2025.09.23 起業ガイド
個人事業主の平均年収は?年商との違いと、年収の壁を超える方法【2026年】
Index
「個人事業主って、実際どれくらい稼げるんだろう?」「自分の年商は、世間と比べてどうなんだろう?」と気になっていませんか。
独立を考えるとき、多くの人が気になるのがお金の現実です。ただ、平均の数字だけを見て安心したり焦ったりするより、自分の暮らしに必要な金額から逆算した「目標年商」を持つことのほうが大切です。
先に結論をお伝えすると、総務省の調査では、個人企業の平均年商は約1,399万円、そこから経費を引いた事業主の取り分(年収にあたる営業利益)は約218万円です。
年商に対して手元に残るのは15%ほどで、年商と年収はまったく別物だと考える必要があります。
この記事では、個人事業主の平均年収と、年収の目安の考え方、公的な統計で見る個人事業主の平均年商と利益、年商と手取りの違い、年商の段階ごとに取り組みたいこと、自分の目標年商の計算方法を解説します。
これから独立を考えている方は、起業に必要なもの一覧|手続き・資金・許認可を解説もあわせて確認しておくと、全体像をつかみやすくなります。
個人事業主の平均年収はいくら?
事業主の年収にあたるのは「営業利益(所得)」
会社員の年収は、会社から受け取る給与の合計です。
一方、個人事業主は自分に給料を払う仕組みがないため、年商(売上)から経費を引いて残った利益が、そのまま事業主の年収にあたります。ここから所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金保険料を自分で払います。
個人企業の営業利益は平均で約218万円
総務省の「個人企業経済調査」(2025年調査)によると、個人企業1企業あたりの2024年の営業利益は約218万円でした。
年商の平均は約1,399万円なので、年商のうち手元に残るのは約15.6%です。業種によって差が大きく、その他のサービス業では約316万円、宿泊業・飲食サービス業では約117万円でした(詳しくは次の章の表を参照)。
この調査は、店舗や事業所を構える個人企業が対象で、家族従業者の分も含めた事業の利益です。副業やフリーランスまで含めた個人事業主全体の平均とは違うため、目安として見てください。
年収の目標から、必要な年商を考える
目指す年収(経費を引いた後の所得)によって、必要な年商は経費の割合(経費率)で大きく変わります。
| 目指す年収(所得) | 経費率20%の場合 | 経費率50%の場合 | 経費率80%の場合 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 年商500万円 | 年商800万円 | 年商2,000万円 |
| 600万円 | 年商750万円 | 年商1,200万円 | 年商3,000万円 |
| 1,000万円 | 年商1,250万円 | 年商2,000万円 | 年商5,000万円 |
コンサルタントやデザイナーのように仕入れが少ない仕事は経費率が低く、小売業や飲食店のように仕入れが多い仕事は経費率が高くなります。
同じ年収を目指しても、業種によって必要な年商は何倍も違うのです。
個人事業主の平均年商はいくら?統計で見る売上と利益
個人企業の平均年商は約1,399万円
総務省の「個人企業経済調査」(2025年調査)によると、個人企業1企業あたりの2024年の年間売上高は約1,399万円、そこから仕入れや経費を引いた営業利益は約218万円でした。
| 産業 | 年間売上高 | 年間営業利益 |
|---|---|---|
| 調査対象産業計 | 約1,399万円 | 約218万円 |
| 建設業 | 約1,474万円 | 約289万円 |
| 製造業 | 約1,096万円 | 約236万円 |
| 卸売業・小売業 | 約2,825万円 | 約189万円 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約1,103万円 | 約117万円 |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 約530万円 | 約141万円 |
| その他のサービス業 | 約1,033万円 | 約316万円 |
