2026.02.07 起業ガイド
グランピング起業の現実|開業資金3,000万を回収し、ブーム後も勝ち残る経営戦略
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コロナ禍を経て、アウトドアブームと共に定着したグランピング。
自然の中で快適に過ごせるラグジュアリーな体験は、高単価でも予約が取れないほどの人気を博しています。
「自分も遊休地を活用してグランピング施設を作りたい」「自然に関わるビジネスで起業したい」と考える方も多いでしょう。
そこで、本記事では、華やかなイメージの裏にある経営のリアルと、個人起業家がブーム終了後も生き残り、収益を上げ続けるための具体的な戦略を解説します。
この記事を読めば、グランピング起業に必要なことや成功するまでの具体的なステップがわかります。
初期費用3,000万〜?グランピング開業の「お金」と「法律」
テント代だけじゃない。インフラ整備(上下水道・電気)の罠
グランピング開業でもっとも誤解されやすいのが初期費用です。
「ドームテント1基100万円なら、5基で500万円で始められる?」と考えてしまいがちです。
実際には、テント本体よりも、その周辺設備に莫大な費用がかかります。
まず、テントを設置するためのウッドデッキ工事、快適に過ごすためのエアコン設置工事、そして何より重要なのが上下水道と電気の引き込みです。
特に山間部などの未開拓地の場合、浄化槽の設置や電柱の敷設だけで数百万円〜1,000万円単位のコストが発生します。
さらに、管理棟やトイレ・シャワー棟の建設費を含めると、小規模な施設でも3,000万円〜5,000万円の投資が必要になるケースが一般的です。
最大の難関「旅館業法」と「農地法」の壁
グランピングは法的には簡易宿所にあたることが多く、開業には保健所の「旅館業法」の許可が必要です。
これには、フロント(玄関帳場)の設置、客室の床面積、トイレや洗面所の数など、細かい基準があります。
テントだからといって特例はありません。
また、建設予定地が「農地」の場合は「農地転用許可」が、山林の場合は「林地開発許可」が必要です。
特に市街化調整区域では、原則として新たな建築物が建てられないため、開業自体が不可能なケースもあります。
テントを買う前に、まず「その場所で営業許可が取れるか」を行政に確認することが最優先です。
高利回りの嘘とホント。実質利回りと回収期間
「利回り30%超!」といったフランチャイズの広告を見かけますが、
これは満室稼働かつ経費を含まない「表面利回り」である場合が多いです。現実はもっとシビアです。
リネン(シーツ)のクリーニング代、清掃スタッフの人件費、光熱費、予約サイトへの送客手数料(10〜15%)、そして設備の修繕費などのランニングコストがかかります。
また、平日の稼働率は週末の半分以下になるのが普通です。
これらを差し引いた「実質利回り」で計算し、何年で初期投資を回収できるか(通常は5〜7年)を冷静にシミュレーションする必要があります。
大手にはできない!個人グランピング起業の3つの勝ち筋
①超特化型コンセプト(サウナ・ペット・焚き火)
資本力のある大手リゾート企業と正面から戦っても勝てません。
個人が勝つための鉄則はニッチ特化です。
誰でも歓迎ではなく、「〇〇好きのための施設」と言い切ることで、強力なファンを作ります。
例えば、「全室プライベートサウナ付き」「大型犬と泊まれるドッグラン完備」「直火での焚き火&ブッシュクラフト専用」など。
ターゲットを絞ることで、広告費をかけずにSNSや口コミで集客できるようになり、高単価でも「そこに行きたい」という指名買いが起こります。
②1日1組限定「プライベートヴィラ」モデル
何棟もテントを建てるのではなく、あえて「1日1組限定」の貸切スタイルにする戦略です。
これにより、他のお客様との接触を避けたい層や、完全なプライベート空間を求める富裕層を取り込めます。
運営側としても、1組だけの対応で済むため、少人数のスタッフ(あるいは夫婦のみ)で回すことができ、人件費を大幅に削減できます。
管理棟やトイレも1つで済むため、初期投資も抑えられます。「スモールラグジュアリー」は、個人起業家に最適なモデルです。
③既存施設の「リノベーション・運営受託」
更地からゼロで作るのではなく、既存の建物を活用する方法です。
