2025.10.25 起業ガイド
「行政書士は食えない」は嘘?年収アップにつながる人の特徴と共通点
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「行政書士の資格を取ったはいいものの、本当に食べていけるのだろうか?」
「独立開業したいけれど、ネットでよく見る『食えない』という言葉が頭から離れない…」
自由な働き方や専門家としてのキャリアに魅力を感じつつも、収入面の不安から、開業に踏み出せずにいる方は少なくありません。
本記事では、行政書士は食えないのは果たして本当なのか?年収アップを実現している行政書士の具体的な特徴と、今日から実践できる戦略を解説します。
この記事を読めば、行政書士として安定した収入を得るための具体的な方法がわかり、「食えない」不安が「自分にもできる」という確信に変わります。
行政書士が食えない「悲惨」は誤解?リアルデータで検証
「行政書士は悲惨だ」との声もありますが、真意のほどは客観的なデータを見れば検証できます。
多くの方が持っているイメージとは異なる、行政書士業界のポジティブな実態を知れば、不安は少し和らぎます。
平均年収は約591万円と会社員以上
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、行政書士の平均年収は約591万円とされています。
この金額は、国税庁が発表している日本の会社員の平均年収478万円を上回る水準です。
もちろん、年収1,000万円以上を稼ぐ行政書士が数値を引き上げている可能性もあります。しかし、やり方次第で会社員以上の収入を得ることが可能であることをデータが明確に示しています。
市場規模は10年間で2倍に拡大中
総務省の経済センサスによると、行政書士事務所を含む専門サービス業の市場規模(売上高)は、過去10年で約2倍に拡大しています。
拡大している理由しては、社会構造の複雑化により、ドローン飛行許可や補助金申請支援、外国人在留資格など、新たな許認可や法的手続きが次々と生まれているためです。
これは、行政書士の活躍の場が今も広がり続けている証拠であり、変化に対応できる者にとってはチャンスがあると言えます。
行政書士が食えないと言われる6つの理由
新規参入時に直面する、6つの明確な「壁」が存在します。
どのような理由なのか具体的に見ていきましょう。
1. 行政書士開業初期の収入不安
会社員と違い、独立開業した直後は収入が保証されていません。
顧客をゼロから開拓する必要があるため、最初の数ヶ月、あるいは1年以上、売上がほとんどないケースもあり得ます。
収入ゼロ期間のプレッシャーに耐えきれず、「やっぱり食えない!」と廃業してしまうことが、ネガティブな評判が広まる一因です。
2. 価格競争に巻き込まれる
開業当初は実績や経験に自信がないため、仕事欲しさに「安さ」を売りにしがちです。
これは自身のサービスの価値を下げ、事務所の経営を疲弊させる悪循環の始まりです。
相場より安い価格で仕事を受ければ、1件あたりの利益は少なくなり、常に多くの案件をこなさなければなりません。
結果として、サービスの質が低下し、顧客満足度も上がらず、次の仕事にもつながらない負のスパイラルに陥ります。
3. 営業・集客スキルの不足
開業後の行政書士に問われるのは、法律の知識や書類作成の能力など、優れた専門知識だけではなく、「どうすればお客様に見つけてもらえるのか」というマーケティングの視点です。
事務所の看板を掲げて待っているだけでは、仕事はきません。資格の勉強とは別に、営業や集客のスキルが求められます。
4. 士業の中でも登録者数が多く飽和状態
行政書士の登録者数は全国で約5万人を超えています。他の士業と比較しても多く、「競合が多いから、仕事の奪い合いになるのは当然だ」と感じる原因です。
これから参入しようとする新人には、どの地域にもベテランの事務所が存在するように見え、「入り込む隙がない」という飽和状態のイメージを強く抱かせてしまいます。
5. 行政書士の仕事が世間に理解されにくい
弁護士や税理士と比べて、行政書士の業務内容は一般に広く知られていません。「街の法律家」と言われても、「何を相談できるのか」がイメージしづらいです。
これは、潜在的な顧客が悩みを抱えていても、行政書士に相談する選択肢にたどり着かない可能性を意味します。
そのため、積極的に「私たちはあなたのこんな悩みを解決できます」と情報発信していく必要があります。
6. 定型業務が多くAIに仕事を奪われ将来性が低い
「定型的な書類作成は、将来AIに代替される」という不安も「食えない」と言われる一因です。
単純な入力作業はAIに置き換わっていくでしょう。
しかし、行政書士の業務は、顧客の状況をヒアリングし、法律に基づいて最適な解決策を提案するコンサルティングにあります。
顧客に寄り添い、課題を解決していく付加価値の高い業務はAIには真似できません。
食いっぱぐれない行政書士の共通点5つ
厳しい現実を乗り越え、安定して収益を上げている行政書士には共通している5つの特徴があります。
- 専門分野に特化している
- 将来の顧問契約につながるよう単発顧客を育てている
- ブログやSNSを活用している
