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2026.09.30 起業ガイド

養蜂家になるには?養蜂を始める手順・必要な届出・収入の目安を解説

養蜂家になるには?養蜂を始める手順・必要な届出・収入の目安を解説

「はちみつを自分で採って売りたい」「週末養蜂から始めて、ゆくゆくは事業にしたい」。養蜂は小さく始められる一方で、生き物を扱う畜産業として、届出や病気の予防などのルールがあります。

この記事では、養蜂家になるまでのステップ、養蜂を始めるのに必要な手続き、数字で見る養蜂業の市場、収入源と収支の試算、知っておきたいリスクまでを解説します。

この記事のポイント

  • 蜜蜂を飼う人は、趣味でも毎年「蜜蜂飼育届」を都道府県に出す義務がある(養蜂振興法)
  • 国産はちみつの自給率はわずか5.5%で、国産品は輸入品より高い価格で取引されている
  • 収入源は、はちみつ・花粉交配用の蜂の貸し出し・ローヤルゼリーなどの3本柱
  • 最初の1〜2年は、蜂を減らさずに冬を越させる技術を身につけることが最優先

養蜂家になるには?養蜂を始めるまでの5ステップ

養蜂家になるために必要な資格はありませんが、蜂を健康に育てる知識と経験が欠かせません。未経験から始める場合は、次の流れで進めるのがおすすめです。

  1. 学ぶ:地域の養蜂協会や自治体、養蜂家が開く講習会・体験会に参加して、基本の知識を身につけます
  2. 先輩養蜂家に教わる:実際の作業を手伝わせてもらい、巣箱の点検や採蜜、病気の見分け方を現場で学びます
  3. 置き場所を決める:近隣の住宅や通学路から離れ、蜜源(花)と水場が近い場所を探します。土地の所有者の了解も必要です
  4. 道具と蜂をそろえる:巣箱、面布・防護服、燻煙器、遠心分離機などを準備し、信頼できる販売元から蜂群を入手します
  5. 届出をして飼育を始める:蜜蜂飼育届を提出し、まずは少ない群数から始めます

最初から多くの群を飼うと、管理が追いつかずに蜂を減らしてしまうことがあります。少ない群数で1〜2年の経験を積んでから増やすのが、失敗しにくい進め方です。

養蜂を始めるのに必要な手続き

1. 蜜蜂飼育届(毎年1月)

蜜蜂を飼う人は、毎年1月1日時点の飼育状況(住所、飼育場所、蜂群の数など)を、1月31日までに都道府県に届け出る義務があります。窓口は市町村の畜産担当部署などで、自治体によって異なります。

2012年の法改正で、事業ではなく趣味で飼う人も届出の対象になりました。1群だけでも届出が必要です。

2. 転飼の許可(県をまたいで蜂を移動させる場合)

採蜜や冬越しのために蜂を別の地域へ移動させる「転飼」をするときは、移動先の都道府県知事の許可が必要です。申請の期限は都道府県によって決まっているため、早めに確認しましょう。

3. はちみつを販売する場合

採ったはちみつを瓶詰めして販売する場合は、保健所に許可や届出が必要かどうかを確認します。あわせて、食品表示法にもとづく表示(名称、原産地、内容量、賞味期限、保存方法、採取者など)を正しく行いましょう。

4. 病気の予防と近隣への配慮

腐蛆病は家畜伝染病、バロア病(ダニによる病気)などは届出伝染病に指定されています。異変に気づいたら、家畜保健衛生所に連絡します。住宅地の近くで飼う場合は、蜂の飛ぶルートや水場を考え、近隣の方への説明も欠かせません。

