2026.03.16 起業ガイド
行政書士開業はやめとけ?仕事がない理由と乗り越え方、開業資金・準備を解説
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「行政書士の資格は取ったけれど、開業して本当に食べていけるのか自信がない」「周りからは『やめとけ』と言われるし、仕事がなかったらどうしよう」と悩んでいませんか。
行政書士は一人で開業しやすい資格ですが、試験に合格しただけで仕事が入ってくるわけではありません。実際に、開業してから「思ったより仕事がない」と感じる行政書士は少なくありません。
この記事では、行政書士の開業が「やめとけ」と言われる理由、「仕事がない」状態になる原因、仕事がない時期を乗り越える方法、開業の手続きと資金、開業前にやっておきたい準備を順番に解説します。
行政書士の開業が「やめとけ」と言われる理由
開業しても、すぐには仕事が来ない
行政書士は、登録して事務所を構えた時点では、誰にも存在を知られていません。ホームページをつくっても、検索で上位に表示されるまでには時間がかかります。開業してから数か月、ほとんど依頼がないということも珍しくありません。
収入が安定するまでに時間がかかる
行政書士の仕事は、許認可の申請など1回きりの依頼が中心です。毎月決まった収入が入る顧問契約などがないうちは、月によって収入が大きく変わります。収入が安定するまでには、おおむね1〜2年はかかると考えて計画を立てておくと安心です。
同業者が多く、価格で比べられやすい
行政書士の登録者数は全国で5万人を超えています。「何でも扱います」という事務所は、ほかの事務所との違いが伝わりにくく、価格だけで比べられがちです。安さで勝負すると、忙しいのに利益が残らない状態になりかねません。
試験では学ばない「営業・集客」が必要になる
行政書士試験は法律の知識を問う試験で、実務の進め方や集客の方法は学べません。開業すると、自分でお客様を見つけ、仕事を受け、書類を仕上げて報酬をいただくまでをすべて一人で行う必要があります。「資格を取れば仕事が来る」と考えていると、ギャップに苦しむことになります。
「9割が廃業する」は本当?
ネットでは「行政書士は9割が廃業する」といった話を見かけますが、はっきりした根拠のある数字は見当たりません。一方で、思うように仕事を取れずに別の仕事を兼ねたり、登録を抹消したりする人がいるのも事実です。
「やめとけ」という声の多くは、準備不足のまま開業することへの警告であって、行政書士という資格そのものを否定するものではありません。専門分野と集客の方向性を決めてから開業すれば、食べていける可能性は十分にあります。
行政書士の開業で「仕事がない」状態になる原因
- 専門分野を決めていない:扱える業務が広い分、絞らないと「何でもできるが、何も目立たない」事務所になります。
- 集客の仕組みがない:ホームページをつくっただけで、更新や発信をしていない。
- 実務経験がない:書類の作り方や役所とのやり取りに不安があり、依頼を受けることに消極的になってしまう。
- 人脈がない:紹介してくれる同業者や他の士業、地域の事業者とのつながりがない。
逆にいえば、この4つを開業前から準備しておけば、仕事がない期間を短くできます。
行政書士が仕事がない時期を乗り越える方法
専門分野を1〜2つに絞る
専門分野の候補は、建設業許可、在留資格(ビザ)、遺言・相続、補助金の申請支援、会社設立など、自分の知識や前職の経験に近い分野から1〜2つ選ぶのが出発点です。たとえば、建設会社で働いていた人なら建設業許可、外国人と接する仕事をしていた人なら在留資格の申請などが考えられます。
業務によって報酬の相場は大きく異なります。日本行政書士会連合会の報酬額の統計調査を見ても、建設業許可の新規申請は十数万円程度、医療法人の設立認可は数十万円程度と、専門性の高い業務ほど報酬が高い傾向があります。たとえば、月に5件の問い合わせがあり、そのうち4割が契約になり、平均の報酬が15万円なら、月の売上は30万円になります。
ドローンの飛行許可や民泊の申請など、取り扱う事務所がまだ少ない業務を狙うのも、ほかの事務所との違いを出す方法です。
ホームページと地図検索で見つけてもらう
ホームページは、つくっただけでは検索で上位に表示されません。「専門分野+地域名」(例:「建設業許可 〇〇市」)で調べる人に向けて、業務の解説や手続きの流れ、料金の目安などのページを充実させていきましょう。
あわせて、Googleビジネスプロフィールに無料で登録しておくと、地図検索で事務所が表示されやすくなります。X(旧Twitter)やYouTube、Instagramで専門知識を発信すると、専門家としての信頼が高まり、ホームページへの流入にもつながります。
人脈を広げ、他の士業と紹介し合う
ホームページからの集客が軌道に乗るまでは、人からの紹介が収入の柱になります。行政書士会の支部の活動、商工会議所のセミナー、異業種交流会などに参加して、つながりを広げましょう。
税理士、司法書士、社会保険労務士などと紹介し合える関係をつくると、自分が扱えない業務を紹介し、相手からも仕事を紹介してもらえるようになります。紹介をもらうには、まず自分から相手の役に立つことが大切です。
先輩の事務所を手伝い、実務と人脈を得る
