2026.09.30 起業ガイド
養蜂は儲かる?収入の現実・群数別の試算・届出と、儲けを出す工夫
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「ミツバチを飼って、はちみつを採る養蜂に興味がある。国産のはちみつは高く売れると聞くけれど、本当に儲かるのだろうか」。そんな疑問を、持っていませんか。
養蜂は、国産はちみつの自給率が、約6〜7%と低く、国産への需要が高いことから、注目されています。一方で、「養蜂は、たいして儲からない」という、養蜂家の声もあり、収量は、天候・蜜源・蜂の状態で、大きく変動し、蜂群の管理・病害・台風・近隣との調整など、独特の難しさがあります。
この記事では、養蜂の市場、収入の現実、群数別の収益モデル、必要な届出と許可、蜂群管理の課題、収入源の広げ方、近隣・安全の注意、失敗しやすい点、進め方を、順に解説します。
読み終えるころには、養蜂を、夢と数字の両面から、判断できるようになります。
養蜂の市場|国産はちみつの自給率は約6〜7%
まず、養蜂の市場を、確認します(数字は、調査の時期・定義で異なります。最新の統計で確認してください。要確認)。
・はちみつの国内自給率は、約6〜7%と、紹介されています。国内の消費量は、年間約4万〜4.5万トンに対し、国産の生産量は、約2,600トン〜2,900トン程度で、残りの9割超は、輸入(中国産などが、多くを占める)とされます。
・令和2年(2020年)のはちみつの生産額は、約55.65億円(生産量 2,929トン、単価 約1,900円/kg)と、国立国会図書館の資料に、推計として紹介されています。
・ミツバチの飼育戸数は、昭和60年の9,499戸から、平成17年に4,790戸まで減少し、その後、国産の見直しや、都市養蜂への関心から、増加傾向にあり、直近の調査では、全国で約1万2千戸、蜂群数は約24万群と紹介されています。
・国産はちみつの価格は、上昇傾向と、日本養蜂協会が紹介しています。一方で、蜜源となる植物の植栽面積は、減少を続け、蜂場(蜂を置く場所)の確保に関するトラブルが急増している、とされます。
・養蜂は、受粉(農作物の花粉交配)にも、役割があります。
つまり、国産はちみつには、需要と増産の余地がある一方、蜜源・蜂場の確保、蜂の管理、気象リスクという、養蜂ならではの課題が、あります。
「儲かる?」の現実|収入の統計がない中で
最初に、お伝えします。養蜂家の年収について、信頼できる公的な統計は、確認できません(要確認)。
紹介されている目安(第三者の解説。前提・時期が異なり、参考程度):
・養蜂家の年収は、統計的なデータはないが、一般的に300万円程度と紹介する解説(根拠は弱い)。蜂の巣(1群)あたり、12,000円〜15,000円の利益が出るとされ、群数と、天候に左右されると、説明されます。
・ニホンミツバチを、15群飼育し、はちみつを約100kg採取し、1kgあたり1万5千円で販売すれば、100万円ほどの収益という、試算もあります(ニホンミツバチの希少なはちみつの価格で、一般的なセイヨウミツバチの、はちみつとは、異なる)。
・1群あたり、年間40〜50kgの採蜜を見込み、1kgを3,000円で販売、300kgなら、90万円という、個人の試算もあります。そこから、週5日働いて、増群し、ほぼ全量が売れた場合でも、収入は、250万円程度の見込みとの、慎重な見方を、示す養蜂家もいます。
・零細養蜂家からの、率直な声:「養蜂は、たいして儲からない。ある程度、蜂群が増えれば、利益が出るかな、という感じ。大儲けは無理」、「収入が不安定すぎる。蜂が増えなかったり、台風で巣箱が飛んだら、目も当てられない」。「普通に、ミツバチを増やして売っているだけでは、美味しくない商売。加工して付加価値を付けて売れば、可能性がある」。
読み方のポイント:
・「売上」と「所得(利益)」を分ける。