- AIを活用し業務効率化を図っている
- 他士業とのネットワークを築いている
1. 専門分野に特化している
成功している行政書士は、例外なく「〇〇専門」の明確な強みがあります。
「建設業許可なら、〇〇先生」「外国人のビザ申請なら、〇〇事務所」のように、専門性を打ち出すことで、顧客から選ばれやすくなります。
専門を絞れば、知識や経験が深く蓄積され、サービスの質が向上します。
また、情報を届けるべき相手が明確になるため、集客も効率的に行えます。
2. 将来の顧問契約につながるよう単発顧客を育てている
食える行政書士は、単発業務で終わらせません。
例えば、会社設立の手続きを依頼された顧客に対し、事業に必要な許認可の取得や毎年の議事録作成などを提案し、継続的な関係を築きます。
依頼された仕事に丁寧に取り組み、顧客満足度を高めれば、「何かあれば、またここにお願いしよう」という信頼を勝ち取り、安定した収益源である顧問契約へとつなげられます。
3. ブログやSNSを活用している
現代において、Webを活用した情報発信は不可欠です。
成功している行政書士は、自身の専門分野に関する役立つ情報をブログで発信したり、法改正のニュースをSNSで分かりやすく解説したりすることで、見込み客との接点を作っています。
こうした活動は、専門家としての信頼性を高めると同時に、「この人は詳しそうだ」という印象を与え、問い合わせに繋げられます。
4. AIを活用し業務効率化を図っている
「AIに仕事を奪われる」と恐れるのではなく、むしろ積極的にAIを使いこなすのが食える行政書士の思考です。
書類作成の一部を効率化するソフトや、顧客管理システムなどを導入し、単純作業にかかる時間を削減します。
そこで生まれた時間を、顧客との面談やコンサルティング、新規営業活動といった、人間にしかできない高付加価値な業務に集中させています。
5. 他士業とのネットワークを築いている
行政書士の業務範囲は広く、限界もあります。
例えば、顧客の相談内容が登記や税務、訴訟に及んだ場合、司法書士や税理士、弁護士の力が必要です。
食いっぱぐれない行政書士は、こうした他士業との連携を密にし、自身の手に負えない案件は信頼できる専門家を紹介する体制を整えています。
顧客のあらゆるニーズに応えられるワンストップサービスを実現し、逆に他士業から仕事を紹介してもらう機会も得ています。
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年収アップで食える行政書士になるための具体的戦略4つ
未経験からでも着実に「食える行政書士」を目指すためには、具体的に4つの戦略があります。
- 差別化ポジションを確立する
- 法人顧客とのつながりを強化する
- 副業からはじめて廃業リスクを減らす
- 行政書士の将来性を見据えた分野を選ぶ
1. 差別化ポジションを確立する
「〇〇専門」と名乗るだけでなく、独自の強みを掛け合わせて、競合との差別化を図りましょう。
例えば、「元ITエンジニア」の経歴と行政書士の知識を活かして、「IT企業の補助金申請・法人設立支援専門」と打ち出します。
自身の過去の職歴や経験を専門分野に掛け合わせれば、他の行政書士にはない付加価値が生まれ、競合と戦わずに選ばれる存在になれます。
2. 法人顧客とのつながりを強化する
安定した事務所経営を目指すなら、個人顧客よりも法人顧客の開拓に注力するのが得策です。
法人は、事業を行ううえで許認可の更新や各種届出など、継続的な法務サポートを必要とする場面が多く、長期的な顧問契約につながります。
地域の商工会議所や経営者団体などに積極的に参加し、顔と名前を覚えてもらうことから始めましょう。
3. 副業からはじめて廃業リスクを減らす
いきなり会社を辞めて独立することに不安があるなら、副業から始めるのが安全な戦略です。
会社員として安定した収入を確保しながら、週末や夜間の時間を使って行政書士の実績を積んでいきましょう。
Webサイトの準備やSNSでの情報発信は、すぐにでも始められます。
「建設業許可の取り方」や「飲食店開業の手続き」などのテーマでブログ記事やSNSで分かりやすく解説し、1件5万円の案件を月に1件でも受注できれば、5万円の収入が実現します。
月に数万円でも稼げるようになり、事業が軌道に乗る見込みが立ってから独立すれば、収入不安のリスクを減らせます。
4. 行政書士の将来性を見据えた分野を選ぶ
専門分野を選ぶ際は、興味だけでなく将来性も重要です。
例えば、高齢化社会を見据え「相続・遺言・成年後見」や、国の政策として推進されているDXやGXに関連する「補助金申請」を専門にするなど、時代の流れを読み、需要が伸びる分野を選べば、長期的に活躍できます。
まとめ:行政書士は食えないのではなく戦略で将来を変えられる
「行政書士は食えない」と言われるのは、戦略を持たずに市場の競争に飲み込まれてしまった方の声に過ぎません。
今から開業しても十分に活躍できる市場です。
本記事で見てきたように、客観的なデータを見ると、行政書士には将来性があることがわかります。
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