2025.11.08 起業ガイド
柔道整復師が独立起業するには?失敗しない6つのポイント
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「柔道整復師として現場での経験も十分積んだし、そろそろ自分の院を持ちたいけれど、何から手をつければいいのだろうか…」
多くの経験を積んだ柔道整復師の方が、同じようにキャリアの岐路で考えます。
自身の理想とする施術を提供し、経営者としての視点を持つことは、やりがいにつながります。
しかし、柔道整復師として起業するためには、具体的な知識と計画が欠かせません。
本記事では、独立起業を目指す柔道整復師の皆様へ向けて、失敗しないための6つのポイントを解説します。
最後まで読めば、資格要件から資金計画、物件選びまで、あなたの挑戦を現実にするための具体的なステップが分かります。
1. 柔道整復師の資格と起業の魅力
柔道整復師としてのキャリアを積んだ先には、独立開業という選択肢があります。
あなたの専門性を最大限に活かし、理想の整骨院や接骨院を起業することは柔道整復師にとって大きな目標です。
ここでは、柔道整復師の仕事内容と、独立開業がもたらすメリット・デメリットについて解説します。
柔道整復師の仕事とは自然治癒力を引き出す専門職
柔道整復師の役割は、単に怪我を治すだけではありません。
骨折・脱臼・捻挫などの外傷を人の手によって整復・固定・後療法を行う専門職です。
人間が本来持っている自然治癒力を引き出すためには、柔道整復師としての専門的な技術と知識が必要であり、独立開業の基盤となります。
儲からない?柔道整復師として独立開業するメリット・デメリット
「独立しても儲からないのでは?」という不安は、だれもが抱くものです。
確かに、開業すれば自動的に成功するわけではありません。
安定した収益を得るには他院との差別化や集客の知識が不可欠です。
ホームページやSNSを活用したWeb集客、地域イベントへの参加といった活動が経営を安定させます。
高収入を目指せるメリットがある一方、経営者としての責任や資金管理の難しさといったデメリットも存在します。
柔道整復師の平均年収は300~400万円ですが、独立し、地域で信頼を得られればリピーターの患者が増え、1,000万円以上の高収入も夢ではありません。
一方、独立しても楽に収益を上げられるとは限らず、安定収入を得るためには他院との差別化やマーケティング、経営スキルが不可欠です。
2. 柔道整復師として起業するまでに必要な資格と実務要件
柔道整復師の起業には、国家資格を持っているだけでは不十分です。
保険診療を扱う施術所の管理者になるには、国が定める実務経験や研修の要件を満たす必要があります。
ここでは、独立開業の前提となる具体的な資格要件について、詳しく見ていきます。
国家資格取得の流れ
保険診療を行う整骨院を開業するには、「施術管理者」の要件を満たす必要があります。
これには、一定期間の実務経験と、指定された研修の受講が義務付けられています。
2018年4月以降は、実務経験と2日間の施術管理者研修が必須です。2024年4月以降は3年間の実務経験が必要になります。
(引用:zenjukyo.gr.jp
これらの要件は、質の高い施術と適切な保険請求を担保するために設けられています。
特に実務経験年数は段階的に変更されているため、常に最新の情報を確認することが大切です。
柔道整復師として独立までの現場経験の活かし方
柔道整復師としての勤務期間は、独立への貴重な準備期間です。
日々の施術で技術を磨くことはもちろん、院の運営方法や集客の流れ、スタッフの動かし方などを経営者視点で観察することが、将来の成功につながります。
院長やマネージャーといった役職を経験することは、実践的な経営スキルを身につける絶好の機会です。
3. 柔道整復師が自分の院を持つための開業ルートとスタイル選び
独立開業といっても、その形は1つではありません。
ゼロからすべてを築き上げる新規開業、既存の設備を活かす居抜きでの独立、あるいは地域に根差した院を引き継ぐ事業承継など、さまざまな選択肢があります。
自身の資金状況や経験、目指す治療院の姿に合わせて、最適な開業スタイルを選ぶことが必要です。
柔道整復師が一人で挑戦する新規開業の条件と年収の現実
ゼロから理想の院を創り上げる新規開業は、大きな魅力があります。
しかし、柔道整復師として新規開業には多額の初期投資が必要です。
新規開業する場合、国家資格取得と施術管理者要件を満たすことが条件です。開業費としては1,000万円程度を見込むとよいでしょう。実際の年収は集客や経営により大きく異なり、事前の資金計画が重要です。引用:zenjukyo.gr.jp
物件取得から内装、医療機器の導入まで計画的に資金を準備する必要があります。
開業後の年収は、立地や集客戦略によって大きく変動するため、甘い見通しではなく、現実的な事業計画を立てることが必要です。
開業資金と設備を活かした柔道整復師の居抜き独立
居抜き物件を利用すると、内装工事や設備費を抑えることが可能です。立地や設備によって開業費は変動します。
以前も治療院だった物件を選ぶことで、内装工事や高額な医療機器の購入費用を大幅に削減できます。
ただし、前の院の評判や、設備が自身の施術スタイルに合っているかなど、慎重に見極めるべき点があるため、注意が必要です。
患者と信頼・実務経験を活かした事業承継型の柔道整復師起業
後継者を探している院を引き継ぐ事業承継は、既存の患者様やスタッフ、運営ノウハウといった有形無形の資産を受け継げる点がメリットです。
地域での信頼関係を基盤にスムーズなスタートを切ることが可能です。
一方で、前経営者の方針と自身の理想との間にギャップがないか、 M&Aに関する専門家のアドバイスも聞きながら進めるのが良いかもしれません。