実務経験がない場合は、ほかの行政書士事務所で補助者として働いたり、先輩の行政書士から仕事を手伝わせてもらったりする方法があります。報酬は高くありませんが、実務を覚えながら収入を得て、人脈も広げられるため、仕事がない時期の支えになります。
顧問契約や継続の仕事を増やす
1回きりの依頼だけでは、収入が安定しません。建設業許可の毎年の決算変更届や更新の手続き、外国人を雇う企業の在留資格の更新など、継続して依頼が発生する業務を扱うと、売上の土台ができます。企業と顧問契約を結べれば、毎月決まった収入を得られます。
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行政書士として仕事を取り続けるには、法律の知識に加えて、専門分野の打ち出し方や集客、報酬の決め方、お金の管理といった経営の知識が欠かせません。
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行政書士の開業手続きと必要な資金
試験に合格してから開業するまでの流れ
行政書士試験に合格しても、すぐに仕事を受けられるわけではありません。開業するには、次の手続きが必要です。
- 都道府県の行政書士会を通じて、日本行政書士会連合会に登録を申請する
- 行政書士会に入会する
- 事務所が要件を満たしているかの調査を受ける
- 登録が完了し、登録証を受け取る
- 税務署に開業届と青色申告承認申請書を出す
申請から登録までは1〜2か月ほどかかるのが一般的です。登録には、登録免許税3万円と登録手数料2万5,000円に加えて、行政書士会の入会金や会費がかかります。合計で25万〜30万円程度になることが多いですが、入会金は都道府県によって異なるので、所属する予定の行政書士会で確認しましょう。
開業資金と生活費の目安
行政書士の開業に必要な初期費用は、おおむね60万〜90万円程度が目安です。登録費用のほか、事務所の初期費用、パソコンやプリンター、名刺、ホームページの制作費などがかかります。
自宅を事務所にすれば家賃を抑えられ、すでに持っているパソコンなどを使えば設備費も下げられます。毎月の経費は、家賃や通信費、行政書士会の会費などで10万円程度に抑えることも可能です。
ただし、開業してすぐには収入が安定しないため、生活費を6〜12か月分、別に用意しておくことが大切です。月の生活費が25万円なら、6か月分で150万円になるため、登録費用などと合わせて200万〜250万円ほどを準備しておくと安心です。自己資金が足りない場合は、日本政策金融公庫の創業向けの融資を検討する方法もあります。
自宅で開業する場合の注意点
行政書士の事務所には、業務を適切に行える独立した場所であることなどの要件があります。自宅を事務所にする場合は、生活スペースと区切られているかなどを確認されます。賃貸住宅の場合は、貸主から事務所として使うことの承諾書をもらう必要があります。
事務所名は「〇〇行政書士事務所」などの形が一般的です。専門分野や地域名を入れると、検索や地図で見つけてもらいやすくなります。自宅開業で家賃を抑えた分は、ホームページや集客に回すと効果的です。
後悔しないために開業前にやっておきたいこと
扱う業務を決め、必要な知識を身につける
行政書士の業務は、役所に出す書類の作成・提出、契約書などの権利義務に関する書類の作成、事実を証明する書類の作成の3つに大きく分かれます。建設業許可、農地転用、在留資格、遺言書、離婚協議書、会社設立の定款作成など、扱える業務はたくさんあります。
業務を選ぶときは、「需要の大きさ」「自分の得意分野」「地域の競合の状況」の3つを組み合わせて考えましょう。選んだ業務については、手引きや専門書、行政書士会の研修で、手続きの流れと必要な書類を事前に学んでおくことが大切です。
会社員を続けながら準備する
会社員を続けながら行政書士として登録することも、制度上は可能です。ただし、勤務先が副業を禁止している場合や、公務員の場合は登録や業務が制限されます。また、行政書士の業務を有償で行えるのは、登録を済ませてからです。
勤務先の規則を確認したうえで、会社員の収入を確保しながら少しずつ依頼を受け、副業としての収入が安定してから独立するという段階的な方法も、リスクを下げる現実的な選択肢です。
集客と数字の管理を学んでおく
開業した行政書士の多くが、「もっと早く集客の方法を学んでおけばよかった」と感じています。開業前から、ホームページやSNSでの発信を始めておくと、開業時点で見込みのお客様がいる状態をつくれます。
開業後は、売上・経費・問い合わせの件数・契約になった件数を毎月記録して振り返りましょう。どの集客がうまくいっているのかが数字で見えると、時間とお金の使い方を改善できます。
まとめ:行政書士の開業は「やめとけ」ではなく、仕事がない時期への備えで決まる
行政書士の開業が「やめとけ」と言われるのは、開業してもすぐには仕事が来ず、収入が安定するまでに時間がかかるからです。試験では学ばない営業や集客が必要になり、準備不足のまま開業すると「仕事がない」状態が長く続いてしまいます。
一方で、専門分野を1〜2つに絞り、ホームページや地図検索、人脈づくりで集客の仕組みを整え、生活費の蓄えを用意してから開業すれば、仕事がない時期を乗り越えて安定した収入を得ることは十分に可能です。開業前の準備を丁寧に進め、自分の強みを活かした事務所をつくっていきましょう。
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