2025.10.25 起業ガイド
今が好機!軽貨物から始める運送会社起業-成功ステップと3つの戦略
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「運送業界で働いてきたけど、そろそろ独立したい」
「でも稼ぐにはある程度の規模が必要?」
そう思ったなら、ぜひこの機会に運送会社を設立してみませんか?
2025年の法改正により業界環境は大きく変化し、法人設立による参入が有利になる時代となりました。
この記事では、今運送会社を起業すべき理由や失敗を回避する方法、成功へのステップなどを解説していきます。
初めての起業でもハードルを低くした内容ですので、参考にしていただければ幸いです。
1.運送業界で起業すべき4つの時代背景
自動運転技術やドローン配送の普及、ドライバーの仕事消滅への懸念、また長時間労働や人手不足の問題などで、運送業界は斜陽産業というイメージを持たれがちです。
しかし実際のデータはそのイメージとは異なり、新規参入事業者にとって今が絶好のタイミングという状況を示しています。
チャンスだと言われている背景を理解することで、起業への不安が確信に変わります。
背景1:宅配便需要が9年連続で過去最多を更新
国土交通省のデータによると、2024年の日本国内の宅配便取扱個数は50億個超で9年連続の過去最多更新を記録しています。
これは国民1人あたり年間約40個の荷物を受け取る計算です。
この数字は一時的なものではなく、国民生活が完全に変化したことを意味します。オンラインショッピングが生活に定着し、今後も需要の拡大が期待できます。
こうした成長市場への参入は、低需要によるリスクを大幅に減らせるメリットと言えます。
背景2:2025年4月の法改正で物流業界が健全化
2025年4月から運送業界の安全対策が強化され、軽貨物運送事業者には安全管理者の選任と講習受講が義務化されました。これは適正事業者にとって大きな利点となります。
業界の運営基準が厳しくなったことで、無許可の業者や安全管理を軽視する事業者が市場から排除されます。
適切な手続きを踏む事業者には、信用面で優位となる環境ができたということです。
背景3:若手や体力ある人材に圧倒的チャンス到来
経産省・国交省・農水省合同の報告書によると、配送ドライバーの過半数が45歳以上、一方で29歳以下の若年層は10.1%だけという、業界の深刻な高齢化が見受けられます。
この年齢構成の歪みは、若手や体力のある人材には大きなビジネスチャンスです。
体力と機動力を活かし、特に地方や都市近郊でのEC配送や、夜間・早朝配送のサービスで優位に立てる可能性が高くなります。
背景4:スタートアップ支援で資金ハードルが低下
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」では、新規事業者は無担保・無保証で最大7,200万円の融資を受けられます。
さらに、車両購入費、荷役機器、IT・配車システムの導入費用なども融資対象となるため、資金面の負荷を抑えながら事業基盤を構築することが可能です。
法人であれば信頼も得やすく追加の融資も期待できます。
2.起業初期に月40万円を稼ぐ!運送会社の2つの戦略
今回ご紹介する軽貨物運送事業の最大の魅力は、初期投資を抑えながら事業を開始できる点です。
車両の調達方法は新車購入(約130万円)、中古車購入(25~50万円)、カーリース(月額2~4万円)の3つが代表的です。
そして月収40万円を目指す場合、いかに戦略的なアプローチをとれるかが重要となります。
ここでは企業配や月額契約を主軸にした「安定収益型」と住宅密集地で効率化を図る「エリア特化型」の2つの戦略をご紹介します。
戦略1:企業配メインでリスクを抑えた安定収益型
こちらは企業配(企業間の配送)を地盤として、荷主との月額契約、休日配送や深夜配送を組み合わせた方法でリスクを抑えて収益を安定させることが可能です。
計算例:
【基盤収入:企業配(業務委託)売上】
日当(相場):15,000円×20日=30万円
【地元企業や個人との月額契約】
日当(相場):18,000円×4日=7.2万円
【追加収入:直取引(運賃料金表適用)売上】
・休日配送(2割増):1,600円×1.2=1,920円×10件×4日=76,800円
・深夜配送(3割増):1,600円×1.3=2,080円×8件×4日=66,560円
=直取引売上:143,360円
売上合計:30万円+約7.2万円+14万円=51.2万円
ここからガソリン代、保険代などの諸経費(相場平均約11万円)を引くと、売上:約51.2万円-経費:約11万円=約40.2万円(手取り)となります。
この戦略では、企業配や定期契約の単価をいかに底上げできるかが鍵となります。
戦略2:月40万円到達!配送エリア特化&時間制で効率を上げる稼ぎ方
EC市場の拡大により、都市近郊・住宅密集地での配送需要も増加します。
こうした特定エリアに特化した配送戦略で高い収益を得られます。
計算例
【企業配売上】15,000円×15日=22.5万円
【直取引売上】
・東京エリア10km案件:2,470円×6件×10日=148,200円
・時間制深夜案件:1,600円×1.3=9,360円×2件×8日=149,760円
=約29.7万円
売上:約52.2万円-経費:約11万円=約41.2万円(手取り)
例えば、物流倉庫から半径20km圏内やマンション密集地で稼働すれば、効率的に複数の配送が可能です。
時間や経費も節約され、余裕と収入を同時に得られます。
もし「安定収益型」で高単価の案件を取れなかったとしても、「エリア特化型」に切り替えて受注件数を上げられれば月収40万円に到達できます。
事業にかかる経費や、お住まいの地域の状況に合わせて柔軟に選んでみてください。
