2025.10.10 起業ガイド
観光農園で起業!未経験から始める方法と儲かる経営5ステップ
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「自分で育てたフルーツや野菜で多くの人に喜んでもらいたい」
「お客様の思い出となるような農園にしたい」
観光農園として多くの人に遊びに来てほしいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、観光農園として起業するために必要なことや集客、ビジネスとして続けているかが不安になりますよね。
そこで、今回は観光農園の起業で成功するために必要なことやビジネスアイデアを解説します。この記事を読めば、観光農園でどのように起業すればよいか全体像がつかめます。
なぜ今、ただの農家ではなく「観光農園」が狙い目なのか?
観光農園の起業が狙い目なのは、人々の価値観と消費行動の大きな変化にあります。
ただ野菜やフルーツの畑を所有するのではなく、人々が心に残る体験を求める時代だからこそ、農業に「観光」を掛け合わせたビジネスモデルが注目されています。
観光農園の起業がなぜ狙い目なのか、次で詳しく解説していきます。
理由1:「モノ消費」から「コト消費」へ。体験にはお金を払う時代
いまの消費者は、スーパーで綺麗な野菜を買うだけでなく、自らの手で土に触れ、作物を収穫し、その場で味わうという体験にこそ、大きな価値を感じ、喜んでお金を払います。
毎年、さくらんぼ狩りやいちご狩りなどもとても人気ですよね。
観光農園は、この体験のニーズに応えるビジネスです。家族や恋人との楽しい時間、子供の食育、自然とのふれあいといった、お金には代えがたい「思い出」という価値を求めて訪れます。
この付加価値こが、生産物を市場価格の数倍で販売することを可能にする、観光農園の収益の源泉です。
理由2:SNS映えは最強の広告塔。口コミが勝手にお客を呼ぶ
真っ赤に実ったいちご畑で微笑む子供の写真、青空の下で楽しむバーベキューの様子。
観光農園は、思わず誰かにシェアしたくなるようなSNS映えの宝庫です。
お客様が投稿してくれた一枚の写真や動画は、強力な宣伝効果を持ち、無料であなた農園の魅力を拡散してくれます。
ハッシュタグを通じて、あなたの農園を知らなかった新しいお客様が次々と訪れ、そのお客様がまた新たな投稿を生む。
この好循環が生まれれば、多額の広告費をかけずに安定した集客を実現可能です。
大切なのは、お客様が「撮りたい!」「投稿したい!」と思うような、魅力的な景色や仕掛けを用意しておくことです。
理由3:収穫体験だけじゃない!多様な収益源で収入を安定化
農業の最大の敵は、天候不順による収入の不安定さです。
しかし、観光農園は、このリスクを様々な方法で分散させることができます。
例えば、収穫体験の入場料だけでなく、採れたての果物を使ったジャムやジュースなどの「加工品販売」、農園の景色を楽しめる「カフェの運営」、手ぶらで楽しめる「バーベキュー施設の提供」、さらには「農業体験教室」や「マルシェの開催」など、収益の柱を複数持つことが可能です。
仮に作物の出来が良くない年でも、他の事業で収益をカバーでき、年間を通じて安定した経営基盤を築くことができます。
農業未経験者が陥る「3つの落とし穴」と回避策
「農業が好きだから」「野菜や果物が好きだから」という想いはとても素敵ですし、観光農園を起業する上で重要なことです。
しかし、想いだけでは乗り越えられない、厳しい現実も存在します。特に農業未経験者は、理想と現実のギャップに苦しみ、夢半ばで挫折してしまうケースが後を絶ちません。
次は3つの典型的な落とし穴を具体的に解説します。
罠1:【栽培計画の甘さ】「作物が育たない…」初年度で収穫ゼロの悪夢
農業は、自然を相手にする甘くない世界です。
その土地の土壌や気候に合わない作物を選んでしまったり、病害虫対策の知識が不足していたりすると、一年間丹精込めて育てたつもりが、オープン直前に全滅…という悲劇も起こり得ます。
「とりあえず、人気のいちごを植えよう」といった安易な考えは非常に危険です。
回避策はただ一つ、その土地の特性に詳しい地域のベテラン農家や、JAの営農指導員といった農業のプロに必ず教えをもらうことです。
罠2:【サービス業視点の欠如】「美味しい」だけでは、客はリピートしない
どんなに甘くて美味しい果物ができても、お客様が「もう二度と来たくない」と感じてしまえば、リピーターがつかずビジネスとして成り立たないです。
例えば、「駐車場が狭くて停めにくい」「トイレが汚くて使う気になれない」「スタッフの対応が無愛想だった」「子供が遊べる場所がなくて退屈した」など、お客様の不満は作物の味以外に無数に存在します。
あなたは農家であると同時に、お客様に最高の「おもてなし」を提供するサービス業の経営者でもあります。
お客様の目線に立ち、快適で楽しい時間を過ごしてもらうための配慮が隅々まで行き届いているかが重要です。
罠3:【資金繰りの見通しの甘さ】天候不順と初期投資で、運転資金が枯渇
観光農園は、土地の購入や整備、ハウスの建設、苗の購入など、初期投資が数千万円単位になることも珍しくありません。
そして、初収穫までには最低でも1年以上かかります。多くの方は、この初期投資額ばかりに気を取られ、開業後の運転資金の準備を怠りがちです。
売上が全くない期間にも、ローンの返済や自分たちの生活費は容赦なく出ていきます。
そこへ台風や長雨といった天候不順が追い打ちをかければ、どんなに素晴らしい夢を描いていても、資金が底をついた時点でゲームオーバーです。
最低でも1年分の生活費と経費を「運転資金」として別途確保しておく必要があります。
そんなお悩みの方に、起業スクールのスタートアップアカデミーでは、無料のオンライン起業相談を行っています。
