2026.09.30 起業ガイド
40代の起業は何をする?選び方・向く事業の例・資金と家族の注意
Index
「40代になって、このまま会社員を続けるか、自分で何かを始めるか、考え始めた。起業するとしたら、何をすればいいのだろう」。そんな悩みを、抱えていませんか。
実は、新規開業の統計では、開業者の年齢は「40歳代」が最も多く、40代での起業は、決して珍しくありません。一方で、住宅ローン・子どもの教育費・親の介護・会社の収入を手放すリスクなど、40代ならではの、慎重さが、求められる場面も、あります。
この記事では、40代の起業の実態、強みと課題、何をするかを決める軸、向く事業の例、資金と家族の合意、副業からの進め方、失敗しやすい点を、順に解説します。
40代の起業の実態|開業者の年齢は40歳代が最多
まず、公的な調査で、40代の起業の実態を確認しましょう(数字は、調査の対象・時期で異なります。最新の調査で確認してください。要確認)。日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月公表。融資を受けた、開業後1年以内などの企業が対象)から:
・開業時の年齢は、「40歳代」が 36.9%で、最も多く、次いで「30歳代」が 28.0%。「29歳以下」は 7.0%、「60歳以上」は 6.4%。「50歳代」の割合は、3年連続で上昇。
・開業時の平均年齢は 43.9歳で、調査開始以来、最も高くなりました。開業者の年齢は、上昇傾向にあります。
・開業費用:平均 975万円、中央値 600万円。500万円未満が 41.8%。
・資金調達:平均 1,219万円(借入 827万円、自己資金 279万円など)。
2024年度調査では、開業の動機は「自由に仕事がしたかった」(56.9%)が最多で、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(46.0%)、「収入を増やしたかった」(45.1%)と続き、採算状況は「黒字基調」が 67.3%でした。
つまり、40代は、起業の「主役の世代」で、経験・知識を活かして、自由な働き方を求めて、始める人が多いことが、読み取れます。一方、約3割は、赤字基調で、準備と計画の重要性も、示されています。
40代の強みと、向き合いたい課題
40代の起業の強みと課題を、整理します(個人差があります)。
強み:
・20年前後の、仕事の経験・専門性・人脈:前職の取引先・同業者・顧客が、最初のお客様・協力者になることがある。
・管理・調整・交渉・営業の経験:事業運営に活きる。
・お金・リスクの感覚:堅実な判断。
・信頼感:年齢による安心感。
・ある程度の、貯蓄・信用:融資の相談がしやすい場合。
・「自分は、何をしたいか」が、見えてきている。
課題:
・家計の責任:住宅ローン・子どもの教育費・生活費。収入が不安定になることへの、不安。
・家族の理解:配偶者・子ども・親。
・親の介護・自分の健康・体力の変化。
・会社員としての収入・社会保険・退職金・キャリアを、手放すリスク。
・失敗した場合の、立て直しの難しさ:再就職・再挑戦の、年齢的な壁。
・新しい技術・SNSなどへの、対応。
・プライドや、前職の感覚(看板・部下・予算がある環境)を、切り替える難しさ。
40代の起業は、「一発逆転」ではなく、「守りを固めながら、小さく始める」ことが、基本の姿勢です。
何をするか|決めるための3つの軸
何を始めるかを、決めるための3つの軸です。
軸①|経験・強み(自分に、何ができるか)
これまでの仕事・資格・趣味・人脈を、棚卸しします。「人から感謝されたこと」「得意で苦にならないこと」を、書き出す(「40代スキルなし 起業 女性」の記事の、棚卸しの方法も参考に)。40代は、20年分の「経験」が、最大の資産です。
軸②|需要(誰が、お金を払うか)
お客様の、具体的な困りごと・欲しいものと、重なる部分を探す。友人の反応ではなく、実際にお金を払ってもらえるかで、確かめる。
軸③|続けられる負担(お金・時間・体力・家族)
初期費用・固定費・在庫・労働時間・体力・家族への影響。「続けられる」ことが、40代の起業では、特に大切。