出典:総務省「2025年(令和7年)個人企業経済調査 結果の概要」(数値は2024年1〜12月の1年間)
年商が高い業種ほど儲かるとは限らない
表を見ると、卸売業・小売業は年商が約2,825万円と最も高い一方、営業利益は約189万円にとどまっています。仕入れにお金がかかる業種では、売上が大きくても手元に残る利益は少なくなりやすいのです。
反対に、その他のサービス業は年商が約1,033万円でも、営業利益は約316万円と高めです。
なお、この調査は店舗や事業所を構える個人企業を対象にしているため、副業やフリーランスまで含めた個人事業主全体の姿とは異なる点に注意しましょう。
平均の数字は参考にとどめ、自分の業種で利益がどれくらい残るかに目を向けることが大切です。
年商に対してどれくらいの割合が手元に残るのか、業種ごとの違いをもっと詳しく知りたい方は、年商と年収の割合|粗利益率を高めて手残りを増やす方法もあわせてご覧ください。
年商と手取りは違う|よくある勘違い
個人事業主が陥りがちなのが、年商をそのまま自分の給料のように考えてしまうことです。
会社員時代の感覚のままだと、資金繰りで苦労することになりかねません。
年商から手取りまでの流れ
- 年商(売上高):お客様からいただいたお金の合計
- 経費:仕入れ、家賃、広告費など、事業に必要な支出
- 所得(利益):年商から経費を引いた金額。税金の計算のもとになる
- 税金・社会保険料:所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険料、国民年金保険料など
- 手取り:所得から税金や社会保険料を引いた、生活に使えるお金
つまり、年商−経費=所得、所得−税金・社会保険料=手取りという関係です。
経費率で手取りは大きく変わる
同じ年商1,000万円でも、経費の割合(経費率)によって所得は大きく変わります。たとえば経費率20%なら所得は800万円ですが、経費率60%なら400万円です。
そこから税金や社会保険料が引かれるため、経費の多い業種では、年商1,000万円でも会社員時代の手取りより少なくなることもあります。
まずは、自分の事業で見込まれる経費(仕入れ、家賃、通信費など)を書き出し、年商に対して何%くらいになるかを計算してみましょう。
数字に強い個人事業主を目指しませんか?

年商を伸ばし、手元にお金を残すには、価格の決め方や経費の管理、集客の仕組みづくりといった経営の知識が欠かせません。
ソーシャルスタートアップアカデミーでは、起業アイデアの整理から、事業づくり、集客、価格設定、数字の管理まで、起業に必要な内容を体系的に学べます。
独立の準備として何を学べるか、まずは学習内容と料金を確認してみてください。
学習内容・サポート内容・料金を確認できます
年商の段階ごとに取り組みたいこと
個人事業主として事業を伸ばしていく過程には、いくつかの節目があります。ここでは年商の目安ごとに、取り組みたいことを紹介します。
年商500万円まで|自分が動いて実績と信頼を積む
この段階では、まず自分ひとりで生活できる売上をつくることが目標です。高い広告費をかけるより、SNSでの発信や知人からの紹介などで最初のお客様を集めましょう。
目の前のお客様に丁寧に応え、実績と口コミを積み重ねることが、次の段階の土台になります。
年商1,000万円前後|仕組み化と外注で時間をつくる
年商が1,000万円に近づくと、自分ひとりの作業時間では限界が見えてきます。予約や問い合わせの対応を仕組みにしたり、経理やデザインなど自分でなくてもできる仕事を外注したりして、生まれた時間を商品づくりや単価の高い仕事に使うことが、売上を伸ばすポイントです。
なお、課税売上高が1,000万円を超えると、原則として翌々年から消費税の納税義務が生じます(インボイス発行事業者に登録している場合は、売上高にかかわらず納税が必要です)。
この段階では、税金の仕組みも確認しておきましょう。
年商3,000万円以上|人を雇い、事業を広げる
さらに事業を大きくするには、従業員を雇って育て、自分がいなくても回る体制をつくる必要があります。これまでの顧客やノウハウを活かして関連する事業を立ち上げ、収入の柱を増やすことも選択肢になります。