「起業するためにサポートが欲しい」や「ビジネスモデルの相談をしたい」など、起業にはさまざまなお悩みが出てきます。
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3.規模を拡大!運送会社として将来得られる3つのメリット
もちろん、個人事業主として運送業を始めることも可能です。しかし法人を設立して業界参入すれば個人では難しい決定的なメリットが得られます。
特に2025年の制度改正を機に、法人がもつ信頼性と組織力が業界競争において重要な要素となり、この状況で法人として参入すれば優位に立つことが可能です。
ここではその理由とメリットを3つ詳しく解説します。
メリット1:安全管理義務化!組織化して有利になる
2025年4月の安全管理義務化により、軽貨物運送事業者は安全管理体制の構築と継続的な従業員教育が法的に義務づけられました。
個人事業主は、場合によっては一人で安全管理、営業、実務をすべて担当する必要があり、これらの負担で事業を継続しにくくなる可能性があります。
法人として組織的に体制を整備すれば、荷主企業からの信頼獲得につながります。
安全管理者の選任、定期講習の受講、運行データの記録・分析を組織内で体系化することで、競合との差別化が可能です。
メリット2:新制度に対応!安全体制で他社との差別化を図る
法人として規模を拡大し安全管理体制を整備することで、他業者との差別化を図れます。
具体的には、運行管理アプリ、燃費・走行データ、定例安全ミーティングを導入し独自システムを構築します。
これらの取り組みを「安心・トラブルレスの配送サービス」「24時間対応可能な運行監視体制」などの営業ツールとすることで、価格競争を抜けて高い付加価値を付けられます。
さらに、安全管理の実績をWebサイトや資料で可視化することで、荷主企業からの評価を得ることも可能です。
安全体制が競争優位となる時代が到来しているということです。
メリット3:法人だからこそ信頼を得やすい!資金調達で取引を拡大する
法人設立により金融機関からの信用や評価が大幅に向上し、個人事業主では困難な大型融資や優遇金利での資金調達が可能になります。
日本政策金融公庫の創業融資に加え、地方銀行や信用金庫からの融資も受けやすくなります。
これらの補助金を活用してDX化を推進すれば、業務効率向上やコスト削減も可能です。
さらに、個人事業主とは取引しない企業相手でも、法人であれば直接取引やパートナーシップを構築できる可能性が大きくなります。
4.運送会社起業で成功するための5つの準備ステップ
起業を成功させるために重要なのは、開業前の準備における確実な計画作成と実行する力です。
適切な準備を行い失敗リスクを最小化しましょう。
ステップ1:新規開業・スタートアップ支援資金で審査を通す
金融機関の審査においては、売上予測よりもキャッシュフロー・リスク対策・撤退基準を具体的に示すことが重要な鍵となります。
事業計画書には月別の収益予測、車両台数の増減スケジュール、固定費内訳、取引先別売上比率、稼働率低下時の対処プランを明記しましょう。
数字に根拠を与えることが審査を通過させるポイントです。
ステップ2:黒ナンバーを取得して営業開始まで最短ルートで進める
軽貨物運送事業の開始には、運輸支局への届出と軽自動車検査協会での黒ナンバー(事業用ナンバープレート)取得が必要です。
流れを把握しておけば最短30~45日で営業を開始できます。
手順は以下の通りです。
1.事業用車両の購入・車検
2.保険加入
3.事業所確保
4.運輸支局への届出書提出
5.黒ナンバー交付
黒ナンバー交付手数料は市町村で異なり、概ね1,500円、印鑑証明・住民票は500円前後、車庫証明も500円前後と、手続き費用は3,000円程度で済みます。
各種手続きを並行して無収入期間を最小限に抑えましょう。
ステップ3:2年分の収支をシミュレーションして撤退ラインを決めておく
先の例のように月の売上が50万円を超えたとしても、燃料費・車両整備費・保険・通信費などの経費を考慮すると手元に残るのは売上の70~75%程度が現実的といえます。
ここで重要なのは明確な撤退ライン(月収20万円以下または稼働率60%未満)を設定することです。
引き際を事前に決めることで、赤字を長期化させず、次の挑戦にリソースを温存できます。
ステップ4:安全管理体制の構築で長期的に事業を継続させる
運送業における最大のリスクは事故・違反・信頼低下です。
年間点検・運行管理・教育研修・保険確認を定期スケジュール化しましょう。
またクラウド型管理ツールを活用すれば、走行距離・燃費・稼働率をリアルタイムで可視化でき、データに基づく安全管理が可能になります。
運送業では、安全第一の姿勢が最も重要な価値であることを理解しておきましょう。
ステップ5:営業戦略で競合との差別化ポイントを明確にする
成功する事業者の多くが、自分の得意分野を明確化しています。
例えば、夜間配送での高単価狙い、EC専属ルート便への特化、EV導入による環境配慮型ブランディングなど、競合との差別化戦略を立てています。
営業戦略を立てる時は「誰に・どんな価値を・どの価格で届けるか」を明確に言語化することが重要です。
競争が激化しても確実に勝てる市場を選び、ビジネスを拡大していきましょう。
まとめ:運送会社起業の成功は信頼と戦略で築く
2025年の運送業界の状況は新規参入者にとって絶好のチャンスです。
法人の信頼を地盤として適切な開業準備を行い、起業当初から着実に収益を確保、安全管理体制を敷いて競争優位性を構築すれば、さらなる事業拡大が可能です。
ぜひこの機会に、理想的な運送事業を築き上げてみてはいかがでしょうか。
「起業する際にサポートが欲しい」「ビジネスモデルの相談をしたい」など、起業にはさまざまなお悩みがあります。
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