2026.08.05 起業ガイド
カフェ開業の厨房設備費用の内訳
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「おしゃれなカフェをオープンしたいけれど、厨房設備の購入や設置に全体でいくら資金が必要なのか分からない」
「新品で揃えるべきか、中古やリースを活用して初期費用を抑えるべきか迷っている」とお悩みではありませんか?
カフェ開業における内装工事・厨房設備費用は、物件取得費と並んで全体の初期投資の約4〜5割を占める最大の資金投入ポイントです。
メニュー構成(ドリンクメインか、本格的なフード提供か)や物件の条件(スケルトンか居ぬきか)によって費用は大きく変動しますが、知識がないまま厨房メーカーの見積もり通りに新品を一括購入してしまうと、あっという間に数百万円の資金が吹き飛んでしまいます。
この記事では、カフェ厨房に必要な設備機器リストと費用相場一覧、新品・中古・リースのメリット・デメリット比較、保健所検査を1発合格するためのレイアウト基準、コスト削減の具体的テクニック、そして設備手配からオープンまでの90日ロードマップを徹底解説します。
1. カフェ開業に必要な厨房設備リストと費用相場一覧
10〜15坪程度の一般的な小型カフェ(客席12〜15席程度)を想定した、必須厨房機器の価格相場です。
| 厨房設備・機器名 | 主な用途・役割 | 新品価格の相場 | 中古価格の相場 |
|---|---|---|---|
| 台下冷凍冷蔵庫 (コールドテーブル) |
作業台を兼ねた横型冷蔵冷凍庫。食材やドリンク仕込みの保管。 | 30万 〜 50万円 | 12万 〜 25万円 |
| 二槽シンク(流し台) | 保健所許可の必須項目。洗浄用とすすぎ用を分別。 | 6万 〜 12万円 | 2.5万 〜 6万円 |
| 独立手洗い器(L-5等) | 保健所許可の必須項目。消毒液固定器具がついた手洗い専用台。 | 2万 〜 4万円 | 1万 〜 2万円 |
| キューブアイス製氷機 | アイスコーヒーや冷たいドリンク用の氷を常時自動生成。 | 25万 〜 45万円 | 10万 〜 20万円 |
| 商業用エスプレッソマシン &グラインダー |
カフェラテやエスプレッソの抽出(1〜2グループ)。 | 80万 〜 200万円 | 40万 〜 100万円 |
| グラス・食器洗浄機 | 洗入効率化と高温殺菌。ピーク時のオペレーション短縮。 | 40万 〜 70万円 | 18万 〜 35万円 |
| ガステーブル / IH調理器 +排気フード |
フードメニュー(パスタ、カレー、ホットサンド等)加熱。 | 15万 〜 40万円 | 6万 〜 20万円 |
2. 「新品」「中古」「リース」のメリット・デメリット比較
資金状況と機器の故障リスクを天秤にかけて調達手段を選択しましょう。
| 調達方法 | メリット | デメリット | おすすめの対象機器 |
|---|---|---|---|
| ① 新品購入 | ・最新省エネ仕様で電気代が安い。 ・メーカー保証(1〜2年)付きで故障時も安心。 |
・初期の現金出費が非常に大きい。 | 電気代に直結する大型冷蔵庫、衛生面が命の製氷機。 |
| ② 中古購入 (テンポス等) |
・新品の30〜60%オフで購入可能。 ・所有権が手に入るため途中の処分も自由。 |
・保証期間が短い(1〜3ヶ月程度)。 ・型落ちで電気代が高くなる場合がある。 |
ステンレス作業台、シンク、調理器具、ショーケース。 |
| ③ リース契約 | ・初期費用(頭金)ゼロで導入可能。 ・月額費用として全額経費処理できる。 |
・支払総額が購入より高くなる。 ・中途解約が原則不可(審査あり)。 |
高額なエスプレッソマシン、業務用食器洗浄機。 |
3. 保健所の飲食店営業許可をクリアする「レイアウト基準」
設備を買い揃えても、保健所の施設基準を満たしていなければ営業許可が下りず、オープンできません。
- ① 二槽シンク(2槽以上の流し台)の設置: 幅1200mm以上・深さ180mm以上の2つの槽がある流し台(または一槽シンク2台)を配置すること。
