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2026.09.30 起業ガイド

解体業は儲かる?市場・利益構造・儲かる会社の条件とリスク

「解体業は、儲かると聞く。空き家も増えているし、需要はありそうだ。本当に、参入する価値があるのだろうか」。そんな疑問を、持っていませんか。

解体業は、建物の老朽化や、空き家の増加を背景に、需要が、途切れにくい仕事と言われます。ただし、「売上が大きい」ことと「利益が残る」ことは、別で、産廃の処分費、人件費、重機の費用、事故や法令のリスクを引いた後に、何が残るかで、「儲かるかどうか」が決まります。

この記事では、市場の背景、儲かるの意味、利益構造、儲かる会社の条件、収益の試算、リスク、参入に必要な登録・許可、悪質業者にならない注意点、失敗しやすい点、進め方を、順に解説します。

読み終えるころには、「解体業は儲かる」という言葉を、数字と条件で、判断できるようになります。

解体業の市場|なぜ、需要があると言われるのか

解体業の需要の背景を、統計で確認します(最新の数字は、公式情報で確認してください。要確認)。

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日現在)では、全国の空き家は、900万2千戸で過去最多、空き家率は13.8%で過去最高でした。そのうち、賃貸・売却用や二次的住宅(別荘など)を除く、いわゆる「その他の空き家」は、385万6千戸と、報告されています。

背景として、次の点が、挙げられています。
・少子高齢化と、人口移動による、空き家の増加(相続をきっかけに、空き家になる例が多いとされます)。
・老朽化した建物の、建て替え・更地化・売却の需要。
・管理が不十分な空き家への、対策:2023年12月に施行された、空家等対策特別措置法の改正で、管理が不十分な空き家が、税の優遇の対象から、外れる場合があるとされ、所有者に、解体・管理の動機が生まれています(要確認)。
・自治体による、老朽空き家の除却(解体)への、補助制度(内容と条件は、自治体で異なります。要確認)。
・ビル・工場・商業施設の、更新や、再開発。

一方で、新築住宅の着工数の減少、景気の変動、人手不足、産廃処分費の上昇といった、逆風も、あります。

つまり、需要は、底堅いと言われる一方、競争もあり、利益は、経営の巧拙で、大きく分かれると考えるのが、現実的です。

「儲かる」の意味|売上と利益を分けて考える

「解体業は、儲かる」という言葉を、判断するときに、最も大切なのが、売上と利益を、分けて考えることです。

売上(受注金額):1件あたりの金額が、大きい(木造住宅1棟で、数百万円規模になる例が紹介されます。建物の構造・規模・立地・条件で大きく異なります。要確認)。

利益:受注金額から、次の費用を引いた残りです。
・産業廃棄物の処分費:解体費用の、大きな割合を占めます。
・人件費(職人・運転手・現場管理者)。
・重機・ダンプ・車両の費用:購入・リース・燃料・整備・保険。
・外注費・協力会社への支払い。
・足場・養生・散水・仮設の費用。
・アスベストなどの、調査・除去の費用。
・事務所・営業・広告・保険・税金。

「1件で、数百万円の売上」でも、費用を引くと、利益は、その1〜2割程度という例も、あり得ます(会社と案件で異なります)。赤字の工事も、起こり得ます。

さらに、個人事業主の年収と、会社の利益、社長の年収(役員報酬)は、それぞれ、意味が異なります。「年商」と「利益」の違いは、「年商平均」の記事で、詳しく解説しています。

「儲かる」とは、売上が大きいことではなく、「利益が、安定して、残ること」と、考えましょう。

解体業の利益構造と、収益の試算(仮の例)

利益構造を、数字で、イメージしましょう。以下は、あくまで計算の型を示す仮の例です。実際の金額は、建物、地域、会社で、大きく異なります(要確認)。

木造住宅(延床 30坪程度)の解体、1件(仮の数字)
受注金額:180万円と仮定
・産廃の処分費:50万円
・人件費(職人3名 × 4日):24万円
・重機・ダンプ・燃料・整備(按分):15万円
・養生・散水・仮設・近隣対応:8万円
・外注費(ブロック塀・庭木・内装の撤去など):10万円
・営業・広告・保険・事務の按分:13万円
→ 1件あたりの利益:約60万円(利益率 約33%)

月に、3件こなせれば、利益は、約180万円ですが、受注の波、天候、工期、追加の処分費で、変動します。アスベストがあった場合の、追加費用や、地中埋設物(コンクリートガラ、浄化槽など)の発見で、利益が、大きく減ることもあります。