3つの軸が、重なる領域を探すのが、ポイントです。
・経験はあるが、需要が小さい → 別の顧客・別の形を探す。
・需要はあるが、経験がない → 学ぶ・副業・修行から。
・経験も需要もあるが、負担が大きい → 規模・形を変える。
「何をするか」より先に、「何のために」始めるか(目的・撤退基準)を、決めることも、重要です。
40代に向く事業の例|タイプ別
40代が、選びやすい事業を、タイプ別に整理します(向き不向きは、個人差が大きく、収益は、個別に確認が必要です。許可・資格の要否は、各記事で確認してください。要確認)。
①経験・専門性を活かした、サービス業(初期投資が小さい)
コンサルティング・顧問、研修・講師、代行(事務・経理・営業・採用)、士業・専門職、デザイン・ライティング・翻訳、キャリア・産業カウンセラーなど。前職の人脈・実績が活きる。初期費用は、小さい。
②副業から育てる、小さなビジネス
ハンドメイド・物販・ネットショップ・多肉植物・木工品・アパレル・SNS発信・オンライン講座など。会社員を続けながら、週末・空き時間で、試せる。
③地域の困りごとを解決する、暮らしの支援
買い物代行・御用聞き・便利屋・ハウスクリーニング・家事代行・見守り。初期費用が小さく、高齢化・共働きで、需要が見込まれる。体力・信頼・保険に注意。
④技能・職人系の独立
塗装・溶接・板金・解体・清掃など:経験・資格・取引先が、あれば、初期費用を抑えて始められる。体力・安全・元請との関係に注意。
⑤資格を活かした独立
士業・医療・福祉・施術・建築・不動産など:資格の取得に、時間・費用がかかる。営業・実務経験が必要。
⑥小さなお店・飲食(許可・資金・運営に注意)
間借り・キッチンカー・テイクアウトなど、小さく始める。初期費用・固定費・体力の負担が大きく、慎重に。
⑦農林畜産・自然を活かした事業(収益の現実に注意)
小規模な農業・養蜂・きのこ栽培・自伐型林業など。副業・複業から。収益は、規模・販路・補助金次第。
⑧フランチャイズ:ブランド・ノウハウを借りる。契約・費用・収益モデルの確認が、必須。
避けたい進め方:大きな借入・多額の初期投資・大量の在庫・高い固定費で、家族の生活を賭けること。
資金と、家族との合意
40代の起業で、特に大切な、お金と家族の話を、整理します。
1. 生活防衛資金を、確保する
事業の資金とは別に、生活費の、6か月〜1年分を、確保する。住宅ローン・教育費・保険料など、固定的な支出を、書き出す。
2. 事業に使ってよい資金の、上限を決める
失っても、生活が続けられる範囲で。開業費用の中央値は 600万円だが、500万円未満で始める人が約4割という実態を、参考に、できるだけ、小さく始める。
3. 借入は、慎重に
日本政策金融公庫の創業融資など。「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、女性、35歳未満、または55歳以上が対象のため、40代の男性は、対象外になり、一般の創業融資制度(新規開業・スタートアップ支援資金など)の利用が、中心になります(要件・条件は、公庫の最新情報で確認。要確認)。連帯保証・個人保証の扱い、返済の負担を、確認。家族を、連帯保証人にすることは、慎重に。
4. 家族との合意
・なぜ始めるのか(目的)、いくら使うか(上限)、いつまでに、どの数字に届かなければ見直すか(撤退基準)、収入が減る期間の、生活の見通しを、配偶者・家族に、具体的に、説明し、話し合う。
・家族の協力(家事・育児・介護の分担)。
・大きな決断(退職)の前に、副業で試すことで、家族の安心を得る。
5. 保険・社会保険
会社を辞める場合の、国民健康保険・国民年金への切り替え、就業不能・病気への備え、扶養の判定。
6. 会社員を続けながら、始める(副業)
就業規則の確認。副業の収入が安定してから、独立を判断。
進め方|副業から始めて、数字で判断する
40代の起業では、「小さく、副業から、数字で判断」する進め方が、現実的です。
進め方の流れ:
1. 目的・撤退基準・資金の上限・家族の合意を決める。
2. 経験の棚卸しと、需要の調査で、候補の事業を、2〜3つに絞る。
