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2026.09.30 起業ガイド

起業の難しさとは?データで見る現実と、難しさの正体・乗り越え方

「起業は難しいと聞く。本当にそんなに難しいのだろうか。自分に、できるのだろうか」。起業を考え始めた人が、必ず一度は、ぶつかる疑問です。

結論から言うと、起業は、簡単ではありませんが、「難しさの正体」を知り、備えれば、難しさを下げることができます。統計を見ると、日本の企業の、創業後5年の生存率は、約8割と、意外に高い数字が出ていますが、「存続している」ことと「食べていける」ことは、別であり、数字の読み方には、注意が必要です。

この記事では、データで見る起業の現実、統計の読み方、難しさの正体8つ、難しさを下げる方法、公的支援、続けるか休むかの考え方、失敗しやすい点、進め方を、順に解説します。

読み終えるころには、「難しい」という漠然とした不安を、具体的な課題に置き換え、一つずつ、備えられるようになります。

データで見る起業の現実|創業後の生存率

まず、公的なデータで、起業の現実を確認しましょう(数字は、調査の時期・対象・集計方法で異なります。最新の中小企業白書などで確認してください。要確認)。

創業後の企業生存率(中小企業白書より):
・中小企業白書2017年版(帝国データバンクのデータベースを再編加工)では、創業1年後で 95.3%、2年後で 91.5%、3年後で 88.1%、4年後で 84.8%、5年後で 81.7%と、紹介されています。
・2023年版の中小企業白書では、創業後5年を経過した企業の生存率は、80.7%と、紹介されています(データベースの特徴などから、実際の生存率より、高めに算出されている可能性がある、との注記があります)。
・国際比較では、日本の5年生存率は高い水準で、米国・英国などでは、5年生存率が 40〜50%台とする、比較が紹介されています(集計方法が異なるため、単純比較には注意。要確認)。

つまり、統計上は、「起業した企業の約8割は、5年後も、存続している」ということになります。

一方で、別の数字も、あります。
・「起業5年後の廃業率は、個人で約7割、法人で約5割」と、紹介する解説(2006年版中小企業白書にもとづく、古いデータ)。
・「ベンチャー企業の生存率は、創業5年後で 15.0%、10年後で 6.3%」と、紹介する解説(出典・定義が不明確な引用で、一般の起業とは、対象が異なる)。

このように、数字は、出典・対象・定義によって、大きく異なります。1つの数字で、「起業の成功率は◯%」と言い切れない点を、理解しておきましょう。

統計の読み方|「生存率」と「成功」は違う

生存率の数字を、正しく読むために、注意すべき点を整理します。

1. 「存続」=「成功」ではない
生存率は、「事業が続いている割合」で、利益が出ている、経営者が生活できている、という意味ではありません。赤字でも、続けている企業、経営者が無給に近い状態で、続けている事業も、含まれます。

2. データの対象に偏りがある
企業データベースに収録される企業(一定規模の企業・信用調査の対象)が、中心で、ごく小さな個人事業の実態を、十分に反映していない可能性があります。白書の注記でも、実際の生存率よりも高めに算出されている可能性が、指摘されています。

3. 経験者が含まれる
すでに起業経験のある人・会社員から独立した人・法人の分社化なども、含まれる可能性があり、初めて起業する人の生存率は、これよりも低くなる可能性があります。

4. 廃業には、「前向きな廃業」も含まれる
事業の売却・承継・目標の達成・就職への転換など、失敗ではない理由での、廃業も、あります。

5. 業種・規模・地域で、大きく異なる
飲食業・小売業は、参入が多く、競争が激しいと言われ、専門的なサービス業・士業は、参入の壁がある代わりに、営業の難しさがあるなど、業種ごとの性格があります。

読み方のポイント:「約8割は続く」という数字に安心しすぎず、「約2割は、5年以内に撤退している」「続いていても、楽ではない人が多い」と、両面で捉えることが、現実的です。

「成功」の定義は、人それぞれです(売上、利益、生活が成り立つ、自由な働き方、やりがい、社会への貢献など)。自分にとっての「成功」を、先に定義しておくと、判断が明確になります。

