2026.09.30 起業ガイド
家事代行サービスに資格は必要? 働く人・開業する人それぞれに役立つ資格と認証を解説
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「家事代行の仕事に資格は要るの?」
「開業するなら何か許可が必要?」。家事代行サービスは、主婦(主夫)経験を生かして始めやすい仕事として注目されています。
一方で、他人の家に入る仕事なので、信頼をどう示すかが大きな課題です。この記事では、働く人と開業する人に分けて、役立つ資格と認証、注意すべき許可を解説します。
この記事のポイント
- 家事代行サービスに、法律で必須とされる資格はない
- 働く人には、厚生労働大臣認定の団体検定「家政士」が最も公的な資格
- 開業する人は、事業者向けの「家事代行サービス認証」が信頼の目印になる
- 「家政婦紹介所」の形で運営する場合は、有料職業紹介事業の許可が必要
家事代行サービスに資格は必要?
結論から言うと、家事代行サービスで働くにも開業するにも、法律で必須とされる資格はありません。掃除、洗濯、料理、整理整頓といった日常の家事は、誰でも仕事として請け負えます。
ただし、利用者にとって家事代行は「知らない人を家に入れる」サービスです。経済産業省の委託調査では、家事代行の認知率は7〜8割あるのに、個人の利用率は約1.8%にとどまっています。利用をためらう大きな理由は、心理的な不安です。資格や認証は、この不安を和らげる材料になります。
出典:経済産業省「家事支援サービス業の実態把握・活用推進に係る調査」(令和4年度)。家事代行の市場規模は2021年度で約807億円(前年度比9.4%増)とされています。
家事代行で働く人に役立つ資格
| 資格 | 実施団体 | 特徴 |
|---|---|---|
| 家政士 | 日本看護家政紹介事業協会 | 厚生労働大臣認定の団体検定(認定番号 団第1号)。学科と実技(衣・食・住)で、家事の高度な技能を証明する |
| 整理収納アドバイザー | ハウスキーピング協会 | 片付けや収納の提案ができる。整理収納サービスは単価が上がりやすい |
| 調理師・栄養士 | 国家資格・都道府県免許 | 作り置きや料理代行で強みになる。高齢者や子ども向けの献立にも対応しやすい |
| 介護職員初任者研修 | 都道府県指定の研修機関 | 高齢者宅での家事支援や、介護保険サービスとの組み合わせに役立つ |
| ベビーシッター関連の資格 | 全国保育サービス協会など | 子育て世帯の家事と育児を両方支援する場合に役立つ |
家政士検定の概要
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 受験資格 | 家政婦(夫)や介護、保育、家事支援サービスでの5年以上の実務経験、またはそれと同等の経験・能力があると認められる人(家事・育児経験のある主婦(夫)や、家政系学科の卒業生・在学生も含む) |
| 試験内容 | 学科(択一式40問・60分)と実技(衣・食・住の3科目) |
| 合格基準 | 学科80%以上、実技70%以上 |
| 受験手数料 | 13,000円(協会の特別会員は9,000円、学生は6,000円) |
| 試験日 | 2026年11月21日(土) |
出典:日本看護家政紹介事業協会「令和8年度 家政士検定試験」https://kanka.or.jp/kaseishi(一部の会場はすでに定員に達しています)
家事代行で開業する人に役立つ認証と許可
家事代行サービス認証(事業者向け)
全国家事代行サービス協会と日本規格協会グループが行う第三者認証です。経済産業省の事業をもとに、2017年に始まりました。「安全・安心」「機能同等性(利用者本人と同等以上の家事レベル)」「接遇」の3つの品質を審査します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 家事代行サービスの提供実績が12か月以上ある法人 |
| 有効期間 | 3年(1年ごとのサーベイランス審査あり) |
| 審査 | 書類審査と、本社・店舗の現地審査 |
出典:家事代行サービス認証「家事代行サービス認証について」https://www.kaji-s.jp/about/index.php
開業したばかりの個人事業主は、この認証をすぐには取れません。まずは法人化して1年以上の実績を積み、認証取得を目標にするのが現実的です。
許可が必要になるケース
| 運営の形 | 必要な手続き |
|---|---|
| 自分で作業する、または雇ったスタッフを派遣して作業させる(請負) | 許可は不要。個人事業なら開業届を出す |
| 利用者と家政婦(夫)の雇用契約を仲介する「家政婦紹介所」型 | 有料職業紹介事業の許可(厚生労働大臣)が必要 |
| 自社のスタッフを他社に派遣して、その会社の指揮命令のもとで働かせる | 労働者派遣事業の許可が必要 |
| 作り置きの料理を持ち帰って販売する | 食品衛生法の営業許可が必要(利用者宅の台所で調理する料理代行は、原則不要) |
このほか、損害賠償責任保険への加入は法律上の義務ではありませんが、実務上は欠かせません。物を壊したり鍵をなくしたりしたときの補償を明示できることが、利用者の安心につながります。
資格より大切な「信頼をつくる仕組み」
家事代行で選ばれ続けるには、資格に加えて次の工夫が効果的です。同じスタッフが継続して訪問する指名制。初回を安くしたお試しプラン。スタッフの顔写真やプロフィール、研修内容の公開。鍵の預かりルールや作業報告書の仕組み。どれも「知らない人を家に入れる不安」を小さくするための工夫です。
まとめ
家事代行サービスに必須の資格はありません。それでも、働く人は「家政士」や整理収納、調理系の資格で専門性を示し、開業する人は「家事代行サービス認証」を目標にすると、信頼を目に見える形にできます。家政婦紹介所型や派遣型で運営する場合は許可が必要になるため、事業の形を決める段階で確認しておきましょう。

