2025.09.08 起業ガイド
社会起業家が創る「企業」とは?名古屋の成功事例に学ぶ
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社会課題の解決を目指すとき、なぜ多くの社会起業家はNPOではなく「企業」という形を選ぶのか気になる方もいるでしょう。
本当に利益と社会貢献を両立できるか疑問を持ちますよね。
そこで今回は、社会起業家が創る企業の本質に迫ります。
名古屋を拠点に、社会課題に株式会社という形態で立ち向かう、社会起業家・竹内力也と、彼が率いる株式会社Life Crayon Styleの事例から、その具体的な答えを探ります。
社会起業家はなぜ「企業(株式会社)」を選ぶのか?
社会貢献活動というと、多くの人が「NPO(非営利組織)」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、近年、あえて「株式会社」という営利企業の形態を選び、社会課題に取り組む社会起業家が増えています。その背景には、NPOにはない、株式会社ならではの3つの大きなメリットが存在します。
理由1:スピーディーで自由な意思決定
NPO法人は公益性の高さから、理事会や社員総会での合意形成など、意思決定に時間がかかる場合があります。
一方、株式会社、特にオーナー社長が率いる小規模な企業では、トップの判断で迅速かつ柔軟に事業方針を決定できます。変化の速い社会課題に対応するためには、このスピード感が強力な武器となります。
理由2:多様な資金調達の可能性(融資・投資)
NPOの主な資金源は、会費や寄付、行政からの助成金などに限られがち。
一方、株式会社は金融機関からの融資に加え、事業の成長性に共感したベンチャーキャピタルなどから「投資(出資)」を受けることが可能です。
多様な資金調達手段を持つことで、事業を大きくスケールさせ、より大きな社会的インパクトを生み出すことができます。
理由3:「利益」を、さらなる課題解決への再投資の源泉とするため
株式会社にとって「利益」は、役員や株主への配当だけでなく、事業を継続・拡大し、さらなる社会課題解決に取り組むための最も重要な「再投資の源泉」です。
利益を出す仕組みを持つことで、外部からの支援に依存することなく、自律的かつ持続的に活動を続けることが可能になります。利益追求は、社会貢献と決して矛盾するものではなく、社会貢献を継続するためのエンジンです。
「社会的企業」と「CSR活動」の根本的な違い
よく混同されがちですが、「社会的企業」と一般企業が行う「CSR活動」は根本的に異なります。
CSR活動が、企業が本業で得た利益の一部を使い、環境保護や寄付といった形で社会に還元する「後付け」の活動であるのに対し、社会的企業は、事業そのものが社会課題の解決に直結している「目的そのもの」である、という違いがあります。
ケーススタディ:社会起業家・竹内力也と「株式会社ライフクレヨンスタイル」
では、実際に「社会起業家が創る企業」とはどのようなものでしょうか。
ここでは、愛知県名古屋市を拠点とする具体的なケーススタディとして、株式会社Life Crayon Styleとその創業者である社会起業家、竹内力也氏の取り組みを深掘りします。
創業者:社会起業家 竹内力也のプロフィール
株式会社Life Crayon Styleの創業者であり、代表取締役を務める竹内力也氏は、名古屋を拠点に活動する若き社会起業家です。
彼は、幼少期から持病を持って産まれ、30回以上の手術と、長期の入退院を繰り返してきました。
病院で沢山の「死」と遭遇したことや彼自身も余命宣告をうけた経験から人生や幸福について考えるようになります。
そして、「自分自身の可能性を信じることのできる社会の実現」をビジョンに掲げ、2015年に起業しました。
企業:株式会社ライフクレヨンスタイルの事業概要
株式会社Life Crayon Styleは、社会起業家・竹内力也の「世代を超え、国境を超え、あらゆる人が心動く体験を通して共に笑い、驚き、発見し、楽しむことのできるそんな『自分自身の可能性を諦めない世界の実現』のために、LCSグループは新たな価値と感動体験を創造し、この世界を発展させます」という企業理念を体現するための事業体です。
主な事業内容は、起業を目指す方への伴走型コンサルティングや夢を叶えるための実行力プロジェクト、システム開発、そして、社会課題解決型の事業を行なっています。