- ② 独立した従業員用手洗い器の設置: 厨房内およびトイレに、調理器具洗い用とは別の「手洗い専用シンク(L-5等)」を設置し、L-S型の固定用薬液容器を取り付けること。
- ③ 扉付きの食器棚(保管庫): 洗浄後の食器やグラスにホコリや害虫がつかないよう、戸(扉)のついた保管棚を用意すること。
- ④ 冷凍冷蔵庫への温度計設置: 外から温度が確認できるデジタル温度計または内部温度計が設置されていること。
- ⑤ フード周りの排気・換気設備とグリスフィルター: ガスコンロや熱源の上部に、油煙を吸引するフードおよび不燃性のグリスフィルターを設けること。
※自治体(担当保健所)によって細かなローカルルールが存在するため、「図面段階(工事発注前・機器購入前)」で必ず保健所へ事前相談へ行くことが鉄則です。
4. 厨房設備費用を劇的に抑える「5つの削減テクニック」
クオリティを落とさずに初期費用を100万円以上カットする実務アプローチです。
- 「居ぬき物件」の厨房設備を部分譲渡してもらう: 前の店舗(カフェ・バー等)のシンク、コールドテーブル、排気フードなどをそのまま引き継ぐ(造作譲渡)ことで、設備費と施工費を丸ごと節約する。
- 「ハイブリッド調達」を徹底する: 保健所基準に関わる「ステンレス作業台・シンク」は中古品。壊れると営業停止になる「製氷機・冷蔵庫」は新品または高年式中古。高額な「エスプレッソマシン」はリース、と調達先を分ける。
- 業務用ではなく「高耐久の家庭用・準業務用」で代替する: 提供数が限られる小型カフェの場合、電子レンジやトースター、小型ミキサーなどは家電量販店で買える高耐久モデルを採用してコストを1/3にする。
- 厨房機器の「寸法(サイズ)」を統一して施主支給する: 施工業者に機器手配を丸投げせず、ネットや中古店で自分で購入(施主支給)して搬入・設置してもらう(※搬入工賃の事前確認が必要)。
5. 開業後の「メンテナンス費用」と故障リスクへの備え
厨房機器は「買ったら終わり」ではありません。日々の維持管理計画が必要です。
・製氷機・冷蔵庫のフィルター清掃の習慣化: 凝縮器(フィルター)にホコリが溜まると冷却効率が落ち、コンプレッサーが焼き付いて数十万円の修理費が発生します。月1回の清掃を徹底しましょう。
・エスプレッソマシンの水取りフィルター(軟水器)交換: 水道水のカルキ・カルシウム固着はボイラー故障の最大の原因です。年1回の軟水器カートリッジ交換を怠らないこと。
・突発修理用の「積立金」の確保: 開業初期から月1万〜2万円を「厨房機器修繕費」としてストックしておきます。
6. 厨房設備手配から開業までの「最初の90日」ロードマップ
メニュー決定から保健所相談、機器搬入、本開店までの実践スケジュールです。
- 【第1〜30日:メニュー決定と必要機器リストの抽出・保健所事前相談】
提供するドリンク・フードメニューを確定。必要な機器(サイズ・容量)をリスト化。平面図を持って管轄保健所へ行き、シンクや手洗い器の配置基準を点検する。 - 【第31〜60日:調達方法の選定(新品/中古/リース)と物件工事連携】
テンポスや厨房メーカーから相見積もりを取得。リース審査や中古品の発注を完了させる。内装業者と給排水・ガス・電気容量(単相/三相200V等)の仕込み工事を進める。 - 【第61〜90日:機器搬入・保健所実地検査と試運転】
厨房機器を搬入・設置。保健所の担当者による実地検査をクリアして「飲食店営業許可書」を受領。エスプレッソマシンのキャリブレーションや調理オペレーションの試運転を行い、本開店を迎える。
まとめ:必要な機能を絞り込み、賢く厨房を作り上げよう
カフェ開業の厨房設備費用を最適化するための本質は、すべての機器を新品で買い揃えることではなく、「保健所の営業許可基準(二槽シンク・手洗い器等)を図面段階で確実にクリアすること」「新品・中古(テンポス等)・リースを組み合わせたハイブリッド調達を行うこと」「居ぬき設備や施主支給を上手に活用して手元資金を残すこと」にあります。
最初から巨大で豪華な厨房を作る必要はありません。
まずは今週、自店で提供したいメニューに必要な機器を1枚のノートにリストアップし、近所のリサイクル厨房ショップ(またはWebサイト)で中古価格の相場を調べることから、失敗のない厨房づくりの第一歩を踏み出してみましょう。

