2025.12.06 起業ガイド

スポーツ用品で起業する方法―低リスクではじめる小規模ビジネス入門

スポーツ用品で起業する方法―低リスクではじめる小規模ビジネス入門

スポーツに関わる仕事を生活の中心に置きたい。その気持ちを抱えながらも、最初の一歩に迷ってしまっていませんか?

とくにスポーツ用品の分野は、大手ショップの存在や在庫のリスクを考えると、起業のハードルが高く見えてしまいがちです。

地域のスポーツコミュニティやクラブ活動のあり方が変わり、最近は地域スポーツの支援や「見るスポーツ」を楽しむ人が増えています。この変化は小さなスポーツ用品ビジネスにとって追い風となっています。

今回は、起業後の稼ぎ方に不安のある方に向けて、小規模でも取り組みやすいビジネス戦略解説します。

地域やチームを応援する気持ちを軸にしながら、どんな形でスポーツ用品の仕事をつくっていくのか、一緒に見ていきましょう。

スポーツ用品で起業する前に知っておきたい「業界の今」とチャンス

スポーツ用品で起業する場面では、まず業界の現在地を把握することが重要です。

スポーツ用品市場の傾向や「見るスポーツ」の拡大、そして将来性のある領域について順に整理していきます。

スポーツ用品業界の今とスポーツビジネスの広がり

スポーツ用品起業出典:スポーツ庁「令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和6年11月調査)」p.4

スポーツ用品の市場は、ここ数年ゆるやかな拡大が続いています。

矢野経済研究所の調査では、2024年度の国内スポーツ用品市場規模が約1兆6,734億円と推計され、健康意識の高まりやスポーツ参加の裾野が広がっていることが分かります。

スポーツ庁の世論調査では、週1回以上のスポーツ実施率が令和6年には52.5%に達し、平成3年から着実に増えています。

ウォーキングや軽いトレーニングなど、日常的に体を動かす人が幅広い年代に広がっており、個人向け用品の需要が伸びやすい環境です。

従来型のスポーツ用品店が厳しい社会的背景

スポーツ用品起業出典:スポーツ庁「部活動の地域連携・地域移行と地域スポーツ・文化芸術環境の整備について」p.3

従来の店舗型スポーツ用品店は、近年厳しい状況が続いています。

とくに大手量販店やECサイトとの価格競争が激しく、小規模店が同じ土俵で勝負しにくい構造が続いてきました。

さらに、売上の柱となりやすかった学校向けの体操着や部活動ユニフォームの市場でも変化が起きています。

スポーツ庁の調査では、中学校での部活動参加率が令和4年には59.6%まで低下しました。

こうした日本全体の少子化の状況に伴い、学校を通した大型受注の機会も縮小しています。

さらにオンライン販売の普及によって価格比較が容易になり、従来の大量仕入れ・大量販売に頼るモデルだけで商売を続けるのは厳しい状況です。

それでも「スポーツ用品起業」に将来性がある理由

スポーツ用品起業出典:スポーツ庁「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインに係るフォローアップ調査結果(速報値)令和6年8月」p.20

市場の構造には課題が残りますが、スポーツ用品業界は今後も将来性があります。

スポーツ庁のデータによると学校の部活動が減少する一方で、休日の地域クラブの活動数が増加しています。

令和7年時点で全国で6044クラブが整備され、この数字は今後も増える見込みです。

また、「見るスポーツ」の拡大も起業には追い風です。

地元チーム観戦の動きが広がり、応援グッズやチームカラーに合わせたアイテムなどの需要も広がりを見せています。

地域密着型の商品は大手では対応しづらいため、小規模でも勝負しやすい領域です。

これらの動きを踏まえると、小規模の起業で生き残る方法は、大手と同じ方法で勝負するのではなく、「地域と関わる」ビジネスを作ることが重要です。

スポーツ用品起業の準備と手順:資金・資格

スポーツ用品の仕事を始める前に、まず「どれくらいの資金が必要か」「どんな許可や資格が関係するのか」という全体像をつかんでおくと、無理のない開業計画を立てやすくなります。

