2026.07.05 起業ガイド

株式会社設立の費用まとめ|最安ルート完全ガイド

株式会社設立の費用まとめ|最安ルート完全ガイド

「株式会社を作りたいけれど、実際いくらかかるのか把握できていない」——起業前の方から本当によくいただく相談です(実は僕も、初めての起業では見積もりのブレで慌てた経験があります)。

結論から言うと、株式会社設立の実費は最安で約20万円、司法書士に依頼すると25〜30万円が目安です。

電子定款を活用すれば印紙代4万円をカットでき、freee会社設立・マネーフォワードクラウド会社設立などの無料ツールで書類作成の負担もほぼゼロに。

本記事では、設立費用の全項目を法定費用・専門家報酬・実費の3層に分けて完全網羅し、最安ルートと節約テクニックを紹介します。読み終える頃には、あなたの起業予算に「無駄」がない状態になります。

株式会社設立にかかる費用の全体像

まずは、株式会社設立の費用を大きく3層に分けて全体像を掴みます。

費用の3層構造

  • ①法定費用(絶対に必要な公的費用):約20万円
  • ②専門家報酬(司法書士・行政書士・税理士):0〜10万円
  • ③実費(印鑑・書類・実印購入等):1〜3万円

①は削れませんが、②と③は工夫次第で大きく圧縮可能。以下、それぞれ詳しく見ていきます。

①法定費用の内訳(絶対に必要な20万円)

登録免許税(15万円〜)

法務局に納付する税金で、「資本金の0.7%」または「15万円」のいずれか高い方が適用されます。

資本金2,140万円を超えない限り、15万円が最低ラインです。

資本金別の登録免許税

  • 資本金100万円 → 0.7%=7,000円 < 15万円 → 15万円
  • 資本金1,000万円 → 0.7%=7万円 < 15万円 → 15万円
  • 資本金2,140万円 → 0.7%=14.98万円 ≈ 15万円
  • 資本金3,000万円 → 0.7%=21万円 → 21万円

定款認証手数料(3〜5万円)

公証役場で定款を認証してもらう手数料です。

2022年の公証人手数料令改正で、資本金額により3段階になりました。

資本金の額 定款認証手数料
100万円未満 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

定款謄本代(約2,000円)

認証後の定款謄本を取得する費用。

1ページ250円×8ページ程度で、目安2,000円。銀行口座開設・税務署提出などで複数枚必要になるため、3〜4部取得しておくと安心です。

定款印紙代(0円 or 4万円)

紙定款には収入印紙4万円が必要ですが、電子定款なら0円です。

この4万円が「電子定款で節約できる」と言われる部分。個人でも電子定款は作成可能ですが、Adobe Acrobat(有料)とマイナンバーカード・ICカードリーダーが必要になるため、初心者はfreee・マネーフォワードなどのサービス経由が現実的です。

電子定款のメリットまとめ

  • 印紙代4万円が0円
  • 公証役場への郵送・持参の手間が減る(オンライン認証可)
  • 紛失リスクがゼロ

②専門家報酬(0〜10万円)

自分で設立するか、司法書士に依頼するかで大きく変わる部分です。

自分で設立する場合(0円)

DIY設立のコスト構造
freee会社設立・マネーフォワードクラウド会社設立・弥生の会社設立などの無料ツールを使えば、フォーム入力だけで書類が自動生成されます。専門家報酬0円で、法定費用のみの約20万円で完結できます。ただし、事業目的の記載や機関設計に迷った場合、後々の登記変更で余計なコストが発生するリスクがあります。

司法書士に依頼する場合(5〜10万円)

司法書士依頼のメリット

  • 定款作成・登記申請を丸ごと代行
  • 事業目的の適法性チェック(許認可業種は特に重要)
  • 登記完了までの日数短縮(司法書士の即日申請)
  • 後々の登記変更・変更登記もワンストップ相談可能

初めての起業で建設業・古物商・飲食業など許認可が絡む場合は、定款の事業目的記載が許認可申請に直結するため、司法書士依頼の価値が高くなります。

行政書士・税理士との違い

行政書士は定款作成まで、税理士は法人設立後の税務顧問が主業務。

登記申請は司法書士の独占業務のため、フル代行を希望する場合は司法書士事務所を選びましょう。

③実費(印鑑・書類・実印購入等)

実費の内訳

  • 会社実印(代表者印):3,000〜10,000円
  • 銀行印・角印:セットで5,000〜15,000円
  • 印鑑証明書・住民票(発起人分):1通300円×人数分
  • 登記簿謄本(法人設立後):1通600円
  • 払込証明書用の通帳コピー等:数百円
  • 合計目安:1〜3万円

印鑑セットは通販の格安ショップで十分
ネット通販では3本セットで5,000〜10,000円の実用品が入手できます。将来的にブランドを重視するなら、印章専門店で1〜3万円のセットを選ぶのもよいでしょう。

合計費用シミュレーション

ここまでの内容を踏まえ、パターン別に総額を試算します。

パターン 法定費用 専門家報酬 実費 合計
DIY・電子定款・資本金100万円未満 18万円 0円 1万円 約19万円
DIY・電子定款・資本金300万円未満 19万円 0円 1万円 約20万円
司法書士依頼・電子定款・資本金100万円未満 18万円 7万円 2万円 約27万円
紙定款・司法書士依頼・資本金300万円以上 24万円 10万円 2万円 約36万円