下請(元請から、受注する)中心の場合は、受注金額が、低くなり、利益率が下がる傾向があります。

固定費(重機のリース・返済、人件費、事務所)が、大きい会社は、受注が減ると、赤字になりやすいため、悲観的なケース(受注が、2割減る)でも、続けられるか、確認します。

儲かる会社の6つの条件

利益を、安定して出している、解体会社には、次のような条件が、あると言われます(成功が保証されるものではありません)。

条件①|見積もりの精度が高い
現地調査で、建物の構造・面積・付帯物(ブロック塀、庭木、浄化槽、地中埋設物の可能性)・搬出経路・重機の入る道幅・近隣状況・アスベストの有無を、見極めます。想定外の追加費用(処分費、手間)を、見込んだ、見積もりが、赤字を防ぎます。

条件②|分別と処分費を、管理している
現場で、丁寧に分別し(木くず、コンクリートがら、金属、混合廃棄物など)、処分費を抑えることが、利益を大きく左右します。処分先(中間処理施設)との関係と、単価の把握も、重要です。金属くずなどの、有価物を売却して、収益にする場合もあります。

条件③|直請(元請)の割合が高い
施主、不動産会社、ハウスメーカー、工務店、管理会社、自治体、企業から、直接、受注することで、利益率が上がります。

条件④|稼働率が高い
重機や人員が、遊ばないよう、受注を平準化しています。

条件⑤|専門性・差別化がある
内装解体、アスベスト対応(調査・除去)、重機を自社で所有し、外注を減らす、狭小地・密集地の解体、木造住宅に特化、ビルの解体、リサイクルの提案、遺品整理・不用品処分・空き家管理との、組み合わせなど。「遺品整理 独立」の記事や、「不動産会社 一人 起業」の記事のように、関連分野との連携も、受注の入り口になります。

条件⑥|安全と法令を、守っている
事故や、法令違反による、行政処分・賠償・信用の失墜がないことが、長く儲け続ける、前提です。

「安く受注して、数をこなす」だけの経営は、処分費の変動、人手不足、事故のリスクで、行き詰まりやすいと言われます。

リスクと課題|儲からない理由にもなる

解体業には、特有のリスクが、あります。

1. 労働災害・事故
高所作業、重機、倒壊、飛散、粉じんなど、危険を伴う仕事です。従業員の労災、第三者への損害は、会社の責任になり、事業の存続に関わることがあります。労災保険(一人親方は特別加入)、賠償責任保険、安全教育が、欠かせません。

2. アスベスト(石綿)
解体前の事前調査が、義務付けられており、有資格者による調査や、結果の報告などが、求められるようになっています(内容と施行時期は、最新の情報で確認してください。要確認)。石綿がある場合の、飛散防止措置・処分の費用は、大きな負担です。見落とし・不適切な対応は、重い責任につながります。

3. 産業廃棄物の、不適切な処理
不法投棄・無許可の運搬・マニフェスト(管理票)の不備は、重い罰則・許可の取り消しにつながります。排出事業者としての責任も、あります。

4. 近隣トラブル:騒音・振動・粉じん・道路の汚れ・交通。事前の挨拶と、配慮が必要です。

5. 処分費の変動・処分先の受け入れ制限。

6. 人手不足・職人の高齢化。

7. 景気・着工数の影響。

8. 資金繰り:処分費・人件費・重機の支払いが先に発生し、入金が後になります。

9. 悪質業者のイメージと、価格競争:極端な安値で受注し、後から追加請求する業者が、業界の評判を、下げることが、あります。

社長が負う責任は、「解体 業 社長 年収」の記事で、詳しく解説しています。

参入に必要な登録・許可・資格

解体業に、参入するための、登録・許可・資格を、整理します(詳細は、都道府県、国土交通省、環境省などの、最新情報で確認してください。要確認)。

1. 解体工事業の登録、または建設業許可
解体工事を請け負うには、建設リサイクル法などに基づく、解体工事業の登録(都道府県知事)、または、建設業の許可(とび・土工工事業、解体工事業など)が、必要とされています。一般に、請負代金が、500万円未満(税込)の、軽微な工事のみを請け負う場合は、登録で足り、500万円以上の工事を請け負う場合は、建設業許可が、必要とされます(金額の基準は、改正される場合があるため要確認)。登録には、技術管理者の配置などの、要件が、あります。

2. 産業廃棄物の収集運搬の許可(自社で運ぶ場合)
自社で、産廃を運搬する場合は、収集運搬業の許可が、必要です。許可のある業者に、委託する方法も、あります。

3. アスベストの、事前調査ができる有資格者:建築物石綿含有建材調査者などの資格(要確認)。

4. 重機・車両・作業の資格
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び解体用)の技能講習、玉掛け、小型移動式クレーン、高所作業、足場、フルハーネスの特別教育、チェーンソーの特別教育など(要確認)。

