2025.10.09 起業ガイド
和菓子で起業!失敗しない開業方法と儲かる仕組みの作り方
Index
「自分の作った和菓子で人を笑顔にしたい」
「日本の和菓子文化を残していきたい」。
和菓子好きのあなたにはこのような想いがあるのではないでしょうか。しかし、和菓子で起業となると何から始めたら良いかわからないと思います。
そこで今回は、和菓子で起業するために必要なことや成功するための具体的なステップやアイデアをご紹介します。
この記事を読めば、和菓子起業をどのように展開していけば良いかがわかるので、あなたの作った和菓子でたくさんの人に笑顔を届けられるようになります。
なぜ今、「個人の和菓子店」にこそ大きなチャンスがあるのか?
「大手や老舗の和菓子店がひしめく中で、今から個人が参入して勝てるのだろうか…」。
そんな不安を感じるのは当然です。
しかし、時代は確実に個人の職人の追い風となっています。同じような商品に飽き、作り手の顔やストーリーを求める消費者が増えている今だからこそ、小さな和菓子店には大きなチャンスが眠っています。
次は和菓子起業で今からでも参入できる、3つの理由を解説します。
理由1:「本物」を求める時代。画一的な商品に飽きた消費者の存在
スーパーやコンビニに並ぶ、工場で大量生産された安価な和菓子。それも一つの選択肢ですが、現代の消費者は、それだけでは満たされない「特別な体験」を求めています。
例えば、「地元の旬の果物を使った季節限定の大福」「アレルギーを持つ子供のために素材を厳選したお団子」「作り手の想いが込められた美しい練り切り」
こうした、一つひとつに物語があり、作り手の想いに対して、人々は適正な対価を払います。
大手にはできない、小規模だからこそ実現できる細やかなこだわりとストーリーこそが、価格競争から抜け出すための武器となります。
理由2:SNSが「個人の物語」を拡散する、最強の武器になる
個人店が存在を知ってもらうには、高額な広告費を払うか、口コミが広がるのをひたすら待つしかありませんでした。しかし今は違います。
InstagramやX(旧Twitter)YouTubeなどのSNSを使えば、資金力がない個人でも十分に集客可能です。
和菓子作りに込める想いや試行錯誤のプロセス、美しい作品が完成するまでの動画。こうしたストーリーは人々の心を動かし、共感を呼び「いいね」や「シェア」をされていき拡散されていきます。
フォロワーは単なる顧客ではなく、あなたの活動を応援してくれるファンに変わります。
あなたの新作を心待ちにし、友人にもおすすめしてくれることも。人が人を呼ぶとはまさに、このことです。
理由3:店舗だけじゃない。「教室」「通販」「カフェ」多様な稼ぎ方
「和菓子で起業=店舗を構える」という考えは少し減りました。
現代は和菓子起業でさまざまなアプローチががあります。例えば、自宅の一室を改装して少人数制の「和菓子教室」を開けば、初期投資を抑えながらファン作りができます。
ECサイトを立ち上げて通販専門にすれば、全国に商圏を広げることが可能です。
また、こだわりの和菓子と日本茶を提供する小さな「カフェ」を開けば、「美味しい」だけでなく「素敵な時間を過ごす」という体験そのものを商品にできます。
和菓子は外国人受けが良いのもポイントです。
これらの複数の稼ぎ方を組み合わせることで、リスクを分散し、安定した収益基盤を築くことができます。
和菓子で起業する4つのスタイル|あなたに合うのはどれ?