最安構成なら約19万円、フル代行なら約36万円まで幅があります。

「削りにくい20万円」を土台に、専門家報酬をどう扱うかが総額を左右します。

最安ルートで設立する5ステップ

Step 1:無料の会社設立サービスに登録(10分)
freee会社設立・マネーフォワードクラウド会社設立・弥生のかんたん会社設立のいずれかを選び、無料アカウント登録します。それぞれ、その後の会計ソフト連携が前提の設計になっているため、使いたい会計ソフトに合わせて選択しましょう。
Step 2:フォーム入力で書類自動生成(30分)
商号・本店所在地・事業目的・資本金・発起人情報を入力すると、定款・登記申請書・払込証明書などが自動生成されます。
Step 3:電子定款の認証(1〜3日)
サービス提携の行政書士が電子定款認証を代行してくれるパターンが多く、印紙代4万円が0円に。認証手数料3〜5万円は別途必要です。
Step 4:資本金の払込と登記申請(1〜3日)
代表者個人口座に資本金を振込→通帳コピーを取得→法務局に登記申請書一式を提出。登録免許税15万円は収入印紙または現金で納付します。
Step 5:登記完了・法人口座開設(3〜7日)
法務局で登記が完了すると法人が誕生。登記事項証明書を取得し、税務署・年金事務所・都道府県税事務所・法人口座開設と続きます。

設立費用を節約するテクニック5選

①電子定款で4万円節約

紙定款には収入印紙4万円が必要ですが、電子定款なら0円。

freee・マネーフォワードなどのサービス経由なら自動で電子定款になります。

②資本金は100万円未満にして手数料を最安に

資本金設定のバランス
資本金100万円未満で定款認証手数料が3万円に。

ただし、資本金は「初期運転資金」でもあるため、事業計画に必要な額を優先し、手数料節約を目的に無理に下げないこと。事業実態に応じた金額を設定しましょう。

③自分で登記申請して司法書士報酬をカット

会社設立ツールで書類が自動生成されるため、初心者でも登記申請は自分でできる時代になりました。

特殊な機関設計や許認可業種でなければ、司法書士報酬5〜10万円は節約可能です。

④創業補助金・特定創業支援等事業を活用

設立関連費用が減額される制度

  • 特定創業支援等事業:市区町村の講座を受講すると登録免許税が半額(15万円→7.5万円)
  • 小規模事業者持続化補助金:設立後の販路開拓費用の1/2〜2/3補助
  • 各自治体の創業助成金:設立後の家賃・広告費を補助(東京都・大阪府など)

特定創業支援等事業は自治体窓口で受講登録するだけで、設立費用が実質半額になる制度。

多くの起業家が見落としがちな超お得制度です。

⑤会社設立ツールの提携司法書士パックを使う

freee・マネーフォワード経由で司法書士に依頼すると、通常10万円の報酬が5万円台に抑えられるパックがあります。「自分で全部やるのは不安、でも節約もしたい」という方に最適です。

設立後にかかる費用も見落とさない

設立後の初期ランニングコスト

  • 法人住民税均等割:年約7万円(赤字でも発生する)
  • 税理士顧問料:月1〜3万円(決算のみでも15〜30万円/年)
  • 会計ソフト:月2,000〜5,000円
  • 社会保険料(役員1名):月3〜5万円(役員報酬額に応じて変動)
  • 法人口座の維持費:月0〜3,000円(銀行により差あり)

設立費用20万円だけで完結せず、年間50〜100万円のランニングコストが発生する点も予算計画に組み込みましょう。

株式会社設立費用のよくある質問

Q1. 資本金1円でも設立できる?

2006年の会社法改正で最低資本金制度が撤廃されたため、法律上は資本金1円でも設立可能です。

ただし、金融機関の融資審査・取引先の信用度・入居審査などで不利になるケースがあり、実務上は100万円以上を推奨します。

Q2. 司法書士依頼と自分で設立、どっちがお得?

コストだけなら自分で設立が有利。

ただし、事業目的が複雑・機関設計が特殊・許認可業種などのケースでは、司法書士依頼のほうが後々のトラブル防止で結果的にお得になります。

Q3. 設立費用は経費計上できる?

できます。「創立費」として繰延資産に計上し、任意償却または5年均等償却で経費算入可能です。

設立前の家賃・光熱費・広告費も「開業費」として繰延資産計上できるため、レシートを保存しておきましょう。

Q4. 個人事業主から株式会社への法人成りの費用は?

基本的に新規設立と同じ約20〜30万円。個人事業の廃業届・法人への資産譲渡手続きが加わりますが、費用面での大きな追加はありません。

法人成りのタイミングは年商800〜1,000万円超が目安です。

まとめ:株式会社設立は工夫次第で20万円台に抑えられる

株式会社設立の費用について、要点を整理します。

  • 法定費用は約20万円(登録免許税15万円+定款認証3〜5万円+印紙0円)
  • 司法書士に依頼すると+5〜10万円、DIYで削減可能
  • 電子定款で4万円節約(freee・マネーフォワードで自動化)
  • 特定創業支援等事業を活用すると登録免許税が半額
  • DIY最安ルートなら約19〜20万円で株式会社を作れる
  • 設立費用は「創立費」として経費計上可能
  • 設立後のランニングコスト(法人住民税均等割・社会保険等)も事前に予算化

起業初期の1円の重みを理解している方こそ、電子定款・DIY設立・特定創業支援等事業などのテクニックを組み合わせて、株式会社設立を最安ルートで実現しましょう。

◯関連記事
【個人事業主から合同会社へ】低コスト法人化の全手順と賢い選び方

【個人事業主から株式会社へ】法人化のメリット・デメリットと全手続きガイド

Related Posts

ニュース一覧へ戻る