2026.09.30 起業ガイド
トリミングカーの開業|登録・資格・車両費用と、収益・注意点
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「トリマーとして、お客様の自宅まで出向くトリミングカーで、開業したい。店舗を借りなくていいから、始めやすそうだけれど、実際は、どうなのだろう」。そんな疑問を、持っていませんか。
トリミングカーは、家賃がかからず、愛犬・愛猫が、慣れた自宅の前で、トリミングを受けられることから、高齢の飼い主や、大型犬・多頭飼いの家庭、外出が難しい犬・猫のいる家庭に、需要がある事業です。一方で、車両の改装費が大きく、動物取扱業の登録、排水や駐車場の問題、そして、トリマー自身の体力の負担など、独特の課題があります。
この記事では、登録と資格、車両と設備の費用、車両・排水・用途地域の注意点、収益の試算、課題、集客、動物の安全と保険、失敗しやすい点、進め方を、順に解説します。
読み終えるころには、トリミングカー開業の現実と、事前に確認すべき点が整理できます。
登録と資格|第一種動物取扱業と動物取扱責任者
トリミングを、事業として行うには、動物愛護管理法に基づく、登録が必要です(詳細は、各都道府県・政令市の動物愛護担当窓口で確認してください。要確認)。
1. 第一種動物取扱業(保管)の登録
ドッグサロン・ペットトリミング業を営業するには、「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要と、解説されています。登録先は、各都道府県の動物愛護センターや保健所などで、開業の60日前までに申請することが目安と紹介されています。申請手数料は、1業種につき15,060円とする自治体の例があります(自治体で異なる)。登録せずに営業した場合は、罰則(100万円以下の罰金)の対象になる可能性があると、紹介されています(要確認)。
2. 動物取扱責任者の選任
事業所ごとに、1名以上の、動物取扱責任者の選任が必要です。要件(概要):
・獣医師である、愛玩動物看護師である、
・専門性を有する団体の試験に合格している、または、一定の学歴等があり、第一種動物取扱業者のもとで、6か月以上の実務経験がある、など。
(詳細は、自治体の案内で確認してください。)経営者自身が、動物取扱責任者を兼ねることも可能と、解説されています。
動物取扱責任者は、都道府県などが実施する研修を、定期的に(年1回以上)受講する必要があると、されています(東京都の例:新規の研修 3時間、2,500円と紹介)。
3. 登録の際の、事業所の扱い(移動・出張型)
トリミングカーの場合、「事業所」をどう扱うか(車両を事業所とするのか、車庫や事務所の所在地を事業所とするのか)、施設の基準(動物を扱うスペースの構造など)が、自治体で異なる場合があります。必ず、登録の前に、管轄の窓口に、事前相談してください(要確認)。車両の構造・設備の写真や図面の提出が求められる場合があります。
4. その他の手続き:開業届、青色申告、保険、動物の飼養に関する標識の掲示、帳簿の備え付けなど(要確認)。
トリマーの資格(民間資格)は、登録の必須要件ではありませんが、技術と信頼の証として、有効です。
車両と設備の費用
トリミングカーの費用を、整理します(金額は、車両・仕様・時期で大きく異なるため、複数の業者の見積もりで確認してください。要確認)。
車両の改装・購入費用:
・トリミングカーは、お客様の自宅の駐車場に入れられる、軽自動車ベースのコンパクトなタイプが主流と、紹介されています。
・軽自動車ベースで、200万円〜300万円程度が相場とする解説が多く、普通自動車・1トンクラスのベースでは、300万〜450万円程度とする解説があります。
・新車を専門業者で製作する場合、車両本体価格(軽トラックの新車で110万〜180万円程度と紹介)に、ボディ・システム装備の費用が加わり、2026年時点の相場は、合計 330万〜530万円程度と、紹介する解説もあります(物価高・車両価格の上昇で、以前より上がっている、との説明)。
・中古車ベース、既存の車両の改装で、費用を抑える方法もあります(品質・保証・構造の確認が必要)。
車内の主な設備:シャワー・バスタブ(洗い場)、給水タンク・排水タンク、温水器、ポンプ、電源設備(発電機、または、サブバッテリー・外部電源)、空調(冷暖房)、トリミングテーブル、ドライヤー、換気・照明、収納。
トリミング用の機材:クリッパー・ハサミ・ブラシ・ドライヤー・シャンプーなどの消耗品:数十万円程度(店舗開業の設備の目安として、20万〜40万円などの紹介)。
その他の初期費用:登録手数料・研修費、保険料、広告・ホームページ、運転資金。
総額の目安:開業費用は、200万〜500万円程度と紹介する解説が多い(前提で異なる)。店舗を借りるより、家賃・保証金・内装の負担がない反面、車両ローンや、ガソリン代、車検・メンテナンス費用が、実質的な固定費になります。