・単価(3,000円/kgなのか、1,900円/kgなのか、卸か直販か)と、収量の前提を、確認する。
・収量は、年・地域・蜜源・天候・蜂の状態で、大きく変わる。
・専業として、生計を立てるには、数十〜数百群の規模・移動養蜂・加工・販路が必要となる場合が多い。
・まず、副業(数群〜十数群)で、経験を積むのが、現実的。
「養蜂は、儲かる」と、言い切れる根拠はなく、「規模・技術・販路・付加価値」次第と、考えるのが、安全です。
群数別の収益モデル(仮の例)
収益のイメージを、数字で見てみましょう。以下は、あくまで計算の型を示す仮の例です。解説記事では、ハチミツ単価 3,000円/kg(EC直販)を基準にした、参考値として、次のような規模別モデルが、示されています(実際の収量・単価・費用は、大きく異なります。要確認)。
・副業スタート(3〜5群):年間の採蜜量 30〜100kg、年間売上 30万〜100万円、初期費用 20万〜50万円。
・副業から本業へ移行(10〜20群):採蜜量 100〜400kg、売上 100万〜400万円、初期費用 50万〜150万円。
・本業規模(30〜50群):採蜜量 300〜1,000kg、売上 300万〜1,000万円、初期費用 100万〜300万円。
所得のイメージ(10群の場合、仮の数字)
採蜜量:10群 × 25kg = 250kg/単価:3,000円/kg(直販)→ 売上 75万円
経費:巣箱・巣枠・道具の償却、給餌(砂糖)、ダニ・病気の薬剤、瓶・ラベル・梱包、送料・手数料、蜂場の賃料、燃料・交通費、保険 約35万円
→ 所得 約40万円(税金の前・自分の労働を除く)。
単価が 1,900円/kg(卸・市場価格に近い水準)になれば、売上 47.5万円で、所得は 約12万円程度に、下がります。収量が半分(天候不順・蜂の弱り)なら、所得は、さらに減る。
このように、単価と収量の変動が、収益を大きく左右します。作業時間(採蜜・巡回・巣箱の管理・瓶詰め・出荷・販売・営業)を含めると、時給は低くなることがあります。
悲観的なケース(収量が半分、単価が下がる)でも、続けられるかを、確認しましょう。
必要な届出・許可・表示
養蜂を始める際の、届出・許可・表示のルールを、整理します(詳細は、都道府県・保健所・消費者庁などで確認してください。要確認)。
1. 蜜蜂飼育届(養蜂振興法)
ミツバチを飼う人は、毎年1月末までに、住所地の都道府県に、飼育届(飼育の状況・蜂群数・飼育場所・期間などを届け出る)を提出する必要があると、されます(養蜂振興法第3条)。趣味・自家用も対象で、無届の場合は、10万円以下の過料とされます。資格・免許は不要で、試験や講習の修了は、条件ではありません。届出の受付先は、農業振興担当課などで、手数料は、無料の自治体が多いと、紹介されています(自治体で異なる)。
2. 蜂場の配置
飼育届の受理は、蜂の配置の許可ではないとされます。周辺の飼育者との、事前の配置の調整(蜂群の密度)が、必要で、養蜂振興法の改正(平成25年施行)で、蜂群の適正な管理と配置、蜜源植物の確保が、重視されています。土地の所有者の承諾、近隣への説明も、大切です。
3. 家畜伝染病予防法など(病害対策)
ミツバチの病気(腐蛆病など)の届出・検査・まん延防止の措置が、関わる場合があります(要確認)。都道府県の家畜保健衛生所・養蜂組合に相談。
4. 転飼(蜂群の移動)のルール:季節に合わせて、蜂群を移動させる場合の、都道府県のルール・届出・調整(要確認)。
5. 食品衛生法(採蜜・瓶詰め・販売)
採蜜したはちみつを、加工・瓶詰め・販売する場合は、保健所への相談・食品営業の許可または届出が、必要になる場合があります(自治体・作業場の内容で異なる。要確認)。作業場の衛生、原材料の管理、表示。
6. 表示のルール
