2025.12.22 起業ガイド
飲食店の起業|3年で潰さない!失敗しない開業手順と経営の鉄則
Index
「いつか、自分の店を持ちたい」。その夢は、人生を賭ける価値のある素晴らしいものです。
しかし、飲食業界は「3年で7割が廃業する」と言われる過酷な世界。
美味しい料理を作るだけでは、生き残ることはできません。
この記事では経営の鉄則と、失敗しない開業ロードマップを徹底解説します。
最後まで読むことで、飲食店で起業する際にどんなことを気を付けてどのように起業をすれば良いかがわかります。
なぜ、多くの飲食店は「美味しいのに」潰れてしまうのか?
「あのお店、美味しかったのに閉店しちゃったね」。そんな会話をしたことはありませんか?
実は、飲食店の廃業理由の多くは、「味」ではなく「経営」の失敗です。
起業前に、なぜ多くの店が志半ばで暖簾を下ろすことになるのか、その理由を理解しておきましょう。
理由1:「コンセプト」が曖昧で、誰にも刺さらない店になる
「誰でも気軽に来てほしい」と、ターゲットを広げすぎた結果、誰にとっても「わざわざ行く理由がない店」になってしまうケースです。
メニューも内装も中途半端になり、競合店に埋もれてしまいます。
成功する店は、「30代の働く女性が、仕事帰りに一人で癒やされる店」のように、コンセプトが鋭く尖っています。
理由2:「立地」と「ターゲット」のミスマッチ。そこに客はいない
どんなに素晴らしいコンセプトでも、そのターゲットとなる顧客がいない場所に出店してしまえば、ビジネスは成立しません。
例えば、学生街に高級フレンチを出しても、集客は困難です。
「家賃が安いから」という理由だけで立地を決め、人通りのなさに後悔する経営者は後を絶ちません。
理由3:「どんぶり勘定」。FLコスト(食材・人件費)の管理不足
「売上はあるのに、手元にお金が残らない」。
これは、原価率(Food)と人件費率(Labor)の合計である「FLコスト」の管理ができていない証拠です。
一般的に、FLコストは売上の60%以内に抑えるのが鉄則ですが、どんぶり勘定で食材を仕入れたり、無駄なシフトを組んだりして、利益を食いつぶしてしまいます。
勝てる店を作る!開業前に決めるべき「3つの核」
失敗の原因を避けるためには、物件を探す前に、お店の「核」となる部分を固める必要があります。
これがブレていると、どんなに良い物件を見つけても、成功はおぼつきません。
核1:【コンセプト設計】「誰に、何を、どう提供し、どうなって欲しいか」
コンセプトは、お店の憲法です。
「誰(ターゲット)」に、「何(看板メニュー)」を、「どのような空間・サービス(提供方法)」で提供し、その結果「どんな体験(顧客の感情)」を持ち帰ってもらいたいのか。これを5W1Hで具体的に言語化しましょう。これが全ての判断基準になります。
核2:【メニュー開発】看板商品(キラーコンテンツ)を作り込む
「これを目当てに来店する」という、強力な看板商品(キラーコンテンツ)を一つ作りましょう。
それは、写真映えするメニューかもしれませんし、圧倒的なコスパのランチかもしれません。
何でも美味しい店よりも、「あのハンバーグが美味しい店」の方が、お客様の記憶に残り、口コミも広がりやすくなります。
核3:【収支計画】損益分岐点を知り、利益が出る構造を作る
「1日いくら売れば、赤字にならないか(損益分岐点)」を把握していますか?
家賃、光熱費、人件費などの固定費を算出し、目標とする利益を出すために必要な客数と客単価を計算します。
現実的な数字に基づいた計画を立てるのも、経営者の仕事です。
物件・資金・許可…飲食起業の「ハードル」を乗り越える
コンセプトが固まったら、いよいよ具体的な準備に入ります。
ここでは、開業までの主要なステップと、注意すべきポイントを解説します。
ステップ1:【資金調達】自己資金はいくら必要?融資を引き出す事業計画書
飲食店の開業には、物件取得費、内装工事費、厨房機器などで、一般的に500万〜1,000万円程度の資金が必要です。
自己資金だけで賄えない場合は、日本政策金融公庫などの創業融資を活用します。
融資審査では、「この店なら確実に返済できる」と思わせる、根拠のある事業計画書が必須です。
ステップ2:【物件探し】居抜き?スケルトン?失敗しない物件選びの極意
物件には、前の店の内装や設備が残っている「居抜き」と、コンクリート打ちっぱなしの「スケルトン」があります。
初期費用を抑えたいなら居抜きが有利ですが、レイアウトの制限や設備の老朽化リスクもあります。
コンセプトに合致し、ターゲット顧客が多く通る場所かどうか、曜日や時間帯を変えて何度も現地調査を行いましょう。
ステップ3:【店舗デザイン】「入りたくなる」外観と「働きやすい」厨房
外観は、お店の顔です。コンセプトが一目で伝わり、入店への心理的ハードルを下げるデザインを心がけましょう。
また、厨房は「働きやすさ(動線)」が命です。
スタッフが効率よく動けるレイアウトにすることで、提供スピードが上がり、人件費の削減にも繋がります。
ステップ4:【許可・資格】保健所、消防署…オープンまでに必要な手続き一覧
飲食店を開業するには、「食品衛生責任者」の資格と、保健所の「飲食店営業許可」が必須です。
また、収容人数が30人以上の場合は「防火管理者」の資格も必要になります。
深夜にお酒を提供する場合は、警察署への届出も必要です。これらの手続きは時間がかかるため、早めに準備を進めましょう。
オープン初日から満席にする!「集客」の仕組み化
「店を開ければ客が来る」時代は終わりました。
オープン前から戦略的に集客を行い、スタートダッシュを決めることが重要です。
Web集客:Googleマップ(MEO)とSNSで「見つけてもらう」
現代の集客において、Googleビジネスプロフィール(MEO対策)への登録は必須です。
「地域名+業態(例:渋谷 カフェ)」で検索された際に、自分のお店が地図上に表示されるようにしましょう。
また、Instagramでお店の雰囲気や料理の写真を投稿し、オープン前からファンを作っておくことも効果的です。
アナログ集客:チラシ・看板で、近隣住民の心を掴む
Webだけでなく、アナログな手法も依然として強力です。
近隣の住宅やオフィスへのチラシ配布、店頭へのA型看板の設置など、通りがかりの人や地域住民に「ここに新しいお店ができるんだ」と認知してもらう活動を地道に行いましょう。
リピーター対策:LINE公式アカウントで「また来たい」を作る
新規集客にはコストがかかります。
利益を安定させる鍵は、リピーターです。
来店時にLINE公式アカウントに登録してもらい、雨の日のクーポンや新メニューのお知らせなどを配信して、再来店を促しましょう。
まとめ:飲食店の起業とは、お客様の「幸せな時間」を創る仕事である
飲食店の経営は、お客様の「美味しい!」という笑顔、家族や友人との楽しい会話、そして心安らぐ「幸せな時間」を創り出す、尊い仕事です。
経営の道のりは険しいですが、お客様からの「ありがとう、また来るね」という言葉は、価格以上の価値となるはずです!
◯関連記事
・45歳で起業は遅くない!スキルなしでも経験を活かす独立の手順
・【朗報】起業は難しくない!凡人でも成功できる5つの理由と始め方