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2026.09.30 起業ガイド

物販で起業する方法|始め方5ステップと必要な許可・届出・資金の目安


物販は、仕入れた商品を売って差額を利益にするシンプルなビジネスで、小さな資金から始められるのが魅力です。

一方で、扱う商材によっては許可が必要だったり、在庫や価格競争で思うように利益が残らなかったりと、始める前に知っておくべきポイントもあります。

この記事では、物販で起業する流れを5つのステップで整理し、必要な許可・届出、資金の目安、利益の計算方法までわかりやすく解説します。

物販起業とは?市場の現状

物販起業とは、商品を仕入れて(または自分で作って)販売し、その差額で利益を得る事業を始めることです。

販売の場は、実店舗だけでなく、ECモール、フリマアプリ、自社ネットショップなど幅広くあります。

経済産業省の「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の物販系BtoC-EC市場規模は

15兆2,194億円(前年比3.70%増)、EC化率は9.78%でした。また、フリマアプリなどのCtoC-EC市場も約2.5兆円まで拡大しています。ネットで商品を売ること自体は、個人にとっても身近な選択肢になっています。

ただし、参入しやすい分だけ競合も多く、「同じ商品を安く売る」だけでは利益が残りにくいのも事実です。

後半で解説する利益計算と差別化の考え方をあわせて押さえておきましょう。

物販の主な種類

種類 内容 初期費用の目安 注意点
国内転売(せどり) 国内で仕入れた商品をECやフリマで販売 数万円〜 中古品は古物商許可が必要。価格競争になりやすい
輸入物販 海外から仕入れて国内で販売 数十万円〜 為替・関税・送料の変動。商材によって法規制あり
輸出物販 国内の商品を海外向けに販売 数十万円〜 相手国の規制、国際送料、返品対応
オリジナル商品(OEM・自作) 自社ブランド商品を企画・販売 数十万〜数百万円 最低ロットによる在庫リスク。その分、価格決定権を持てる
無在庫・受注販売 注文を受けてから仕入れる・作る 数万円〜 各モールの規約で禁止されている場合がある。納期トラブルに注意

※費用は規模や商材により大きく変わる目安です。

物販で起業する5つのステップ

STEP1:扱う商材と販売先を決める

最初に決めるのは「何を」「誰に」「どこで」売るかです。自分の趣味や前職の知識がある分野は、仕入れの目利きや商品説明で強みになります。

販売先は、集客力のあるECモール、手軽なフリマアプリ、利益率を上げやすい自社ネットショップから選びます。

最初はモールで需要を確かめ、慣れてきたら自社サイトを育てる流れが一般的です。

STEP2:必要な許可・届出を確認する

物販は商材によって必要な許可が異なります。許可なく販売すると法令違反になるおそれがあるため、仕入れる前に必ず確認しましょう(詳しくは次の章で解説します)。

STEP3:開業届・青色申告承認申請書を出す

事業として継続的に販売するなら、税務署に「個人事業の開業届出書」を提出します(原則として事業開始から1か月以内)。

あわせて「所得税の青色申告承認申請書」を出すと、要件を満たせば最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。申請期限は原則として事業開始から2か月以内です。

STEP4:資金を準備し、少量でテスト販売する

最初から大量に仕入れると、売れなかったときに在庫がそのまま損失になります。

少量で仕入れて「どれくらいの期間で、いくらで売れるか」を確かめ、売れた商品だけを追加する方法がおすすめです。

STEP5:数字を記録し、改善を繰り返す

商品ごとの仕入値・販売価格・手数料・送料・売れるまでの日数を記録しましょう。

「売上は増えたのにお金が残らない」状態を防ぐには、売上ではなく利益と在庫の回転を見ることが大切です。

商材別に必要な許可・届出

商材 必要な許可・届出の例 窓口
中古品(古着、中古家電、中古本など) 古物商許可(申請手数料19,000円) 営業所を管轄する警察署
食品 食品衛生法上の営業許可または営業届出(業態による)。輸入時は食品等輸入届出 保健所、検疫所
酒類 酒類販売業免許(通信販売なら通信販売酒類小売業免許など) 税務署
化粧品・医薬部外品の輸入販売 化粧品製造販売業許可など(医薬品医療機器等法) 都道府県の薬務担当課
電気製品 電気用品安全法の手続き・PSEマーク表示(輸入事業者など) 経済産業省

