2025.01.05 起業ガイド

起業1年目の売上平均は?赤字になる企業の割合や起業1年目で失敗しない方法を解説

起業1年目の売上平均は?赤字になる企業の割合や起業1年目で失敗しない方法を解説

起業1年目は売上が上がりにくいといわれていますが、具体的な売上平均を知りたいと思う人も多いでしょう。

本記事では、起業1年目の売上平均と2年目で目指す売上、起業1年目で失敗しない方法などを解説しています。
起業1年未満の方やこれから起業する予定の方は、ぜひ参考にしてください。

起業1年目の売上平均は100万円未満

引用元:第2-2-47図 男女別の起業家の個人所得|中小企業庁

中小企業白書の「男女別の起業家の個人所得」では、過去1年間に職を変えた、または新たに職に就いた方の中で、現在自営業主(※)となっている方の個人所得について触れています。
(※)内職者は含みません。

データによると、起業1年目の売上平均は男女ともに100万円未満が最も多く、起業1年目は売上を上げにくいことが確認できました。

とくに女性は、100万円未満の割合が約7割を占めており、厳しい状況が浮き彫りになっています。
このデータは2012年のものであるため、現在の状況は多少異なっている可能性がありますが、起業1年目から大きな売上を上げることは一般的に難しいといえるでしょう。

起業2年目は売上アップを目指すべき

起業1年目の売上平均は100万円未満ですが、起業2年目は売上アップを目指すことが大切です。

起業2年目になっても売上が伸びないと、事業の存続が困難になるリスクがあります。
2年目になっても売上が上がらない場合、起業前に貯めておいた資金を取り崩す必要が出てくるかもしれません。

資金に余裕がある場合は一時的に耐えられるかもしれませんが、十分でない場合は生活の負担が増し、事業の継続が難しくなるでしょう。
また、将来的に銀行融資や国からの助成金を受けたい場合も、2年目以降の売上成長を意識することが必要です。

起業1年目で赤字になる企業は全体の6割

引用元:創業の実態に関する調査 報告書|東京商工会議所

東京商工会議所が2014年に公開した「創業の実態に関する調査報告書」によると、起業1年目で赤字になる企業は全体の6割に上ることが分かりました。

ただし、この調査では個人事業主は全体の22.8%しかいない上に、事務所を構えている割合が73.9%に達しています。

起業1年目からいきなり法人化したり店舗や事務所を構えたりすると、初年度は赤字になりやすいと判断できるため、まずは小さく起業すると良いでしょう。

起業後黒字になるまでの年数は3年ほど

引用元:創業の実態に関する調査 報告書|東京商工会議所

東京商工会議所が2014年に公開した「創業の実態に関する調査報告書」によると、起業後黒字になるまでの平均年数は3年ほどです。

起業2年目では、黒字・収支トントン・赤字の割合が同じになっており、起業3年目には全体の7割が黒字または収支トントンに達しています。
起業1年目の売上が厳しい場合でも、売上アップを意識して事業を進めれば、3年目には持ち直せる可能性が高いでしょう。

起業1年目で失敗しないためのポイント


起業1年目で失敗しないために押さえるべきポイントは、次のとおりです。

  • 初期費用や固定費を抑える
  • まずは個人事業主から始める
  • 小さな実績を積み重ねる
  • 相談相手を見つける
  • 適度に休息をとる
  • 売上だけでなく利益も重視する
  • 取引先を複数持つ
  • リピーターを増やす
  • SNSやブログも活用する

まずは小さく初めて支出を抑えつつ、利益が上がる仕組みを構築していきましょう。

起業1年目で失敗しないためのポイントを、詳しく解説します。

初期費用や固定費を抑える

起業1年目で失敗しないためには、初期費用や固定費を抑えることが重要です。
高額な初期費用や固定費は、起業1年目の売上が安定しない時期には大きな負担となり、事業が軌道に乗る前に資金が尽きるリスクを高めます。

家賃や人件費はとくに負担が大きいため、最初は店舗を持たず、1人で運営できるビジネスを始めることがおすすめです。

実際、日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業時に1人でビジネスを始めている人は全体の44.9%に上ります。

引用元:「2023年度新規開業実態調査」|日本政策金融公庫

多くの起業家がリスクを抑えるために、最初は小規模でスタートして事業の安定を図っていると予測できるため、ビジネスは小さく始めることが大切です。

小さいビジネスから始め、事業が軌道に乗ってきたら店舗を構えたり従業員を雇ったりすることで、リスクを最小限に抑えながら事業を拡大できるでしょう。

1人でもできるビジネスについて詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
>>一人で起業できる仕事は?おすすめビジネスモデルと一人起業のメリット・デメリットを解説

