2025.11.23 起業ガイド
臨床心理士の起業ガイド-市場ニーズ分析と副業から始める3ステップ
Index
臨床心理士として働く中でやりがいはあるものの、給与の頭打ちや働き方の制約に不安を感じ、「このまま勤務を続けていても、将来が見えない」そんな閉塞感を抱えていませんか?
臨床心理士の資格は、収入と信頼を両立できる強力な武器です。
メンタルヘルス需要が高まる今、副業から小さく始め、理想の働き方を手にすることも決して夢ではありません。
この記事では、臨床心理士がなぜ今「起業」を考えるべきなのか、成功事例・副業ステップ・不安の乗り越え方を具体的なデータとともに解説します。
今日から小さく始めて、確かな一歩を踏み出してみてください。
臨床心理士が起業できる3つの理由とは?市場の実態
日本社会では今、メンタルヘルスに関する課題が深刻化しています。
こうした社会課題の解決に、臨床心理士という専門家への期待が急速に高まっています。
この章では、なぜ今、臨床心理士が起業や副業を検討すべきなのか、3つの社会的背景から解説します。
背景1.うつ病患者の増加が示すメンタルヘルス支援の必要性
厚生労働省の「令和6年版厚生労働白書」によると、精神疾患を有する患者数は2000年代以降、右肩上がりで増加しています。

気分障害(うつ病等)が主要な精神疾患として位置づけられており、気分障害の外来患者数は、調査開始当初から一貫して増加傾向です。
こうした人たちへの心理支援ニーズが今後も拡大し続けると考えられます。
社会全体がストレスフルな環境にさらされる中、臨床心理士という専門家への期待は、これまで以上に高まっています。
背景2.自殺対策から見えるメンタルヘルス専門家への期待
厚生労働省「令和6年版自殺対策白書」では、自殺者数の年次推移がまとめられています。
1998〜2003年頃に年間自殺者数が3万人超まで増加したのち、長期的には減少傾向となり、2010年代後半には2万人台前半まで低下しました。
しかし、新型コロナ以降(2020年以降)は一部の年で増加がみられ、特に女性や若年層の自殺が社会課題として浮き彫りになっています。

厚生労働省「令和6年版厚生労働白書」p.2
予防的支援の重要性がますます高まっており、臨床心理士にはカウンセリングだけでなく、地域や職場での予防教育や相談体制づくりといった役割も期待されています。
背景3.企業のメンタルヘルス対策義務化と臨床心理士の役割
厚生労働省の令和5年調査によると、仕事や職業生活に関する「強い不安・悩み・ストレス」を感じる労働者の割合が8割超(82〜83%)と高水準です。
また、メンタルヘルス不調により1か月以上休業した労働者や退職に至った労働者の割合を見ると、職場におけるメンタルヘルス課題の深刻さが分かります。
こうした課題を踏まえ、常時50人以上の労働者がいる企業には年1回のストレスチェックが義務化されており、産業医等とともに外部のメンタルヘルス専門家が活用されています。
富士キメラ総研「健康経営/データヘルス計画関連サービスの国内市場調査(2025年発表)」では、メンタルヘルス相談ニーズが今後も高まると予測されており、臨床心理士が企業顧問・研修講師・コンサルタントとして関わる可能性が広がっています。
臨床心理士の起業で求められる役割を解説
この章では臨床心理士・公認心理師の基本的な役割を説明し、起業後にどんな仕事ができるのかを整理します。
公認心理師と臨床心理士
公認心理師は公認心理師法に基づく国家資格で、臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。
取得ルートとしては、公認心理師は指定大学院修了または実務経験ルート、臨床心理士は指定大学院修了など厳格な受験・取得要件があります。
いずれも業務内容に大きな違いはなく、心理検査、面接、観察などのカウンセリング行為自体は可能ですが、診断書作成や投薬などの医療行為は行えません。
しかし「臨床心理士」「公認心理師」の肩書きは、独立時には、強力な信頼の証となり、専門性の証明として大きな価値を持ちます。
臨床心理士が活躍できる主な場所と業務範囲
臨床心理士の働く領域は多岐にわたります。代表的な4つの分野は以下の通りです。
起業後は、これらの活動領域の中から自分の得意分野を選び、専門性を活かしたサービスを提供しましょう。
今の時代に求められる臨床心理士の役割とは
厚生労働省は産業や地域への健康を支えるために、医療現場を越えた心理専門家の直接的な関わりを推奨しており、臨床心理士にも、単なるカウンセリング以上の活躍が期待されています。
パーソル総合研究所の調査では、メンタルヘルス不調を経験した人のうち、職場に相談したのは約2人に1人にとどまり、相談しなかった層では退職率が高いという結果が示されました。
職場や外部専門家への相談・支援体制の重要性の観点から、現代の臨床心理士には職場・学校・地域での予防的支援や相談体制づくりへの関与が求められています。
臨床心理士の起業モデル3パターン-それぞれの特徴と料金相場
臨床心理士の資格は、「医療×信頼×発信力」を兼ね備えた強力な資産となります。
専門知識をビジネスとして展開するには、収益モデルを明確にする作業が必要です。
モデル①対面カウンセリングルーム・オンライン・自宅開業
まず一つ目のモデルはカウンセリングルームを構えるスタイルです。
対面ルーム開業、オンライン専門、自宅開業の3つの選択肢があります。
対面ルーム開業は、テナント契約や内装、集客が必要ですが、信頼感と専門性を打ち出しやすいメリットがあります。
料金相場は1回50〜60分で6,000〜10,000円程度、都市部では1万円前後も一般的です。
オンライン専門は、初期投資が少なく全国対応が可能になります。
料金相場は1回45分で4,000〜6,000円程度です。
