2025.11.17 起業ガイド
家政婦紹介所・家事代行の市場の動向と独立起業のポイント4つ
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「私の長年の家事経験。ただの家事で終わらせず、もっと価値ある仕事にできないかな?」
もし、あなたがそう感じているのなら、働き方が多様化している現代社会に役立てるかもしれません。
共働きや子育てなどに追われ、時間を有効に使いたいと考える主婦(主夫)が増えるなか、質の高い家事サポートへの需要は急速に高まっています。
そこで今回は、家政婦紹介所の起業方法やビジネス戦略、起業後につまずきやすいポイントなどを初心者の方にも分かりやすく解説します。
本記事を読めば、あなたの日々の家事経験が、忙しい共働き世帯や子育てで忙しい家庭などのニーズに応える、家政婦紹介所を立ち上げられます。
家政婦紹介所・家事代行サービスの市場動向
家政婦紹介所の起業を考えるうえで、市場の将来性を知ることが大切です。
ここでは、市場規模の推移や需要が高まる社会的な背景を解説します。
市場規模と今後の成長予測

家事代行を含む家事支援サービス市場は、今も拡大傾向が続いており、将来的な成長が期待される分野です。
経済産業省による令和4年度調査では、家事支援サービス業の市場規模について直近の売上実績や事業者ヒアリングをふまえ、今後も利用者数や需要の増加が見込まれることが示されています。
グラフを見ると、家事支援サービス全体の売上高は、2021年の1,085億円から2022年には1,213億円へと、わずか1年で100億円以上も増加しています。
なかでも注目すべき点は、働くスタッフの数も同様に増えている点です。スタッフ数は2021年の約8.6万人から2022年には約10.3万人へと増加し、10万人の大台を突破しました。
これは、サービスの需要(売上)と供給(働き手)がともに拡大している、活気のある市場であることを示しています。
また、サービスの利用拡大には認知度向上や費用補助、福利厚生への導入といった課題解決も重要視されています。
いまや家事支援サービスは政策面でも女性活躍や少子高齢化対応の基盤と位置づけられ、地域やライフスタイルに関わらず幅広い世帯での利用拡大、ならびに安定した需要が見込まれる産業です。
利用者・事業者数の変化と特徴
市場の成長に伴い、利用者と事業者数はともに増加しています。
特に、都市部の共働き世帯や、元気なシニア層による「時間を買う」価値観の浸透が、利用者層の拡大を後押ししている傾向です。
一方で、新規参入の増加で競争は激しくなっており、利用者は価格だけでなく「サービスの質」や「信頼性」を厳しく見極めるようになっています。
だからこそ、質の高い人材と丁寧なマッチングが差別化ポイントです。
需要増加の背景と政府の支援策
需要が伸び続けている背景には、主に3つの社会的変化があります。
- 共働き世帯の一般化
- ライフスタイルの多様化
- 高齢化の進展
女性の社会進出が進み、家事を外部の専門家に委託することへの心理的ハードルが下がりました。
また、副業や自己投資など個人の時間を豊かに使いたい人が増え、家事の時間を節約したいニーズが顕在化しています。
さらに、高齢者のみの世帯が増加し、日常の家事負担を軽減したいニーズも根強く存在します。
これらの動きを受け、政府も女性活躍推進などの一環で家事支援サービスの利用を後押ししており、社会全体がビジネスの追い風です。
家政婦紹介所とは?個人事業主・フリーランスでも起業できる
「家政婦紹介所」は、家事代行サービスとは異なるビジネスモデルです。
ここでは、その仕組みや社会的な役割、具体的なサービス内容を理解し、個人で始める事業のイメージを掴みます。
家事代行サービスとの違い
両者の決定的な違いは「契約形態」です。この違いを理解することが、事業を始めるうえで求められます。
家政婦紹介所(職業紹介)の役割は、利用者(求人者)と家政婦(求職者)を仲介(マッチング)することです。
契約は利用者と家政婦の間で直接結ばれる雇用契約となり、事業者は紹介者の立場にあります。
そのため、開業には「有料職業紹介事業」の許可が必要です。
個人事業主にとっては、スタッフを直接雇用するリスクや労務管理の負担を抑えて始められる点があります。
一方、家事代行サービスは、事業者がサービス全体を請け負う事業形態です。
利用者は事業者と業務委託契約を結び、スタッフは事業者に雇用されています。
家事代行サービスでは特別な許認可は不要ですが、スタッフの雇用責任や給与支払いはすべて事業者が負う点が特徴です。
家政婦紹介所の社会的役割
家政婦紹介所は、単に家事を仲介するだけではありません。
働きたい時間に制約がある主婦層などに柔軟な就労機会を提供し、地域の「潜在的な働き手」を掘り起こす、社会的な役割を担っています。
また、質の高い家事サポートを提供することで、地域の家庭の生活を支えるインフラとしての価値も持っています。
実際のサービス内容と利用ケース
サービス内容は、掃除・洗濯・料理といった基本的な家事に留まりません。利用者のニーズに合わせて、多彩なサービスを提供できます。
- 共働き・子育て世帯
- 単身のビジネスパーソン
- シニア世帯
例えば、共働き世帯には平日の夕食作り置きや週末のまとめ買い代行、単身者には出張中の部屋の掃除や宅配便の代理受け取り、シニア世帯には買い物同行や庭の簡単な手入れなどが喜ばれます。
このように、利用者のライフスタイルに深く寄り添ったサービスを設計が可能です。
