2026.09.29 起業ガイド
探偵事務所の年収はいくら?勤務と独立の違い・収支シミュレーション
探偵事務所の年収は、勤めるか独立するかで大きく変わります。
探偵業は資格が不要で、届出だけで開業できる数少ない業種です。その分、独立してから稼げるかどうかは営業力と信頼で決まります。
この記事では、警察庁の統計や公的データをもとに、探偵の年収と探偵事務所の収支のしくみを解説します。
探偵業の市場データ:届出は7,354件
警察庁「令和7年中における探偵業の概況」によると、令和7年末の探偵業の届出数(営業所数)は7,354件で、前年より256件増えました。
| 項目 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 届出数(営業所数) | 7,027 | 7,098 | 7,354 |
| うち個人 | 5,113 | 5,142 | 5,293 |
| うち法人 | 1,914 | 1,956 | 2,061 |
| 新規届出数 | 754 | 770 | 783 |
| 廃止届出数 | 676 | 692 | 527 |
届出の約7割(5,293件)が個人で、探偵業は個人事業主が中心の業界です。毎年700件以上の新規参入がある一方で、500件以上が廃業しており、入れ替わりの激しさもうかがえます。
探偵の年収の目安
勤務する探偵の場合
厚生労働省のjob tagでは、探偵が含まれる職業分類の平均年収は583.3万円です。ただし、この数字は「他に分類されない法務・経営・文化芸術等の専門的職業」全体の統計で、探偵だけの数字ではありません。
探偵の実態に近いのはハローワークの求人賃金で、月額28.8万円です。有効求人倍率は0.39倍と低く、求職者の多い職種です。
これらを考えると、探偵事務所に勤める調査員の年収は300万〜450万円程度がひとつの目安です。
独立した探偵事務所の場合
独立した場合の年収は、受注件数と単価しだいです。浮気調査の料金相場は調査員2名で1時間1.5万〜3万円程度とされ、1件で数十万円になることも珍しくありません。
探偵事務所の収支シミュレーション
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 売上(平均30万円×月3件) | 90万円 |
| 外注調査員への支払い | ▲20万円 |
| 車両・燃料・交通費 | ▲8万円 |
| 広告費(Web広告・サイト運営) | ▲20万円 |
| 事務所家賃・通信・機材償却など | ▲10万円 |
| 営業利益 | 約32万円(年約380万円) |
※一般的な相場をもとにした試算です。
月3件なら会社員並みの収入ですが、月6件に増やせば年1,000万円前後も見えてきます。
一方で、探偵業は広告費の負担が重く、集客をWeb広告だけに頼ると利益が残りにくいのが実情です。弁護士、離婚カウンセラー、企業の人事部などから紹介を受けるルートをつくれるかが分かれ目になります。
開業の手続きと法律の注意点
特別な資格は不要ですが、探偵業法にもとづき、契約前の重要事項説明、契約時の書面交付、従業員への教育などが義務づけられています。
令和7年には、探偵業者に対する行政指示が19件ありました。探偵業務に関連して、軽犯罪法違反、ストーカー規制法違反、建造物侵入などで検挙された事例もあります。
探偵には特別な調査権限はありません。法律を守った調査方法を身につけることが、事業を続けるうえでの前提になります。
まとめ
探偵事務所の年収は、勤務なら300万〜450万円程度、独立すれば受注件数しだいで数百万〜1,000万円以上と幅があります。
届出件数は増えていますが、廃業も多い業界です。独立するなら、調査技術に加えて「紹介ルート」と「法令を守る体制」の2つを最初に整えておきましょう。
出典:
警察庁「令和7年中における探偵業の概況」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/R7tanteigyogaikyo.pdf
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「探偵」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/562
警察庁「探偵業について」https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/tanteigyou/index.html

