2026.01.15 起業ガイド

旅行業の独立で儲かる仕組み作りと必要な資格や費用を詳しく解説

旅行業の独立で儲かる仕組み作りと必要な資格や費用を詳しく解説

「旅行会社での勤務経験を活かして独自のプランを提供したいが、大手との価格競争で十分な利益を残せるか不安を感じる」

「旅行業の独立に向けて資格や登録費用を調査したものの、基準資産額や供託金の条件が厳しく、決断を躊躇している」

理想の旅を企画したい意欲があっても、「個人経営で旅行会社を営む際の年収」や「地域限定旅行業と第3種旅行業のどちらが自身の事業に適しているか」など具体的な判断基準が見えず、計画が停滞する方は少なくありません。

本記事では、旅行業の独立を成功させて安定的に収益を上げるための5つのステップと、登録種別ごとの必要経費、さらにインバウンドや特化型ツアーで高い利益率を実現する収益構造の構築方法を紹介します。

内容を確認すれば、自己資金に合わせた最適な開業形態を選択し、登録申請から顧客獲得までの具体的な流れを把握できるはずです。

旅行業の独立で市場機会を掴むインバウンド需要の動向

独立後の事業を軌道に乗せるには、現在の市場動向を正確に把握する必要があります。

インバウンド需要の回復と個人旅行化の流れは、大手企業よりも小回りの利く小規模事業者に有利に働くケースが増加傾向です。

ここでは、市場の変化と事業機会について詳しく説明します。

訪日外国人旅行消費額の推移と個人旅行化の進展


出典:「訪日外国人消費動向調査」2023年暦年 調査(確報)の概要|官公庁

観光庁の調査によると、2023年の訪日外国人旅行消費額は5兆円を超え、過去最高を記録しました。

コロナ禍を経て旅行需要は急速に回復しており、特に欧米豪からの旅行者による長期滞在と高額消費が市場を牽引しています。

以前のような団体バスツアーでの周遊から、個人単位での自由な旅行スタイルへ変化しました。

画一的なパッケージ商品よりも、個々のニーズに合わせた柔軟な手配が求められています。

変化に対応できる個人経営の旅行会社にとって、大きな商機がある状況です。

体験型コンテンツへのシフトが生む小規模事業者の勝機

旅行者の関心は、単なる観光地巡りである「モノ消費」から、その土地ならではの文化や自然を体験する「コト消費」へと移行しています。

大手旅行会社は効率性を重視するため、手間のかかるニッチな体験プログラムの開発や手配には消極的になりがちです。

地域に密着した独自のコネクションを持つ小規模事業者であれば、深みのある体験を提供して差別化を図れます。

大手が参入しにくいニッチな分野に特化すれば、価格競争に巻き込まれずに済みます。

団体旅行から個人手配へ変化する旅行形態と顧客ニーズ

FIT(Foreign Independent Tour)と呼ばれる個人手配旅行の比率が高まり、旅行者は自身の興味に合わせて旅程を組み立てる傾向が強まりました。

インターネットで航空券や宿泊施設を容易に予約できる現代において、旅行会社に求められる価値は「面倒な手配の代行」だけではありません。

現地でしか知り得ない情報の提供や、トラブル時のサポートといった専門性が重視されます。

顧客一人ひとりに寄り添うコンシェルジュのような役割が、今後ますます必要とされます。

旅行業の独立に必要な登録種別の選定と資金の目安

旅行業を開業する場合、取り扱う業務範囲に合わせて適切な登録種別を選ぶ必要があります。

第1種は多額の基準資産が必要ですが、第3種や地域限定旅行業であれば、比較的低い資金要件で参入が可能です。

ここでは、登録種別ごとの具体的な資金目安と要件について説明します。

第3種旅行業と地域限定旅行業における基準資産額の要件

旅行業の登録には、事業の健全な運営を保証するための財産的基礎として「基準資産額」の要件を満たす必要があります。

海外旅行の募集型企画旅行を実施しない第3種旅行業では300万円、営業エリアが限定される地域限定旅行業では100万円の基準資産が必要です。

基準資産額は、資産総額から負債総額などを差し引いて算出するため、単に現金があれば良いわけではありません。

開業時の貸借対照表を作成する際には、この要件をクリアできるように資金計画を立てる必要があります。

旅行業協会への入会金と弁済業務保証金分担金の総額

旅行業登録を行う際、営業保証金を法務局に供託する必要がありますが、旅行業協会に入会すればその額を5分の1に減額できます。

例えば第3種旅行業の場合、営業保証金は300万円以上ですが、協会会員になれば弁済業務保証金分担金として60万円の納付で済みます。

ただし、協会への入会には別途入会金や年会費がかかり、都道府県によって異なりますが、数十万円から100万円程度の初期費用を見込む必要があります。

初期コストを抑えるためには、協会加入のメリットと費用のバランスを慎重に検討しなければなりません。

営業所要件と旅行業務取扱管理者の選任に関する規定

旅行業の登録を受けるには、営業所の使用権限を証明する書類の提出と、営業所ごとの旅行業務取扱管理者の選任が義務付けられています。

自宅を営業所として使用する場合は、居住スペースと明確に区分されている必要があり、賃貸物件ではオーナーからの使用承諾書が欠かせません。

