2025.12.07 起業ガイド

塗装業で自営!下請け脱却して年収1000万稼ぐ「元請け」独立術

塗装業で自営!下請け脱却して年収1000万稼ぐ「元請け」独立術

「俺の腕なら、もっと稼げるはずだ」。

現場で汗を流しながら、ふとそう思うことはありませんか?

塗装業は、家の寿命を守り、美観を蘇らせる、なくてはならない重要な仕事です。その高度な技術には、本来もっと高い価値があるはずです。

しかし、独立したものの「仕事がない」「元請けに単価を叩かれる」と嘆き、会社員に戻る人が多いのもまた事実。

今回は、下請け地獄に陥らず、失敗しない独立の手順と戦略を徹底解説します。

本記事を読めば、どのように塗装屋として独立すれば良いかがわかります。

なぜ今、塗装業の「自営・独立」に大きなチャンスがあるのか?

「リフォーム業界は競争が激しいし、今から独立して大丈夫なのか?」。そんな不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、確かな技術を持つ塗装職人にとって、今は絶好の独立チャンスです。ここでは、独立を後押しする3つの理由を解説します。

理由1:リフォーム需要の拡大。家のメンテナンスは「待ったなし」

日本の住宅ストックは膨大で、その多くがメンテナンス時期を迎えています。

外壁や屋根の塗装は、建物を守るために定期的に必ず行わなければならない「待ったなし」の工事です。

景気に左右されにくく、底堅い需要があることが、塗装業の最大の強みです。

この巨大な市場において、確かな技術を持つ職人は常に求められています。

理由2:悪徳業者の淘汰。「地元の信頼できる職人」が求められている

かつてのリフォーム業界には、手抜き工事や高額請求を行う悪徳業者が横行していました。

しかし、ネット社会になった今、消費者は賢くなり、「本当に信頼できる地元の職人」を探しています。

大手ハウスメーカーの下請けではなく、顔が見え、適正価格で丁寧な仕事をしてくれる「自営の塗装屋さん」へのニーズは高まっています。

理由3:Web集客の普及。大手でなくても「個人」が選ばれる時代

以前は、チラシや訪問販売が主な集客手段でしたが、今はホームページやSNS、Googleマップを使えば、個人でも大手と同じ土俵で戦うことができます。

「施工事例」や「お客様の声」をWebで発信することで、あなたの技術と誠実さを、直接お客様に届けることが可能です。

広告費をかけずに集客できる環境が整った今こそ、独立の好機です。

あなたはどっち?「下請け親方」と「元請け社長」の決定的な違い

独立には、大きく分けて2つの道があります。

元請け会社から仕事を貰う「下請け親方」と、施主(お客様)から直接仕事を請け負う「元請け社長」です。

どちらを選ぶかによって、年収と働き方は天と地ほど変わります。

それぞれの特徴を比較し、目指すべき道を明確にしましょう。

1. 下請け親方 2. 元請け社長
仕事の取り方 元請け(ハウスメーカー等)から貰う 自分で集客して獲る
価格決定権 なし(元請けの言い値) あり(自分で見積もりを作成)
利益率 低い(中間マージンが抜かれる) 高い(マージンなし)
求められる力 施工スピード、対応力 集客力、提案力、信頼性

「とにかく現場で塗っていたい」という人は下請けが向いていますが、収入を上げ、自分のペースで仕事をしたいなら、目指すべきは間違いなく「元請け社長」です。

9割がハマる「貧乏塗装屋」の罠|腕が良いのに稼げない理由

「腕には自信があるのに、なぜかお金が残らない」。そんな悩みを持つ親方は少なくありません。

彼らが陥っているのは、技術不足ではなく、経営における「3つの罠」です。

罠1:【どんぶり勘定】塗料代や足場代を甘く見て、利益が残らない

見積もりを出す際、「坪いくら」という大雑把な計算だけで出していませんか?