所得が大きくなってきたら、法人化を検討するタイミングでもあります。
自分だけの目標年商を逆算する方法
他人の年商と比べるよりも大切なのは、自分が望む暮らしにいくら必要かを知ることです。次の3つの手順で、目標年商を計算してみましょう。
理想の月の手取り額を決める
家賃や食費、趣味、旅行、貯金などを合計し、「これだけあれば安心して暮らせる」という月の手取り額を決めます。
税金と社会保険料を足して、必要な所得を出す
月の手取り額を12倍して、年間の手取り額を出します(例:50万円×12か月=600万円)。個人事業主の税金と社会保険料は、所得や家族構成によって変わりますが、ここではざっくり所得の30%と仮定します。
すると、必要な所得は「年間の手取り額÷0.7」で計算できます(例:600万円÷0.7≒857万円)。
経費率を考えて、目標年商を出す
最後に、自分の事業の経費率を考えます。経費率が30%なら、目標年商は「必要な所得÷(1−0.3)」です(例:857万円÷0.7≒1,224万円)。これが、自分の暮らしから逆算した目標年商になります。
実際の税金や社会保険料は、控除や住んでいる自治体によって変わります。正確な金額は、税理士や税務署、市区町村の窓口で確認しましょう。
これから個人事業主として独立する方は、開業までの準備や資金計画を自営業の始め方|準備・資金計算・開業届の手順で確認しておくと安心です。また、具体的な職種の例として、トリマーが独立した場合の年収と収支も参考になります。
個人事業主の年収・年商でよくある質問
個人事業主の平均年収はいくらですか?
総務省の個人企業経済調査では、個人企業の営業利益(事業主の取り分)は平均で約218万円です。
ここから税金や社会保険料を払うため、手取りはさらに少なくなります。業種による差が大きいため、自分の業種の数字を目安にしましょう。
年商と年収の違いは何ですか?
年商は、1年間の売上の合計です。
個人事業主の年収にあたるのは、年商から経費を引いた所得(利益)です。仕入れや家賃が多い業種では、年商が大きくても年収は少なくなります。
年商に対して、年収はどのくらいの割合ですか?
個人企業の平均では、年商約1,399万円に対して営業利益は約218万円で、割合は約15.6%です。
ただし、仕入れの少ないサービス業では割合が高く、小売業や飲食店では低くなる傾向があります。
個人事業主で年収1,000万円を超えるには、年商はいくら必要ですか?
経費率によって変わります。
経費率20%なら年商1,250万円、経費率50%なら年商2,000万円ほどが必要です。年収1,000万円が見えてきたら、法人化も検討するタイミングです。
まとめ:個人事業主の年収は年商の一部。平均は参考に、自分の目標年商を持とう
総務省の調査では、個人企業の平均年商は約1,399万円、事業主の年収にあたる営業利益は約218万円でした。ただし、業種によって年商も利益も大きく異なり、年商が高くても手元に残るお金が多いとは限りません。
大切なのは、平均の数字に一喜一憂することではなく、自分の暮らしに必要な手取りから逆算した目標年商を持ち、経費率を意識しながら事業を育てていくことです。
起業の準備を全体から確認したい方は、起業に必要なもの一覧もあわせてご覧ください。
目標年商に向けて、事業づくりを学びませんか?

起業に必要なのは、最初から完璧なアイデアや特別な才能を持っていることではありません。
今の自分に必要な知識を学び、相談できる相手とつながり、行動を続けられる環境を持つことが大切です。
Social Startup Academyでは、アイデア出しから事業づくり、集客、価格設定、数字の管理まで、起業に必要な内容を順番に学べます。
自分に合う学びや環境があるか、まずは料金とサービス内容を確認してみてください。
学習内容・サポート内容・料金を確認できます
◯関連記事
・起業に必要なもの一覧|手続き・資金・許認可を解説
・年商と年収の割合とは?粗利益率を高めて手残りを増やす経営戦略
・自営業の始め方|失敗しない準備・資金計算・開業届の手順
・トリマーの年収は?独立したら稼げる?出張トリミング・自宅サロンの収支と開業資金
・【土日起業】会社員が月10万円稼ぐ!週末を資産に変える5ステップ
・ゼロからでも、正しい学びと仲間で起業を形にする
