2025.09.11 起業ガイド
ソーシャル起業とは?社会課題を解決するビジネスの作り方【5ステップ】
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世の中をもっと良くしたいと思ってはいても、ボランティアや寄付だけでは限界があります。
せっかく想いがあるのにもかかわらず、一歩踏み出せないのは非常にもったいないです。
そこで検討してほしいのはソーシャル起業。ソーシャル起業は利益を生み出しながら社会貢献が行えます。
今回はソーシャル起業とは?という基本から、利益を生み出すための具体的なビジネスモデルの作り方まで、5つのステップで徹底解説します。
この記事を読めば、ソーシャル起業の基本的なことがわかり、起業をする際の成功事例や注意点などが理解できます。
ソーシャル起業とは?NPOやボランティアとの決定的な違い
ソーシャル起業やソーシャルビジネスという言葉を耳にする機会が増えましたが、実際に意味を正しく理解している人はまだ少ないでしょう。
これは、単なる社会貢献活動とは一線を画す、新しいビジネスの形です。
社会課題を「ビジネス」で解決し、利益を再投資する
ソーシャル起業とは、貧困や環境、教育、福祉といった社会課題を、ビジネスの手法を用いて解決することを目的とした事業を立ち上げることを指します。
利益を目的としないNPOやボランティアとは異なり、事業として収益を上げます。
そして利益を給与や配当だけでなく、さらなる課題解決のために再投資していくのが最大の特徴です。
なぜ「利益」を出すことが、社会貢献になるのか?
良いことなのにお金儲け?と疑問に思うかもしれませんが、善意の寄付やボランティアは、支援する側の資金が尽きれば活動も止まってしまいます。
ビジネスとして利益を生み出す仕組みを持つことで、外部の支援に依存することなく、安定的かつ長期的に課題解決に取り組み続けることができます。
利益を出すことは、社会貢献を持続させるために必要不可欠です。
「受益者(助ける相手)」と「顧客(お金を払う人)」は違っても良い
ソーシャルビジネスのポイントは、サービスを受ける受益者と対価を支払う顧客が必ずしも一致しないビジネスモデルを組めることです。
例えば、子ども食堂の場合、食事をする子どもは受益者ですが、お金を払うのは、その活動を応援したいと考える地域の企業や個人、あるいは行政(顧客)になりえます。
この視点を持つことで、収益化の可能性は無限に広がります。
ソーシャル起業のリアルな成功事例3選
理論だけでは、なかなかイメージが湧かないですよね。
ここでは、日本を代表する企業が、どのようにソーシャル起業の考え方を取り入れ、社会課題の解決とビジネスを両立させているのか、そのリアルな成功事例をご紹介します。
ソーシャル起業(ソーシャルビジネス)の成功事例
企業名 | 解決したい社会課題 | ビジネスモデル |
---|---|---|
株式会社スープストックトーキョー | 食品ロス問題、農業の担い手不足 | 形が不揃いなだけで廃棄される規格外野菜や、市場に出回らない食材を積極的に買い取り、付加価値の高い美味しいスープとして販売する。 |
株式会社LITALICO | 障害者の就労機会の不足、教育格差 | 障害のある方向けの就労支援サービスや、発達に課題のあるお子様向けの学習塾を運営。個々の特性に合わせた質の高い教育を提供し、利用者から対価を得る。 |
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン | 子どもの貧困、教育格差 | 個人や企業からの寄付を原資に、経済的に困難を抱える子どもたちに、塾や習い事などで利用できる「スタディクーポン」を提供。教育機会の平等を目指す。 |
上記の事例に共通するのは、単なる慈善活動ではないことです。
課題の根本原因にアプローチし、受益者や顧客、そして自社も豊かになる三方よしのビジネスモデルを巧みに設計している点です。
あなたの解決したい課題にも、必ずユニークなビジネスモデルの可能性があります。
あなたの「想い」を「事業」に変える5つのステップ
「社会課題を解決するビジネスを創りたい!」と思っている方のために、熱い想いを、具体的な事業へと変えるための、5つの重要なステップを解説します。
ステップ1:課題の発見|あなたが心から「何とかしたい」と思うことは?
