2025.09.19 起業ガイド
【今からタピオカで起業?】ブーム後に「勝ち残る」新戦略と始め方
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「今からタピオカ屋で起業なんて、もう遅い…?」
街からタピオカ店が消えていくのを見て、そう感じていませんか?
しかし、タピオカという商材のポテンシャルを信じ、新しいビジネスを生み出したい場合、話は別です。
今回はブームが去った今だからこそ見える、タピオカ起業の勝ち筋と生き残るための具体的な戦略をご紹介します。この記事を読めば、タピオカ起業の現状知ることができ、タピオカで戦うビジネスアイデアを入手できます
結論:「タピオカ“専門店”」は厳しい
まず、厳しい現実からお伝えします。
かつてのように、ただタピオカドリンクを並べているだけのタピオカ専門店で、安易に起業するのは非常に危険です。ブームが去った今、そのビジネスモデルは貫き通すのは相当困難です。
なぜ、あれほどあったタピオカ屋は潰れたのか?3つの敗因
一時期、街を歩けば必ず目にしたタピオカ専門店。
しかし、その多くが、まるで泡のように消えていきました。なぜ、あれほどの熱狂的なブームがあったにも関わらず、多くの店が廃業に追い込まれたのでしょうか。その背景には、ブームに乗り遅れまいと焦るあまり、多くの経営者が見落としてしまった、3つの敗因が存在します。
- 差別化なき同質化競争:どの店も同じようなメニュー、同じような価格帯で、味やコンセプトに差がなかったため、熾烈な価格競争に陥りました。
- ブームに依存した経営:流行っているからという理由だけで、長期的な視点やリピート戦略を持たずに始めてしまったため、ブームの終焉と共に客足が途絶えました。
- リピートされないビジネスモデル:タピオカドリンクは嗜好性が高く、毎日飲むものではありません。リピート客を育てる仕組みがなければ、常に新規顧客を探し続けなければならず、経営が安定しませんでした。
この3つの敗因は、タピオカ業界に限らず、あらゆる飲食ビジネスに共通する教訓です。あなたの新しい挑戦が同じようにならないために、次の章で具体的な「勝ち筋」を考えていきましょう。
しかし、「タピオカ」という“食材”の可能性は死んでいない
専門店は苦戦していますが、「タピオカ」という食材そのものの魅力が失われたわけではありません。
もちもちとした独特の食感は、依然として多くの人を惹きつけます。重要なのは、タピオカを主役にしただけのビジネスから脱却し、タピオカを魅力的なトッピングの一つとして捉え、新しい価値と組み合わせることです。
ブーム後に「勝ち残る」ための、タピオカ起業3つの新戦略
成熟したタピオカ市場で、今からでも「勝ち残る」ためには、どのような戦略が考えられるでしょうか。
ここでは、成功の鍵となる3つの新しいビジネス戦略を提案します。
戦略1:【掛け算戦略】「タピオカ×〇〇」で、唯一無二の価値を創る
もはや「タピオカ専門店」では勝てません。成功の鍵は、他の要素との「掛け算」で、新しいカテゴリーを創り出すことです。
- タピオカ × 健康:プロテインやスーパーフード、酵素ドリンクと組み合わせ、罪悪感なく飲める「ギルトフリータピオカ」として、健康志向の女性にアプローチする。
- タピオカ × 地域特産:愛知県の西尾抹茶、山梨県のシャインマスカットなど、地元の特産品と組み合わせた「ご当地タピオカ」を開発し、観光客や地元住民に新しい魅力を提供する。
- タピオカ × アルコール:カクテルやリキュールと組み合わせた「大人のタピオカ」を提供し、夜のバーやダイニングシーンに新しい需要を創造する。
例えば、「タピオカ×健康」という掛け算を考えてみましょう。ベースのドリンクを、一般的なミルクティーではなく、プロテインや酵素ドリンク、コンブチャ、あるいはアーモンドミルクなどに変更します。
甘味料も、白砂糖ではなく、天然由来のアガベシロップやラカントを使用。トッピングには、スーパーフードであるチアシードや、ビタミン豊富なフルーツを追加します。
こうすることで、「高カロリーで不健康」というタピオカのネガティブなイメージを覆し、「飲むほどにキレイになる、ご褒美タピオカ」という、全く新しい価値を提供することができます。
これは、フィットネスジムの近くや、オーガニック志向の強い顧客が多いエリアで、支持を得られる可能性があります。
戦略2:【高付加価値戦略】高級路線・体験価値で、客単価を上げる
多くのタピオカ店が価格帯で競争する中、レッドオーシャンから抜け出すためのもう一つの強力な戦略が、この「高付加価値戦略」です。
これは、単に値段を上げるのではなく、お客様が「この価格を払う価値がある」と心から納得できる、
圧倒的な品質や特別な体験を提供することで、客単価と利益率を同時に高めるアプローチです。
安売り競争に終止符を打ち、あなたの店の「格」を上げるための2つの方向性があります。
- 高級路線:台湾産の高級茶葉や、沖縄県産の黒糖、オーガニックの牛乳など、原材料にとことんこだわり、一杯1,000円でも納得感のある、贅沢なタピオカドリンクを提供する。
- 体験価値:お客様の目の前でタピオカを茹でたり、シェイカーを振ってドリンクを作ったりするパフォーマンスを取り入れる。あるいは、お客様自身がトッピングを選んでオリジナルの一杯を作れる「DIYタピオカ」といった体験を提供する。
これらのこだわりを、メニューブックや店内のPOP、SNSで丁寧にストーリーとして語ることで、お客様は単なる飲み物ではなく、一杯の「作品」として、その価値を認めてくれるでしょう。