はちみつの表示(名称・原産地・内容量・賞味期限・事業者名など)、「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」、「国産」「〇〇産」「純粋」などの表示の根拠(景品表示法)。輸入はちみつを、国産と偽る表示は、絶対に不可。乳児(1歳未満)にはちみつを与えない旨の注意表示も、一般に、行われています。
7. 開業届・青色申告・インボイス(期限は要確認)。副業は、就業規則を確認。
8. 保険:刺傷事故・蜂の逸走による、賠償責任保険、火災・盗難・巣箱の損害。
9. 養蜂の技術・知識:日本養蜂協会・都道府県の養蜂組合・講習会・先輩養蜂家から、学ぶ。
蜂群管理の課題|収量を左右する要因
養蜂の収益と難しさを左右する、蜂群管理の課題を、整理します。
・蜜源(蜜を採る花):季節ごとの、蜜源植物(アカシア・レンゲ・みかん・そば・トチ・百花蜜など)の有無と、開花時期。蜜源が減少し、蜂場の確保が難しい。単花蜜(特定の花の蜜)は、価値が高い。
・気象:長雨・低温・猛暑・台風・大雪で、採蜜量が、大きく変わる。巣箱の転倒・飛散。
・病気・害虫:ミツバチヘギイタダニ(ミツバチに寄生するダニ)、腐蛆病、チョーク病、スムシ(ハチノスツヅリガ)など。薬剤への耐性が課題で、防除の技術・日本養蜂協会などの手引を、活用。
・農薬の影響:周辺農地の農薬散布による、ミツバチの被害。農家・自治体との連絡・調整。
・スズメバチなどの外敵:特にオオスズメバチ・キイロスズメバチによる、襲撃。
・女王蜂の管理・分蜂(群が分かれて、飛び去る)・越冬・給餌:蜂群を、健全に維持し、増群する技術。
・作業の負担:巡回・内検・採蜜(重い巣箱・巣枠の運搬)・遠心分離・ろ過・瓶詰め・出荷。夏の暑さ、刺されるリスク。
・移動養蜂(転飼)を行う場合:夜間の移動、トラック・長距離運転、蜂場の確保、蜜源を追う、体力と経費。
特に初心者は、少ない群数(2〜5群)から、始め、1〜2年、技術・季節の流れを学ぶことを、おすすめします。蜂群を購入する場合は、信頼できる養蜂家から、病気のない群を。「蜂が増えず、冬に全滅した」「台風で巣箱が飛んだ」という失敗は、よくあると言われます。
儲けを出す工夫|蜂蜜以外の収入源
養蜂で、収益を上げる工夫を、整理します(成功が保証されるものではありません)。
1. はちみつの単価を上げる(直販・付加価値)
・市場・卸への出荷ではなく、直販(EC・直売所・イベント・ふるさと納税・飲食店への卸):単価 3,000円/kg以上を目指す。
・単花蜜・百花蜜・非加熱・生はちみつ・産地・蜜源のストーリー、パッケージ・ギフト。
・ブランド化・SNSでの発信(「SNS運用代行 起業」の記事、「d2c ブランド 始め方」の記事を参照)。
2. 蜂群(女王蜂・分蜂群・越冬群)の販売:増群した蜂群を、他の養蜂家・受粉用に売る。蜂の需要は、季節に集中する。
3. 蜜蝋・プロポリス・ローヤルゼリー・花粉・蜂の子などの、副産物:蜜蝋は、キャンドル・ワックスラップ・化粧品・クリームなどに加工。化粧品・健康食品としての販売は、薬機法・食品表示法・景品表示法の対象を参照。効能の表示に注意)。
4. 受粉サービス:ハウス栽培(いちご・メロンなど)や、果樹園の、受粉用にミツバチをレンタル・販売する(農家との契約)。
5. 加工品・菓子・飲食との連携:はちみつスイーツ、蜂蜜酒、ドリンク、パン、化粧品。洋菓子店・カフェとのコラボ。加工には、食品営業許可が必要。
6. 体験・観光・教育:養蜂体験、採蜜体験、見学、ワークショップ、学校・企業向けの、環境教育。安全管理・保険・アレルギーの確認。
7. 都市養蜂・企業との連携(屋上養蜂):ビルの屋上での養蜂、企業のCSR・ブランディング。
8. 補助金・支援:農業・畜産関連の支援、新規就農支援、自治体の制度(要件は要確認)。
「はちみつだけ」で稼ぐのではなく、「複数の収入源」を組み合わせることが、収益を安定させる鍵です。
近隣・安全への配慮
養蜂は、近隣や周囲への配慮が、欠かせません。