すべてのソーシャル起業は、起業家自身の原体験から生まれます。
過去の自分が経験した困難、身近な人が抱えている悩み、あるいはニュースで見て憤りを感じた社会の不条理など、あなたの心が強く動かされる「課題」は何ですか?
個人的な課題意識こそが、困難な事業をやり遂げるための、最も強力なモチベーションとなります。
ステップ2:ビジネスモデル設計|「ありがとう」を「お金」に変える仕組み作り
解決したい課題が決まったら、それを持続可能なビジネスに変えるための仕組みを設計します。
誰に(Target)、どんな価値を(Value)、どのように提供し(Process)、どうやって収益を上げるのか(Profit)。
前述の「受益者と顧客の違い」も意識しながら、あなたの事業ならではの、ユニークな収益モデルを考え抜きましょう。
ステップ3:事業計画の策定|想いを数字とストーリーで語る
ビジネスモデルを、誰もが納得できる事業計画書に落とし込みます。
なぜこの事業が必要なのかという社会的意義(ストーリー)と、どれくらいの収益が見込めるのかという客観的な根拠(数字)の両方が不可欠です。
この計画書は、後述する資金調達において、あなたの想いを伝えるための最強の武器となります。
ステップ4:資金調達|共感を集めるお金の集め方(融資、補助金、CF)
ソーシャルビジネスは、社会貢献性の高さから多様な資金調達の選択肢があります。
日本政策金融公庫の「ソーシャルビジネス支援融資」や、国や自治体の補助金・助成金は、ぜひ活用したい制度です。
また、事業の理念に共感してくれた不特定多数の人から少額ずつ資金を集める「クラウドファンディング」も、資金調達とファン作りを同時に実現できる、非常に有効な手段です。
ステップ5:インパクト測定|社会への貢献を「見える化」する
ソーシャルビジネスでは、売上や利益といった経済的な成果だけでなく、あなたの事業が社会にどれだけ良い影響を与えたか、という社会的インパクトを測定し、発信していくことが重要です。
「〇人の子どもの学習機会を創出した」「〇トンの食品ロスを削減した」といった具体的な成果を「見える化」することで、顧客や支援者からの共感と信頼がさらに深まり、事業の成長に繋がります。
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ソーシャル起業家が知るべき、3つの注意点
ソーシャル起業は非常にやりがいのある挑戦ですが、一般的な営利目的の起業とは異なる、特有の難しさも存在します。
事前に注意点を理解し、備えておくことが、失敗を避けるために重要です。
注意点1:「想い」の暴走(独りよがりなサービスになっていないか)
「社会のために」という想いが強すぎるあまり、受益者が本当に求めていることを見失い、独りよがりなサービスになってしまうケースもあります。
常に現場の声に耳を傾け、本当に課題解決に繋がっているのかを謙虚に検証し、サービスを改善し続ける姿勢が不可欠です。
注意点2:マネタイズの遅れ(キャッシュフローの重要性)
注意点の2つめには、社会的意義を優先するあまり、収益化を後回しにしてしまい、活動資金が底をついてしまう失敗パターン。
「良いことをしているのだから、いずれお金はついてくる」という考えは危険です。
事業を継続させるためには、まず足元のキャッシュフローを安定させることが最優先。きれいごとだけでは、誰も救うことはできません。
注意点3:成果の測りにくさ(社会的インパクト評価の難しさ)
売上や利益といった数字と違い、社会的な成果(インパクト)は、定量的に測定するのが難しい場合があります。
「子どもの自己肯定感が上がった」「地域の繋がりが深まった」といった定性的な価値を、いかに客観的な指標で見える化し、支援者や顧客に伝えていくか。
このインパクト評価の手法を学ぶことも、社会起業家には求められています。
まとめ:ソーシャル起業は、未来を創る最もクリエイティブな仕事
ソーシャル起業は、単なるビジネスではありません。あなたが持つ優しさと情熱、そして知恵を総動員して、社会のシステムそのものを、より良くアップデートしていく、最高にやりがいのある仕事です。
利益と社会貢献は、決してトレードオフの関係ではありません。
優れたソーシャルビジネスは、利益が大きくなるほど社会課題の解決も進んでいきます。
「共感してくれる仲間や支援者を、どうやって見つければいい?」。
その想いを、実現可能なアクションへと導くのが私たちの役目です。
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