2025.11.10 起業ガイド
マンション管理士の年収は?独立して月収50万円を稼ぐ試算と成功戦略
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「管理会社の方針と理事会の板挟みで、住民のためになる提案ができない」
「マンション管理士で独立したいけれど、食えないという噂も聞く」
40代・50代からのキャリアチェンジを考える方ほど、こうした不安を抱えています。
先に結論をお伝えすると、マンション管理士の年収は、勤めるか独立するかで決まり方がまったく違います。独立した場合の年収は、毎月の顧問料が入る管理組合を何件持てるかでほぼ決まります。
顧問契約を8〜10件ほど持ち、単発の仕事を組み合わせれば、月収50万円(年収600万円)は現実的な目標です。
本記事では、マンション管理士の年収の現実と試算、「やめとけ」と言われる理由、年収を上げる戦略、開業の準備と最初の顧客の取り方まで解説します。
マンション管理士の年収の現実
まずは、マンション管理士がどのくらい稼げるのか、収入の仕組みから確認します。
マンション管理士の年収に公的な統計はない
マンション管理士の平均年収を示す、国の公的な統計はありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査にも、マンション管理士という職種の区分はありません。
インターネット上で見かける「平均年収○○万円」といった数字は、求人情報や推計をもとにしたものがほとんどです。数字をうのみにせず、自分の働き方で収入がどう決まるかを理解するほうが役に立ちます。
勤めるか独立するかで、収入の決まり方が違う
マンション管理士の働き方は、大きく分けて3つあります。
| 働き方 | 収入の決まり方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 管理会社などに勤める | 会社の給与(資格手当がつく会社もある) | 収入は安定するが、資格だけで大きく上がることは少ない |
| 独立して開業する | 顧問料 × 件数 + 単発の仕事の報酬 | 上限はないが、顧問先がない間は収入がほぼゼロ |
| 会社員のまま副業で始める | 本業の給与 + 単発・少数の顧問料 | リスクは低いが、平日昼間の理事会や現地確認に対応しにくい |
「マンション管理士は食えない」と言われるのは、資格を取れば仕事が来ると思って独立し、顧問先を作れないまま終わる人がいるためです。
逆に言えば、顧問先を増やす仕組みを作れた人は、会社員時代より稼げる可能性があります。
独立したマンション管理士の年収シミュレーション
独立した場合の収入を、具体的な数字で試算してみます。
料金は事務所ごとに違い、統一の相場はありません。以下はあくまで考え方を示すための試算例です。
月収50万円(年収600万円)の内訳の例
| 収入の種類 | 設定の例 | 月の売上 |
|---|---|---|
| 顧問契約 | 月4万円 × 8件 | 32万円 |
| 管理規約の改正支援 | 1件60万円を年2件 | 10万円(月平均) |
| 長期修繕計画の見直し・管理委託契約の見直し | 1件30万円を年2件 | 5万円(月平均) |
| 相談会・セミナー・自治体の派遣など | 月数回 | 3万円 |
| 合計 | — | 50万円 |
ここから、交通費、通信費、ホームページの維持費、マンション管理士会の会費、賠償責任保険などの経費が引かれます。経費を月5万円とすると、手元に残る所得は月45万円ほどです。
さらに所得税・住民税と、国民健康保険・国民年金を自分で払う点も忘れないでください。
顧問先が増えるまでには時間がかかる
顧問契約は、管理組合の理事会や総会で承認されて初めて決まります。提案から契約まで数か月かかることも珍しくありません。
そのため、開業1年目は顧問先がゼロから数件という状態が普通です。最初の1〜2年分の生活費を用意するか、副業で顧問先を作ってから独立するのが安全です。
顧問料はどう決まるか
顧問料は、マンションの戸数と、どこまで対応するかで決まります。たとえば、次のような要素で金額が変わります。
- 月1回の理事会に出席するか
- 総会の資料づくりや議事録の確認まで支援するか
- メールや電話の相談に、どこまで対応するか
- 管理会社から出てくる見積もりや報告書を確認するか
対応する範囲を最初に書面で決めておくと、「何でも頼まれるのに料金は同じ」という状態を防げます。
マンション管理士の起業は「やめとけ」と言われる理由
独立について調べると、「やめとけ」という声を目にします。事前に対策が取れるように、よくある理由を確認しておきましょう。
独占業務がなく、便利屋になりやすい
マンション管理士には、弁護士や税理士のように、法律で資格者だけに認められた独占業務がありません。管理組合への助言や支援は、資格がなくても行えます。
専門分野を決めないまま独立すると、管理組合のさまざまな要望に安い料金で応え続ける「便利屋」になりがちです。時間だけが取られ、年収は上がりません。
個人の実績がなく、価格で選ばれてしまう
独立した直後は、個人としての実績がない状態から始まります。会社員時代の実績は、会社の看板があってこそのものだったと考えておくべきです。
