2026.09.29 起業ガイド
解体屋はなぜ金持ちが多い?稼げる理由と利益構造・独立の条件を解説
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「解体屋の社長は金持ちが多い」という話を聞いたことがある方は多いはずです。
実際、解体業は建設業の中でも少人数で大きな金額を動かしやすい業種です。ただし、全員がお金持ちになるわけではなく、稼げる会社と苦しむ会社ははっきり分かれます。
この記事では、公的な統計をもとに解体屋が稼げる理由、利益の構造、独立して「金持ち側」に入るための条件を整理します。
解体屋が「金持ち」と言われる3つの理由
理由1:需要が増え続けている
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%でどちらも過去最多です。2018年の849万戸から5年で51万戸増えました。
空き家の増加、高度成長期に建てられた建物の老朽化、相続による売却などが重なり、解体の仕事は構造的に増えていく状況にあります。
理由2:参入が増えても仕事が回っている
国土交通省の調査では、令和8年3月末の建設業許可業者数は483,823業者でした。業種別で前年から最も増えたのは解体工事業で、2,255業者の増加です。
参入が増えているのは、それだけ利益が出る市場だと見られている証拠でもあります。
理由3:1件あたりの単価が大きい
木造住宅の解体費用は坪3万〜7万円程度が目安とされています。30坪の家なら90万〜210万円ほどになり、職人数名で数日から2週間ほどで終わる工事としては単価が大きいのが特徴です。
さらに、鉄くずや銅線などのスクラップを売れば、工事代金とは別の収入にもなります。
解体業の利益構造を試算してみる
小規模な解体業者(社長+職人2〜3名)が、木造住宅を月3件受注した場合のイメージです。
| 項目 | 月額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 売上(150万円×3件) | 450万円 | 30坪の木造住宅を想定 |
| 産業廃棄物の処分費 | ▲135万円 | 売上の30%前後。最も大きいコスト |
| 人件費(職人2〜3名) | ▲100万円 | 日当制・外注を含む |
| 重機・車両・燃料費 | ▲60万円 | リース・ローン返済を含む |
| 保険・広告・事務費など | ▲30万円 | |
| 営業利益 | 約125万円 | 年換算で約1,500万円 |
※数値は一般的な相場をもとにした試算で、地域・構造・受注経路によって大きく変わります。
ポイントは、処分費をどれだけ抑えられるかと、元請として直接受注できるかです。
下請けだと単価が2〜3割下がることも多く、同じ工事量でも利益がまったく違ってきます。
稼げる解体屋と稼げない解体屋の違い
稼げる解体屋の特徴
稼げる解体屋に共通するのは、まず元請として施主や不動産会社から直接受注していることです。
そのうえで、木くず・コンクリート・金属などを現場でしっかり分別し、処分費を下げています。自社で重機や車両を持って稼働率を上げていること、不動産会社・工務店・司法書士など相続案件の紹介ルートを持っていることも共通点です。
稼げない解体屋の特徴
反対に苦しくなりやすいのは、下請け専業で単価の決定権がなく、分別が甘いため混合廃棄物として高い処分費を払っているケースです。
重機をローンで一気にそろえたのに仕事が途切れ、返済が経営を圧迫するパターンもよくあります。
独立に必要な許可と開業資金
| 許可・登録 | 必要になるケース | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 解体工事業登録 | 請負金額500万円未満(税込)の解体工事 | 都道府県ごとに数万円程度 |
| 建設業許可(解体工事業) | 請負金額500万円以上(税込)の解体工事 | 知事許可の新規で9万円 |
| 産業廃棄物収集運搬業許可 | 自社で廃棄物を運ぶ場合 | 新規で8万1,000円 |
開業資金は、重機や車両を中古・リースで済ませれば数百万円から始められます。新車の重機やダンプをそろえると1,000万円を超えることもあります。
また、解体前のアスベスト事前調査と結果報告は法律で義務になっており、調査には有資格者が必要です。自社で資格者を置くか、調査会社と組む体制を最初から考えておきましょう。
・解体の実務経験(登録に必要な技術管理者の要件を満たしているか)
・最初の受注先(元請ルートの見込みがあるか)
・処分場との取引条件
・重機を購入・リース・レンタルのどれにするかの判断
解体屋としての独立手順をさらに詳しく知りたい方は、解体屋の独立は儲かる?年収1000万超を狙う起業手順と注意点もあわせてご覧ください。
まとめ
解体屋が金持ちと言われるのは、需要の増加、単価の大きさ、スクラップ収入という構造的な理由があるからです。
ただし、お金が残るかどうかは元請比率と処分費の管理で決まります。独立するなら、技術よりも先に「仕事の取り方」と「コストの管理」を設計しておくことが成功への近道です。
出典:
総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
国土交通省「令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果」https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00350.html