数字で見る養蜂業

指標 数値
蜜蜂の飼育戸数(令和7年1月1日) 12,150戸(平成30年以降は増加傾向)
うち10群未満の小規模な飼育者 8,662戸(約71%)
蜂群数 24.2万群(平均19.9群/戸)
国産はちみつの生産量(令和6年) 2,618トン(1位は北海道の356トン)
国内消費量と自給率 48,012トン、5.5%(輸入の71%は中国産)
蜂蜜・蜜蜂産品の国内生産額(推定) 約76億〜77億円(うち花粉交配用の蜂が約23億〜25億円)

出典:農林水産省の公表資料

飼育者の約7割は10群未満の小規模な飼育者で、小さく始める人が多い分野だとわかります。

国産はちみつは、ほぼ全量が家庭用として流通しています。「国産」「地域の花の蜜」というだけで価値がつく一方、業務用の市場は安い輸入品が中心です。直販で単価をどう保つかが、収益の分かれ目になります。

養蜂業の収入源は3本柱

収入源 単価の目安(令和6年) 特徴
はちみつ 卸で平均1,900円/kg(1,200〜2,500円) 直販やECなら、さらに高い単価も狙える
花粉交配用の蜂の貸し出し 28,000〜30,000円/群 いちご・メロン・りんごなど。需要期(10〜11月)が読みやすい
ローヤルゼリー・蜜ろう ローヤルゼリー125,000円/kg、蜜ろう800円/kg 技術と手間がかかる分、付加価値は高め

副業規模の試算(西洋蜜蜂20群、仮の数字)

  • 採蜜量:1群あたり年15kgと仮定 → 年300kg
  • はちみつの売上:半分を直販(2,500円/kg)、半分を卸(1,900円/kg) → 約66万円
  • 花粉交配用の貸し出し:5群分 → 約14万円
  • 売上合計:年約80万円

支出として、巣箱・防護服・遠心分離機などの初期費用に数十万円、そのほか毎年の蜂群の補充、ダニの駆除剤、瓶・ラベル、移動のガソリン代などがかかります。

※採蜜量は、蜜源や天候、飼育の技術によって大きく変わります。

養蜂で知っておきたいリスク

  • 熊の被害:令和6年の熊による被害額は1,205万円で、同じ場所で被害が繰り返されやすい傾向があります。電気柵などの対策を検討しましょう
  • 農薬による被害:農薬が原因と疑われる被害も毎年報告されています。周辺の農家と散布の情報を共有することが大切です
  • 病気・ダニ:一度広がると群を失うこともあるため、日頃の点検と早めの対策が欠かせません
  • 天候の影響:雨が多い年や花の咲き方によって、採蜜量が大きく変わります

最初の1〜2年は「蜂を減らさずに冬を越させる」ことを最優先に考え、地域の養蜂協会や先輩養蜂家に教わりながら経験を積みましょう。

養蜂を始める人によくある質問

日本蜜蜂と西洋蜜蜂、どちらで始めるべき?

採蜜量と管理のしやすさで選ぶなら、西洋蜜蜂です。日本蜜蜂は採蜜量が少ないものの希少価値があり、令和7年には6,085戸が飼育しています。

趣味で1群だけ飼う場合も届出は必要?

必要です。蜜蜂を飼育する人は、群数や目的にかかわらず届出の対象になります。

補助金はありますか?

国の養蜂に関する振興事業のほか、自治体独自の支援がある場合があります。はちみつの販売を始めるなら、小規模事業者持続化補助金なども検討できます。最新の制度は、都道府県や市町村の窓口で確認しましょう。

まとめ:養蜂家になるには、学びと届出から小さく始めよう

養蜂家になるのに資格は必要ありませんが、蜜蜂飼育届の提出や病気の予防など、生き物を扱う仕事としてのルールがあります。まずは講習会や先輩養蜂家のもとで学び、少ない群数から始めて、蜂を減らさずに育てる技術を身につけましょう。

国産はちみつは自給率が低く、直販で付加価値をつけやすい商品です。はちみつ・花粉交配・ローヤルゼリーなどの収入源を組み合わせ、収支を計算しながら規模を広げていくことが、養蜂を事業として続けるためのポイントです。

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