和菓子で起業すると言っても、その形は一つではありません。あなたの資金力、ライフスタイル、そして何よりも「どんな形でお客様と関わりたいか」によって、最適な事業スタイルは大きく異なります。
ここでは、代表的な4つの起業スタイルを比較し、それぞれのメリット・デメリット、そして成功のポイントを具体的に解説します。
自分に合わないスタイルを選んでしまうと、後から軌道修正するのは大変です。それぞれの特徴を深く理解し、あなたが最も輝ける、無理のないビジネスモデルを見つけ出しましょう。
スタイル1:【店舗型】地域に根ざす、王道の和菓子店
地域のお客様と顔の見える関係を築き、「街の和菓子屋さん」として長く愛されたいと考えるなら、この王道スタイルが最適です。
ショーケースに並んだ美しい和菓子を前に、お客様と会話をしながら販売する喜びは、何物にも代えがたいものがあります。
ただし、店舗の取得費用や内装工事、厨房設備などで初期投資が1,000万円以上かかることも珍しくなく、家賃や人件費といった固定費も重くのしかかります。
成功の鍵は、徹底した商圏分析とリピーターを生むための地域コミュニティとの繋がりです。季節のイベントや地域の祭事に合わせた商品開発なども有効な戦略となります。
スタイル2:【教室型】技術と感動を伝える、和菓子作家
「作る」ことだけでなく、「教える」ことに喜びを感じるなら、和菓子教室の開業が向いています。
自宅のリビングを活用すれば、比較的少ない初期投資で始めることが可能です。
生徒とのコミュニケーションを通じて直接的なフィードバックを得られ、それが和菓子作りの技術向上や新たな商品開発のヒントにも繋がります。
ただし、収入は稼働時間に依存するため、大きく稼ぐには限界があります。
成功するには、技術指導に留まらず、和菓子の文化的背景や美しい所作なども含めた「上質な体験」を提供し、高単価でも満足度の高いレッスンを設計することです。
スタイル3:【通販特化型】全国にファンを持つ、D2Cブランド
店舗を持たず、インターネット販売に特化するスタイルです。
BASEやSTORESなどの便利なサービスを使えば、専門知識がなくても比較的簡単に自分のネットショップを開設できます。
全国のお客様をターゲットにできるため、商圏の制約がなく、ビジネスの拡大可能性は無限大です。
一方で、送料が価格に上乗せされるため、よほど付加価値の高い商品でなければ価格競争に陥りやすいという側面もあります。
ただ和菓子はすでに多くのネットショップにある商品なので、いかに自分の和菓子を魅力的に伝えられるがキーになります。なので、和菓子を作った背景や想いなどは、通販で売るときに活きます。
スタイル4:【カフェ併設型】「体験」を売る、和の空間プロデューサー
作りたての和菓子を、こだわりの日本茶やコーヒーと共にその場で楽しんでもらうスタイルです。
物販だけでなく飲食の売上が見込めるため、客単価を上げやすいのが特徴です。和の雰囲気を活かした空間デザインや器にもこだわることで、「和菓子を食べる」という行為を「特別な時間を過ごす」という体験に昇華させることができます。
ただし、飲食店営業許可の取得や、接客スタッフの確保など、運営の難易度は上がります。
成功の鍵は、和菓子だけでなく、空間や器、音楽、接客などすべてを統一されたコンセプトでプロデュース。
そして、お客様が思わず写真を撮ってSNSに投稿したくなるような「体験価値」を創造するのが重要です。
「どんな和菓子が良いのかを聞きたい」
和菓子で起業する際にさまざまなお悩みがあるかと思います。
スタートアップアカデミーでは、現在LINEから無料の起業相談を受け付けています。
商品や集客、資金など、どんな事でも構わないので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
この相談会で和菓子をどのようにお客様に届けていくかを一緒に考えていきましょう。
「美味しい」だけでは潰れる!起業前に知るべき3つの現実
和菓子作りへの情熱と夢。
しかし、その情熱だけではビジネスで成功するのは難しいです。
多くの人が夢破れてしまうのは、技術不足が原因なのではなく、起業にまつわる「現実」を知らなかったからです。
この章では、あなたが後悔しないために、目を背けてはならない3つの厳しい現実を直視します。
事前にリスクを正しく理解し、適切な準備をすることで、成功確率を高められます。
現実1:【資格と許可】「知らなかった」では済まされない、法的な壁
「美味しい和菓子を作れる」と「和菓子を販売して良い」ことは全くの別問題です。
製造・販売を行うには、保健所の営業許可が必須であり、そのためには施設の衛生基準を満たした厨房設備が必要です。
また、各施設には最低一人の「食品衛生責任者」を置く義務があります。
資格は講習を受ければ取得できますが、「自宅のキッチンでそのまま販売」は原則としてできません。
法的なルールを無視して営業すると、営業停止処分などの重い罰則を受ける可能性があります。
現実2:【資金計画】「運転資金」の枯渇が、廃業理由の9割
和菓子屋の廃業理由で最も多いのが、実は、味が悪いことではありません。
運転資金の枯渇のパターンが多いです。多くの人が店舗の改装費や設備費といった初期投資に気を取られ、開業後の家賃や人件費、材料の仕入れ費、水道光熱費といった「運転資金(ランニングコスト)」の準備を怠ります。
事業が軌道に乗るまでの数ヶ月間、売上がゼロでも事業を継続できるだけの運転資金(最低でも6ヶ月分が目安)がなければ、どんなに美味しい和菓子を作っても、あっという間に資金ショートしてしまいます。
