
SDGs目標「SDGs 4.質の高い教育をみんなに」 その内容と解決に取り組む企業の事例

「知っていたから損せずにすんだ!」
「知らなかったら損してしまった・騙されてしまった!!」
これも”教育”を受けられたかどうかで生じた格差のごくごく小さな一例。
少しの損くらいならまだよいかもしれませんが、世界規模で見てみると教育を受けられないことが貧困・差別など命に関わる問題に発展してしまいます。
格差の大きさに違いはありますが、日本においても同様です。
それだけ教育を公平に受けられることが重要であることを示しています
今回は「4.質の高い教育をみんなに」がどんな目標なのか?、企業はどんな取り組みをしているのか?についてお話していきます。
目次
- SDGs目標「 4.質の高い教育をみんなに」とは?
- 教育についての現状と問題点
- どのような問題がおきるのか?
- SDGs目標「4.質の高い教育をみんなに」が必要な理由とは?
- SDGs目標「4.質の高い教育をみんなに」のターゲットとは?
- 企業の取り組み事例
- 最後
SDGs目標「 4.質の高い教育をみんなに」とは?

SDGsの4つ目に掲げられている「質の高い教育をみんなに」。
「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」を目標として掲げられています。
日本にいるとイメージしづらいですが、世界には学校に通うことができなかったり、文字の読み書きができない人が多く、教育に関するほかの問題も多く存在しています。
そのような教育を受けられていない人も含めて、世界中の人たちが、生まれた環境や性別に関わらず、平等に質の高い教育を受けることができる機会を提供することで、持続可能な開発につながるという考えです。
教育についての現状と問題点

世界には、依然として5,700 万人の子どもが学校へ通えていない状況です。
15歳以上で字の読み書きができない人の人数は約7億8100万人といわれています。
日本や他の先進国などをはじめとした、十分に教育を受けられる環境がある一方で、教育を受けられない・読み書きできない人がいるのが今の現状です。
この教育格差が生じる原因として、貧困問題が大きく関わってきます。
十分な教育が受けられない理由あげられているのは以下の8つです。
質の高い教育が受けられない8つの理由
①そもそもに学校が近くにない
②先生がいない
・先生になる方法自体がない
・先生になるための十分な能力がない
・先生の給料を払えない
などの理由です。
③通うだけのお金がない
④家計を支えるために労働していて、学校で教育を受ける時間がない
⑤両親の代わりに小さな兄弟の面倒を見る必要があり、学校で教育を受ける時間がない
⑥親の教育への意識や考えの違いから、学校に行かせてくれない
⑦病気にかかってしまい、学校にいけない
⑧戦争や紛争のために、教育を絶たれてしまう

日本は教育を受ける環境が整っているといっても、無関係ではありません。
日本においてもいじめや親からの虐待、家庭環境の変化などの理由で学校に通えない子どもがいます。
文部科学省の「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、は小中学校生の不登校の児童生徒数は19万6127人いるといわれています。
この起こっている教育格差をなくして、「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことが必要です。
どのような問題がおきるのか?

読み書きできなければ、生活に必要な情報や知識を得ることができません。
誤って毒を飲んでしまったり、臓器売買の被害にあうケースもあるようです。
教育を受けることができなければ、そもそも読み書きを学ぶ機会を得られません。
そのような状態では安定した職に就く機会もえられないので、不安定な職に就くしかなく収入も限られてしまい、負の連鎖から抜け出すことはできなくなります。
「4.質の高い教育をみんなに」が必要な理由とは?

では、なぜ貧困問題解決に質の高い教育が必要なのでしょうか?
教育は、貧困をはじめ、その他多くの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に重要な役割を担っているといわれています。
質の高い教育を受けることができれば、貧困への負のスパイラルを断ち切ることができるのです。
女性への学校教育は特に良い効果があることが認められています。
例えば、教育を受けた女性は健康的で、子どもの数が少なく、家計収入を増やす機会を多く持つことができます。
そのような女性の子どもは栄養状態もよく、他と比べて健康なことがいいため、死亡率が低いようです。
すべての女性が初等・中等教育を受けれらることができれば、出産時の死亡率・子どもの死亡率を現状から50%以上減らせるともいわれています。
それほど「4.質の高い教育をみんなに」の目標を達成することは、インパクトの大きいことです。
それでは、具体的にどのような目標(ターゲット)を掲げているのでしょうか?
SDGs目標「4.質の高い教育をみんなに」のターゲットとは?