中古で、まず、試す方法・リース・分割払いの、選択肢もありますが、返済が、収入の変動に対して、重荷にならないかを、必ず試算してください。
車両・排水・駐車場の注意点
トリミングカーには、店舗型にはない、注意点があります(法令・運用は、自治体・専門家に確認してください。要確認)。
1. 車両の改造・車検・重量
水を積む(給水・排水タンク)ため、車両の重量が増え、積載量や、構造の変更が、車検や登録に影響する場合があります。改造の内容によっては、構造変更の手続きが必要になる可能性があります。専門の製作業者に相談し、車検・保安基準に適合した仕様にします。
2. 排水の処理
トリミングで出る、汚水(シャンプーの水・毛)の処理は、重要な課題です。お客様の敷地や、公道に、垂れ流すことは、避けなければなりません。排水を車内のタンクに溜め、指定の場所(下水道の処理施設、事業所の排水設備)で処分する方法が、一般的です。毛の処理(ゴミの分別)も、あります。自治体の下水道条例・廃棄物のルールを、確認します。
3. 駐車・作業場所
・お客様の私有地(自宅の駐車場)で作業するのが基本です。公道上での作業は、道路使用の問題があり、避けるべきです(要確認)。
・マンション・集合住宅の駐車場:管理規約・管理会社の許可。
・近隣への配慮:騒音(ドライヤー・発電機)、におい、動物の鳴き声。
4. 車庫・拠点(用途地域)
車両の保管場所(車庫)と、事業の拠点(事務所・水の補給・排水の処理場所)が、必要です。自宅の敷地を拠点にする場合、用途地域や、賃貸契約・管理規約を、確認します(解説では、排水処理や用途地域の注意点が挙げられています
5. 電源・燃料:発電機を使う場合の騒音・排気、外部電源をお客様の家から借りる場合のルール。
6. 車両の故障・メンテナンス:故障すると、その間、営業できない。予備の対応(代替車両・修理の段取り)を考えておきます。
収益の試算(仮の例)
収益のイメージを、数字で見てみましょう。以下は、あくまで計算の型を示す仮の例です。実際の料金・頭数は、地域・犬種・競合・営業で、大きく異なります(要確認)。
軽ベースのトリミングカー(一人運営)の、月の収支(仮の数字)
1頭あたりの平均料金:8,000円と仮定(出張料・追加料金を含む)/1日の頭数:3頭(移動・準備・後片付けを含むため、店舗より少ない)/稼働日数:月20日
→ 月の売上:8,000 × 3 × 20 = 48万円
・車両ローン(仮に 300万円を5年で返済):約5.5万円
・燃料・車検・メンテナンス・保険:約6万円
・シャンプー・消耗品・水道・洗浄・ごみ:約3万円
・保険・通信・広告・登録関連:約3万円
→ 残り:約30.5万円(税金・社会保険料の前)
この例は、1日3頭が安定して入る想定です。開業直後は、予約が少なく、1日1〜2頭なら、売上 16万〜32万円で、車両ローンと経費を引くと、生活費に届かない可能性があります。
店舗型との比較:トリミングカーは、家賃がかからない反面、1日にできる頭数が限られ、スタッフを雇って売上を伸ばしにくいと、指摘されています(解説では、売上の上限では固定店舗が有利との整理)。
悲観的なケース(頭数が、2割減る、車の故障で1週間休む)でも、続けられるか、確認しましょう。
体力・季節・時間の課題
トリミングカーは、体力と季節の影響が大きい仕事です。現実的な課題を、整理します。
・車内の環境(夏の暑さ・冬の寒さ):狭い車内での作業は、夏場や冬場に、体力を消耗しやすいと、指摘されています。冷暖房の性能、水温、動物の熱中症・低体温への配慮が必要です。
・移動時間:お客様の自宅間の移動、渋滞、駐車の場所探し。1日の頭数が、限られる。
・天候:雨・雪・強風の日の作業。
・大型犬・多頭・攻撃的な犬:体力・技術・安全の負担。
・ガソリン代・車両の維持費:燃料価格の上昇が、利益を圧迫。
・一人での作業の限界:腰・腕・肩の負担(トリマーの職業病)。長く続けるための、体のケア。
・休みの取りにくさ:車の故障・自分の体調不良で、営業できない。
対策:1日の頭数に上限を決める、移動時間を短くするため、対応エリアを絞る、エリアと曜日を組み合わせて予約を入れる、大型犬・難しい犬の追加料金と、断る基準を決める、休憩・水分補給を確保する、定休日を決める。
「体力に自信がある若いうちだけ」と割り切るのではなく、長く続けられる働き方(店舗との併用、教える仕事への展開)を、考えておくと安心です。
集客の方法
トリミングカーのお客様は、「連れて行けない・連れて行きたくない理由」がある飼い主です。
主なターゲット:
・高齢の飼い主(車の運転が難しい、外出が負担)。
・大型犬・多頭飼いの家庭(複数頭をまとめて対応)。
・高齢犬・病気の犬・怖がりの犬・車酔いをする犬・人や犬が苦手な犬。
・子育て中の家庭、共働きで時間のない家庭。
・猫の飼い主(外出のストレスを避けたい)。
・介護施設・老人ホームの、セラピー犬。