塗装工事には、塗料代、足場代、養生費、人件費、そして移動のガソリン代など、多くの経費がかかります。

これらを正確に計算せず、どんぶり勘定で請け負ってしまうと、現場が終わって計算してみたら利益がほとんど残っていなかった、という事態に陥ります。

全ての経費を洗い出し、利益を乗せた「適正価格」を算出する能力が不可欠です。

罠2:【営業不足】「いい仕事をすれば口コミで広がる」という幻想

「いい仕事をしていれば、自然と評判になって仕事が来るはずだ」と思う方もいるかもしれませんが、ビジネスとしては危険な発想です。

お客様は、塗装の良し悪しをすぐには判断できませんし、わざわざ宣伝して回ってくれることも稀です。

自らチラシを配り、ホームページを作り、ブログを書く。知ってもらう努力を行わなければ競合に追い抜かれてしまいます。

罠3:【資金繰りの悪化】入金サイト(支払い時期)のズレで黒字倒産

建設業は、仕事をしてから入金されるまでの期間(サイト)が長いのが特徴です。

特に下請けの場合、支払いが「翌々月末」などになることもザラです。

しかし、塗料代や職人の給料は先に支払わなければなりません。

手元の現金が尽きると、たとえ利益が出ていても倒産してしまいます(黒字倒産)。

「いつ、いくら入ってきて、いつ、いくら出ていくのか」という資金繰りを常に把握しておくことが不可欠です。

年収1000万円を目指す!塗装業独立ロードマップ5ステップ

では、どうすれば「貧乏塗装屋」の罠を避け、年収1000万円以上を稼げるか。

ここでは、開業準備から、安定して直接受注を獲得できるようになるまでの具体的な手順を、5つのステップで解説します。

ステップ1:【資金と道具】トラック、足場、コンプレッサー…開業資金は?

塗装業の独立には、トラック(中古でOK)、コンプレッサー、高圧洗浄機、刷毛・ローラーなどの道具一式が必要です。

足場は最初はレンタルでも構いませんが、自社で保有すれば利益率は上がります。

最低でも200万~300万円程度の資金を見込んでおくべきでしょう。

自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫の創業融資を検討します。

ステップ2:【資格と許可】「建設業許可」は取るべき?信用を勝ち取る武器

請負金額が500万円未満の軽微な工事であれば、建設業許可は不要です。

しかし、お客様からの信用を得て、より大きな現場を任されるためには、許可の取得は大きな武器になります。

特に元請けを目指すなら、「ちゃんとした業者」としての証明である許可証は、営業ツールとしても強力です。要件を満たせるなら、早めに取得を目指しましょう。

ステップ3:【集客の仕組み】チラシ×ホームページで「地域の塗装屋さん」になる

元請けになるための最重要ステップです。

まずは、商圏を車で30分以内のエリアに絞り込みます。そのエリアに特化したチラシをポスティングし、同時に「地域名+外壁塗装」で検索されるホームページを作ります。

チラシで認知し、ネットで詳細を確認して問い合わせる、という導線を作るのがポイントです。

施工事例やお客様の声を掲載し、「地元の信頼できる職人」としてのブランドを築きましょう。

ステップ4:【見積もり・提案】相見積もりで負けない!「診断力」と「提案書」

問い合わせが来たら、現地調査に行きます。

ここで重要なのは、単に長さを測るだけでなく、家の劣化状況をプロの目で診断し、「なぜ塗装が必要なのか」「どんな塗料が最適か」を分かりやすく説明することです。

そして、専門用語を並べただけの見積書ではなく、写真付きの「外壁診断書」と、松竹梅の3プランを用意した「提案書」を提出します。

この丁寧さが、価格競争に巻き込まれず、相見積もりで選ばれる秘訣です。

ステップ5:【協力業者】足場、シーリング…仲間を作って仕事を回す

仕事が増えてくると、自分一人では回らなくなります。

足場屋さん、シーリング屋さん、板金屋さんなど、信頼できる協力業者とのネットワークを作りましょう。

仲間がいれば、自分が塗装に集中できるだけでなく、屋根の葺き替えなど、塗装以外のリフォーム工事も請け負えるようになり、客単価と売上の幅が広がります。

まとめ:塗装業の自営とは、自分の「腕」と「信用」で家を守る仕事

塗装業の自営は、お客様の大切な資産である「家」を雨風から守り、美しく蘇らせることで、安心と喜びを提供する仕事です。

適正な対価を得るためには、職人としての腕だけでなく、経営者としての知恵が必要です。

ぜひこの記事を参考に、塗装業の自営に向けて準備を進めていきましょう。

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