2025.11.10 起業ガイド

特殊清掃業の起業とは?年収や資格と2つの開業方法を解説

特殊清掃業の起業とは?年収や資格と2つの開業方法を解説

「身内が直面した孤独死の現場。あの時のように、本当に困っている人の助けになる仕事がしたい…」

「介護や医療の現場で働く日々にやりがいはある。でも、このままの収入で将来は大丈夫だろうか…」

人のために尽くしてきた経験や、社会が抱える問題を目の当たりにした経験はありませんか?

「特殊清掃」の仕事に可能性を感じつつも、「自分に務まるだろうか」「独立するための資金も知識もない」といった不安を抱えている方は少なくありません。

今回は、特殊清掃業の起業を考えている方が抱える悩みや不安を解消し、事業を軌道に乗せるための具体的なポイントを解説します。

本記事を読めば、あなたの経験を特殊清掃業で活かし、リスクを抑えながら、やりがいと収益を両立させるための方法が見つかります。

特殊清掃業の仕事内容と事業タイプ

特殊清掃業とは、孤独死、事件、事故、自殺などの現場や、ごみ屋敷など、一般的な清掃では対応が難しい状況で、専門的な知識と技術を用いて室内を原状回復させる仕事です。

高齢化や単独世帯の増加といった社会背景から、特殊清掃の需要は年々高まりを見せています。

社会的な意義が大きく、困っている人の助けとなる重要な役割を担う事業です。

特殊清掃の主な作業と対応範囲

特殊清掃の作業は多岐にわたりますが、中心となるのは通常の清掃では除去できない汚染への対応です。

具体的には、血液や体液といった生物学的な汚染物の除去と清掃、それに伴う強力な消臭・消毒作業が挙げられます。

さらに、害虫駆除や、故人の持ち物を整理する遺品整理、場合によっては壁紙の張替えや床材の交換といった内装リフォームまで請け負うこともあります。

特殊清掃の事業者によって対応範囲は異なりますが、依頼者の負担を軽減するため、一貫して対応できる体制が求められる傾向です。

ハウスクリーニング・遺品整理との違い

特殊清掃は、ハウスクリーニングや遺品整理と混同されることがありますが、専門性は異なります。

ハウスクリーニングは、日常生活で生じる汚れを落とし、快適な住環境を維持することが目的です。

一方、遺品整理は、故人の残した品々を遺族に代わって整理・分別することが主な業務となります。

これに対し、特殊清掃は感染症のリスクを伴う体液や血液などの汚染を安全に除去し、特殊な薬剤や機材を用いて部屋を衛生的な状態に戻す。

高度な専門知識と技術が不可欠な点に違いがあります。

特殊清掃業の起業に向いている人の特徴4つ

特殊清掃業は、高い社会貢献性を持つ一方で、誰にでも務まる仕事ではありません。

清掃技術はもちろんのこと、事業を継続していくためには、特有の現場環境に対応できる精神的な資質や、依頼者に寄り添う人間性が求められます。

1. 精神的な強さと冷静な対応力

特殊清掃の現場は、凄惨な状況であることも少なくありません。

人の死に直面し、精神的に大きな負担がかかる場面もあるため、どのような状況でも感情的に動揺せず、プロフェッショナルとして冷静に業務を遂行できる精神的な強さが不可欠です。

特殊清掃員は目の前の状況に冷静に対処し、やるべき作業に集中できる対応力が求められます。

悲しみや困難な状況にある依頼者に安心感を与えるためにも、事業者自身の心の安定が重要です。

2. 体力・衛生管理・安全意識が高い

特殊清掃の作業は、見た目以上に体力を消耗します。

感染症のリスクから身を守るために、夏場でも密閉性の高い防護服やマスク、ゴーグルを着用して作業を行う必要があります。

このような環境下で汚染物を除去し、重い家財を運び出す作業には、基礎的な体力が欠かせません

また、特殊清掃員は自分自身の身を守るための徹底した衛生管理と安全意識も必要です。

適切な装備の知識や、作業後の消毒手順などを遵守し、常に安全を最優先に行動できることが、長く特殊清掃業を続けるための条件となります。

3. 遺族や関係者への共感力と配慮ができる

特殊清掃の依頼者は、多くの場合、身内を亡くした遺族です。

深い悲しみの中にいる依頼者に対して、単なる作業員として接するのではなく、遺族の心境に寄り添う姿勢が求められます。

故人への敬意を忘れず、ご遺族の気持ちを汲み取った丁寧なコミュニケーションを心がけることが、信頼関係の構築には不可欠です。

ときには、遺族の心のケアをサポートする役割も特殊清掃員は担うため、高い共感力とデリケートな状況に対応できる配慮が不可欠です。

4. 専門知識・技術への探究心がある

特殊清掃は、専門性が求められる分野です。

効果的な消臭方法、汚染状況に応じた薬剤の選定、最新の消毒技術、感染症に関する知識など、常に学び続ける姿勢が必要です。

現場の状況はひとつとして同じものはないため、既存の知識だけに頼るのではなく、より良い方法を模索し、新しい技術を積極的に取り入れる探究心が事業の成長を左右します。

特殊清掃員として常にスキルアップを目指す向上心が、他社との差別化につながります。

特殊清掃業の起業に必要な資格・許可・現場ノウハウ

特殊清掃業を開業するために、必須となる国家資格は現在のところありません。

しかし、特殊清掃業の信頼性を高め、業務範囲を広げるためには、関連する資格や許認可を取得しておくことが有利に働きます。

また、知識だけでなく、特殊清掃員として現場で通用する実践的なスキルを身につけることが求められます。

取得すると有利な資格・許認可

特殊清掃業を行うには、資格は顧客からの信頼を得るための重要な要件です。

例えば、一般社団法人 事件現場特殊清掃センターが認定する「事件現場特殊清掃士」は、業界での認知度も高く、特殊清掃に関する体系的な知識と技術を証明するのに役立ちます。

