2025.11.23 起業ガイド

FP起業は難しいといわれる3つの理由と独立の成功ポイント

FP起業は難しいといわれる3つの理由と独立の成功ポイント

「FP資格と金融業界での経験を、もっと直接的に人の役に立つ形で活かせないだろうか」

独立系FPという働き方に魅力を感じつつも、「今の安定を捨ててまで挑戦するのはリスクが高いのでは?」と不安に感じている方は少なくありません。

今回は、多くのFP資格取得者が抱える独立への不安を解消し、「FP起業が難しい」と言われる3つの理由と、あなたの経験を強みに変えるための具体的な成功戦略を解説します。

本記事を読めば、漠然とした不安が「やるべきこと」に変わり、あなたの金融キャリアを「〇〇専門FP」という独自の強みに変え、顧客から信頼され選ばれ続けるための道筋が明確になります。

FP起業が難しいと言われる3つの理由

FP起業出典:CFP®・AFP認定者 業種別属性・年代別属性データ|日本FP協会

2025年5月現在、日本FP協会の発表によるとFP資格保有者のうち、独立してFP事務所や士業事務所で働いている人は全体の約7%に過ぎません。

これは、日本ではFP資格を取得しても多くの人が企業勤務や副業・兼業にとどまり、独立開業に踏み切る人はごく一部しかいない現状を示しています。

では、なぜFPでの独立・起業が難しいのでしょうか。その理由は3つ考えられます。

  • FP資格には独占業務がない
  • 相談料よりも保険や金融商品の販売手数料に収益を依存している
  • ライフプラン相談で「お金を払ってもらう」文化が弱い

1. FP資格には独占業務がない

FP起業出典:CFP®・AFP資格取得者数の推移データ|日本FP協会

日本FP協会の調査によれば、FP資格そのものの企業内ニーズの高まりがあることがわかります。

しかし、FP資格には独占業務がなく、他の士業のように「資格保有者のみ」が従事できる業務はありません。

そのため、ライフプランの設計や資産相談などFP関連業務は、資格がなくても法的には誰でも行うことが可能です。

つまり、実際に資格取得後も「すぐに仕事が発生する」「資格のみで顧客が集まる」といったことはなく、これがFP独立開業の難易度を高めている要因に挙げられます。

2. 相談料よりも保険や金融商品の販売手数料に収益を依存している

日本のFP業界の特徴として、相談料収入よりも保険や金融商品の販売手数料に依存するビジネスモデルがあります。

実際、多くの無料FP相談や低価格相談は、最終的に保険や金融商品を案内し、その販売手数料を主な収益源としています。

有料相談のみで生計を立てている独立系FPは、前述の調査結果から推察するとわずかです。

日本FP協会の調査でも、1時間あたり5,000円~1万円未満の相談料が約半数を占める一方、無料相談の割合や販売手数料依存が根強く残されており、これがFP独立・起業の難しさを表しています。

3. 無料のライフプラン相談が14%を占めている

日本では、ライフプランや家計相談に「お金を払って専門家に頼る」という文化がまだ十分に根付いていません。

FP相談の料金相場は1時間あたり5,000円〜1万円未満が多くを占めていますが、無料相談も約14%存在し、単発や短時間の無料サービス、低価格帯が主流となっています。

海外に比べて「資産運用やライフプラン作成に高額な対価を払う」習慣が希薄なことが、FP独立で安定収益を得る難しさの一因です。

FPとして起業する3つのメリット【独立を目指す価値がある】

FPの独立が難しい理由を知ると、不安に感じるかもしれません。

しかし、その困難を乗り越えた先には、企業内FPでは得られない3つのメリットが存在します。

1. 年収の上限がなく、実力次第で高収入を目指せる

会社員である企業内FPは安定した給与が得られる一方、収入の上限は会社の給与テーブルによって決まっています。

起業すれば、あなたの実力と努力が直接収入に反映されます。

提供するサービスの価値を高め、多くの顧客から信頼を得ることで、会社員時代を大きく超える年収を得ることも夢ではありません。

高収入を目指せることは、独立FPの魅力のひとつです。

独立初年度から数年は、年収300万円〜600万円程度が目安ですが、成功している独立FPになると年収1,000万円を超えるケースもあります。

トップクラスになれば、年収3,000万円とも言われています。

2. 会社の営業方針に縛られず、顧客に最適な提案ができる

「会社の方針で、本当におすすめしたいわけではない商品を提案しなければならない」

そんなジレンマを抱える企業内FPは少なくありません。

FPで起業すれば、会社の営業方針やノルマに一切縛られることなく、中立的な立場で顧客の利益を第一に考えた提案ができます。

顧客に最適な提案ができることは、FPとしてのやりがいと誇りに直結します。

3. 働く時間や場所を自分で決められる

独立すれば、いつ、どこで働くかはすべてあなた次第です。

平日の昼間に自分の時間を確保したり、自宅やカフェをオフィスにしたりと、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になります。

働く時間や場所を自分で決められるため、プライベートとの両立がしやすく、理想のワークライフバランスを実現できます。

FP起業の5ステップ【「難しい」を「できる」に変える】

FPとして起業する3つのメリットが分かったところで、次は「難しい」を「できる」に変えるための具体的な5つのステップを紹介します。

5つのステップに沿って準備を進めれば、起業への道筋が明確になります。

1. 「専門FP」でアピールする【〇〇専門で活動】

「独占業務がない」という課題を乗り越えるために重要なのが、他のFPとの差別化です。

「何でも相談できます」というFPではなく、「住宅ローン専門FP」「30代子育て世帯の教育資金専門FP」「フリーランス向け資産形成専門FP」のように、自分の強みを活かせる専門分野を掲げます。

