2026.09.29 起業ガイド
ガソリンスタンドの個人経営は可能?始め方と費用を解説
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「地元のガソリンスタンドがなくなると聞いた。自分で引き継げないだろうか」
「でも、ガソリンスタンドの個人経営なんて、大企業でないと無理では?」
そんなふうに感じていませんか?
確かに、ゼロから新しいスタンドを建てるには、数千万円以上の費用がかかります。
ただし、今あるスタンドを引き継ぐ方法なら、個人でも経営を始められる可能性があります。
地方では、スタンドがなくなって困る地域が増えているからです。
この記事では、国のデータをもとに業界の現状を説明します。
そのうえで、必要な資格と許可、費用、燃料以外で稼ぐ方法を解説します。
読み終えるころには、自分に合った参入の仕方が見えてくるはずです。
データで見るガソリンスタンドの現状
まず、業界の今を数字で確認しましょう。
| 項目 | 令和6年度末 | 令和7年度末 |
|---|---|---|
| 給油所(SS)数 | 27,009か所 | 26,412か所 |
| 揮発油販売業者数 | 12,113事業者 | 11,832事業者 |
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「令和7年度末揮発油販売業者数及び給油所数」
1年間で597か所のスタンドが減りました。
理由は、燃費の良い車が増えてガソリンが売れにくくなったことと、後継者がいないことです。
その結果、町内にスタンドが3か所以下しかない「SS過疎地」は、全国で381市町村にのぼります(令和7年3月末時点)。
逆に言えば、地域から「続けてほしい」と求められている仕事でもあるのです。
個人経営で始める3つの方法
ガソリンスタンドを個人で経営する方法は、大きく3つあります。
| 方法 | 初期費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| 新しく建てる | 数千万円〜1億円以上 | 土地探しから地下タンクの工事まで必要 |
| 今あるスタンドを引き継ぐ | 条件しだい | 設備と常連のお客様をそのまま引き継げる |
| 運営を任される | 比較的少ない | 石油元売や販売会社から運営を任される |
初心者におすすめなのは「引き継ぐ」方法です。
地下タンクなどの設備がすでにあるので、新しく建てるより費用と時間を大きく抑えられます。
後継者を探しているスタンドは、各地の事業承継・引継ぎ支援センターや、ガソリンスタンドの引き継ぎを専門に扱う仲介会社を通じて探せます。
必要な資格と許可
ガソリンは、消防法で「危険物」に指定されています。
そのため、資格と許可がそろわないと営業できません。
1つ目は、危険物取扱者(乙種第4類)の資格です。
スタンドには、この資格を持つ危険物保安監督者を置く義務があります。
セルフ式でも、資格を持つ人が必ずお店にいなければなりません。
2つ目は、揮発油販売業の登録です。
ガソリンを売るには、経済産業局などへの登録が必要です。
関東経済産業局の申請案内で手続きを確認できます。
3つ目は、消防署への許可や届出です。
新しく建てる場合は「危険物製造所等設置許可」が必要です。
引き継ぐ場合も、経営者が変わったことを届け出る必要があります。
費用の目安と資金の集め方
新しく建てる場合、地下タンクなどの建設・工事費だけで1,500万〜5,000万円以上かかることが多いとされています。
許可の申請手数料は、これとは別に必要です。
引き継ぐ場合は、主に次の費用がかかります。
スタンドを買い取るか借りるための費用、最初に仕入れる燃料の代金、しばらく営業を続けるための運転資金です。
資金を集めるときは、日本政策金融公庫の創業融資を検討しましょう。
SS過疎地では、国や自治体がスタンドの維持を支援する制度もあります。
資源エネルギー庁「SS過疎地対策」もあわせて確認してください。
融資の準備は創業融資の申し込みガイドで詳しく解説しています。
燃料以外で稼ぐ仕組みを作る
ガソリンは、1リットル売っても手元に残る利益はわずかだと言われています。
そのため、燃料以外の売上をどれだけ作れるかが経営のカギです。
① 車の整備や洗車
オイル交換やタイヤ交換、洗車、車のコーティングは利益率の高いサービスです。
車検の取り次ぎを行うスタンドも多くあります。
② 灯油の配達
寒い地域では、冬の灯油配達が大きな収入になります。
高齢の方の暮らしを支える仕事として、地域から感謝されます。
③ 地域の拠点として新しいサービスを加える
EVの充電器を置いたり、日用品を売ったり、見守りサービスを行ったりする例もあります。
スタンドを「地域の生活を支える拠点」として活かす発想が大切です。
よくある質問
Q. 資格がなくてもガソリンスタンドを経営できますか?
経営者自身が資格を持っていなくても経営はできます。
ただし、危険物取扱者(乙種第4類)の資格を持つ人を必ず置く必要があります。
Q. セルフ式なら無人で営業できますか?
できません。
セルフ式でも、資格を持つ人が常にお店にいて監視する必要があります。
Q. いちばん費用を抑えられる始め方は?
今あるスタンドを引き継ぐ方法です。
地下タンクなどの設備をそのまま使えるので、新しく建てるより費用を大きく抑えられます。
まとめ
全国の給油所は2万6,412か所まで減り、SS過疎地は381市町村あります。
それだけに、地域から必要とされる事業です。
個人経営で始めるなら、新しく建てるより引き継ぐ方法が現実的です。
危険物取扱者の資格を取り、燃料以外のサービスで利益を作りましょう。
まずは地元の事業承継・引継ぎ支援センターに相談することから始めてみてください。