廃校、古民家、閉鎖したキャンプ場、あるいは企業の保養所などをリノベーションしてグランピング施設に変えます。
インフラ(水道・電気)が既に通っている場合が多く、初期費用を劇的に圧縮できます。
また、自治体が公募している「公園活用プロポーザル(Park-PFI)」に応募し、公園内での運営権を獲得するのも一つの手です。
アイデアと企画力で、安く場所を手に入れる戦略です。
失敗しないグランピング経営のための「集客」と「運営」
OTA(予約サイト)依存からの脱却と自社集客
楽天トラベルやじゃらんなどのOTA(Online Travel Agent)は集客力が高いですが、送客手数料がかかります。
利益率を高めるためには、自社サイトやInstagramからの直接予約(直販)比率を上げることが重要です。
Instagramで「映える」写真を投稿しましょう。
さらに、インフルエンサーを招待して体験記を投稿してもらったり、Googleビジネスプロフィール(MEO対策)を充実させて「地域名+グランピング」の検索で上位表示させたりと、手数料のかからない集客を行うのがポイントです。
顧客満足度を上げる「体験コンテンツ」と「食事」
リピートするかどうかは、「そこで何をしたか(体験)」と「何を食べたか(食事)」で決まります。
地元の食材を使った豪華なBBQセット、収穫体験、星空観賞ツアー、テントサウナ体験など、その場所でしかできないアクティビティを用意しましょう。
特に食事は、写真映えする盛り付けや、準備・片付け不要のサービスを提供することで、顧客満足度が大きく向上します。
オペレーションの効率化とスタッフ教育
グランピングは、ホテル並みのサービスとアウトドアの開放感の両立が求められる、難易度の高いサービス業です。
清掃、チェックイン対応、食事の配膳など、業務は多岐にわたります。
スマートロックによるセルフチェックインの導入や、清掃業務のアウトソーシング(外部委託)などで業務を効率化し、スタッフはお客様とのコミュニケーションやおもてなしに集中できる環境を作ることが、少人数運営を成功させる鍵です。
未経験からグランピングビジネスを立ち上げる5ステップ
STEP1:コンセプト設計とエリア選定
「誰に、どんな体験を提供するのか」を決めます。
ターゲット(カップル、ファミリー、ペット連れなど)に合わせて、海が見える場所にするか、森の中にするか、エリアを選定します。
コンセプトと立地の整合性が成功の第一歩です。
STEP2:事業計画書の作成と資金調達(補助金活用)
総工費の見積もりを取り、売上予測と経費計算を行い、事業計画書を作成します。
この段階で、日本政策金融公庫などの金融機関への融資相談や、「事業再構築補助金」などの補助金申請の準備を進めます。
補助金を使えば、投資額の半分以上を賄える可能性があります。
STEP3:物件探しと許認可の事前相談(保健所・土木事務所)
コンセプトに合う土地を探し、契約前に必ず役所(保健所、土木事務所、農業委員会など)へ事前相談に行きます。
「この土地でグランピングが可能か」を行政の担当者に確認し、言質を取ってから土地を購入・賃貸契約します。ここが最も重要です。
STEP4:施工・設備導入とWeb制作
許可の見込みが立ったら工事に着手します。
ドームテントの設置、デッキ工事、設備の搬入を行います。並行して、予約システムを入れたWebサイトの制作や、SNSでの発信を開始し、オープン前から予約を受け付けられる状態を作ります。
STEP5:プレオープンとプロモーション
オペレーションの不備を確認し、改善すると同時に、体験者のSNS投稿で認知を一気に広げます。
理想の楽園を作るために、まずは「地図」を描こう
グランピング起業は、土地という資産を活用し、宿泊という高度なサービスを提供し、法律というルールの中で利益を生み出す、本格的な事業への挑戦です。
初期投資が大きい分、失敗した時のダメージも大きくなります。
しかし、正しい戦略と作り込んだ計画があれば、長く愛される施設を作ることが可能です。
「自分の資金でどれくらいの規模ができるのか?」「補助金は使えるのか?」など、不安な点があれば、ぜひプロに相談してください。
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