2026.07.28
小さな居酒屋の開業資金|少席モデルの内訳
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「自分好みのお店で、小さくても居心地の良い居酒屋を開きたい」——そんな夢を持ちながらも、開業資金の壁にぶつかって諦めていませんか?一般的に居酒屋の開業には1,000万円以上かかると言われますが、適切な工夫を行えば、10〜20席の小規模な居酒屋であれば300万〜800万円程度の初期投資で開業が可能です。
本記事では、プロの目線から10〜20席の小規模居酒屋の開業に必要な資金の内訳から、居抜き物件を活用した費用削減テクニック、厨房機器の選び方、失敗しない資金調達や運転資金の計算方法までを網羅的に解説します。
10〜20席の小さな居酒屋を開業する資金相場と内訳
10〜20席規模の小さな居酒屋を開業する場合、必要な資金の総額目安は300万円〜800万円です。
スケルトン物件(何もない状態)から内装を全て作り込むと800万〜1,000万円を超えてしまうケースもありますが、前店舗の設備が残る「居抜き物件」や中古設備を活用することで、300万〜500万円前後まで抑えることができます。
一般的な開業資金の内訳とその目安額は以下の通りです。
- 物件取得費(50万円〜150万円):保証金・敷金・礼金・前家賃・仲介手数料など
- 内装・設備工事費(100万円〜300万円):電気・水道配管工事、内装クロス、カウンター造作など
- 厨房設備・備品費(50万円〜150万円):業務用冷蔵庫、コールドテーブル、製氷機、フライヤー、調理器具など
- 什器・備品費(30万円〜80万円):テーブル・椅子、食器類、レジスター、看板費用など
- 開業準備費(30万円〜100万円):資格取得・営業許可手数料、オープン時の販促費・広告費、初期仕入れ費など
- 運転資金(50万円〜150万円):開業後数ヶ月分の家賃や人件費、光熱費などの補填資金
小規模店舗における初期費用圧縮のポイントは、「内装工事費」と「厨房設備費」をどれだけ抑えられるかにかかっています。
コスト削減の要!居抜き物件の選び方と注意点
開業費用を劇的に削減する最大の鍵は「居抜き物件(前のテナントが使っていた内装や設備が残っている物件)」の活用です。
居抜き物件を上手に活用すれば、内装工事費や設備導入費を数十万円〜数百万円単位で浮かせることができます。
ただし、状態の悪い居抜き物件を選んでしまうと、後から予期せぬ修繕費が発生するリスクもあります。契約前に以下の3つのチェックポイントを必ず確認しましょう。
1. 厨房設備の動作確認と経年劣化
業務用冷蔵庫、コールドテーブル、製氷機、ダクト(排気設備)などの大型設備が正常に動くか確認してください。
見た目が新しく見えても、内部の不具合により導入後に故障するトラブルは少なくありません。可能であれば専門の設備業者に点検を依頼するか、前オーナーに直近のメンテナンス履歴を確認しておくと安心です。
2. 造作譲渡料(ゾウサジョウトリョウ)の交渉
居抜き物件では、前のテナントから設備や内装を引き継ぐ対価として「造作譲渡料」が発生する場合があります。
相場は数万円〜数百万円と幅広く設定されています。退去期限が迫っている物件や長期間空き店舗になっている物件では、造作譲渡料の減額交渉や、無償(0円)での譲渡が可能なケースもあります。
3. エリア特性と家賃相場
愛知県・名古屋エリアを例に挙げると、栄や錦などの中心部繁華街は居抜き物件の流通量が多い反面、坪単価や保証金が高額になりがちです。
これに対し、郊外の駅前やロードサイド沿いの物件は、固定費となる家賃を抑えやすく、常連客(ローカルリピーター)を獲得しやすい魅力があります。ターゲット層に合った立地と家賃バランスを見極めることが重要です。
内装工事費・厨房設備費を限界まで抑える実務テクニック
内装費や備品代は工夫次第で大きくコストダウンできます。