甘い見通しは禁物です。
現実3.【集客】「開店すれば誰か来る」という幻想
「心を込めて作った美味しい和菓子を並べれば、お客様は自然とやって来てくれるはず」。
これは、起業家が抱きがちな幻想です。
どんなに素晴らしいお店も、知ってもらう努力なしには、誰にも気づかれません。
チラシ配りやSNSでの発信、プレスリリースの送付、地域イベントへの出店など、あなたのお店や商品の魅力を、ターゲットとするお客様に届けるための地道な集客活動を開店前から行う必要があります。
和菓子起業を成功させる5ステップ|職人から経営者へ
和菓子起業のアイデアを、実際に利益を生み出し、長く愛される事業へと育て上げるには、明確なロードマップが必要です。
ここでは、ビジネスを成功に導く具体的な5つのステップを解説します。このステップは、感覚的なものではなく、多くの成功したスモールビジネスが実践してきた、再現性の高いフレームワークです。
ステップ1:誰に届けたい?「コンセプト」と「物語」を設計する
最初にやるべきことは、レシピ作りではありません。「誰の、どんなシーンを、あなたの和菓子で幸せにしたいか?」を具体的に描く、コンセプト設計です。
例えば、「仕事で疲れた30代の女性が、週末に自分へのご褒美として食べる、少し贅沢なフルーツ大福」といった具合です。
ターゲットが明確になれば、商品の味や見た目、価格、パッケージ、そして伝えるべき要素が自然に決まります。
あなたの生い立ちや和菓子作りへの想い、素材へのこだわり。こうしたストーリーこそが、お客様があなたの和菓子を選ぶ理由になります。
ステップ2:看板商品を作る。「あれが食べたい」と言われる理由を作る
数多くの商品を揃える必要はありません。まずは、あなたのコンセプトを体現する看板商品作りに全力を注ぎましょう。
看板商品はお店の絶対的なエースです。
「〇〇屋さんの、あの豆大福が食べたいから行く」と、お客様が指名買いしてくれるような圧倒的な魅力を持ちます。
看板商品が一つあれば、それが広告塔となり、お客様を呼び寄せ、他の商品の購入にも繋がります。
味はもちろん、見た目のインパクト、ネーミング、そしてその商品に込められた物語まで、細部にわたって磨き上げることが重要です。
ステップ3:お金の話を固める。事業計画と資金調達のリアル
夢を語るだけでは、事業は始まりません。
コンセプトと商品を、具体的な数字に落とし込む事業計画書の作成が不可欠です。
初期投資にいくらかかるのか、毎月の運転資金はいくらか、商品はいくらで、何個売れれば利益が出るのか。こうした収支計画を可能な限り詳細にシミュレーションします。
自己資金だけで足りない場合は、この事業計画書をもとに、日本政策金融公庫からの融資や、各種補助金・助成金の申請を検討します。
事業計画書は金融機関から融資を受けるためにも絶対に必要になりますし、自分の事業を数字で可視化できるので、非常に重要です。
ステップ4:あなたの和菓子を「見つけてもらう」仕組みを作る(集客)
事業計画が固まったら、いよいよ集客の仕組み作り。
オープン前からInstagramやブログで、お店作りの過程や商品開発の裏側、あなたの想いを発信し始めましょう。これは「ティザー広告」と呼ばれ、オープンへの期待感を高める効果があります。
また、地域のフリーペーパーやWebメディアにプレスリリースを送ったり、インフルエンサーに試食をお願いしたりするのも有効です。
大切なのは、複数の集客チャネルを組み合わせ、継続的に情報発信を行うこと。「オープン景気」で終わらせず、安定して新規顧客を獲得し続けるための仕組みを構築します。
ステップ5:小さく始めて、お客様の声で大きく育てる
最初から完璧な店舗や商品を目指す必要はありません。
まずは、週末のマルシェへの出店や、間借りカフェでの一日限定販売、あるいはネットショップでの受注販売など、「小さく始めてみる」ことが重要です。
これにより、最小限のリスクで、お客様のリアルな反応(「美味しい!」「もう少し甘さ控えめがいいな」など)を知ることができます。
この貴重な「お客様の声」こそが、商品をブラッシュアップするのに大事です。
お客様との対話を通じて商品やサービスを絶えず改善していくことで、お店が育っていきます。
まとめ:和菓子起業とは、あなたの「物語」を届けること
和菓子の起業は、単に商品を製造して販売するという作業ではありません。
あなたが和菓子に込めた想い、試行錯誤の歴史、そしてあなた自身の人生という、世界に一つだけのストーリーをお客様に届けていくものです。
資金繰りの不安や思うように集客できない孤独感といった、泥臭く厳しい経営の現実が必ず待ち受けています。
しかし、あなたの和菓子を口にして「美味しい」という言葉をいただけたら、とてもやりがいを感じられるはずです。
「自分に起業が本当にできるのだろうか」
「事業として成り立つかを専門家と一緒に具体的に考えたい」
起業をするときにたくさんの不安があります。スタートアップアカデミーでは、LINEから無料のオンライン起業相談を受け付けています。
まずはあなたが抱えている不安や疑問をお聞きして、どのように起業を進めていくのが良いのかをお話できれば幸いです。
ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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