信頼がないうちは価格で勝負せざるを得ず、実績のある事務所や低価格のコンサルタントとの競争に巻き込まれます。
仕事を待つ姿勢から抜け出せない
会社員なら、仕事は会社が取ってきてくれます。独立すると、自分で仕事を取らなければ収入はゼロです。
長く組織にいた人ほど、仕事を待つ姿勢が身についています。営業も含めて、事業のすべてを自分で動かす意識に切り替える必要があります。
マンション管理士が年収を上げるための戦略
ここまでの課題は、戦略を立てれば乗り越えられます。年収を上げている独立マンション管理士に共通する考え方を紹介します。
特定の分野の専門家になる
稼いでいるマンション管理士は、何でも屋ではありません。「大規模修繕のコンサルティング」「管理規約の改正支援」「管理会社の変更・委託費の見直し」など、得意な分野をはっきり打ち出しています。
分野を絞ると、知識と事例がたまり、「この問題ならあの先生に」と指名で相談が来るようになります。指名で選ばれれば、価格競争から抜け出せます。
顧問契約を収入の柱にする
単発の仕事だけでは、毎月新しい顧客を探し続けることになり、収入が安定しません。毎月決まった額が入る顧問契約を、収入の土台にすることが大切です。
顧問先の管理組合と長く付き合うと、大規模修繕や規約改正など、単発の大きな仕事の相談も自然に来ます。顧問契約は、次の仕事の入口にもなります。
管理会社での実務経験を強みにする
管理業務主任者やフロント担当として働いた経験は、独立後の大きな武器です。理事会の進め方や、住民どうしの人間関係の難しさを知っているからこそ、現実に合った助言ができます。
管理会社の見積もりや報告書の「見るべきところ」がわかるのも強みです。管理組合にとっては、管理会社と対等に話せる味方になります。
制度の変化を仕事にする
マンション管理をめぐる制度は、ここ数年で大きく変わっています。変化があるところには、管理組合の困りごとが生まれます。
- 管理計画認定制度:管理組合の管理計画を自治体が認定する制度です。認定の申請前に、基準に合っているかを確認する「事前確認」を、マンション管理士に依頼できます(その管理組合の区分所有者や、委託先の管理会社の担当者は除かれます)。
- 2026年4月施行の法改正:区分所有法などが改正され、集会の決議の要件が「出席した区分所有者とその議決権の過半数」に緩和されるなどの見直しがありました。標準管理規約も改正されており、管理規約を見直す管理組合が増えると考えられます。
- 管理会社が管理者になる方式への対応:理事のなり手不足から、管理会社が管理組合の管理者になる方式が増えています。改正で規律が整えられましたが、管理組合側の立場で契約内容や運営を確認する専門家のニーズもあります。
また、国土交通省によると、築40年以上のマンションは2023年末時点で約136.9万戸です。10年後には約2.0倍の約274.3万戸、20年後には約3.4倍の約463.8万戸になると見込まれています。建物の老朽化と住民の高齢化が進むほど、修繕や建替えの合意づくりを支える専門家が必要になります。
独立して稼ぐための経営を学びませんか?

マンション管理士として独立して稼ぐには、専門知識に加えて、料金の決め方や集客、資金計画といった経営の知識が欠かせません。
ソーシャルスタートアップアカデミーでは、起業アイデアの整理から、事業づくり、集客、価格設定、数字の管理まで、起業に必要な内容を体系的に学べます。
独立の準備として何を学べるか、まずは学習内容と料金を確認してみてください。
学習内容・サポート内容・料金を確認できます
マンション管理士として開業するまでの準備
戦略が決まったら、開業に向けた準備を進めます。期間の目安は、資格の登録から最初の顧客を探し始めるまでで3〜6か月ほどです。
マンション管理士として登録する
試験に合格しただけでは、マンション管理士を名乗れません。マンション管理センターに登録して初めて、マンション管理士の名称を使えます。
- 登録免許税:9,000円
- 登録手数料:4,250円
- 登録後は、5年ごとに法定講習を受ける必要があります
事業計画を立てる
事業計画とは、「誰に」「何を」「いくらで」提供して、どれだけ稼ぐかを決める設計図です。
たとえば、「自宅から1時間以内にある、築30年以上・50戸以上のマンションの管理組合に、長期修繕計画の見直しと顧問契約を提供する」というように、具体的に書き出します。あわせて、月収50万円に必要な顧問先の数と、そこまでの期間も計画に入れておきましょう。
料金メニューを作る
事業計画で決めた内容をもとに、料金メニューを作ります。顧問契約は、管理組合が「この金額を払う価値がある」と感じられる内容にすることが大切です。
たとえば、「月1回の理事会への出席、議事録の確認、メール相談、管理会社の報告書のチェック」をセットにして、戸数に応じて料金を決める方法があります。初回の無料相談や、単発の診断メニューを用意しておくと、顧問契約への入口になります。
費用を抑えて始める
独立にあたって、事務所を借りる必要はありません。最初は自宅で開業し、毎月かかる固定費をできるだけ抑えるのが安全です。