限られた予算で理想のお店を作るための具体的な節約テクニックをご紹介します。
DIYできる範囲とプロに任せる範囲を明確にする
費用削減のためにDIYを取り入れる手法は非常に有効です。壁紙の貼り替え、ペンキ塗り、棚の取り付け、簡単なテーブルの塗装などは専門知識がなくても対応可能です。
一方、電気工事、水道の増設・配管工事、ガス接続工事は有資格者による施工が義務付けられているため、安全面・法律面からも必ず専門業者に施工を依頼してください。
中古厨房機器の活用
新品の業務用厨房機器は高額ですが、中古の厨房機器専門店を活用することで、新品の30%〜50%程度の価格で一式を揃えられます。
特に名古屋市内や郊外には大規模な中古厨房器具販売店が点数多く存在しており、1年間の動作保証が付いた整備済製品も多く販売されています。
看板料理に特化して設備投資を削る
提供するメニューを絞り込むことも資金削減に繋がります。
例えば、焼き鳥メインなら強力な焼き台と排気ダクトを優先し、揚物用フライヤーの導入を見送るなど、メニュー構成と連動して必要設備を最小限に留める設計にしましょう。メニュー数が限定されることで仕入れロスも減り、オペレーションの効率化という相乗効果も生まれます。
開業後の赤字に耐える!運転資金の計算方法
飲食店の開業で最も多い失敗要因の一つが「運転資金の不足」です。
開店直後から安定した売上を確保できるケースは珍しく、軌道に乗るまでに3〜6ヶ月程度の期間を要するのが一般的です。
10〜20席の小規模店舗の場合、毎月発生する固定費・変動費の目安は以下のようになります。
- 家賃:月10万円〜30万円
- 人件費(ワンオペまたはアルバイト1名):月15万円〜40万円
- 原材料費(仕入れ):月10万円〜30万円
- 水道光熱費・通信費:月5万円〜12万円
- その他雑費・販促費:月3万円〜10万円
月間のランニングコスト合計はおよそ45万円〜120万円となります。
売上がゼロであっても店舗を維持できるよう、最低でも3ヶ月分(約150万円〜360万円)の運転資金は初期準備金とは別枠で確保しておくことが推奨されます。
利用すべき資金調達制度・融資の選択肢
自己資金だけで全ての開業費・運転資金を賄えない場合は、公的融資や自治体の補助金制度を賢く組み合わせましょう。
日本政策金融公庫「新規開業資金」
新規創業者が最も利用している公的融資制度です。
担保や保証人が不要な「新創業融資制度」を組み合わせることで、比較的低い金利で無担保・無保証による資金調達が可能です。実績のない新規開業でも、実現性の高い事業計画書を作成することで融資を受けられる可能性が高まります。
自治体の創業支援制度・補助金
各都道府県や市区町村では、地域活性化を目的とした創業支援施策を展開しています。
例えば愛知県の「あいち創業支援補助金」や、名古屋市の「名古屋市創業支援資金」など、利子補給制度や返済不要の補助金・無担保融資制度が整備されています。地元の商工会議所やよろず支援拠点に事前相談することをおすすめします。
クラウドファンディングを活用したファン形成と資金獲得
「CAMPFIRE」や「Makuake」などのクラウドファンディングを活用し、開店資金の一部を集める手法も定着しています。「どんな思いで店を開くのか」というストーリーを伝えて支援を募り、返礼品(リターン)として優先予約権やお得な食事券を提供することで、オープン前から見込み客・ファンを獲得できるメリットがあります。
まとめ:事業計画書の作成から小さく始めよう
10〜20席の小さな居酒屋は、居抜き物件の選定や中古設備の活用、メニューの選別を行うことで、300万〜500万円程度の予算でも十分に開業が可能です。
夢を形にする第一歩は、具体的で根拠のある「事業計画書」を作成することから始まります。
資金計画や想定売上、原価率を数値化し、週次でシミュレーションを重ねてみましょう。お近くの商工会議所や創業支援窓口も積極的に活用しながら、理想の居酒屋開業に向けて一歩を踏み出してください。