目標4にあげられているターゲットのポイントは以下のようにまとめれらます。
・男女問わずすべての子どもが、幼稚園や保育園に通って、小学校に上がる準備ができ、小学校・中学校では公平で質の高い教育を無料で受けて卒業できるようにする。
・大学を含めた高等教育や技術や職業に関する専門教育も、無理のない支払いで受けられるようにして、技術や能力を備えた若者やおとなを増やしていく。
・教育の男女差別をなくすこと、障がいがある人や先住民族の人たちなど、厳しい立場にいる子どもにも、どの段階でも平等に教育を受けられるようにする
・すべての若者や大半のおとなが、男女ともに、読み書きや計算ができるようにする。
・すべての人が教育を受けられるようになり、みんなが持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられるようにする。
開発途上国も先進国もすべての人が教育を受けられる世界にして、教育格差を解消・改善することを目指しています。
以下がターゲットの一覧です。
4.1 | 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。 |
4.2 | 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。 |
4.3 | 2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。 |
4.4 | 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 |
4.5 | 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。 |
4.6 | 2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。 |
4.7 | 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。 |
4.a | 子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。 |
4.b | 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。 |
4.c | 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。 |
企業の取り組み事例

では、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか?
教育については、政府をはじめ教育機関やNGO法人など一般の企業ではない組織や団体の活動が活発です。
「4.質の高い教育をみんなに」に取り組む企業も多数あります。
海外の開発途上国に支援している企業、国内に支援している企業をそれぞれご紹介いたします。
パナソニック

SDGs目標「4.質の高い教育をみんなに」に取り組んでいる企業の中で、取り組み内容が最もよく知られてる企業の一つです。
途上国を中心に無電化や電力供給設備に難がある国や地域にソーラーランタンを寄贈するものです。
無電化地域にくらす人々は世界に8億人いるといわれ、あかりがないため、夜間の活動が制約されてしまいます。
家庭での生活をはじめ、保健医療や教育、ジェンダーなどの面において、さまざまな課題を抱えています。
教育の面では、読み書きができない成人を対象に学校を開催していますが、授業が始めるころには真っ暗になってしまいます。
そんな中でソーラーランタンの光が頼りになっているそうです。
現在は、リサイクル募金として、提携会社の本やCD・DVDなどの買取金額でソーラーランタンを購入し、支援団体に寄贈しています。
ケイウノ

オーダーメイドを含むジュエリー・時計の製造販売を行っている「ケイウノ」
次世代のクリエイターの育成支援に取り組んでいます。
ジュエリー作成に使われる原型。ロウ素材の「ワックス」を使用していますが、今までは、使用後の端材はゴミとして破棄していました。
再度、端材を溶かして綺麗な形に固めて利用できるようにして、専門学校の入学生135名に無償提供しました。
エファタ

士業向けのサイト制作・運営をしている「エファタ」
自社のIT技術や知見を活かして、子どもから大人まで誰にでも役に立つ、法律・税金・お金に関する知識を提供するポータルサイトや自社運営のサイト、YouTubeチャンネルを開設し運用しています。
特に生活に必要な知識(法律・税金・お金)は、大人になると進んで学ぶ必要があるうえに、最新の知識を得ることはなかなか難しいことです。
日本の中でも格差は開いている中で、生活に困窮する人が適切な知識がないばかりに、各種の給金制度や生活保護制度などを受けられず苦しんでいることも多いようです。
エファタでは、以下の活動を通して、「4.質の高い教育をみんなに」の実現に貢献する活動をしています。
・子どもから大人までの教育(お金・法律・税金分野)
https://www.effata.co.jp/sdgs
・法律・税務問題で困った方への、適切な法律・税務の知識の提供、および専門家の情報提供
・従業員が健康で働きやすい職場の実現
・IT技術およびWEBによる社会問題の解決
文部科学省や消費者庁が運営するサイトにも教材を提供していています。
最後

いかがでしたでしょうか?
「質の高い教育をみんなに」と一言でいっても、教育に関する問題だけでなく様々な問題が相互に絡み合っていたり、根底にあったりで複雑です。
だからこそ、一人ひとりが認識して意識することが大事な活動といえるのではないでしょうか?
紹介した企業も、自社の特性を生かして、継続できる範囲で、できることを確実にやっています。
あなたの事業で「4.質の高い教育をみんなに」を取り入れるヒントになれば幸いです。

私たちLife Crayon Styleも「4.質の高い教育をみんなに」の活動に取り組んでいます。
海外に学校を建てるプロジェクトを実行しました。
詳細はこちらの記事にありますので、併せてご覧ください。
社会貢献活動に取り組んでいきたい!どうやって学校建てたの?など、
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