ここでは、従来の店舗型ビジネスの資金規模と、開業後に役立つ資格についても触れていきます。

従来のスポーツ用品店の開業資金目安と仕入れの基本

一般的なスポーツ用品店は、店舗の内装、什器、初期在庫の確保などにまとまった資金が必要です。

J-net21では、中古品で仕入れ値を抑えられる「スポーツ専門リサイクル」業の場合でも、初期費用は1500万円前後と試算しています。

仕入れの流れは、スポーツ用品の卸売業者や問屋、メーカーの展示会を通じて商品を確保する方法が一般的です。

商品知識がある程度必要になるものの、基本的な取引の仕組みはシンプルです。

中古品を取り扱う場合には、「古物商許可」の取得が必要となります。

申請費用は19,000円程度ですが、申請から許可までに時間がかかる場合もあるため、早めの準備を心がけましょう。

運動をアドバイスするトレーナー資格

スポーツ用品を扱う上で、必ずしも必要な資格はありませんが、専門性の高い資格を持つことで顧客からの信頼を得られます。

たとえばアスレティックトレーナーは、ケガの予防やコンディショニング、安全管理などの知識を活かし、利用者の体の状態に合わせた助言ができます。

また、NSCA認定パーソナルトレーナーは、運動生理学や解剖学に基づいたトレーニング指導を行える資格で、フィットネス初心者から高齢者まで幅広い層に対応が可能です。

スポーツ用品を提案する際、トレーニング目的や体への負担を踏まえたアドバイスができる点は大きな強みです。ビジネス全体にも活かせるので取得を検討してみてください。

顧客の栄養サポーターとしての資格

スポーツでは、体づくりと栄養管理が切り離せない場面が多くあります。

スポーツ栄養プランナーやスポーツ栄養スペシャリストの資格を取得し栄養面の知識を身につけると、サプリメントやプロテインの選び方、日々の食事の組み立て方を伝えられるようになります。

また、店舗内の一角にプロテインやエナジーバーを置き、顧客の体の状態に合わせた販売が可能です。

利用者から相談される場面が増えれば、次第に信頼が積み重なり、運動と食品の両面からサポートできる存在として選ばれるようになります。

スポーツ用品起業で資金をなるべく抑える事業モデル

スポーツ用品での起業は「在庫を抱えるのは怖い」「初期費用が膨らみそう」と感じる方も多いと思います。

しかし無店舗で始めたり、在庫をほとんど抱えない販売方法を選ぶことも可能です。

この章では、少ない資金でも挑戦しやすい3つのモデルを紹介します。

モデル①:在庫を極力持たない「受注スタイル」の販売

在庫リスクを抑えたい場合、受注してから仕入れる方法は有力な選択肢です。

まず顧客の要望を丁寧に聞き取り、体に合うサイズや競技の特性、使用目的を踏まえて最適な用品を提案します。

その上でメーカーや卸業者へ発注し購入数が確定してから商品を確保するという方法で、在庫を抱えにくい仕組みが作れます。

地域チームのユニフォームや、クラブ向けのオーダー品を扱う場合、少量でも相談に乗ってくれるメーカーや仕入先を選ぶことが重要です。

こうした相手と取引を進めると、小規模でも付加価値を高めやすいスタイルを作れます。

モデル②:専門知識をオンラインで売る「コンテンツ型ビジネス」

近年は、スポーツの知識をオンラインで発信し、必要に応じて有料コンテンツを販売するスタイルが広がっています。

この方法ではSNSやブログで発信を行い、詳しい解説をまとめた教材を販売する流れが作れます。

例えば「ケガを防ぐストレッチ」「部活動で疲れにくくする体の使い方」などの簡単な内容から、より実践的な「体を根本から変えるトレーニング」などの有料コンテンツへ案内することが可能です。