まずは個人事業主から始める

起業1年目で失敗しないためには、まずは個人事業主から始めることが大切です。

いきなり法人化して起業すると、登記費用が最低10万円ほどかかる上に、事業が赤字でも年間数万円の法人住民税を支払わなくてはいけません。

このような法人化に伴う費用は、売上が安定しない起業1年目では大きな負担になる可能性が高いため、まずは個人事業主から始めることがおすすめです。
個人事業主であれば、開業時にかかる費用はなく、資金繰りに余裕がない場合でも無理なくスタートできます。

なお、法人化を検討する基準は売上1,000万円ほどだといわれているため、一つの目安にしてみてください。

小さな実績を積み重ねる

起業1年目で失敗しないためには、小さな実績を積み重ねることが重要です。
起業直後に大きな仕事を受注できるケースはまれで、たとえ高額な仕事を取れたとしても、準備や経験が不十分なままでは期待に応えることは難しいでしょう。

実力以上の仕事を無理に受注すると、価格に見合わない成果となり、信頼を損ねるリスクがあります。
いきなり大きな仕事を目指すのではなく、自分の実力に見合った仕事を受注し、実績を積み重ねていきましょう。

小さな実績を着実に積み重ねることで信頼性が増し、次第により大きな仕事の依頼も来るようになります。

相談相手を見つける

起業1年目で失敗しないためには、気軽に相談できる相手を見つけましょう。
起業1年目は売上が安定せず、不安になりやすいため、1人で抱え込むと挫折しやすい傾向にあるからです。

起業家仲間や専門家のような相談相手がいれば、悩みを迅速に解決できます。
相談できる人がいるとモチベーションも維持しやすいため、起業直後の不安定な時期こそ相談相手を見つけることが重要です。

起業家仲間は起業家向けオンラインサロン、専門家はコンサルティングを利用すれば見つかります。
同じ境遇の人と交流しながら相談したい場合は、オンラインサロンの利用がおすすめです。

自分の悩みを徹底的に解決し、ビジネスについて手取り足取り教えてほしい場合は、コンサルティングを利用すると良いでしょう。

起業家向けオンラインサロン・コミュニティについて詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
>>起業家コミュニティとは?参加するメリット・デメリットや選び方を徹底解説

適度に休息をとる

起業1年目で失敗しないためには、適度に休息をとることも大切です。
起業直後は売上を上げようと無理しがちですが、休みをまったくとらない働き方は心身に不調をきたします。

無理をして体を壊しては元も子もないため、適度に休息をとるように心がけましょう。
適度な休息があるとインプットの時間も設けられ、自身のスキルアップにも繋がります。

売上だけでなく利益も重視する

起業1年目で失敗しないためには、売上だけでなく利益も重視しましょう。
いくら売上が上がっていても、経費が多く利益が少ないようでは、効率よく事業を運営できているとはいえません。

売上のわりに利益が少ない場合は、無駄な経費がかかっていないか、価格を安く設定しすぎていないかなどを確認し、改善しましょう。

取引先を複数持つ

起業1年目で失敗しないためには、取引先を複数持ちましょう。
1社とのみ仕事をしている場合、その会社との取引が終了すると売上が0になってしまうからです。

取引先を複数持っていれば、1社との取引が終了しても売上の減少を抑えることができます。
取引先を複数持つことは、売上を安定させるうえで非常に重要なため、無理のない範囲で取引先を増やしていきましょう。

リピーターを増やす

起業1年目で失敗しないためには、リピーターを多く持つことが重要です。
リピーターが多いと売上が安定し、事業を長期的に存続させやすくなります。

なかなかリピーターがつかない場合は、サービス面や価格に問題がないか再確認してみましょう。
競合他社の価格やサービスをリサーチし、自社ならではの強みを作ることで、リピーターがつきやすくなります。

SNSやブログも活用する

起業1年目で失敗しないためには、SNSやブログを積極的に活用することが大切です。
起業直後の認知度が低いときこそ、集客に力を入れる必要があります。

SNSやブログは無料で利用できるものが多く、資金に余裕がない1年目の起業家にとって、非常に効果的な集客手段です。
最初は複数のSNSを運用し、その中でうまくいったものに注力することで、より効率的に集客を行えます。

起業1年目は売上が上がりにくい!まずは小さく始めよう


起業1年目の売上平均は100万円未満になることが多く、初年度から売上を上げることは容易ではありません。
起業1年目で赤字になる企業は全体の6割に達しているという調査結果もあり、少しでも赤字リスクを減らすためにも、小さく起業することが大切です。

まずは個人事業主から始め、1人でも起業できるビジネスモデルを選べば、起業1年目の厳しい時期を乗り越えやすくなります。
起業1年目で挫折しないためには、信頼できる相談相手を見つけることも大切です。

起業家向けオンラインサロンで仲間を見つけたり、専門家にコンサルティングを依頼したりすれば、疑問を解決しながらモチベーションも維持できます。

L.C.S.は、起業したい方をサポートする経営コンサルティング会社です。

起業家向けオンラインサロンやコンサルティング、起業実現のサポートなど、さまざまなサービスを提供しているため、ぜひ気軽にお問い合わせ・お申し込みください。
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