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あなたはどの体験を売る?観光農園4つのビジネスモデル
観光農園の起業と一口に言っても、その形は様々です。
土地の広さや資金力、そして何より「どんなお客様に、どんな体験を提供したいか」によって、目指すべきビジネスモデルは大きく変わります。
ここでは、代表的な4つのモデルを比較し、それぞれの特徴や収益性、運営の難易度を解説します。
どのモデルが自分たちの理想に最も近いか、具体的なイメージを膨らませてみましょう。
| ビジネスモデル | 特徴 | 初期投資 | 運営難易度 | 収益性 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 特化型 (いちご、ぶどう等) |
単一作物に集中し、専門性とブランド力を高める王道モデル。 | 中~高 | 中 | 中~高 |
| 2. 複合型 (+BBQ・カフェ) |
複数の収益源を持ち、客単価と滞在時間を向上させるモデル。 | 高 | 高 | 高 |
| 3. 教育・福祉連携型 (+食育・農業体験) |
社会貢献性が高く、平日にも安定した集客が見込めるモデル。 | 低~中 | 高 | 低~中 |
| 4. 滞在型 (+グランピング・農泊) |
宿泊施設を併設し、究極の非日常体験を提供する高付加価値モデル。 | 非常に高い | 非常に高い | 非常に高い |
上記のモデルにも一長一短があります。
例えば、未経験から始めるなら、まずはリスクの低い「特化型」や、小規模な「教育連携型」からスタートし、事業が軌道に乗ってから「複合型」や「滞在型」へとステップアップしていく、という戦略も非常に有効です。
旅行会社と提携してツアーに組み込んでもらえたら、安定的な収益も生み出せます。
未経験から儲かる観光農園を作る!成功ロードマップ5ステップ
漠然とした憧れを、実際に収益を生む事業へと変えるためには、正しい順序で、着実にステップを踏んでいく必要があります。
農業未経験のあなたが、失敗のリスクを最小限に抑えながら、多くの人から愛され、かつ人気の観光農園を創り上げるための、具体的なロードマップを5つのステップで解説します。
ステップ1:【コンセプト設計】誰に、どんな「一日」をプレゼントしたいか?
最初のステップは、作物を決めることではありません。
「あなたの農園は、誰に、どんな特別な一日をプレゼントする場所なのか?」という、事業の核となるコンセプトを決めることです。
例えば、「小さな子供連れの家族が、泥んこになって遊び、食の大切さを学べる農園」や「都会で働く女性が、週末に訪れて心からリフレッシュできる、お洒落なハーブ園」などです。
このコンセプトが明確であればあるほど、ターゲット顧客に響く体験、空間、そして情報発信の仕方が自ずと決まってきます。
ステップ2:【土地と作物の選定】農業のプロに聞く!失敗しない選び方
コンセプトが決まったら、それを実現するための土地を探し、作物を検討します。
しかし、農業未経験者が自己判断で土地や作物を決めるのは絶対にやめましょう。
まずは、開業したい地域の自治体の農業担当窓口や、JA(農協)を訪ね、「この地域で観光農園を始めたいのですが」と相談することから始めます。
そこで地域の気候や土壌の特性、栽培に適した作物、そして何より信頼できる指導者(ベテラン農家)を紹介してもらうのが重要です。
農地法など専門的な法律も絡むため、専門家のサポートは必須です。
ステップ3:【資金計画】自己資金は?補助金は?リアルな数字を徹底解説
夢を現実にするには、お金の計画が不可欠です。
土地の取得や賃借費用、ハウスや施設の建設費、苗や肥料の購入費、そして開業後1年間の運転資金(生活費含む)など、必要な資金を可能な限り詳細にリストアップします。
自己資金で不足する分は、日本政策金融公庫の融資や、国・自治体が提供する様々な補助金・助成金を活用します。
特に、新規就農者向けの支援制度は手厚いため、必ずチェックしましょう。申請には事業計画書が必要なので、しっかり準備しましょう。
ステップ4:【集客設計】オープン前からファンを作る!SNS時代のPR戦略
農園が完成してから集客を始めるのでは、スタートダッシュに失敗します。
土地が決まり、工事が始まった段階から、SNS(特にInstagram)で情報発信を始めましょう。「〇〇(地名)で、家族で楽しめる観光農園を作っています!」と宣言し、農園作りのプロセスや、あなたの想い、作物の成長記録などを発信していきます。
オープンする頃には、あなたの農園の誕生を心待ちにしてくれる「ファン」が生まれています。このオープン前の期待感の醸成が、初年度の成功を左右します。
ステップ5:【体験の磨き込み】「また来たい!」を生む、おもてなしの仕掛け
お客様がリピートするかどうかは、「収穫体験が楽しかったか」だけで決まるわけではありません。
むしろ、「それ以外の時間」の快適さが重要です。例えば、清潔で広いトイレ(おむつ替え台は必須)、子供が飽きないための小さな遊び場(ブランコや砂場)、日差しを避けられる休憩スペース、採れたての果物を使ったウェルカムドリンクのサービスなど。
ちょっとした気遣いやおもてなしの仕掛けの積み重ねが、お客様の感動を生み、「また絶対に来たい!」と思わせることができます。
まとめ:観光農園とは、あなたの理想の暮らしを形にする仕事
観光農園の経営は、夏の暑さや冬の寒さの中での肉体労働、天候に一喜一憂する不安定さなど、決して楽な仕事ではありません。
しかし、自らの手で育てた作物を、お客様が目の前で「美味しい!」と頬張る瞬間を見たら、間違いなく起業して良かった!と思えるはずです。
この記事が観光農園で起業する際の参考になれば幸いです。
「農園のスタートダッシュをサポートしてほしい」
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