2026.03.16 起業ガイド
行政書士起業の現実と仕事がない時期を乗り越える方法
Index
「行政書士の資格はとったけど、起業して本当に食べていけるか自信がない」
「仕事がなかったらどうしよう、周囲はやめとけと言うし起業に踏み出せない」
行政書士として起業を考え始めたとき、多くの人が同じ不安を抱えます。
試験に合格した実力があっても、開業後の集客や収入の見通しが立たないと、なかなか行動に移せないものです。
実際、開業後に「仕事がない」「思っていた現実と違った」と感じる行政書士は少なくありません。
そこで本記事では、行政書士として起業するときの現実と、仕事がない時期の乗り越え方を、開業資金・集客・専門分野の選び方まで具体的に紹介します。
記事を読めば、未経験からでも行政書士として起業して安定収入を得るための準備と行動が明確になるでしょう。
行政書士として起業した後の収入と廃業の現実
行政書士として起業した後、多くの人が最初に直面するのは「思っていたよりも仕事がこない」という現実です。
準備の量と開業後の収入は、必ずしも比例しないのが行政書士業界の特徴で、早い段階で把握しておくと対策も立てやすくなります。
競合と自分の現状を客観的に見ることが、安定収入への出発点です。
データで見る行政書士登録者数と開廃業の現状
日本行政書士会連合会の月刊日本行政2024年11月号によると、2025年4月1日時点の登録者数は52,734人です。
2015年の44,740人から10年間で約8,000人増加しています。
総務省の経済センサスでは、行政書士1人あたりの売上が2012年の360万円から2021年には467万円へ約1.3倍に伸びています。
登録者数の増加以上に市場規模が拡大しているため、飽和状態とは言い切れません。
廃業率は年間3〜4%程度で推移し、廃業者の15〜20%は経営不振以外(死亡・転職等)が理由です。
毎年2,000〜2,500人が新規登録し、1,600〜1,800人が廃業するサイクルが続いています。
開業1年目の不安定な時期と収入の難しさ
開業初年度に月収ゼロが続くケースは珍しくありません。
収入が安定するまでの期間は、おおむね1〜2年かかると見ておくと計画を立てやすくなります。
開業前に6〜12か月分の生活費を別に確保することが、精神的な余裕につながります。
行政書士の業務は単発案件が中心のため、継続的な依頼をもらえる顧問先を早期に作ることが収入安定の近道です。
開業前に副業・アルバイトとして行政書士補助員の経験を積むと、実務スキルと人脈を同時に得られます。
やめとけと言われる理由と開業行政書士の現実
「行政書士開業はやめとけ」と言われる背景には、集客の難しさと収入の不安定さがあります。
開業直後はホームページを作っても問い合わせがほぼゼロという状況が続くことも多く、公開初月アクセス15件・翌月23件との結果もあります。
ただし、廃業率は実態として5%以下であり、「9割廃業」というネット情報は根拠に乏しいところがあります。
やめとけと言われる本当の理由は、準備不足のまま開業することへの警告であって、行政書士という資格への否定ではありません。
専門分野と集客の方向性を決めてから開業すれば、食べていける可能性は十分あります。
試験合格後に仕事を受けるための流れと手続き
行政書士試験に合格した後、すぐに仕事を受けられるわけではありません。
日本行政書士会連合会への登録申請・都道府県行政書士会への入会・事務所調査・登録証交付式・税務署への開業届提出、という5つの手続きが必要です。
登録から開業まで約1〜2か月かかるのが一般的で、東京都の場合は登録免許税30,000円・登録手数料25,000円・入会金・会費を含めると合計25〜30万円程度かかります。
試験合格後の開業手続きを早めに進めることで、準備期間を集客や専門分野の学習に充てられます。
開業届はfreeeや弥生などの会計ソフトを使えばオンライン完結も可能です。
行政書士として起業する前に準備する開業資金
開業資金の準備は、起業前に時間をかけて調べるべき課題のひとつです。
資金が不足したまま開業すると、集客に注力できずに廃業するリスクが高まるため、費目ごとに現実的な金額を把握しておくことが大切です。
行政書士の開業はほかの業種と比べて初期費用を抑えやすい点が、強みです。
行政書士開業に必要な登録費用・備品・賃貸代・生活費の目安
