2025.11.30 起業ガイド
不用品回収で起業!許可の壁を越え、堅実に稼ぐための全手順
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「不用品回収は、軽トラ1台あれば誰でも稼げる」。
そんな噂を信じて、安易に始めようとしていませんか?確かに、需要は尽きない魅力的な市場です。
しかし、法律の壁が高く、無許可で営業すれば逮捕されるリスクさえあります。
この記事では、法律を正しく理解し、不用品回収で起業するために必要な許可やビジネスアイデア、成功するためのステップを解説します。
本記事を読めば、不用品回収でどのように起業をすれば良いかがわかります。
なぜ今、「不用品回収×買取」ビジネスが注目されているのか?
「ただゴミを捨てるだけの仕事じゃないの?」そう思う方もいるかもしれません。
しかし、現代の不用品回収業は、単なる廃棄物処理ではなく、資源を循環させる「リユースビジネス」へと進化しています。
なぜ今、このビジネスに大きなチャンスがあるのか。その理由を3つの視点から解説します。
理由1:断捨離・終活ブーム。「捨てたいけど捨てられない」悩み
高齢化社会の進展とともに、「終活」や「生前整理」への関心が高まっています。
また、若年層でも「断捨離」や「ミニマリスト」といったライフスタイルが定着し、家の中を片付けたいというニーズは増えています。
しかし、大型家具や大量の不用品を自分たちで処分するのは困難です。
「捨てたいけど捨てられない」という深い悩みを解決する不用品回収業者は、現代社会になくてはならない存在です。
理由2:リユース市場の拡大。「ゴミ」が「お宝」に変わる循環
かつてはゴミとして捨てられていたモノが、フリマアプリや海外輸出のルートを通じて、再び価値を持つようになりました。
レトロな家具、壊れた家電、使いかけの食器…。
これらは、適切なルートに乗せれば「お宝」に変わります。
回収した不用品の中から価値あるものを見つけ出し、再販する。
「買取×回収」のハイブリッドモデルこそが、処分費を削減し、利益を最大化する現代の勝ち筋です。
理由3:違法業者の淘汰。クリーンな事業者に仕事が集中する時代
「無料回収」を謳いながら高額請求をする悪徳業者や、不法投棄を行う業者が社会問題となり、警察や自治体の取り締まりが強化されています。
これにより、違法な業者は淘汰されつつあります。
その結果、法令を遵守し、適正な許可を持つ「クリーンな事業者」に仕事が集中するようになっています。
真面目にやる人が、正当に評価され、稼げる時代が来ています。
起業の最大関門。「許可」の壁を正しく理解し、突破する
不用品回収で起業する際、避けて通れないのが許可の問題です。
ここを曖昧にしたまま始めると、違法営業となり、最悪の場合逮捕されます。
複雑な法律を整理し、あなたが取るべき許可を明確にしましょう。
「古物商許可」:これがないと始まらない。買取ビジネスの必須免許
不用品回収業を行う上で、最も取得しやすく、かつ重要なのが「古物商許可」です。
これがあれば、お客様から不用品を買い取れます。
買取の形をとれば、廃棄物ではなく「商品」となるため、廃棄物処理法の規制を受けずに運搬・販売が可能になります(※ただし、明らかにゴミであるものを有価物と偽ることは違法です)。
申請は管轄の警察署で行い、要件を満たしていれば約40日で取得できます。
「産業廃棄物収集運搬業許可」:法人からの依頼を受けるための武器
オフィスや店舗から出る不用品(事業系ごみ)を回収するには、「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
この許可があれば、法人からの依頼を受けることができ、仕事の幅が大きく広がります。
取得には講習会の受講が必要ですが、要件さえ満たせば誰でも取得可能です。
法人案件は単価が高く、定期的な依頼にも繋がりやすいため、事業拡大を目指すなら必須の許可です。
「一般廃棄物収集運搬業許可」:取得困難な“プラチナチケット”の真実と対策
家庭から出るゴミ(一般廃棄物)を回収するには、市区町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
しかし、この許可は多くの自治体で新規発行が停止されており、取得は極めて困難です。
では、どうすればいいのか?