4. 柔道整復師の起業準備のステップとスケジュール
柔道整復師の独立開業は、思いつきで始められるものではありません。
事業のコンセプト設計から資金調達、物件探し、各種手続きまで、やるべきことは山積みです。
起業の成功確率を高めるためには、ゴールから逆算して詳細なスケジュールを立て、ひとつずつタスクを計画的に実行していく必要があります。
接骨院や整骨院開業までの理想的なスケジュール例
一般的に、開業準備には少なくとも半年前から1年程度の期間を見込むのが理想です。
開業準備には事業計画をはじめ、資金調達や物件や医療機器などを行います。
特に融資の申し込みや内装工事は時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。
ホームページの準備やSNSアカウントの開設といった集客準備も、この期間に並行して進めていきます。
グループ院や勤務先からの独立ルート
現在勤務している院からの独立は、現実的なルートのひとつです。
特に大規模なグループ院などで勤務している場合、多くの症例を経験できるだけでなく、運営マニュアルや研修制度を通じて経営の基礎を学ぶ機会にも恵まれています。
院長などの管理職を経験することで、スタッフマネジメントや数値管理のスキルが身につき、独立後にスムーズな運営が可能です。
5. 柔道整復師の接骨院・整骨院の起業に必要な手続きと資金調達法
柔道整復師の開業準備の中でも、特に重要かつ複雑なのが「資金」と「手続き」です。
自己資金はいくら必要なのか、不足分はどうやって調達するのか。
また、保健所や厚生局など、どこに何を届け出る必要があるのかなど、これらの課題をクリアにすることが、安心して開業日を迎えるための必須条件です。
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初期費用・運転資金の詳細と内訳例
柔道整復師の開業に必要な資金は、大きく「初期費用(設備資金)」と「運転資金」の2種類に分けられます。
初期費用には物件取得費、内装工事費、医療機器購入費などが含まれます。
しかし、開業後すぐには経営が安定しないです。
家賃や人件費、広告費などを支払うための運転資金も、最低3ヶ月から半年分は用意しておくと、精神的な余裕にもつながります。
柔道整復師の開業資金の調達法
自己資金だけで賄うのが難しい場合、外部からの資金調達を検討します。
代表的なのは日本政策金融公庫からの創業融資です。
比較的低い金利で借り入れできる可能性があります。
その他、地方自治体が設けている補助金や助成金制度、信用保証協会を通じた民間金融機関からの融資など、活用できる制度は多岐にわたります。
整骨院の廃業率は?開業費を抑える方法
残念ながら、すべての整骨院が成功するわけではありません。
成功確率を上げるためには、開業費用をいかに賢く抑えるかが重要です。
例えば、高額な新品の医療機器にこだわらず中古品やリースを活用したり、Webサイトを自分で作成したりするなど、工夫できる点は多くあります。
こうした地道なコスト削減が、開業後の資金繰りに役立ちます。
6. 物件選びと医療機器・院内設計で失敗しないポイント
治療院の「ハコ」となる物件と、施術の「武器」となる医療機器の2つは、一度決めるとなかなか変更できない設備であり、柔道整復師の開業後の経営を大きく左右します。
立地は集客に、レイアウトは業務効率と患者様の満足度に、医療機器は提供できる施術の質に直結します。
物件選定のポイントは商圏や立地条件
物件を選ぶ際は、家賃の安さだけで決めてはいけません。
どのような患者様に来てほしいかを考え、ターゲット層が多く住む、あるいは訪れるエリアを選ぶことが原則です。
最寄り駅からの距離、周辺の競合院の状況、人通りの多さなどを多角的に調査し、自身のコンセプトに合った場所を慎重に見極める必要があります。
医療機器の必須リストを作成し予算と施術頻度で優先順位をつける
医療機器は高額なものが多く、開業資金の中でも大きな割合を占めます。
あなたの施術コンセプトに基づいて「絶対に譲れない機器」と「後からでも追加できる機器」をリストアップし、優先順位をつけることが大切です。
予算に応じて、中古品やリースを利用するのもおすすめです。
見栄を張らず、身の丈に合った設備投資を心がける必要があります。
院内レイアウト設計は経験者や専門家にチェックしてもらう
院内のレイアウトは、患者様の居心地の良さと、スタッフの働きやすさの両方に影響します。
受付から待合室、施術室、そしてお手洗いまでのスムーズな動線を確保することが基本です。
また、保健所の基準を満たしているかはもちろん、他の院のレイアウトを参考にしたり、設計の専門家に相談したりするなど、運営後の後悔や非効率を防ぐことができます。
施術所開業時の「法令遵守」と「安全・快適な空間」の確保
施術所は、患者が安心して身体を預けられる場所でなければなりません。
そのためには、法律で定められた基準を遵守することが絶対条件です。
施術室や待合室の広さ、換気や採光といった構造設備基準を必ずクリアしておきます。
これらの基準を満たすことは、保健所への開設届をスムーズに進めるためだけでなく、患者からの信頼を得る上でも不可欠です。
まとめ:柔道整復師の起業で理想の働き方と成功をつかもう
柔道整復師としての独立開業は、決して簡単ではありません。
しかし、今回紹介した6つのポイントである資格要件の確認や開業スタイルの選択、物件と設備の方針などをクリアすれば、成功の確率は高まります。
あなたのこれまでの経験と知識を信じ、計画的に準備を進めて、理想の治療院を実現してください。
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