5. 労災保険(一人親方は特別加入)・賠償責任保険。

6. 開業届・青色申告・インボイス:個人事業主は、税務署への手続き(期限は要確認)。

7. 建設リサイクル法の届出・分別解体の対応。

まずは、解体会社で、経験を積み、技術管理者などの要件・資格を満たすことが、参入の準備になります。

悪質業者にならない|誠実な運営が、長く儲ける

解体業は、不法投棄・高額な追加請求・不十分な近隣対応などの、トラブルが、報告されることがある分野と言われます(特定の事業者を、断定するものではありません)。誠実な運営が、信頼と、長期的な利益の、土台です。

誠実な運営のための、ポイントは、次のとおりです。
・見積もりを、明確にする:解体・処分・付帯物・アスベスト・諸経費の内訳、追加費用が発生する条件を、書面で示します。「一式」だけは、避けます。
・適法な処理:許可を持つ処分先へ、処分し、マニフェストで、記録・管理する。不法投棄は、絶対にしない。
・アスベストの事前調査・報告・対応を、確実に行う。
・近隣への挨拶・説明・配慮:工事の期間、内容、連絡先を、着工前に伝える。散水・養生・清掃を徹底します。
・工程写真・処分の記録:お客様に、報告できるようにします。
・不当に安い、価格で受注し、後から追加請求する営業をしない。
・契約書・工期・支払い条件を、明確に。
・訪問営業のルール:特定商取引法の規制(要確認)。
・従業員の安全と、教育。

信頼は、口コミ・紹介・元請からの、継続的な依頼につながります。空き家の所有者は、相続・遠方・高齢といった事情を、抱えていることが多く、丁寧な説明と、誠実な対応が、選ばれる理由になります。

解体業で、失敗しやすいポイント

失敗しやすい点を、整理します。

1つ目は、「儲かる」という言葉だけで、参入することです。処分費・人件費・重機・事故のリスクを、確認します。

2つ目は、見積もりが甘く、赤字になることです。地中埋設物・アスベスト・処分費の変動を、見込みます。

3つ目は、登録・許可の金額の基準を、確認しないことです。

4つ目は、アスベスト・産廃の、法令対応が不十分なことです。重い責任を、問われます。

5つ目は、重機・車両に、過剰投資することです。稼働率が低いと、返済が重荷になります。

6つ目は、安全対策・保険が、不十分なことです。事故は、事業を終わらせます。

7つ目は、下請1社に、依存することです。条件変更で、収入が途絶えます。

8つ目は、資金繰り(処分費・人件費の先払い)を、見込まないことです。

9つ目は、近隣対応を、軽視することです。クレームで、工事が止まります。

10つ目は、「解体で簡単に高収入」という、高額な、フランチャイズ・講座・案件紹介の勧誘に乗ることです。収益の根拠、契約内容を確認し、その場で契約しないでください。判断に迷ったら、消費生活センター(消費者ホットライン188)に、相談できます(「fc始め方」の記事を参照)。

対策は、数字での試算、見積もりの精度、法令遵守、安全管理、直請の拡大、資金の余裕、経験の積み重ねです。

解体業に参入する5つのステップ

最後に、具体的な進め方を整理します。

ステップ1は、解体会社で、経験を積むことです。現場、見積もり、分別・処分、安全管理、アスベスト対応、元請との関係を、学びます。必要な資格を取得します。

ステップ2は、登録・許可の要件を、都道府県の窓口で確認することです。技術管理者、保険、事務所の要件を確認します。

ステップ3は、収支と資金計画を、悲観的なケースを含めて試算することです。処分費・人件費・重機・追加費用を含めます。必要なら、融資を相談します(「創業融資 名古屋」の記事を参照)。

ステップ4は、受注の入り口を作ることです。不動産会社、工務店、管理会社、空き家の所有者向けの発信、自治体の補助制度の情報、士業との連携などです。

ステップ5は、小さく始め、1件ごとの原価と利益を記録して、改善することです。開業届などの手続きも、整えます(期限は要確認)。

焦らず、法令と安全を最優先に進めましょう。

まとめ|解体業 儲かるは「利益構造の把握・見積もりの精度・法令と安全」で決まる

解体業は、空き家900万戸などを背景に、需要が底堅いと言われる一方、産廃処分費・人件費・重機・アスベスト対応・事故のリスクを引いた、利益で判断すべき仕事です。見積もりの精度、分別と処分費の管理、直請の割合、法令と安全を整えて、誠実な運営で信頼を積み上げてください。

まずは、解体会社で経験を積み、1件ごとの売上・処分費・人件費・利益を記録して、利益構造を把握することから始めてください。

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