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2026.10.02 起業ガイド

職人が独立したら年収は?職種別の目安と上げ方

職人が独立したら年収は?職種別の目安と上げ方

「職人として独立したら、年収はどのくらい上がるのだろう」

「会社員のままと一人親方になるのとでは、どちらが稼げるのか」——現場で経験を積んできた職人の方にとって、独立後の収入は最も気になるポイントでしょう。

職人の独立後の年収は、職種や地域、受注の仕方によって大きく異なりますが、データを見ると一人親方の平均的な年収は会社員の平均給与を上回る水準にあります。

ただし、独立すると道具代や車両費、保険料などの経費を自分で負担しなければならず、額面の年収がそのまま手取りになるわけではありません。

この記事では、職人が独立した場合の年収の目安と職種別の違い、独立後にかかる経費、そして年収を上げるための具体的な方法までを解説します。

職人が独立した場合の年収の目安

職人が独立した場合の年収を考えるうえで参考になるのが、全建総連東京都連合会の賃金調査です。同調査によると、2023年の一人親方の1日あたりの賃金(材料持ちの場合)は平均21,848円で、前年の21,731円から上昇しています。

これを年間の稼働日数に掛けて年収に換算すると約546万円となり、日本の平均給与を上回る水準です。同じ調査では、建設会社や工務店に雇用されている常用労働者の平均日当は17,929円、工事単位で請け負う手間請けでは22,871円という結果も出ています。

つまり、雇用される立場から独立して請負で働くことで、日当ベースの収入は上がりやすいといえます。

国土交通省のデータでは、建設業で働く人の約15.6%にあたる約51万人が一人親方として活動しており、職人の独立は決して珍しいことではありません。ただし、ここでの年収はあくまで売上ベースの目安であり、稼働日数や休みの取り方、地域によって実際の金額は大きく変わります。

職種別に見る独立後の年収の違い

職人の独立後の年収は、職種によっても差があります。全建総連東京都連合会の賃金調査をもとにした集計では、一人親方の職種別年収の目安として、防水工が約618万円と上位に挙がっています。また、職種別の目安では、塗装工が500万〜800万円程度、鉄筋工が約560万円、とび職や足場工が約550万円、配管工が約539万円、内装工が約529万円、大工が約517万円、電気工事士が約506万円、左官が約500万円とされています。

一方で、造園業は約418万円、溶接工は約376万円と、職種によっては平均を下回るケースもあります。

年収の差が生まれる主な理由は、専門性の高さと需要の大きさです。防水や塗装、電気工事などは建物のメンテナンスで定期的に発生する工事が多く、資格が必要な分野では担い手が限られるため単価が上がりやすい傾向にあります。

なお、会社員として働く大工の平均年収は450万円台とする集計もあり、独立によって収入を伸ばせる可能性は十分にあります。

職人が独立した後にかかる経費と注意点

職人として独立した場合、年収の額面から多くの経費を差し引く必要がある点に注意しましょう。会社員時代は会社が負担していた道具代や車両費、消耗品費などを、一人親方はすべて自分で負担します。

全建総連東京都連合会の2023年調査では、一人親方が月に負担する費用として、釘や金物代が約2万5,000円、現場の駐車場代が約1万5,000円といった金額が報告されています。このほか、車両のローンやリース代、ガソリン代、工具の購入・修理費、携帯電話代なども毎月発生します。

さらに、社会保険や税金の負担も変わります。国民健康保険と国民年金は全額自己負担となり、会社員時代のような厚生年金の上乗せもありません。また、一人親方は原則として労災保険の対象外のため、一人親方労災保険への特別加入を検討する必要があります。

インボイス制度への対応も重要な論点で、元請けから適格請求書の発行を求められるケースが増えています。独立後の手取りを正しく把握するには、売上から経費、税金、社会保険料を差し引いた金額で生活設計を立てることが大切です。

職人が独立して年収を上げるための方法

職人が独立して年収を上げるには、単価・稼働日数・受注ルートの3つを意識することが重要です。第一に、資格を取得して単価を上げることです。電気工事士、塗装技能士、建築大工技能士、施工管理技士などの資格を持っていると、対応できる工事の範囲が広がり、元請けや施主からの信頼も高まります。

第二に、元請けからの下請けだけでなく、施主から直接受注するルートを作ることです。中間マージンがなくなるため利益率が大きく向上します。ホームページやGoogleビジネスプロフィール、施工事例のSNS発信などで、地域の個人客やリフォーム需要を取り込みましょう。

第三に、取引先を分散させることです。特定の元請け1社に依存していると、仕事量や単価の交渉力が弱くなり、その取引がなくなったときのリスクも大きくなります。第四に、事業を拡大して人を雇うことです。

一人で稼げる金額には限界があるため、弟子や職人を雇って複数の現場を同時に回せる体制を作れば、年収1,000万円以上も視野に入ります。

将来的に法人化して工務店や専門工事会社として成長させる道もあります。

まとめ:職人の独立後の年収は職種と受注の仕方で変わる

職人が独立した場合の年収は、一人親方の平均で約546万円が目安で、防水や塗装など職種によってはさらに高い水準が期待できます。

一方で、道具代や車両費、社会保険料などの経費は自己負担となるため、手取りを意識した資金計画が欠かせません。資格取得による単価アップや直接受注のルートづくり、取引先の分散に取り組み、独立後の年収を着実に伸ばしていきましょう。

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