起業が難しい8つの理由(難しさの正体)

「起業は難しい」の正体を、具体的な課題に分解します。

1. 売上をつくること(お客様を見つける)
良いサービスや商品があっても、知ってもらい、選んでもらい、お金を払ってもらうことが、最大の壁です。営業・集客・発信が、必要になります。

2. 資金繰り
売上が入る前に、費用(家賃・仕入れ・人件費・機械)が出ていく。黒字でも、入金のタイミングで、資金が足りなくなることがあります。倒産・廃業の主な原因として、資金繰りの悪化が、よく挙げられます。

3. 一人で、すべてを担う
営業・制作・経理・接客・クレーム対応・法令の確認を、一人でこなす負担。得意でないことも、やる必要があります。

4. 判断の連続
価格、方針、採用、投資、撤退など、正解のない判断を、自分で、し続ける負担。責任がすべて自分にあるプレッシャー。

5. 収入の不安定さ
毎月の収入が、保証されない。会社員のような、賞与・有給・社会保険(会社負担)・退職金がない。季節・景気・取引先の都合による変動。

6. 孤独
相談できる人が、身近にいない。成果が出ないときの、精神的な負担。家族・友人に理解されにくいこともあります(「自宅 で ひとり 起業」の記事を参照)。

7. 法令・税務・契約などの、知識
許可・届出・表示・契約・税金・社会保険・インボイスなど、学ぶことが多い。知らないことによる、リスク。

8. 生活・家族との両立
収入の不安が家計に影響、長時間労働、家族の理解、住宅ローンや教育費との兼ね合い。

これらの課題は、「才能や運」ではなく、「準備と工夫で、軽くできる」ものが、多くあります。次の項目で、方法を見ていきましょう。

難しさを下げる7つの方法

難しさを、下げるための具体的な方法を、整理します(成功が保証されるものではありません)。

1. 小さく始める(副業・週末・小規模から)
本業を続けながら、副業として、試す。初期費用を抑え、失敗しても、傷が浅い形で、始めます(勤務先の就業規則を確認。

2. 需要を、先に確かめる
作る前に、お客様に聞く、試験的に販売する、予約を受ける。「お金を払ってもらえるか」で、検証します。

3. 固定費を、抑える
家賃・機械・人件費などの固定費を、小さくすると、売上が少なくても、続けられる。自宅・間借り・中古・リース・外注などを、活用します(「自宅 で 起業」の記事を参照)。

4. 運転資金と、生活費を、確保する
6か月〜1年分の、生活費と固定費が、目安と言われます。悲観的なケース(売上が半分)でも、続けられるかを、試算します。

5. 経験を積んでから、独立する
同じ業種で働き、実務・営業・お金の感覚・人脈を得る。士業・職人・専門職では特に重要です。

6. 相談できる人・場所を持つ
商工会議所、よろず支援拠点、創業支援センター、税理士、先輩起業家、仲間。孤独と判断の負担を、軽くします。

7. 撤退基準を、あらかじめ決める
「いつまでに、どの数字に届かなければ、見直す」を決めておくと、ずるずると続けて、傷を広げることを、防げます。

「難しさ」を、減らす最大のコツは、「一発勝負にしない」ことです。小さく試し、学び、修正するサイクルを、回しましょう。

使える公的支援と、相談先

一人で抱え込まず、公的な支援を活用しましょう(内容・条件は変わる場合があります。最新の情報で確認してください。要確認)。

・商工会議所・商工会:創業相談、セミナー、融資のあっせん、経営指導。多くは、無料または低額で、相談できます。
・よろず支援拠点:国が各都道府県に設置する、経営の無料相談窓口。
・日本政策金融公庫:創業融資
・自治体の創業支援:創業支援事業計画に基づく、相談・セミナー・補助金・融資制度の紹介。
・補助金・助成金:小規模事業者持続化補助金など。制度・要件・締め切りを確認。「補助金をもらうこと」が目的にならないように。
・税務署・税理士・社会保険労務士・行政書士・弁護士:税金・労務・許可・契約。
・起業家コミュニティ・先輩起業家:実体験の話を聞く。
・消費生活センター(消費者ホットライン188):高額な講座・フランチャイズなどの勧誘に、迷ったとき。

