2025.12.20 起業ガイド
インターンシップ起業で0→1フェーズを経験する4つの方法
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「将来は自分で事業を創りたいけど、学生の今、何をすべきか明確ではない」
「周りが就活に流れる中で、起業という選択肢に漠然とした不安を抱いている」
このように感じ、行動を起こしたいと思いつつも、具体的にどうすればいいかわからない学生が多いのではないでしょうか。
就活だけでは見えない起業のリアルを知りたい、経営者の視点を学びたい、事業が生まれる瞬間に立ち会いたいと考えても、数多ある求人の中から、本当に事業創造の経験が積めるインターンシップ先を見分けるのは困難です。
この記事では、将来のインターンシップ起業を見据えるあなたへ、単なる業務体験に終わらない、事業の0→1フェーズを経験するための具体的な4つの方法を解説します。
本記事を読めば、あなたの学生生活を将来の起業に向けた戦略的な準備期間に変える方法がわかります。
インターンシップで起業準備する学生が増加中の社会的背景

出典:
2025年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要|中小企業庁
中小企業白書の「経営者年齢の分布」を見ると、日本の中小企業経営者のボリュームゾーンは50〜60代に集中しており、20代の経営者はごくわずかです。
多くの人が長い会社員経験を経てから初めて0→1の事業づくりに挑戦している一方で、学生の段階で長期インターンを通じて経営者の近くで事業の立ち上げを体験できれば、将来起業する際に必要な学びを前倒しできます。
長期インターン起業志向学生のリアル
長期インターンに参加する大学生は年々増えており、「とりあえず一度は参加する」のが一般的です。
その一方で、「将来は起業したい」という意識を持ちながらも、実際に起業準備として長期インターンを戦略的に選んでいる学生はまだ少数と言えます。
起業志向の学生の多くは、社長直下ポジションや新規事業立ち上げインターンに強い関心を持ちますが、実際に任される仕事はテレアポや資料作成など、地味な業務からスタートするケースがほとんどです。
ただ、この地味な実務を通じて「売上が立つメカニズム」や「顧客の反応」を体感できた学生ほど、あとから振り返って「起業に一番効いた経験だった」と語る傾向があります。
また、学生起業そのものに成功する人はごく一部ですが、長期インターンで営業やマーケティング、プロダクト改善に関わった経験があると、卒業後にスタートアップへ就職したり、数年後に改めて起業する際に役立ちます。
就職活動と異なる起業準備で得られる経験価値
一般的な就職活動では、会社説明会や短期インターンを通じて「企業理解」や「業界研究」を深めることが主な目的です。
一方、起業準備としての長期インターンでは、顧客に価値を届けてお金をいただくプロセスに、どれだけ主体的に関われたかが経験価値の中心になります。
売上目標やKPIを意識して動いた時間が長いほど、将来自分の事業を立ち上げる際に役立つ学びが蓄積されます。
また、就職活動では企業側が用意したフレームの中で評価されますが、起業準備としてのインターンでは、自ら行う課題の提案や、小さなプロジェクトを任せてもらう機会が増えることが大きな特徴です。
この過程で、仮説を立てて検証し、うまくいかなければすぐにやり方を変えるという「0→1フェーズ特有の試行錯誤」が体験できます。
インターンシップ起業の0→1を経験する具体的な4つの方法
将来の起業を見据えたとき、単なる業務体験ではなく、事業がゼロから生み出される「0→1フェーズ」の経験は、何物にも代えがたい財産です。
しかし、そのような貴重な機会は、ただ待っているだけでは訪れません。
自分自身の目的や成長したい領域に合わせて最適な環境を選ぶ意識が、インターンシップの価値を大きく左右します。
ここでは、そのための具体的な4つのアプローチを紹介します。
1. アーリーステージのスタートアップで長期インターンを経験
直接的に0→1フェーズを体験できるのが、設立から間もないアーリーステージのスタートアップで長期インターンとして働くことです。
特にシード期やシリーズAといった段階の企業では、事業モデルがまだ流動的であり、日々の業務そのものが事業創造に直結します。
経営者との距離も近く、意思決定の速さや事業が拡大していく熱量を肌で感じられることが大きな魅力です。
一人ひとりの裁量も大きいため、自らのアイデアがサービスに反映されるチャンスも期待できます。
2. 大企業の新規事業立案部門で経営視点を学ぶ
意外な選択肢に思えるかもしれませんが、リソースが豊富な大企業の新規事業開発部門も、0→1を経験できる貴重な環境です。
「イノベーション推進部」や「経営企画室」といった部署では、既存事業の枠にとらわれない、全く新しいサービスの創出に取り組んでいます。
潤沢な予算やデータを活用しながら、スタートアップ的な動き方を体系的に学べる点が大きな魅力です。
失敗に対する許容度も比較的高く、安定した環境で事業立ち上げのプロセスに集中できます。
3. 起業家育成に特化したプログラムへ参加する
インターンシップを導入している企業では、意図的に「0→1経験」をパッケージ化した、起業家育成目的のインターンシッププログラムを用意していることも珍しくありません。
参加者はチームを組み、与えられた課題に対して、市場調査から事業計画の策定、最終的なプレゼンテーションまでを一気通貫で経験します。