管理者は常勤である必要があるため、起業家自身が資格を保有しているケースが最もスムーズです。

資格がない場合は有資格者を雇用する必要があり、人件費の負担が増える点に注意が必要です。

旅行業で独立して儲かる高付加価値な収益構造の確立

旅行業で安定した利益を確保し続けるには、他社との価格競争を避け、独自の付加価値を提供する仕組みが必要です。

単なる手配代行では手数料が限られるため、企画料を含んだオリジナル商品を販売する視点が欠かせません。

ここでは、高収益を実現するための具体的なビジネスモデルについて説明します。

手配手数料に依存せず企画料で収益を上げる仕組み

航空券やホテルの手配によるコミッション(手数料)は年々減少傾向にあり、これだけに依存する経営モデルはリスクが高い状況です。

顧客の要望を聞き取ってオーダーメイドの旅程を作成する「受注型企画旅行」であれば、旅行代金の一定割合を企画料として収益化できます。

専門的な知識や提案力を商品価値として価格に転嫁することで、利益率を向上させられます。

「あなたに頼みたい」と言われる信頼関係を築き、コンサルティング料としての対価を得るビジネスモデルへの転換が有効です。

インバウンド富裕層を対象とした着地型ツアーの造成

訪日外国人の中でも富裕層は、特別な体験やプライバシーの確保に対して高い対価を支払う意欲を持っています。

一般には公開されていない場所への案内や、伝統工芸作家との交流など、希少性の高い着地型ツアーを企画すれば高単価での販売が可能です。

地域の観光資源を深く掘り下げ、富裕層の知的好奇心を満たすストーリーを持たせた商品開発が求められます。

通訳ガイドやハイヤー会社と連携し、高品質なサービスを一貫して提供する体制を整える必要があります。

特定分野に特化したランドオペレーターとしての差別化

特定の地域やアクティビティに精通したランドオペレーター(地上手配を行う事業者)として、海外の旅行会社から業務を受託する方法もあります。

例えば「日本のスキーリゾート専門」や「サイクリングツアー専門」など、得意分野を絞り込むことで専門性をアピールしやすくなります。

海外のエージェントにとっても、信頼できる現地のパートナーは貴重な存在です。

競合他社が真似できない独自の仕入れルートを開拓し、特定のニッチ市場で圧倒的なシェアを獲得すれば経営は安定します。

旅行業の独立を成功させる開業準備と集客の具体策

理想的な事業計画を立てたとしても、適切なタイミングでの開業と効果的な集客ができなければ経営は安定しません。

特に初期段階では、限られた予算で効率的に見込み客を集める工夫が求められます。

ここでは、具体的な開業のタイミングとWeb集客の方法について説明します。

個人事業主から旅行会社で起業する適切な売上規模とタイミング

初期費用を抑えるため、まずは個人事業主として開業し、事業が軌道に乗ってから法人化(法人成り)を検討するのも1つの方法です。

個人事業主であれば設立費用がかからず、税務申告の手続きも比較的簡素で済みます。

一方で、旅行業界では法人格であることが取引の条件となる場合も多く、社会的信用を重視するなら最初から法人設立を目指す選択も有効です。

年間の課税売上高や取引先の要望を考慮し、最適なタイミングで組織形態を判断する必要があります。

大手予約サイトと競合しない専門特化型Web集客の展開

「地名+観光」のようなビッグワードで検索上位を狙うのは、大手予約サイト(OTA)が独占しているため困難です。

「地域名+ワイナリー+見学」や「地域名+ペット同伴+宿」といった、より具体的でニッチなキーワード(ロングテールキーワード)を狙う施策が有効です。

特定のニーズを持つ検索ユーザーは成約率が高く、広告費をかけずに集客できる可能性があります。

自社の強みを明確にし、ターゲットとなる顧客が検索しそうな言葉を徹底的に分析する必要があります。

経験と知識を発信して信頼を獲得するコンテンツ制作

無名の旅行会社が顧客から選ばれるためには、ウェブサイトやSNSを通じて専門知識を発信し、プロとしての信頼を得る活動が不可欠です。

現地視察のレポートや、旅行に関する豆知識、過去の企画事例などを継続的に発信すれば、専門性のアピールが可能です。

顔の見える情報発信は安心感を与え、問い合わせのハードルを下げる効果が期待できます。

単なる売り込みではなく、旅行に興味がある読者の役に立つ情報を提供し続ける姿勢が、将来の見込み客につながります。

まとめ:独自の企画力と適正な資金計画で安定経営を実現しよう

旅行業での独立は、インバウンド需要の回復や個人旅行化といった市場の変化により、小規模事業者にも大きなチャンスが広がっています。

登録種別の選定や資金準備は慎重に行う必要がありますが、専門特化型の企画や高付加価値なサービスを提供すれば、十分に収益を上げられます。

自身の得意分野を活かしたビジネスモデルを構築し、着実に準備を進めれば、理想の旅行会社を作り上げられるでしょう。

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