自宅開業は、コストを最小限に抑えられますが、プライバシーや近隣への配慮といった顧客を周囲の目から守る工夫が必要となります。
カウンセラーの元に相談に来る顧客は心理面で多くの不安を抱えているため、どのような形で相談を受けるかという意識が欠かせません。
モデル②出張カウンセリングと料金設定のポイント
2つ目は、顧客宅・カフェ・レンタルスペース等への出張型カウンセリングです。
向いているケースとしては、外出困難な方、家族支援、高齢者ケアなどが挙げられます。
料金相場は、対面より高めに設定されることが多く、例えば、「くれたけ心理相談室」では、訪問カウンセリング(訪問(出張)カップルカウンセリング)を「120分16,500円+交通費(無料エリア外)」など、時間単価に交通費分を上乗せした料金設定としています。
出張カウンセリングは、移動時間・交通費がかかる分、対面より高めに設定されることが一般的です。
外出が困難な人や家族支援を含めたいケースなど、顧客が求める場面で料金を設定しましょう。
モデル③企業向けメンタルヘルス支援
3つ目は、企業のメンタルヘルス義務化の流れとニーズに応えるBtoBモデルです。
常時50人以上の労働者を使用する事業場は年1回のストレスチェック実施が義務化されており、外部のメンタルヘルス専門家が活用されています。
MIC総研の調査では法人向けヘルスケアソリューション市場のうち、ストレスチェック・メンタルヘルス系サービスは2023年度39.5億円で前年比27.8%増という結果が出ました。
顧問契約、従業員面談、研修講師、仕組みづくり支援など、BtoBモデルのメリットは、安定収入と単価の高さにあります。
企業側の対策が義務づけられていること、市場が拡大していることを踏まえると、今後も需要の拡大が見込めますので、個人カウンセリング以外の収益源として、ぜひ検討してみてください。
「起業をするのにサポートがほしい」
「起業に必要なことを知りたい」
そんなお悩みもあるかと思います。スタートアップアカデミーでは、公式LINEで無料相談会を実施しています。
ほかにも起業に役立つ特典のプレゼントやコンテンツの配信も実施しています。
「起業をしてみたい!」と思っている方は、ここから一歩踏み出してみませんか?
臨床心理士起業を副業から始める-成長3ステップ
臨床心理士として起業する場合、資格を持つだけでは顧客は集まりません。
「この人に相談したい」と思ってもらうには専門性を示す信頼の土台づくりが不可欠です。
また起業した後の自身の心を守る意識も重要です。ここでは着実に成長するためのステップを紹介します。
ステップ1:SNS発信で見込み客を育てる基本戦略
総務省の調査によると、SNS利用経験者の割合は80.8%、10〜40代ではおおむね9割前後がSNSを利用しています。
また、ICT総研の調査では、LINEやYouTube、X(旧Twitter)、Instagramなど主要SNSの利用状況も示されており、複数チャネルを組み合わせることが重要です。
こうしたSNS別の利用者や年代層をターゲットに、「臨床心理士だからこそ提案できる価値」を打ち出しましょう。
例えば「不安との上手な付き合い方」などの心理学の知識を日常に落とし込んだ投稿や、「臨床心理士が教える、自己肯定感を育てる3つの習慣」など、専門性を示すシリーズ投稿が有効です。
発信を通じて、「この人の話を聞いてみたい」と思ってもらえる信頼関係を築くことが、集客の第一歩となります。
ステップ2:noteやブログで有料コンテンツ販売で収益化
note公式「数字でわかるnoteの現在地」では、有料課金の形式(単発有料記事・マガジン・メンバーシップなど)が紹介されており、有料記事でのマネタイズが一般的になっています。
note有料記事の価格範囲は最低価格100円、最大5万〜10万円で、一般的な価格相場は数百円〜数千円です。
初心者の方は数百円程度の価格設定から始めて、まず反応と手ごたえをみましょう。
無料記事で考え方・共感ストーリーで土台を作り、有料記事で日常でできるメンタルヘルスの具体的ノウハウを提供することで、カウンセリング以外の収益源を確保できます。
ステップ3:自分が孤独にならないためのコミュニティ活用術
起業したものの、経営負担や顧客から受けるメンタル負荷から臨床心理士自身が精神的に不調をきたすケースがあります。
J-Stageは、心理臨床家は様々なストレスにさらされており、特に「二次的外傷性ストレス」は大きなリスクであると指摘しています。
開業臨床心理士協会では、開業臨床心理士を対象とした任意団体で、相互の研鑽や情報交換、研修会などを実施しています。
こうした意専門家コミュニティに所属し、先に開業している臨床心理士に話を聞く、講座・コミュニティに入るといった「自分も守る」工夫も大切です。
まとめ:臨床心理士だからこそ描ける、新しいキャリアの可能性
臨床心理士の資格は、医療知識の専門性と資格の信頼を併せ持つ職業です。
メンタルヘルス需要が高まる現代で求められているのは、資格の安定性に頼るだけの働き方ではなく、社会の課題を解決する働き方です。
教育発信やコンサルなど、臨床心理士が築けるキャリアの可能性は想像以上に広がっています。
まずは副業から、より多くの人の心のケアを行いながら、自分の大きなキャリアを築く一歩を踏み出してみてください。
「自分にも起業できるか不安…」「まずは話だけ聞きたい」と思っている方もいるでしょう。
起業スクールのスタートアップアカデミーは、公式LINEで起業に役立つ特典やコンテンツの配信、無料起業相談会も実施しています。
「起業して本気で人生を変えたい!」と思う方は、まずは一歩踏み出してみませんか?
◯関連記事
・【LINEカウンセリングで起業】資格なしでも「売れる」カウンセラーになる方法
・【産業カウンセラーの起業】稼げないは嘘!法人契約で成功する5ステップ