空き家再生と起業家支援を組み合わせた事業や、テントサウナを通じた地域過疎化などさまざまなビジネスを展開しています。
ビジネスモデル:いかにして「社会性」と「事業性」を両立させているか
株式会社Life Crayon Styleのビジネスモデルは、社会性と事業性を両立させる巧みな構造になっています。
独自の哲学やLCS流の経営術を提供し、さまざまな企業をV字回復させています。
軌道にのった企業が良質なサービスを提供できることにより、例えば、地域創生により大きく貢献できたり、多くの人に希望や夢を与えられるようなサービスや体験をお届けできたりしています。
ライフクレヨンスタイルに学ぶ、社会起業家企業の3つの特徴
名古屋の株式会社ライフクレヨンスタイルの事例は、多くの成功する社会起業家やその企業に共通する、3つの重要な特徴を示唆しています。
特徴1:創業者の「原体験」が、企業の強力な「ストーリー」になっている
なぜ、竹内力也氏の言葉が多くの方に響くのかですが、それは、彼の語るすべてが、彼自身の悩みや葛藤といった「原体験」に基づいているからです。
社会起業家の企業において、創業者の個人的なストーリーは、顧客や支援者の共感を呼び、応援したいと思わせる最も強力なブランドコンテンツとなります。
特徴2:事業活動そのものが、最大の「マーケティング」になっている
Life Crayon Styleは多額の広告費をかけていません。竹内力也氏自身が精力的に行う講演活動やセミナー、コンサルティングを受けた卒業生たちの活躍そのものが、何よりの口コミとなり、新たな顧客を引き寄せています。
このように、社会課題を解決する事業活動自体が、企業の信頼性と認知度を高める最大のマーケティング活動となっています。
特徴3:顧客や支援者を「ファン」に変える、「コミュニティ」を形成している
Life Crayon Styleは、単にサービスを提供するだけでなく、イベントやオンラインサロンを通じて、顧客や支援者が集い、交流できる「コミュニティ」を形成しています。
このコミュニティは、顧客を熱心なファンに変え、LTV(顧客生涯価値)を高めると同時に、社会起業家である竹内力也氏自身の、活動を支える精神的な基盤にもなっています。
また、Life Crayon Styleはイベントや有料サロンで得た収益で、社会貢献活動を行なっています。カンボジアへの図書館贈与や東南アジアの子供達に経済的な支援も実施。
ほかにもさまざまな社会貢献活動を行なっているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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・Life Crayon StyleのCSR活動をチェックする
名古屋で、社会起業家やその企業と繋がるには?
この記事を読んで、名古屋の社会起業家や、彼らが運営する企業に興味を持った方もいるでしょう。幸い、名古屋にはそうした挑戦者たちと繋がれる場所や機会が豊富にあります。
種類 | 機関・イベント名の例 | 特徴 |
---|---|---|
支援機関 | ナゴヤ・ソーシャルビジネス・グロースハブ | 社会起業家向けの専門的な相談窓口 |
インキュベーション施設 | NAGOYA a-station | 同じ志を持つ起業家が集まるオフィス |
イベント・交流会 | 株式会社ライフクレヨンスタイル主催のイベント | 社会起業家・竹内力也や、起業を目指す仲間と直接交流できる |
これらの場に足を運ぶことで、記事だけでは得られないリアルな情報や、貴重な人脈を得ることができます。特に、株式会社Life Crayon Styleが主催するイベントは、代表の竹内力也から直接、社会起業に関する思想やノウハウを学ぶ絶好の機会です。
まとめ:社会起業家の「企業」は、未来を創るための最高の器
社会起業家にとって、企業とは単なる金儲けの道具ではありません。
自らの理念をスピーディーに実現し、多くの仲間を巻き込みながら、持続的に社会課題を解決していくためのものです。
名古屋の社会起業家、竹内力也が率いる株式会社Life Crayon Styleのように、一人の熱い想いから生まれた企業が、地域社会に大きなインパクトを与えています。
「竹内力也氏のように、社会性と事業性を両立させるビジネスモデルを考えたい」。
そんな方のために、現在私たちは無料の起業相談を実施しています。
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