ターゲットを絞ることで、あなたの情報は特定の悩みを抱える人に深く刺さり、「この人に相談したい」と思ってもらえるようになります。

2. 事業計画・資金計画を立てる【収益の柱を見つける】

「どうやって収益を上げるのか」を具体的に計画することが、事業を継続させる上で不可欠です。

相談料だけでなく、顧問契約やセミナー開催、記事執筆など、収益の柱を複数持つことを検討します。

また、開業に必要な資金(PC購入費、Webサイト制作費など)や、独立後しばらく収入がなくても生活できるだけの運転資金を計算し、具体的な資金計画を立てることが重要です。

3. WebサイトやSNS活用【見込み客と出会う仕組み作り】

独立したら、待っているだけでは顧客は現れません。

あなたの専門性を発信し、見込み客に見つけてもらうための仕組み作りが必要です。

まず、名刺代わりとなるWebサイトやブログを開設します。

さらにX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用し、あなたの専門分野に関する有益な情報を発信し続けることで、見込み客にあなたを見つけてもらう流れが作れます。

4. 継続的な学びと顧客との信頼関係構築【FPの価値を高める】

FPを取り巻く税制や社会保険制度、金融商品は常に変化しています。

一度資格を取って終わりではなく、常に最新の知識を学び続ける姿勢がFPには不可欠です。

また、一度きりの相談で終わらせず、定期的な情報提供やアフターフォローを通じて、顧客と長期的な信頼関係を築くことが、安定した事業運営につながります。

顧客からの紹介は、何より強力な集客チャネルとなります。

5. 開業届の提出と必要な手続きを行う【個人事業主として起業】

事業の準備が整ったら、いよいよ開業です。

まずは管轄の税務署に開業届を提出しましょう。

これであなたは、正式に個人事業主です。

あわせて「青色申告承認申請書」を提出すれば、税制上の優遇措置を受けることができます。

手続き自体は難しくありませんので、早めに済ませて事業をスタートさせます。

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FP起業の成功談と失敗談

ここでは、実際にFPとして起業した方の成功談と失敗談を紹介します。

成功談と失敗談を比較すれば、先に触れた「FP起業の5ステップ」の重要性が分かります。

【成功談】元保険会社勤務が語る「専門特化」で顧客が増大

「保険会社に15年勤めましたが、常に会社の利益が優先される提案に疑問を感じていたことが独立のきっかけです。

『手数料が高いから』という理由で商品を提案するのではなく、本当にお客様の人生に寄り添いたいと思いました。

最初の半年は鳴かず飛ばずでした。

『何でも相談に乗ります』と間口を広げすぎた結果、誰からも『専門家』として見てもらえなかったんです。

これではダメだと気づき、自身の経験から最も得意だった『資産形成と老後資金』に専門分野を絞りました。

ターゲットを絞ったことで、ブログやSNSでの情報発信の内容が劇的に具体的になりました。

すると、『まさに自分のことだ』と感じてくれたお客様からの問い合わせが徐々に増え始めたんです。

今ではお客様からご紹介もいただけるようになりました。」

と語ります。

専門分野に的を絞った結果、顧客に結びついた事例です。

【失敗談】元銀行員が語る「準備不足」が招いた資金ショート

「一言で言えば、『何とかなるだろう』という計画性のなさです。

銀行員時代のプライドもあり、FP2級の知識があれば大丈夫だと過信していました。

具体的な事業計画を立てず、開業資金もギリギリ。

これが全ての失敗の始まりでした。」

と語るのは、元銀行員の方です。

「銀行員時代の人脈に頼れば、何とかなると思っていました。

しかし、現実は甘くありませんでした。

『会社』という看板がなくなった途端、あれだけ懇意にしてくれた取引先も、個人的に仕事を発注してくれることはなかったんです。

Webサイトも作らず、SNS発信もしなかったので、新規の見込み客はゼロ。

あっという間に運転資金が底をつきました。

もし、FPとしてこれから起業したい方に向けてアドバイスができるとすれば、まずは副業から始めることをおすすめしますね。

どうしても起業したいなら、初期費用は最低でも100万円ほど準備しておく必要があるかと思います。

そして、『誰の、どんな悩みを解決できるのか』という専門性を徹底的に考え抜き、WebサイトやSNSで情報発信を続けて、ある程度見込み客ができてから独立します。

あの頃の自分に『勢いだけで独立するのは無謀だ』と教えてあげたいです。」

と語ります。

事業計画や開業資金、集客手段など甘く見ていたために招いた失敗事例です。

まとめ:独立系FPとして不安なら週末起業からはじめてみよう

FPとしての独立は決して簡単な道ではありません。

しかし、専門分野を確立し、しっかりとした事業計画のもとで正しい努力を続ければ、あなたの経験は唯一無二の強みとなります。

もし、いきなり独立することに大きな不安を感じるなら、まずは会社員を続けながら副業として始める「週末起業」も1つの選択肢です。

リスクを抑えながら第一歩を踏み出すことで、あなただけの理想の働き方が見えてくるはずです。
「自分にも起業できるか不安…」「まずは話だけ聞きたい」と思っている方もいるでしょう。

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