家政婦紹介所の独立起業ポイント|①「ターゲットとサービス設計」
家政婦紹介所を成功させるポイントは「誰に、どのような価値を提供するか」で決まります。
ここでは、ターゲット顧客の絞り込みから、他社と差別化できるサービス設計、リピートにつながる料金設定や工夫までを解説します。
利用者層の分析と対応ニーズ
まず、あなたの事業が貢献できるターゲットを具体的に設定しましょう。
例えば、2つの設定が考えられます。
- 都心部の高所得共働き世帯
- 郊外の未就学児がいる子育て世帯
都心部の高所得層であれば、徹底した品質や時間厳守、不在時でも任せられる信頼性が必要です。
郊外の子育て世帯なら、子供がいる環境への理解や安全性への配慮、柔軟な時間対応といったニーズが中心になります。
家事・介護両対応サービスと料金設定の工夫
市場での差別化を図るには、サービスの幅を広げる視点が有効です。
例えば、介護保険でカバーできない範囲の高齢者向けサポート(通院の付き添い、趣味の相手など)を組み合わせることで、新たな顧客層を開拓できます。
料金設定も、利用者の使いやすさを考えて、以下のような工夫が必要です。
- 時間料金制
- 月額定額プラン
- パッケージプラン
時間料金制を基本としつつ、週1回など定期利用しやすい割引付きの月額定額プランも有効です。
さらに、「産後応援パック」や「大掃除おまかせパック」のように目的を明確にしたパッケージプランを用意すると、利用者はサービスを選びやすくなります。
利用者満足を高める工夫
一度利用してくれたお客様に「またお願いしたい」と思ってもらうことが、事業安定のポイントです。
- 初回ヒアリングの徹底
- 作業報告の仕組み化
- 相性マッチングの重視
アレルギーの有無や家事の好みなどを細かく記録して担当者と共有し、サービス後には簡単な報告書で安心感を提供します。
また、スキルだけでなく人柄の相性も考慮して紹介し、ミスマッチの場合は柔軟に対応する姿勢も大切です。
この一手間が絶大な安心感と信頼につながります。
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そんなお悩みもあるかと思います。スタートアップアカデミーでは、公式LINEで無料相談会を実施しています。
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家政婦紹介所の独立起業ポイント|②「許認可・運営体制と人材確保」
優れたサービスプランも、それを支える運営基盤がなければ成り立ちません。
事業を合法的に始め、サービスの品質を担う人柄を重視した人材を確保・育成し、利用者に安心感を与えるための具体的な体制づくりを解説します。
開業に必要な届出や資格・協会の活用方法
個人事業主として家政婦紹介所を開業するには、以下の手続きが必要です。
- 税務署への届出
- 有料職業紹介事業の許可
事業を開始する際は税務署へ「開業届」を提出します。
家政婦紹介所事業として「家政婦を紹介して手数料を得る」ビジネスモデルを法律上可能にする唯一の資格が、管轄の労働局から得る「有料職業紹介事業の許可」です。
手続きに不安がある場合は、業界団体に相談すれば、個人事業主にとって心強い支援を受けられます。
スタッフ採用・教育の要点
サービスの評判は、紹介する家政婦(スタッフ)の質で決まります。
採用では、家事スキル以上に、誠実さやコミュニケーション能力といった「人柄(信頼性)」を重視して選ぶことが必要です。
また、サービスの品質を均一に保つための簡単な研修制度が求められます。
- 個人情報・プライバシー保護の徹底(守秘義務)
- 訪問時のマナー(挨拶、身だしなみ)
- 報告・連絡・相談のルール
- 物損などトラブル発生時の初期対応
これらの内容を盛り込んだ研修を行い、質の高いスタッフを育成し、長く働いてもらうことが今後の家政婦紹介所を運営するうえでのポイントなります。
トラブル防止と信頼構築
利用者とスタッフ、双方からの信頼を得て事業を継続させるには、リスク管理が欠かせません。
- 契約・規約の整備
- 損害賠償責任保険への加入
- 相談窓口の明確化
サービス範囲や料金などを明記した規約に同意を得て、万が一の事故に備えて必ず保険に加入しておくことがおすすめです。
これは事業者とスタッフを守るだけでなく、利用者への信頼の証にもなります。
また、双方が気軽に連絡できる窓口を設けることで、大きなトラブル防止にもつながります。
まとめ:家政婦紹介所の起業には事業モデルの理解と信頼構築が必要
家政婦紹介所の起業で成功するために、まず押さえるべきは、スタッフを直接雇用しない「有料職業紹介事業」というビジネスモデルの正しい理解です。
許認可の取得や法規制の遵守が、事業の基盤となります。
そのうえで、事業の成否を分けるのは、以下の2点に集約されます。
- 明確なターゲット設定と高品質なサービス設計
- 信頼できる人材の確保・育成と、万全なトラブル防止体制
これらに共通しているのは、利用者とスタッフ双方からの「信頼」をいかに構築し、維持していくかという点です。
一つひとつの準備を丁寧に進めることで、あなたの家事や段取りのスキルは、多くの家庭に喜ばれる価値ある事業へと変わります。
「自分にも起業できるか不安…」「まずは話だけ聞きたい」と思っている方もいるでしょう。
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