また、遺品整理を同時に請け負う場合は「遺品整理士」の資格も有効です。

さらに、遺品を買取る可能性があるなら「古物商許可」、汚染物を運搬するなら「産業廃棄物収集運搬業許可」など、特殊清掃員は事業内容に応じた許認可の取得が法的に必要となる場合があります。

現場で役立つ実務スキル・研修

特殊清掃は資格取得で得られる知識のみで、過酷な現場に対応するのは困難です。

重要なのは、実践的な現場経験です。

可能であれば、起業前に信頼できる特殊清掃業者で実務経験を積むことが望ましいと言えます。

特殊清掃員として経験を積めば、マニュアル通りにはいかない状況判断力や、効率的な作業手順、適切な薬剤の選定スキルが身につきます。

未経験から始める場合は、専門の研修プログラムに参加し、消臭技術や安全管理についての実践的なトレーニングを受けることが、安全かつ質の高いサービス提供の基盤です。

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特殊清掃業の開業方法2タイプと選び方

特殊清掃業を開業するには、大きく分けて「独立型」と「フランチャイズ加盟型」の2つの方法があります。

それぞれにメリットとデメリットが存在するため、特殊清掃員としての経験、資金力、事業計画に合った方法を選択することが重要です。

1. 独立型の特徴

特殊清掃起業の独立型は、完全に独自の屋号で事業を始める方法です。

メリットは、経営方針やサービス内容を自由に決められる点にあります。

ロイヤリティの支払いがないため、利益率を高く設定しやすいことも魅力です。

しかしその反面、集客からブランディング、業務マニュアルの作成まで、すべてを自分自身で行う必要があります。

すでに特殊清掃業での経験や人脈があり、独自のノウハウを持っている方や、自分のペースで事業を築き上げていきたい方に向いている開業方法です。

2. フランチャイズ加盟型の特徴

特殊清掃起業のフランチャイズ加盟型は、すでに確立されたブランドの看板を借りて事業を始める方法です。

メリットは、本部の持つブランド力や確立された集客ノウハウを活用できる点です。

特殊清掃員として未経験者でも、充実した研修制度を通じて専門技術や経営の知識を学べるため、比較的スムーズに事業を開始できます。

一方で、加盟金やロイヤリティといった費用が発生し、本部の運営方針に従う必要があるため経営の自由度は低くなります。

経営面に不安がある方や、未経験からでも早期に事業を安定させたい方に適した選択肢です。

特殊清掃起業の年収は400万円〜600万円程度が多い

特殊清掃業の年収は、事業主の経営手腕や案件の規模によって変動しますが、目安として400万円から600万円程度が一般的な範囲とされています。

孤独死現場の原状回復など、専門性が高く手間のかかる案件は単価が高くなる傾向にありますが、常に仕事があるとは限りません。

収入を安定させ、さらに高めていくためには、特殊清掃だけでなく遺品整理、不用品回収、簡易なリフォームといった関連サービスを組み合わせ、顧客単価と受注機会を増やす工夫が有効です。

また、警察や不動産管理会社、葬儀会社などとの連携を深め、安定的に仕事の紹介を受けられる関係を築くことも、事業の安定化につながります。

特殊清掃起業によくある質問2つ

ここでは、特殊清掃業の起業を検討している方からよく寄せられる質問についてお答えします。

仕事の具体的な内容や、資格取得に関する疑問点を解消し、より明確なイメージを持って起業準備を進めていくことが必要です。

特殊清掃員とはどのような仕事?

A:孤独死や事件・事故が発生した室内を原状回復させるための専門家です。特殊清掃員とは、単なる清掃作業員ではありません。

主な業務は、血液や体液などの除去、強力な悪臭の消臭、感染症を防ぐための消毒、害虫駆主など、高度な専門知識と技術を要する作業です。

また、悲しみの中にいるご遺族に寄り添い、精神的なサポートを行う側面も持ち合わせています。

特殊清掃員の社会的なニーズは高く、大きなやりがいを感じられる仕事です。

事件現場特殊清掃士の資格を取るには?

A:資格を取得するには、指定された通信講座を受講し、その後の認定試験に合格する必要があります。

「事件現場特殊清掃士」は、一般社団法人 事件現場特殊清掃センターの民間資格です。

講座では、特殊清掃に関する法規、薬剤の知識、安全な作業手順、ご遺族への対応方法などを体系的に学びます。

必須資格ではありませんが、専門家としての信頼性を高め、正しい知識を身につける上で非常に有益ですので、起業を目指すのであれば取得を検討することをおすすめします。

まとめ:特殊清掃起業で社会課題に応える新たな挑戦をしよう

特殊清掃業の起業は、高齢化社会が深刻化する日本において、孤独死やごみ屋敷といった避けては通れない社会課題に応える、意義深い事業です。

厳しい現場に立ち会う精神的な強さや専門的なスキルが求められる一方で、困っている人を直接助けることができる大きなやりがいと、社会からの確かな需要があります。

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