、世界的にまだ関心を持たれていない課題です。
無償労働(アンペイドワーク)の改善がなされて、労働時間について平等だといえると考えられています。
移民問題

移民とは仕事探しなど生活のために、永久的にあるいはかなり長い期間の間、今住んでいる国から別の国に移り住むことです。
文化や宗教の違いなどから、いやがらせなどを受けることも少なくありません。
移動先では、低賃金で危険な労働をさせられたり、差別を受けたりと不利な立場や環境に置かれることが多いといわれています。
さらに、移民に関連した問題が送金コストです。
移民先で収入を経て、祖国など家族などに送金が必要になります。
労働許可がないと銀行口座を開設できないこと、低所得者はクレジットカードを持てない場合が多いことなどの理由から、割高な送金専門業者を利用せざるを得ない状況です。
その送金コストが高く、負担が大きいことが問題になっています。
収入が少ない中で、一定の割合で手数料としてひかれてしまうことは、移民にとっては大きな負担です。
SDGsではこの送金コストについても言及しています。
人権問題

先ほどの移民や難民、子ども、少数民族など、弱い立場の人や歴史的背景による偏見の目で見られてしまう差別など多くの人権に関する問題は多く残っています。
私たちを含めてすべての人たちが平等についての認識し対策していくことが求められます。
SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」のターゲットとは?

それでは、不平等をなくすための取組としてどこをターゲットにしているのでしょうか?
・所得格差
・差別的な法律・政策・慣行の撤廃
・適切な法律・政策の推進
・途上国の世界経済への参加促進
・移民政策
など、法律や政策の整備が中心にあげられています。
以下のターゲットの一覧を記載いたします。
※ハイフン(ー)以降が数字のものは、それぞれの項目の達成目標を、ハイフン(ー)以降がアルファベットのものは、実現のための方法を示しています。
10.1 | 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。 |
10.2 | 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
10.3 | 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。 |
10.4 | 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。 |
10.5 | 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。 |
10.6 | 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。 |
10.7 | 計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。 |
10.a | 世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。 |
10.b | 各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。 |
10.c | 2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。 |
SDGs目標「10.人や国の不平等をなくそう」達成のための取組とは?

それでは企業が取り組む活動としてはどのようなものがあるでしょうか?
各企業が行っている活動のキーワードを記載します。
活動内容は当然これだけではありませんが、主だったものを記載しています。

これまでの目標1~9までの記事の中に詳しく書かれているものがありますので、
詳しくはこちらをご覧ください。
この記事では「送金サービス改善の取組」についてご紹介いたします。
これまで送金するには銀行口座を開設するか、口座を持てない場合、割高な送金業者を利用するしかありません。
アリババが提供するサービス「アリペイ」は銀行口座を持たなくても送金できる「電子決済アプリ」として注目されています。
コンビニで現金をアプリに入金してアプリ操作を行えば国を超えて送金することができます。
特に手数料が無料なことが大きなメリットの一つです。
アジア中心に急激に拡大しています。
最後に

いかがでしたでしょうか?
不平等な状態があるから格差や差別がおこり、格差や差別があるからより不平等になっていくという悪循環が形成されてしまいます
平等に向かうことがこの悪循環を断ち切ることができる方法です。
所得格差については、所得の低い人の所得を上げるという具体的な数値や行動があるのでわかりやすいですが、これまでの慣習や、人の意識・感情などから発生する差別は目に見えません。
それゆえ、世界中の人たちがこの問題を意識し、協力して解決に向かうことが必要になってきます。
この記事が、少しでも平等な社会の実現のために役立てたら幸いです。
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