行政書士の開業に必要な初期費用は、おおむね60〜90万円程度です。
内訳は、行政書士登録費用が約30万円・事務所初期費用が約20万円から、設備購入費が約10〜30万円になります。
自宅兼事務所として開業すれば賃貸代をゼロに抑えられ、すでに持っているPCやデスクを活用すれば設備費もさらに下げられます。
月間ランニングコストは地代家賃・通信費・会費合わせて10万円程度に抑えることが可能です。
生活費6か月分として仮に月25万円で計算すると150万円が必要になるため、登録費用と合わせると最低200〜250万円を準備しておくと安心です。
レンタルオフィスを利用すると月額3〜5万円から事務所住所を確保でき、賃貸の初期費用を大幅に抑えられます。
創業融資と補助金交付を活用した資金確保と投資
開業資金が不足している場合、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」を活用できます。
限度額は最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、設備資金20年以内・運転資金10年以内の返済期間です。
女性・若者・シニアなど特定の条件を満たす場合は特別利率が適用されます。
令和7年2月施行の「スタートアップ創出促進保証」では、保証人・担保なしで最大3,500万円まで利用できます。
創業融資は事業計画書の内容で審査結果が大きく変わるため、専門家に相談しながら作成することをお勧めします。
参考までに、日本政策金融公庫の融資審査では、自己資金が総事業費の3分の1以上あると通過率が高まります。
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自宅で屋号を決めて労力を抑える開業準備の流れ
自宅開業の場合、都道府県行政書士会への「事務所使用承諾書」取得が必要です。
屋号は「〇〇行政書士事務所」または「行政書士〇〇法務事務所」などの形式が一般的で、専門分野や地域名を入れると検索でも見つかりやすくなります。
名刺・ゴム印・封筒・FAX番号など事務用品の準備は、開業1か月前から揃え始めると余裕を持って進められます。
自宅開業で固定費を抑えた分を、ホームページ制作や広告費に回すことが集客投資として効果的です。
税務署への開業届・青色申告承認申請は開業日から2か月以内に提出することで、節税上有利な青色申告が使えるようになります。
屋号に建設業・相続・ビザなどキーワードを含めるとGoogleマップやSNSでの認知度が上がります。
行政書士起業後の仕事がない時期を乗り越える集客と営業の方法
開業後に最初にぶつかる課題が、仕事がない時期の乗り越え方です。
集客の仕組みを持っていない行政書士は、いくら優秀でも依頼が届かないという現実があります。
仕事がない期間を短くするために、開業前から集客・営業の準備を始めることが重要です。
専門分野を差別化して顧客獲得に向かう営業の手順
行政書士は取り扱える業務の幅が広い分、専門分野を絞らないと「何でもできるが何も目立たない」状態になります。
専門分野の候補は、建設業許可・在留資格(ビザ)・遺言相続・補助金申請・会社設立など、自分の知識や経験に近い領域から1〜2つ選ぶのが出発点です。
厚生労働省のデータをもとにした報酬単価では、医療法人設立認可で622,825円・旅館業許可で216,970円と、専門性の高い業務ほど単価が上がります。
専門分野を明確にすることで、見込み顧客に「自分ごと」として認識してもらいやすくなるため、問い合わせ率が上がります。
月5件の問い合わせから成約率40%・平均単価15万円で計算すると、月商30万円という現実的な目標が立てられます。
さらに、競合行政書士が手薄な業務であるドローン飛行許可・民泊申請などを狙うと、差別化しやすくなります。
SNSやホームページで行う集客活動と動画の使い方
ホームページは作っただけでは検索上位に表示されず、開業初月のアクセスが数十件にとどまることも珍しくありません。
SEO対策として、「専門分野+地域名のキーワード」を記事やページに盛り込む活動を継続することが必要です。
SNSでは、X(旧Twitter)でのノウハウ発信・YouTubeやInstagramでの動画・画像コンテンツが、ホームページへの流入を増やす効果的な手段です。
動画コンテンツは文字記事より信頼感を与えやすく、専門家としての認知を早期に広げる手段として機能します。