戦略3:【デリバリー特化戦略】店舗を持たず、コストを極限まで下げる
開業資金で最も大きいのが、店舗の物件取得費や内装工事費です。
この固定費をゼロにするのが、デリバリーに特化した「ゴーストレストラン」という戦略です。
自宅のキッチンや、間借りの厨房でドリンクを作り、Uber Eatsなどのプラットフォームを通じて販売します。
初期投資を大幅に抑えられ、家賃もかからないため、低リスクで始められるのが最大のメリットです。
スタートアップアカデミーでは起業コンサルを行っています。
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タピオカ起業の始め方|5つの基本ステップ
新しいビジネス戦略が決まったら、次はいよいよ開業準備です。ここでは、どんなタピオカビジネスにも共通する、基本的な5つのステップを解説します。
ステップ1:コンセプト&事業計画の策定
あなたが始めるビジネスは、「誰に、どんな価値を、いくらで提供するのか」というコンセプトを明確にします。
そして、それを具体的な数字に落とし込んだ事業計画書を作成します。売上予測、原価計算、必要な経費などを算出し、どれくらいの利益が見込めるのかをシミュレーションします。
ステップ2:資金計画と調達(初期費用と運転資金)
事業計画に基づき、必要な資金を準備します。
キッチンカーなら300万円〜、小さな店舗なら500万円〜が目安です。
自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」などを活用しましょう。しっかりとした事業計画があれば、融資を受けられる可能性は十分にあります。
ステップ3:物件確保 or 車両準備(店舗、キッチンカー)
店舗型の場合は、コンセプトに合った立地の物件を探します。
人通りだけでなく、ターゲット顧客が通る場所かどうかが重要です。キッチンカーの場合は、車両の購入または製作を行います。中古車やレンタルから始めるのも、リスクを抑える賢い選択です。
ステップ4:許可・資格の取得(飲食店営業許可など)
あなたの素晴らしいアイデアと情熱も、法律で定められた許可や資格がなければ、ビジネスとしてスタートすることはできません。
特に、お客様の口に入るものを提供する飲食業は、衛生管理に関するルールが厳しく定められています。
手続きが面倒に感じるかもしれませんが、お客様の安全を守り、信頼を得るための第一歩として、確実に行いましょう。タピオカ店(キッチンカー含む)の開業に必要な許可・資格は、主に2つです。
- 食品衛生責任者:1日の講習で取得できる資格。各店に1名必要。
- 飲食店営業許可:店舗(または車両)の設備が基準を満たしているか、保健所の検査を受け、許可を得る必要があります。内装工事や車両購入の前に、必ず図面を持って保健所に事前相談に行きましょう。
ステップ5:原材料の仕入れとオペレーション構築
タピオカ、茶葉、牛乳、シロップなどの原材料を、どこから仕入れるかを決定します。
品質とコストのバランスが良い、安定供給してくれる業者を見つけることが重要です。また、お客様を待たせない、効率的な調理とオペレーションを確立し、トレーニングを重ねましょう。
「儲からない」を回避する、お金の知識
「タピオカは原価が安いから儲かる」と言われますが、それは大きな誤解です。どんぶり勘定で経営していると、気づけば赤字という事態になりかねません。
タピオカドリンクのリアルな原価計算
一杯500円のタピオカミルクティーの原価は、一般的に以下のようになります。
- タピオカ:約30円
- 牛乳・茶葉・シロップ:約50円
- カップ・ストロー・蓋:約20円
合計で約100円、原価率は20%です。これは飲食店としては低いですが、ここに人件費、家賃、出店料、広告費、水道光熱費などが加わります。経費を正確に把握することが、利益を出すための第一歩です。
損益分岐点の算出方法|1日に何杯売れば利益が出るか?
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上高のことです。これを計算することで、「最低でも1日に何杯売れば、赤字にならないか」が分かります。
計算式:損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 – 変動費率)
※固定費:家賃など売上に関わらずかかる費用
※変動費率:材料費など売上に比例する費用の割合
この数字を常に意識し、目標達成のための具体的なアクションを考えましょう。
フランチャイズ加盟のメリットと、潜む「闇」
ノウハウがない場合、フランチャイズへの加盟は魅力的に見えるかもしれません。確かに、ブランド力や運営マニュアルが手に入るメリットはあります。
しかし、高額な加盟金や、毎月のロイヤリティの支払い、本部の経営不振といったリスクも存在します。「儲かる」という言葉を鵜呑みにせず、契約内容は慎重に検討する必要があります。
まとめ:タピオカは、終わらない。あなたが、終わらせない。
タピオカブームは終わったかもしれません。しかし、タピオカという魅力的な食材の可能性は、決して終わっていません。
周りが「もう遅い」と言う中で、独自のアイデアと戦略で新しい価値を創造し、お客様を熱狂させる。それこそが、起業の醍醐味です。
大切なのは、ブームを追うのではなく、あなたがブームを創り出すことです。
「私の『タピオカ×〇〇』のアイデア、もっと具体的にしたい」
「事業計画の立て方から、専門家に伴走してほしい」。
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