2026.09.29 起業ガイド
子ども食堂は助成金で儲かる?全国1万2,602カ所の実態と資金の仕組み
Index
「子ども食堂は助成金がたくさん出るから儲かるのでは?」という疑問を見かけることがあります。
結論から言うと、子ども食堂は助成金で利益が出る仕組みにはなっていません。ほとんどの助成金は使い道が決まった経費の補填で、余ったお金を自由に使うことはできないからです。
この記事では、子ども食堂の最新データと助成金の実態を紹介したうえで、無理なく活動を続けるための資金の仕組みを解説します。
子ども食堂の現状:全国1万2,602カ所に
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によると、2025年度の子ども食堂は全国で1万2,602カ所(確定値)です。公立の小学校・義務教育学校の数(1万8,545校)の7割に近づき、全国の小学校区の約4割に子ども食堂がある計算になります。
同じくむすびえの「実態・困りごと調査2025」では、1回あたりの参加者は平均67.1人、運営スタッフは平均16.9人でした。
助成金の実態:「儲かる」どころか持ち出しも多い
1件あたりの助成額は数万〜10万円程度が中心
| 助成金の例 | 内容 |
|---|---|
| むすびえ こども食堂助成(継続応援Bコース) | 食材費・消耗品費など、上限10万円 |
| 愛知県 子ども食堂推進事業費補助金 | 新規開設時の改修費・物品購入費など、1か所あたり10万円 |
| 市町村の運営費補助 | 開催回数に応じた食材費・会場費など(自治体によって異なる) |
むすびえが2025年度(10月末時点)に助成したのはのべ1,448団体・約1億200万円で、1団体あたり平均約7万円です。
月2回開催して毎回60人以上が参加する食堂にとっては、食材費の一部をまかなえる程度の金額です。
運営資金の不足は最大の困りごと
同じ調査で、運営の困りごととして最も多かったのが「運営資金不足」と「必要な人に支援を届けるための周知・広報」で、どちらも47.2%でした。
さらに84.7%が物価上昇の影響を感じています。国立国会図書館の資料で紹介されている厚生労働省研究班の調査でも、寄付や助成金以外の自己資金を運営費に充てた経験がある子ども食堂は46.9%でした。
・使い道が食材費や消耗品費などに限られ、実績報告と精算が必要
・運営者の人件費や報酬は対象外になっていることが多い
・目的外に使うと返還を求められ、悪質な場合は不正受給として扱われる
それでも子ども食堂を続けられている仕組み
儲からない子ども食堂が全国で増え続けているのは、お金以外の支えがあるからです。
むすびえの調査では、89.6%の子ども食堂が地域から食材の提供を受けています。寄付金や会場の無料提供など、地域から支援を受けている食堂ほど自己負担が0円の割合が高くなっていました。
つまり、子ども食堂の「仕組み」は、利益を出すことではなく、地域の人・モノ・お金を集めて回すことにあります。
事業として関わるなら:持続可能な3つのモデル
モデル1:飲食店や事業所が併設する
飲食店が定休日や空いている時間帯に子ども食堂を開くと、厨房や設備をそのまま使えるので追加コストが少なくて済みます。
地域の信頼が高まり、本業の集客にも良い影響が出ることがあります。儲けるのは本業で、子ども食堂は地域貢献として続ける形です。
モデル2:NPO法人・一般社団法人で事業収入を組み合わせる
法人化すると、自治体からの委託事業(子どもの居場所づくり、学習支援など)を受けやすくなります。
委託事業なら人件費を計上できる場合があり、スタッフに報酬を払いながら活動を続ける道が開けます。
モデル3:企業のCSR・寄付と連携する
食品メーカーや小売企業は、物資の提供や寄付の形で子ども食堂を支援しています。
活動報告をSNSで定期的に発信すると、支援企業や寄付者とのつながりが生まれやすくなります。
まとめ
子ども食堂は助成金で儲かる事業ではなく、助成金は経費の一部を補う手段にすぎません。
続けていくには、地域の支援、法人化による委託事業、本業との組み合わせといった「お金が回る仕組み」を最初から考えておくことが大切です。
出典:
むすびえ「2025年度こども食堂全国箇所数調査(確定値)」https://musubie.org/news/press/30036
むすびえ「こども食堂の実態・困りごと調査2025」https://musubie.org/news/press/28678
むすびえ「助成金一覧」https://musubie.org/grant-list
愛知県「子ども食堂推進事業費補助金」https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jidoukatei/kodomoshokudou-hojokin.html