支援を使うことは、恥ずかしいことではありません。使える制度は、使って良いものです。

「簡単に成功できる」という勧誘には、注意してください。起業の難しさを、逆手に取り、「私のノウハウなら、簡単」と、高額な講座・コンサル・フランチャイズを売る例が、あります。内容と実績を確認し、その場で契約しないでください。

続ける?休む?やめる?|難しさに直面したとき

事業を続けるうちに、「思ったより難しい」と感じる時期は、誰にでも訪れます。そのとき、どう考えるかを、整理します。

1. 「難しい」と「向いていない」は、別
まだ、経験・資金・営業の仕組みが整っていないだけかもしれません。数字(売上・客数・単価・費用)を、記録し、原因を切り分けることで、改善できる点が、見えてきます。

2. 続ける判断の材料
改善の余地が見える、お客様の反応が悪くない、資金に余裕がある、やる気がある。

3. 休む・縮小するという選択肢
固定費を減らす、営業日を減らす、副業に切り替える、アルバイトと併用するなど。「全部か、ゼロか」で考えない。

4. やめる判断
撤退基準(あらかじめ決めた数字)に届かない、借入が増え続ける、心身の限界。早めに、やめる方が、傷が浅い場合があります。廃業の手続き(廃業届・許可の廃止・契約の整理・借入の相談)や、再チャレンジの道も、あります。

5. 心身の健康を、最優先にする
眠れない、食べられない、気分の落ち込みが続く場合は、医療機関や、相談窓口に相談してください。事業より、あなたの健康が大切です。

「失敗」は、経験になります。やめた後に、就職して、経験を活かす、再び別の事業に挑戦する人も、多くいます。

起業の難しさで、失敗しやすいポイント

失敗しやすい点を、整理します。

1つ目は、統計の「約8割が続く」を、「成功しやすい」と誤解することです。存続と収益は別です。

2つ目は、需要を確かめず、資金を投じることです。

3つ目は、固定費が重く、資金繰りが行き詰まることです。

4つ目は、営業・集客を後回しにすることです。

5つ目は、運転資金・生活費の備えがないことです。

6つ目は、一人で抱え込み、相談しないことです。

7つ目は、法令・税務・契約の確認を怠ることです。

8つ目は、撤退基準がなく、傷が広がることです。

9つ目は、家族との話し合いが不足することです。

10つ目は、「起業は簡単」「必ず成功する」という、高額な講座・コンサル・フランチャイズの勧誘に乗ることです。

対策は、小さく始める、需要の検証、固定費の抑制、運転資金の確保、営業の仕組み、相談先、法令の確認、撤退基準、家族との共有です。

難しさを乗り越えて、起業を進める5つのステップ

最後に、具体的な進め方を整理します。

ステップ1は、自分にとっての「成功」を定義し、起業の目的を書くことです。何のために、どんな働き方・収入を目指すのか。

ステップ2は、「難しさ」の8つの項目のうち、自分にとって不安な点を、書き出すことです。営業か、資金か、知識か、孤独か。

ステップ3は、不安な点ごとに、対策(学ぶ・相談する・準備する)を決めることです。商工会議所などに相談します。

ステップ4は、副業・小さな試行で、需要と自分の適性を確かめることです。収支と時間を記録します。

ステップ5は、数字と撤退基準に基づいて、本格化・継続・見直しを判断することです。開業届などの手続きも、整えます(期限は要確認)。

焦らず、一歩ずつ、検証しながら進めましょう。

まとめ|起業 難しさは「正体を分解し、小さく試して備えれば下げられる」

起業の難しさは、創業後5年の生存率が約8割という統計がある一方、存続と収益は別で、売上づくり・資金繰り・一人での担い・判断・収入の不安定さ・孤独・法令知識・生活との両立という8つの課題に分解できます。小さく始め、需要を確かめ、固定費と運転資金に余裕を持ち、相談先と撤退基準を決めて、難しさを下げてください。

まずは、自分にとっての成功を定義し、8つの難しさのうち不安な点を書き出して、商工会議所などの無料相談で、対策を話すことから始めてください。

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