3. 会社員のまま、副業として、小さく試す:モニター・予約販売・小さな依頼・イベント出店・スキルマーケットで、お金を払ってもらえるか・時間単価・自分に合うかを、確かめる。
4. 記録する:売上・経費・作業時間・お客様の声。
5. 手応えがあれば、規模を広げ、開業届・青色申告などを整え、独立のタイミングを、数字で判断する:副業の収入が、生活費の何割に届いたか、運転資金・生活費(6か月〜1年分)が確保できたか。
以下は、あくまで計算の型を示す仮の例です。
会社員(40代)が、経験を活かした専門サービスを、副業で始め、独立を判断する例(仮の数字)
・副業 1年目:月に 3〜5万円(週 5時間)。
・副業 2年目:月に 10〜15万円(週 10時間)。
・判断の目安(仮):副業の月収が、生活費の半分程度(例:月15万円〜)で、6か月以上、安定し、生活費の1年分の貯蓄と、家族の合意がある場合に、独立を検討。
「独立ありき」ではなく、「副業を続ける」「勤務日数を減らす」という、中間の選択肢も、あります。
相談先:商工会議所・よろず支援拠点・税理士・自治体の創業支援・先輩起業家。一人で決めず、第三者の意見を、聞く。
40代の起業で、失敗しやすいポイント
失敗しやすい点を、整理します。
1つ目は、勢いで会社を辞め、収入が途絶えることです。副業で試してから、判断しましょう。
2つ目は、生活防衛資金を残さず、事業に資金を投じることです。
3つ目は、大きな借入・初期投資で、始めることです。返済が家計を圧迫します。
4つ目は、需要を確かめず、「自分がやりたいこと」だけで、決めることです。
5つ目は、前職の看板・人脈に、頼りすぎることです。個人としての、営業・信頼づくりが必要です。
6つ目は、家族との、話し合いが不足することです。
7つ目は、撤退基準がなく、ずるずる続けることです。
8つ目は、体力・健康を、過信することです。
9つ目は、親の介護・子どもの教育費など、将来の支出を、見込まないことです。
10つ目は、「40代からの起業で、簡単に、成功できる」という、高額な、講座・フランチャイズ・投資・情報商材の勧誘に乗ることです。収益の根拠・契約内容を確認し、その場で契約しないでください。判断に迷ったら、消費生活センター(消費者ホットライン188)に、相談できます。
対策は、副業からの試行、生活防衛資金の確保、小さな初期投資、需要の確認、家族との合意と撤退基準、健康の管理、相談先の確保です。
40代が、起業で何をするかを決める5つのステップ
最後に、具体的な進め方を整理します。
ステップ1は、目的(何のために)、使える時間・お金の上限、家族の状況、撤退基準を、決めることです。
ステップ2は、経験・強み・人脈を棚卸しし、需要と続けられる負担を考えて、候補の事業を2〜3つに絞ることです。上の8つのタイプを、参考にします。
ステップ3は、会社員のまま、副業として、小さく試すことです。就業規則を確認し、お金を払ってもらえるか、時間単価、自分に合うかを確かめます。
ステップ4は、数字(売上・経費・時間・お客様の声)を記録して、事業を1つに絞り、資金・家族の合意・生活防衛資金を整えることです。必要なら、融資を相談します。
ステップ5は、手応えと生活の見通しを確認して、独立・勤務の調整・副業の継続を、判断し、開業届などの手続きを整えることです(期限は要確認)。
焦らず、家族と、数字と、経験を、味方に進めましょう。
まとめ|40代起業 何をするかは「経験・需要・続けられる負担」の重なりを、副業で確かめて決める」
40代の起業は、新規開業者の年齢で40歳代が最多(36.9%、平均43.9歳)と、決して珍しくなく、経験・知識・人脈が、最大の資産です。何をするかは、経験・需要・続けられる負担の3つの軸が重なる事業を、専門サービス・副業から育てる事業・地域の困りごと・技能・資格・小さな店・農林畜産などから選び、生活防衛資金と家族の合意を確保して、副業で小さく試してから、数字で独立を判断してください。
まずは、これまでの経験と、家族の状況・使える資金の上限を書き出し、候補の事業を2〜3つに絞ることから始めてください。

