2025.08.28 起業ガイド
【看護師の一人起業】アイデア7選|資格を活かして成功する5ステップ
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患者さん一人ひとりに深く寄り添いたい人や病院の枠を超えて、自分の看護を届けたいと思っている方もいるのではないでしょうか。
その想い眠らせておくのはもったいないですよね。
看護師という国家資格と、現場で培った経験は、強い武器になります。看護師の一人起業は、その武器を最大限に活かし、理想のケアと自由な働き方を両立させるための選択肢です。
今回は訪問看護から自由な保険外サービスまで、あなたの可能性を広げる起業アイデアと、成功への具体的な5ステップを解説します。
この記事を読むことで、看護師の経験でどのように起業をすればよいかがわかります。
あなたはどちらを選ぶ?看護師の起業、2つの道筋
看護師が一人で起業する際、道筋は大きく2つに分かれます。
一つは、介護保険や医療保険といった、国のルールの中で安定した収益を目指す「制度ビジネス」
もう一つは、あなたの自由な発想で新しい価値を提供する「保険外ビジネス」です。
どちらが優れているわけではなく、自分が求めている理想の看護の形や、許容できるリスクによって選ぶべき道が異なります。
看護師の起業 2つの道筋
道筋1:制度ビジネス | 道筋2:保険外ビジネス | |
---|---|---|
具体例 | 訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所 | 自費の訪問看護、美容ナース、健康相談 |
メリット | ・保険収入のため、収益が安定しやすい ・社会的信用度が高い |
・価格やサービス内容を自由に設定できる ・許認可が不要な場合も多く、始めやすい |
デメリット | ・人員や設備基準など、開業ルールが厳しい ・報酬が国によって定められている |
・集客や価格設定を全て自分で行う必要がある ・前例が少なく、ビジネスモデル構築が難しい |
向いている人 | 安定経営を重視し、制度のプロを目指す人 | 新しい価値を創造し、自由な働き方をしたい人 |
安定を求めるなら「制度ビジネス」自由と創造性を求めるなら「保険外ビジネス」が基本的な考え方です。
もちろん「訪問看護を軸にしつつ、保険でカバーできない部分は自費サービスで提供する」といったハイブリッド型も可能です。
まずは、自分がどちらの方向性に、より心惹かれるかを考えてみましょう。
看護師資格を活かす!一人起業のアイデア7選
あなたの看護師としての経験と知識は、多種多様なビジネスに形を変えることができます。
ここでは、一人でも始めやすい7つの具体的な起業アイデアをご紹介します。
あなたがこれまで培ってきた専門分野や、興味のある領域と照らし合わせながら、可能性を探ってみてください。
(保険制度)訪問看護ステーション|地域医療の要になる
看護師の独立開業として最も代表的なのが、訪問看護ステーションです。
利用者様のご自宅を訪問し、主治医の指示のもとで医療的ケアやリハビリを提供します。
一人で始める場合でも、常勤換算で2.5人以上の看護師等の配置が必要ですが、管理者と従業者を兼務することは可能です。
地域に密着し、在宅療養を支える中心的な役割を担う、非常にやりがいのある仕事です。
(保険制度)居宅介護支援事業所|ケアマネとして独立
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持つ看護師なら、居宅介護支援事業所を開業する道もあります。
利用者様のケアプランを作成し、各サービス事業者との調整役を担います。
ケアマネジャーに関しても、常勤1名以上のケアマネジャーがいれば開業可能。病院での退院調整などの経験を直接活かすことができます。
(保険外)自費の訪問看護・プライベートナース|富裕層・専門領域特化
介護保険や医療保険の枠にとらわれず、全額自己負担でオーダーメイドの看護サービスを提供します。
例えば、長時間の付き添いや旅行への同行、終末期の看取りなど。
価格を自由に設定できるため、高い専門性を活かせば高単価・高収益が可能です。
がん患者専門や小児専門など、特定の領域に特化することで、独自のポジションを築けます。
(保険外)美容医療・メディカルエステ|美の領域で専門性を発揮
美容皮膚科やクリニックでの経験を活かし、美容の分野で起業する看護師も増えています。
医療機関と提携し、医師の指導のもとでレーザー脱毛やメディカルエステの施術を行ったり、美容整形後のダウンタイムケアを専門に行うサービスなどが考えられます。
美への関心が高い方に向いています。
(保険外)ヘルスケアコンサルタント・講師|企業や個人を健康に導く
あなたの医療知識を活かし、企業向けに「従業員の健康管理プログラム」を提案したり、個人向けに「生活習慣病予防セミナー」を開催したりする仕事です。
健康経営が注目される現代において、企業からの需要は高まっています。人前で話すことや人に教えることが好きな方に最適です。
(保険外)メディカルライター|医療知識を文章で伝える
製薬会社や医療系Webメディアなどで、専門知識を活かして記事を執筆します。