・刺傷・アレルギー(アナフィラキシー)のリスク:近隣住民・通行人・家族・体験参加者の安全。ハチに刺された場合の対応(アレルギーのある人は、特に)。体験を行う場合は、事前の確認・同意・防護服・救急対応。
・蜂場の場所:住宅・学校・道路・公園に近い場所は、トラブルになりやすい。飛行ルート・水場・排泄(蜂の糞)による、洗濯物などへの被害の苦情。近隣への事前の説明・理解。賃貸・集合住宅の規約、自治体の条例・指導。
・蜂の逸走・分蜂:逃げた群が、近隣に、居着かないよう管理。
・盗難・いたずら:巣箱の盗難への対策。
・農薬散布の時期の連絡・調整。
・保険(賠償責任)。
・刺されない工夫(防護服・面布・燻煙器・落ち着いた作業)。
養蜂家の団体・地域の養蜂組合に加入し、情報・技術・蜂場・トラブル対応の支援を受けることも、おすすめです。
養蜂で、失敗しやすいポイント
失敗しやすい点を、整理します。
1つ目は、「国産はちみつは、高く売れて、儲かる」と考えることです。収量・単価・規模・販路で、大きく変わります。
2つ目は、飼育届を出さないことです。過料の対象になります。
3つ目は、蜂場の確保・近隣の調整を、軽視することです。トラブルで、続けられなくなります。
4つ目は、技術・知識が不足したまま、群数を増やすことです。病気・越冬の失敗で、全滅する場合があります。
5つ目は、気象リスクを、見込まないことです。台風・長雨・不作で、収入がなくなります。
6つ目は、販路がなく、はちみつを安価に売ることです。直販・付加価値を、考えます。
7つ目は、作業時間・経費を計算せず、時給が低いことです。
8つ目は、食品衛生・表示のルールを確認しないことです。
9つ目は、刺傷事故・アレルギーへの備え・保険がないことです。
10つ目は、「養蜂で簡単に高収入」という、高額な、蜂群・巣箱の販売、オーナー制度、フランチャイズ、講座の勧誘に乗ることです。収益の根拠、買い取りの保証、契約内容を確認し、その場で契約しないでください。判断に迷ったら、消費生活センター(消費者ホットライン188)に、相談できます。
対策は、少ない群数から始める、技術の習得(講習・先輩)、届出と近隣調整、保守的な試算、直販と付加価値、複数の収入源、保険です。
養蜂を始める5つのステップ
最後に、具体的な進め方を整理します。
ステップ1は、養蜂を学ぶことです。養蜂家・養蜂組合・講習会・体験、日本養蜂協会などの資料で、蜂群管理・季節の流れ・病害・収穫・販売を、学びます。
ステップ2は、蜂場を確保し、近隣・土地の所有者・周辺の養蜂家と調整することです。蜜源・日当たり・風・水場・安全を、確認します。
ステップ3は、飼育届を提出(毎年1月末まで)し、必要な保険・道具を、最小限で整えることです。信頼できる養蜂家から、健全な蜂群を、2〜5群、入手します。
ステップ4は、1〜2年、少ない群数で、経験を積み、収量・経費・作業時間を記録することです。食品営業・表示のルールを確認し、直販の試験(イベント・EC)を行います。
ステップ5は、数字と技術に手応えがあれば、群数・販路・加工・体験などに、段階的に広げ、開業届などを整えることです(期限は要確認)。会社員が副業で始める場合は、勤務先の就業規則を確認します。
焦らず、「蜂とともに、学ぶ」姿勢で、進めましょう。
まとめ|養蜂 儲かるかは「規模・技術・直販と付加価値・複数の収入源」で決まる
養蜂は、国産はちみつの自給率が約6〜7%と低く需要がある一方、公的な収入統計はなく、収量と単価、蜂場の確保、気象・病害のリスクが大きく、「たいして儲からない」という声もあります。蜜蜂飼育届(毎年1月末まで)や食品営業の確認を行い、少ない群数から技術を積み、直販と付加価値、蜂群・蜜蝋・受粉・体験などの複数の収入源で、保守的に試算して進めてください。
まずは、養蜂家や養蜂組合、体験講習で実際の作業と収支を聞き、蜂場の候補と近隣への影響を確認することから始めてください。