パソコンやプリンター、名刺、ホームページなど、最低限のものがあれば始められます。税務署への開業届も忘れずに出しましょう。事務所は、収入が安定してから考えても遅くありません。
マンション管理士が最初の顧客を獲得する方法
独立後の最初の壁は、1件目の顧客を取ることです。人脈とインターネットの両方を使って、相談が来る仕組みを作ります。
人脈と地域のつながりを使う
元同僚や取引先、友人・知人に独立したことを伝え、困っている管理組合を紹介してもらえないか相談しましょう。自分が住むマンションの管理組合の活動に関わるのも、実績づくりになります。
都道府県のマンション管理士会に入ると、自治体の相談会や管理組合へのアドバイザー派遣に参加できる場合があります。報酬は大きくなくても、管理組合と知り合うきっかけになります。
なお、管理会社から顧客を紹介してもらう場合は注意が必要です。管理組合の立場で管理会社に意見を言う場面があるため、紹介料などの利害関係があると、信頼を失いかねません。
ブログやホームページで相談を集める
人脈だけでは、顧客を増やし続けるのに限界があります。そこで役に立つのがブログやホームページです。
ブログは、24時間、自分の代わりに働く営業担当のようなものです。「管理費の滞納への対応」「修繕積立金が足りないときの対策」など、管理組合の理事が検索しそうな悩みに答える記事を書き続けると、関心のある人が見つけてくれます。こちらから売り込まなくても、「この人に相談したい」と連絡が来るようになります。
記事の材料は、国土交通省の「マンション標準管理規約」の改正点や、自治体のマンション管理に関する案内などの公的な情報がおすすめです。公的な情報をわかりやすく解説することで、専門家としての信頼も高まります。
マンション管理士の独立の難しさを他の士業と比較
行政書士や社会保険労務士など、ほかの士業と比べたときの難しさを整理します。
| 観点 | マンション管理士 | 行政書士・社労士など |
|---|---|---|
| 独占業務 | なし | あり(許認可の申請書類、労務の手続きなど) |
| 営業の難しさ | 高い。管理組合が課題に気づいていないことが多い | 比較的低い。依頼する理由がはっきりしている |
| 実務経験の活かしやすさ | 高い。管理会社での経験がそのまま商品になる | 分野によって違う |
| 開業資金 | 少ない。パソコン1台から始められる | 業務ソフトや会の入会金などがかかる場合がある |
マンション管理士は、営業の難しさはあるものの、経験が活かしやすく、少ない資金で始められます。課題に気づいていない管理組合に、課題と解決策を示す提案力が、年収を左右します。
よくある質問
マンション管理士は独立開業できますか?
はい、独立開業できます。ただし、資格を持っているだけで仕事が来るわけではありません。専門分野を決め、顧問契約を増やす戦略と、最初の1〜2年を乗り切る資金の準備が必要です。
マンション管理士の合格率はどのくらいですか?
令和7年度の試験は、受験者10,984人に対して合格者1,210人で、合格率は11.0%でした。令和6年度は12.7%です。合格率が低い難関資格である点は、管理組合からの信頼につながります。ただし、収入は資格の難しさではなく、顧問先の数で決まります。
会社員のまま副業で始められますか?
勤務先が副業を認めていれば可能です。単発の相談や、週末の総会への出席から始めて、顧問先が数件できてから独立する方法もあります。ただし、管理会社に勤めながら、自社が受託している管理組合の仕事を受けるのは利益相反になるため避けましょう。
マンション管理士に将来性はありますか?
需要は高まると考えられます。築40年以上のマンションは20年後に約3.4倍になる見込みで、修繕積立金の不足や役員のなり手不足といった課題も増えています。2026年4月の法改正や管理計画認定制度など、管理組合が専門家に相談したくなる場面も増えています。
まとめ:マンション管理士の年収は顧問契約で決まる。戦略を立てて独立の準備を進めよう
マンション管理士の年収に公的な統計はなく、独立した場合は顧問先の数と単発の仕事で決まります。顧問契約を8〜10件持てば、月収50万円(年収600万円)は現実的な目標です。
「やめとけ」と言われる背景には、独占業務がないことや、営業の難しさがあります。それでも、専門分野を決め、顧問契約を収入の柱にし、管理会社での経験や制度の変化を強みにすれば、挑戦する価値は十分にあります。
まずは事業計画と料金メニューを作り、副業や人脈から最初の1件を取ることから始めてみてください。
管理の経験を、事業として形にしませんか?

起業に必要なのは、最初から完璧なアイデアや特別な才能を持っていることではありません。
今の自分に必要な知識を学び、相談できる相手とつながり、行動を続けられる環境を持つことが大切です。
Social Startup Academyでは、アイデア出しから事業づくり、集客、価格設定、数字の管理まで、起業に必要な内容を順番に学べます。
自分に合う学びや環境があるか、まずは料金とサービス内容を確認してみてください。
学習内容・サポート内容・料金を確認できます
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