対策としては、「古物商許可での買取」をメインにしつつ、買取できないゴミについては、すでに許可を持っている業者と提携し、紹介や下請けという形で処理を委託するのが現実的な解です。
9割が陥る「違法・貧乏回収屋」の罠|失敗する人の共通点
「とりあえず軽トラを買って、チラシを撒けば稼げるだろう」。
その安易な考えが、失敗への入り口です。
多くの人が陥る「3つの罠」を解説し、回避策を理解しておきましょう。
罠1:【無許可営業】「無料回収」を謳い、後でトラブルになる
スピーカーで「無料回収」を宣伝しながら街を巡回し、荷物を積んだ後に高額な料金を請求する。
これは典型的な悪徳業者の手口であり、消費者センターへの通報や警察沙汰になるリスクが高い行為です。
目先の利益を追って信用を失えば、地域で商売を続けることはできません。
最初から「有料回収」または「買取」であることを明示し、見積もりを提示して納得してもらった上で作業する。
当たり前かもしれませんが、このプロセスが、身を守ります。
罠2:【処分費の圧迫】回収した物の処分ルートがなく、利益が消える
回収した不用品を、どう処理するか考えていますか?
全てをゴミとして処分場に持ち込めば、高額な処分費がかかり、利益はほとんど残りません。
失敗する人は、この「出口戦略」を持っていません。
成功する人は、回収品を「国内リサイクルショップ」「古物市場(業者オークション)」「海外輸出」「資源リサイクル(鉄くず等)」と細かく分別し、徹底的に換金・減量化することで、処分費を抑え、利益を最大化しています。
罠3:【集客の古さ】チラシ配りだけで、Web集客をしていない
「不用品回収=チラシ」というイメージが強いですが、今の顧客はスマホで業者を探します。
「地域名+不用品回収」で検索した時に、あなたのホームページやGoogleマップの情報が出てこなければ、選択肢にすら入りません。
チラシも有効ですが、それだけに頼るのは危険です。
安定収益を実現する!不用品回収起業・成功ロードマップ
では、どうすれば違法業者にならず、安定して稼ぎ続けることができるのでしょうか。
ここでは、開業準備から事業拡大までの具体的な手順を、5つのステップで解説します。
ステップ1:【資金と車両】軽トラ?2トン車?初期投資を抑える賢い選択
まずは車両の確保です。
狭い道でも入れる「軽トラック」は必須ですが、積載量が限られるため、一度に大量の回収ができません。
資金に余裕があれば、積載量が大きく効率の良い「2トントラック(箱車)」も検討しましょう。新車である必要はありません。
中古車やリースを活用し、初期投資を抑えるのがポイントです。
ステップ2:【許可取得】古物商はマスト。産廃許可も取って法人開拓へ
車両準備と並行して、許可申請を進めます。
まずは警察署で「古物商許可」を取得しましょう。これは必須です。
次に、都道府県の講習会を受け、「産業廃棄物収集運搬業許可」の取得を目指します。
これにより、オフィスの移転や店舗の閉店に伴う不用品回収など、単価の高い法人案件を獲得できるチャンスが広がります。
ステップ3:【販路確保】回収した物をどこで売る?古物市場と海外輸出
回収した不用品を現金化するための販路を開拓します。
地域の「古物市場」に参加登録すれば、家具や家電を業者間で売買できます。
また、国内では需要のない古い食器やぬいぐるみなども、海外輸出業者に持ち込めばキロ単位で買い取ってくれる場合があります。
鉄やアルミなどの金属スクラップは、金属買取業者へ。
これらのルートを複数確保しておくことが、利益率を高める鍵です。
ステップ4:【集客戦略】「地域名+不用品回収」で信頼されるWeb活用術
ホームページを作成し、料金体系や作業事例、スタッフの顔写真を掲載して安心感をアピールします。
そして、Googleビジネスプロフィールに登録し、口コミを集めることで、地域検索での上位表示(MEO対策)を狙います。
ブログで「粗大ごみの出し方」などの役立つ情報を発信し、アクセスを集めるのも有効です。
Webからの問い合わせは、成約率が高く、リピートにも繋がりやすい良質な顧客層です。
ステップ5:【事業拡大】「遺品整理」「ゴミ屋敷清掃」へ展開し、単価を上げる
不用品回収の実績を積んだら、より専門性が高く、単価の高い分野へ進出しましょう。
その代表が「遺品整理」と「ゴミ屋敷清掃」です。
遺品整理には「遺品整理士」などの民間資格を取得し、専門知識と心構えを身につけることが信頼に繋がります。
これらの案件は、1件で数十万円~100万円以上の売上になることもあり、事業を大きく飛躍させる起爆剤となります。
まとめ:不用品回収とは、地域の「環境」と「資産」を循環させる仕事
不用品回収の仕事は、お客様の「片付けたい」という悩みを解決し、まだ使えるモノに新たな命を吹き込み、地域社会の環境を守ることができます。
法律を守り、誠実な商売をすれば、お客様からの信頼は積み上がり、それはやがて大きな資産となります。
あなたのその行動力が、地域の暮らしを良くします!
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