発信の中で紹介した用品をリンクで案内して、アフィリエイト収益を得ることもできますし、UdemyやBrainのようなプラットフォームで、動画講座やテキスト形式などの販売も行えます。

この方法では知識を届ける過程で自然に商品が選ばれるような導線づくりが大切です。

モデル③:パーソナルジム併設スタイル&オンラインジムでの物販

運動指導と用品販売を一緒に行うモデルも、小規模事業との相性が良い分野です。

たとえば数名限定のパーソナルジムを併設すれば器具は最小限でも成り立ちます。

利用者の目的に合わせたメニューを組みながら、必要なサポーターやトレーニング小物などの推奨商品を紹介する形で、無理のない物販を行えます。

Zoomなどを使ってオンラインでレッスンすれば、利用者は家にある器具を使いながら指導を受けられるため、店舗の費用を抑えて運営できます。

広い場所を確保せずに始められる点が大きなメリットです。

スポーツ用品の起業で地域の夢を支える

スポーツ用品の仕事は人の挑戦や成長に寄り添う活動に広がる分野です。

地域の人と関わることで、自然と信頼が積み重なります。

ここではスポーツを通じた地域との関係づくりから長く続けられる事業の形を紹介します。

販路①:スポーツ教室にトレーナーとして参加する

スポーツ用品を扱うときは、利用者が抱える不安や疑問に向き合う姿勢が重要です。

例えば地域のスポーツ教室にスポーツトレーナーの講師として参加し、準備運動やストレッチ方法、ケガの防止防止方法を丁寧に教えると、参加者が安心して運動に向かえます。

その場で、「動きやすいシューズの選び方」のような具体的なアドバイスを添えると、用品選びの不安が和らぎ、自然な形で物販につながります。

地道に人との信頼を築き、安定した収益を作るため地域で頼られる存在となりましょう。

販路②:スポーツ教室と栄養指導を組み合わせる

運動の成果を高めるためには、体づくりと栄養管理が欠かせません。

地域クラブや学校と連携して栄養教室を開く取り組みは、有益なスポーツ活動として広がっています。

プロテインの飲み方や日常の食事の整え方をわかりやすく解説すると、保護者や指導者からの信頼が厚くなり、相談される場面も増えていきます。

教室を通じて無理のない形で用品の提案にもつながる点が魅力です。

「練習後の回復を早めたいなら、この成分に注目してください」といった具体的な説明を添えると、商品理解が進み納得の上で商品を選んでもらえる可能性が高まります。

この方法は、スポーツ栄養関連の資格を持っていると大きな強みになります。

販路③:地域チームのパブリックビューイング&応援グッズを販売する

地域のクラブチームを応援する人が増えている今、観戦イベントやパブリックビューイングを開催する取り組みは、お店とファンをつなぐ方法として注目です。

試合を一緒に観る時間は、チームへの愛着を高めるだけでなく、地域全体で盛り上がるきっかけにもなります。

こうしたイベントでは、チーム公認のグッズや、応援に使える小物を販売する機会が生まれます。

観戦後の高揚感の中で、「このグッズを買いたい」と感じる参加者が多く、自然な流れで売上につながりやすい点が特徴です。

応援文化を育てる活動は、好きなチームを支えながらスポーツ用品の仕事としても広げられるため、やりがいを感じやすい分野です。

まとめ:スポーツ用品を通じて地域と関わろう

スポーツ用品の分野は、市場規模の拡大や「見るスポーツ」の広がりなど、追い風となる動きが続いています。

小規模でも人とのつながりを大事にすれば、自然に商品の提案につながる流れが生まれます。

応援イベントや地域チームとの連携など、コミュニティに役立つ活動が継続的な収益につながります。

ぜひ、自分らしいスポーツへの関わり方を形にしていきましょう。

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