正確な医療情報を分かりやすく伝える能力が求められます。在宅で、時間や場所を選ばずに働けるのが大きな魅力です。
文章を書くことが好きで、地道な情報収集が得意な方に向いています。
(保険外)コミュニティナース|地域の「おせっかい」を仕事に
特定の施設に所属せず、街のカフェや商店街などに身を置き、地域住民の健康相談に乗ったり、健康イベントを企画したりする、新しい働き方です。
住民の「一番身近な医療人」として、病気の予防や早期発見に貢献します。人との交流が好きで、地域貢献への想いが強い方にぴったりの仕事です。
看護師の起業を成功させる5つのステップ
やりたい事業の方向性が決まったら、その想いを具体的な「事業計画」に落とし込んでいきます。
この設計図の精度が、あなたの起業の成功確率を大きく左右します。
ステップ1:コンセプト設計|誰の、どんな「健康課題」を解決する専門家か
成功する起業家は、皆「専門家」です。
あなたの事業は「誰の、どんな課題を解決するのか」を一言で説明できるようにしましょう。
「退院直後で不安を抱える高齢者と、その家族のための、24時間対応の自費訪問看護サービス」のように、ターゲットと提供価値を具体的に定義します。
ステップ2:事業計画・資金計画|想いを数字と計画に落とし込む
コンセプトという想いを、具体的な「数字」と「行動計画」に翻訳します。
提供サービスや価格、目標顧客数、売上予測、そして開業に必要な初期費用と月々の運転資金を詳細に算出します。
この事業計画書が融資や補助金申請の際の最重要書類となります。
ステップ3:法人格と許認可|株式会社?一般社団法人?保健所への届出は?
訪問看護ステーションなど、保険制度ビジネスを行う場合は、原則として法人格が必要です。
営利を追求するなら株式会社、非営利性を重視するならNPO法人や一般社団法人といった選択肢があります。
また、事業内容に応じて、保健所や都道府県への届出・許認可申請が必須です。行政書士などの専門家と相談しながら、確実に進めましょう。
ステップ4:資金調達|看護師に有利な融資・補助金を活用する
自己資金だけで足りない場合は、資金調達を行います。
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、多くの起業家が利用する代表的な制度です。
また、福祉・医療分野の起業は社会貢献性が高いため、「地域創造的起業補助金」など、国や自治体の補助金・助成金の対象となりやすいのが特徴です。
積極的に情報を集め、活用しましょう。
ステップ5:集客の仕組み作り|信頼が鍵。地域連携とWeb発信
福祉・医療サービスの集客で最も重要なのは「信頼」です。
保険制度ビジネスの場合は、地域のケアマネージャーや病院のソーシャルワーカーとの連携が生命線となります。
地道な挨拶回りで、あなたの事業の理念と専門性を伝え、信頼関係を築きましょう。
保険外ビジネスの場合は、ブログやSNSで専門知識を発信し、見込み客からの信頼を獲得することが第一歩となります。
開業前に知るべき3つの壁|医療行為・資金・集客
看護師の起業は、大きな可能性を秘めている一方で、特有の注意点も存在します。
事前にリスクを理解し、対策を立てておくことが、失敗しないための鍵です。
壁1:【法律】「医療行為」と「非医療行為」の境界線
看護師が行える業務は、医師法や保健師助産師看護師法によって厳密に定められています。
医師の指示なく行える診療の補助や療養上の世話の範囲を逸脱し、医療行為を行ってしまうと、法的に罰せられる可能性があります。
特に、自費サービスや美容分野で起業する場合は注意。
どこまでの行為が許されるのか、厚生労働省のガイドラインを確認したり、専門家に相談したりして、境界線を正確に理解しておく必要があります。
壁2:【資金】開業資金と、軌道に乗るまでの運転資金
設備や法人設立などで、想定以上に初期費用がかかる場合があります。
初期費用だけでなく、事業が軌道に乗るまでの最低3ヶ月分、できれば半年分の運転資金(自分の生活費含む)を準備しておくことが、資金ショートを防ぐために極めて重要です。
壁3:【集客】「待ち」の医療から「攻め」の集客へのマインド転換
病院に勤務していると、患者さんは自然にやってきます。
しかし、起業すれば、自分からお客様を見つけに行かなければ、売上は1円も立ちません。
この「待ち」から「攻め」へのマインド転換が、多くの看護師起業家がつまずくポイントです。
地域のケアマネージャーに営業をしたり、Webサイトを作って情報発信をしたりと、泥臭い集客活動を継続する覚悟が必要です。
まとめ:看護師の起業は、ケアの可能性を広げる挑戦
看護師の一人起業は、単に職場を変えることではありません。自分が持つ専門知識とケアの精神で、病院の壁を越え、社会の様々な課題を解決していく魅力的な挑戦です。
制度の枠組みの中で安定を目指す道も、自由な発想で新しい価値を創る道も、どちらも社会にとって不可欠です。
「事業計画の立て方を、マンツーマンで教えてほしい」。
その専門的な悩み、一人で抱え込む必要はありません。
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