経験豊富な社員がメンターとして伴走してくれるため、事業創造のフレームワークを効率的に吸収できます。
同じ志を持つ優秀な学生との人脈が形成しやすい点も、将来の財産になるはずです。
4. 経営者直下で特命案件に挑戦するインターン
企業の規模に関わらず、「社長室」や「役員直下」といったポジションで、経営陣が直接管轄する特命案件に携わる方法もあります。
このような部署では定型業務が少なく、「未開拓市場の参入戦略を立案する」「M&A候補企業をリストアップする」といった、会社の未来を左右する非連続なミッションが与えられます。
経営の意思決定プロセスを間近で見ながら、事業創造の最上流工程に関われるため、高い視座を養える点が特徴です。
インターンシップ起業の前に得るべき資金調達と事業計画の知識
0→1を経験する行動力と同時に、それを支える事業計画の策定能力や資金調達に関する知識は、起業を成功させるためにどちらも必要です。
これらの知識は、書籍や大学の授業だけで身につけるのが難しい領域でもあります。
実践の場で、生きた知識として吸収することがインターンシップでの価値です。
実務経験を通じて得られる生きた知識こそが、自身の事業計画に説得力を持たせます。
新規事業立案のプロセスを実務で学ぶ重要性
多くの学生は、事業計画書を「作成すること」が目的になりがちです。
しかし、実際のビジネスの現場では、計画書はあくまで仮説であり、顧客からのフィードバックや市場の変化に応じて、日々更新されます。
インターンシップを通じて、「生きている事業計画」に触れることは、非常に重要な経験となります。
収益モデルの検討やKPI設定など、事業を前進させるための具体的なプロセスを実務で学んでください。
VCインターンとは違う事業会社での資金調達のリアル
ベンチャーキャピタル(VC)でのインターンは、投資家側の視点を学べますが、起業家を目指すなら、事業会社での資金調達のリアルを知ることも大切です。
事業会社では、「資金を調達する側」として、投資家へどのような説明責任を果たし、どのような交渉を行っているのかを間近で見られます。
資金調達ラウンドの裏側や、投資家から厳しい指摘を受ける場面に立ち会う経験は、将来自分がその立場になった際に必ず役立ちます。
学生起業コミュニティでは得難い経営者の人脈
学生起業コミュニティで得られる横のつながりは、情報交換や切磋琢磨するうえで有益です。
一方で、インターンシップでは、学生という立場では通常出会えないような、経験豊富な経営者や各分野のプロフェッショナルとの「縦のつながり」を築く機会があります。
彼らとの何気ない会話から得られる気づきや、将来的なメンターになってもらえる可能性は、お金では買えない貴重な資産となります。
インターンシップから起業する際の注意点と成功への分かれ道
インターンシップは起業への有効な準備期間ですが、いくつかの注意点を理解しておかないと、かえって遠回りになる可能性もあります。
貴重な学生生活の時間を投資するからこそ、その経験を確実に自分の未来へつなげるための心構えが求められます。
インターンシップの経験を最大限に活かすためには、熱中しつつも常に自分自身の目標を見失わない客観的な視点が必要です。
学業や奨学金への影響を考慮したインターン探し方
起業準備に没頭するあまり、大学の単位を落としてしまっては、仕事どころではありません。
まずは、自身の履修状況をしっかりと把握し、学業と両立可能な勤務体系のインターンシップを探します。
リモートワークやフレックスタイムに対応している企業が増えているのが現状です。
また、奨学金を受給している場合、インターンシップでの収入が規定額を超えると、受給資格に影響が出るケースもあります。
事前に奨学金の規約を必ず確認しておきましょう。
長期インターンで稼げる金額と時間の使い方
長期インターンでどのくらい稼げるかは、多くの学生が気にする点です。
給与体系は時給制や成果報酬制など企業によって様々ですが、責任ある業務を任される場合、一般的なアルバイトより高い報酬を得られることも珍しくありません。
しかし、大切なのは稼いだ金額そのものより、そのお金と時間の使い方です。
得た収入を自己投資に回したり、空いた時間で自身の事業アイデアを練ったりと、戦略的な活用を意識することが重要です。
インターン先のビジネスモデルに思考を縛られない心構え
1つの企業で深く業務に関わると、その会社の成功体験やビジネスモデルが、いつの間にか自分の中での「唯一の正解」になってしまう危険性があります。
特に成功している企業であればあるほど、その傾向は強くなります。
思考の枠組みは、将来あなたが独自の事業を創造する際の足かせになりかねません。
常に客観的な視点を保ち、他の業界の事例を学んだり、意識的に複数のビジネスモデルに触れたりする姿勢を忘れないようにします。
まとめ:経験を自信に変え、あなただけの事業を創り出そう
インターンシップは、リスクを抑えながら起業のリアルを体験できる、またとない機会です。
アーリーステージのスタートアップから大企業の新規事業部門まで、あなたに合った環境は必ず見つかります。
重要なのは、そこで得た成功や失敗の経験を、すべて自身の学びとして吸収する姿勢です。
インターンシップで得た経験は、不確実な未来へ踏み出すための確かな自信に変わります。
本記事で紹介した内容を参考に、あなただけの事業を創り出すための、有意義な一歩を踏み出してみましょう。
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