また、ネットで販売する場合は、特定商取引法にもとづき事業者名・所在地・連絡先・返品条件などを表示する義務があります。規制は改正されることがあるため、最新の要件は各窓口で確認してください。

物販起業に必要な資金の目安

物販の初期費用は、主に「仕入資金」「許可取得費用」「梱包資材・撮影機材」「ネットショップやモールの利用料」です。国内転売なら数万円から、オリジナル商品なら最低ロット分の製造費がかかるため数十万円以上を見込むのが一般的です。

見落としやすいのが、仕入れてから入金されるまでの運転資金です。モールでは売上の入金までに期間があるため、売れているのに手元の現金が足りないという状況が起こりえます。生活費とは別に、数か月分の仕入資金を用意しておくと安心です。

販路開拓などに使える補助金もあります。

物販ビジネスで使える補助金で解説していますが、上限額や要件は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領を確認しましょう。

利益の計算方法(シミュレーション例)

物販の利益は「販売価格 −(仕入値+販売手数料+送料・資材費)」で計算します。以下は仮の数字での例です。

項目 金額
販売価格 3,000円
仕入値 1,500円
販売手数料(10%と仮定) 300円
送料・梱包資材 400円
1個あたりの利益 800円(利益率約27%)

この例で月に10万円の利益を出すには、月125個の販売が必要です。仕入値だけで判断すると「1,500円も儲かる」ように見えますが、手数料と送料を引くと半分近くまで減ります。

仕入れる前に、必ずすべての費用を差し引いて計算しましょう。

物販起業でよくある失敗と対策

在庫が売れ残る

流行や季節で需要が変わる商品は、売れ残るとそのまま損失になります。少量から仕入れ、販売実績を見て追加する方法でリスクを抑えましょう。

価格競争で利益が残らない

同じ商品を扱うライバルが増えると、値下げ合戦になりがちです。商品の組み合わせ、丁寧な説明や写真、オリジナル商品の開発など、価格以外の選ばれる理由をつくることが大切です。

プラットフォームの規約変更・アカウント停止

1つのモールに売上を頼っていると、規約の変更やアカウント停止の影響をまともに受けます。販売先を複数に分けたり、自社サイトやSNSで顧客とのつながりを育てたりしておくと安心です。

よくある質問

副業から物販を始めてもいいですか?

はい。本業の収入があるうちに小さく始めて、売れる商品や販路を見極めてから独立するのは堅実な方法です。ただし、勤務先の就業規則で副業が認められているか確認しましょう。

自分の不用品を売るだけでも古物商許可は必要ですか?

自分で使っていた物を売るだけなら、一般的には古物商許可は不要とされています。

一方で、売ることを目的に中古品を仕入れて販売する場合は許可が必要です。判断に迷う場合は、管轄の警察署に相談しましょう。

確定申告はいくらから必要ですか?

所得の状況によって異なります。

まとめ

物販は、小さな資金から始められ、ネットを活用すれば個人でも全国に商品を届けられるビジネスです。一方で、商材ごとの許可、在庫リスク、手数料や送料を含めた利益計算など、始める前に押さえるべきポイントもあります。

まずは扱う商材と販売先を決め、必要な許可を確認したうえで、少量のテスト販売から始めてみましょう。数字を記録しながら改善を重ねることが、物販起業を軌道に乗せる近道です。

出典:
経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html
警視庁「古物商許可申請」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kyoka.html

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