集客の入り口:
・Googleビジネスプロフィール(地図検索)・ホームページ:対応エリア、料金表、車の写真、予約方法、口コミ。
・SNS(写真・動画・ビフォーアフター):飼い主の許可を得て、掲載(「SNS運用代行 起業」の記事を参照)。
・動物病院・ペットショップ・ペットホテル・ドッグトレーナー・ペット用品店との提携・紹介。
・ポータルサイト・マッチングサービス:手数料・価格競争に注意。
・地域のイベント・マルシェ・チラシ。
・口コミ・紹介・リピート:定期的な予約(毎月・隔月)が、収入を安定させます(「ストック 型 ビジネス」の記事を参照)。
差別化のポイント:丁寧な扱い、動物へのストレスの少なさ、高齢犬・大型犬への対応力、飼い主への説明、健康チェック(皮膚・耳・爪)、送迎の手間のなさ。
動物の安全・事故・保険
動物を預かる(保管)事業には、安全管理が、欠かせません。
主なリスク:
・咬傷事故(トリマーが噛まれる、他の動物・人を噛む)。
・ハサミ・クリッパーによる、けが。
・熱中症・低体温・ストレスによる体調悪化:ドライヤー、車内の温度、水温。
・脱走:ドアの開閉時、車から降ろす際。
・持病・高齢による、急変:事前の健康状態の確認、獣医師との連携。
・皮膚トラブル・アレルギー。
・車両の事故(移動中)。
・お客様宅の敷地・建物への損害。
備え:
・動物取扱業者向けの、賠償責任保険(預かった動物の事故を、補償する保険)、事業用の自動車保険に加入(補償内容を確認。要確認)。
・事前のカウンセリング(健康状態・ワクチン・持病・性格・過去のトラブル)と、同意書。
・ワクチン接種の確認:感染症の予防。
・作業中の、動物の状態の観察、無理をしない判断(嫌がる、体調が悪い場合は中止)。
・緊急時の連絡先(かかりつけの動物病院)。
・契約・利用規約:料金、キャンセル、事故時の責任と対応、追加料金(毛玉・皮膚の状態・大型犬)。
・動物取扱責任者の研修や、日常の帳簿・記録の管理。
動物の命を預かる責任を、意識した運営が、信頼につながります。
トリミングカー開業で、失敗しやすいポイント
失敗しやすい点を、整理します。
1つ目は、登録・事業所の扱いを、事前に確認しないことです。無登録営業は、罰則の対象になり得ます。
2つ目は、車両に、投資しすぎ、ローンが重荷になることです。
3つ目は、排水処理・駐車場・拠点の確認不足です。近隣トラブルや、営業の停止につながります。
4つ目は、1日の頭数を、楽観的に見積もることです。移動と準備の時間を含めます。
5つ目は、夏冬の体力・動物の熱中症対策を軽視することです。
6つ目は、車両の故障・メンテナンス費用を、見込まないことです。
7つ目は、保険・同意書・緊急時の連絡体制を整えないことです。
8つ目は、集客の準備がないことです。予約が入らず、固定費だけが出ていきます。
9つ目は、技術・経験が不足したまま、開業することです。サロンで経験を積みます。
10つ目は、「トリミングカーで簡単に高収入」という、高額な、車両販売・フランチャイズ・開業パッケージの勧誘に乗ることです。収益の根拠、車両の仕様、契約内容を確認し、その場で契約しないでください。判断に迷ったら、消費生活センター(消費者ホットライン188)に、相談できます。
対策は、事前相談と登録、保守的な試算、排水・拠点の確認、体力と季節の対策、保険、経験の積み重ねです。
トリミングカーを開業する5つのステップ
最後に、具体的な進め方を整理します。
ステップ1は、トリミングサロンなどで、経験を積み、動物取扱責任者の要件を満たすことです。技術・動物の扱い・接客を学びます。
ステップ2は、管轄の動物愛護の窓口に事前相談し、登録の要件・事業所の扱い・車両の基準を確認することです。排水・拠点・駐車のルールも確認します。
ステップ3は、収支と資金計画を、頭数が少ないケースを含めて試算し、車両の仕様と費用を、複数の業者で比較することです。中古やリースも検討します。
ステップ4は、登録を申請し、保険・契約書・同意書・集客の入り口(地図検索・ホームページ・SNS)を整えることです。
ステップ5は、小さく始め、頭数・移動時間・経費・お客様の声を記録して、エリアと予約の組み方を改善することです。開業届などの手続きも、行います(期限は要確認)。
焦らず、動物の安全と法令を、最優先に進めましょう。
まとめ|トリミングカー 開業は「登録と事業所の事前相談・車両費用・排水と体力」を見て判断する
トリミングカーの開業は、第一種動物取扱業(保管)の登録と動物取扱責任者の選任が必要で、車両の改装は軽ベースで200万〜300万円、2026年の相場として330万〜530万円と紹介されます。家賃はかからない一方、車両ローン、排水処理、拠点、体力と季節の負担があるため、頭数を保守的に見積もり、保険と動物の安全対策を整えてください。
まずは、トリミングサロンで経験を積み、管轄の窓口に、移動型の事業所の扱いと車両の基準を事前相談することから始めてください。