Googleビジネスプロフィールへの登録は無料でできる集客施策のひとつで、地域検索での露出に直結します。
例えば、X(旧Twitter)での週3回以上の専門知識投稿を3か月続けると、フォロワーから直接依頼が来るケースが増えます。
人脈を広げて依頼を増やせる営業力の強化と対策
ホームページ集客が軌道に乗るまでの間、人脈からの紹介が収入を支える柱になります。
行政書士会の支部活動・異業種交流会・商工会議所のセミナーへの参加が、同業者や士業連携の入り口として機能します。
税理士・司法書士・社会保険労務士との相互紹介関係を築くと、自分では対応できない業務を紹介し合える体制が生まれます。
紹介をもらうには、まず自分から相手の仕事に関心を持って動くことが、営業力強化の第一歩です。
年間50件の依頼のうち30件が紹介経由だという行政書士も多く、人脈への投資は長期的に集客コストを下げる効果があります。
士業仲間との勉強会を定期的に開催すると、自然な形で信頼関係と紹介ネットワークが広がります。
行政書士として未経験から起業して安定収入を得る方法
未経験からでも、正しい順序で準備を進めれば行政書士として安定収入を得ることは可能です。
安定収入を得ている行政書士の共通点は、専門分野・集客・自己管理の3つが整っていることです。
開業後の試行錯誤を最小限にするために、事前に実務的な知識と習慣を身につけておきましょう。
定款・文書・管轄など取扱業務の一覧と分野の決め方
行政書士が取り扱える業務は、大きく「官公署提出書類の作成・代行」「権利義務関係の文書作成」「事実証明に関する文書作成」の3分野に分かれます。
具体的な業務一覧として、定款作成・建設業許可・農地転用・在留資格・遺言書・離婚協議書・補助金申請代行・会社設立などがあります。
管轄は都道府県知事許可と国土交通大臣許可で異なるため、取り扱う業務の管轄行政庁の事前調査が必要です。
業務の選択基準は「需要の大きさ」「自分の得意領域」「地域の競合状況」の3点を組み合わせて判断することをおすすめします。
建設業許可の法人新規申請の平均報酬は137,618円、医療法人設立認可は622,825円と、分野による単価差は大きいと言えます。
副業・会社員と両立して働けて勤めを続ける働き方
行政書士として起業する前に、会社員と副業を両立する形で実績を積む方法があります。
副業として個人からの相談業務や簡易な書類作成を受けながら、開業前の実務感覚を身につけることが可能です。
会社員を続けながら行政書士登録は可能で、兼業禁止規定のある職場を除き、雇用形態による制限は原則ありません。
会社員の安定収入を確保しながら副業収入が月10〜20万円を超えた時点で独立するという段階的な移行が、リスクを下げる現実的な方法です。
勤め先の就業規則に兼業禁止条項がある場合は、退職または許可取得を事前に確認することが必要です。
後悔しないための自己管理と長く行動し続ける習慣
独立開業した行政書士の多くが「もっと早くマーケティングを学んでおけばよかった」と後悔するのは、集客の難しさを実感しているからです。
自己管理の面では、業務時間・案件管理・締め切りを一人で全てこなすため、週単位のスケジュール管理ツールの活用が欠かせない習慣になります。
売上・経費・案件数を月次で記録して振り返ることで、集客活動のどこに投資すれば効果が出るかが見えてきます。
長く続ける行政書士ほど、1日30分でも営業・学習・情報発信のどれかに時間を割く習慣を持っていることが共通点です。
資格取得後も行政書士会の研修や専門書での知識更新を続けることが、顧客からの信頼と高収入につながります。
まとめ:行政書士で起業して安定した収入を得よう
行政書士として起業した後の現実は、準備次第で大きく変わります。
登録者数52,734人の業界ながら市場規模は拡大を続けており、廃業率も実態では5%以下です。
開業資金は60〜90万円程度から準備でき、日本政策金融公庫の創業融資や補助金制度を活用すれば自己資金が少ない状態でも開業の道は開けます。
自己管理と継続的な学習習慣を持って長く行動し続けることが、未経験からでも高収入を実現した行政書士たちに共通するポイントです。
行政書士として起業して、自分の力で安定した収入を手に入れましょう。
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