2025.10.23 起業ガイド
訪問入浴で起業|失敗しない開業と月収50万を稼ぐ経営術
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「介護の経験を活かして起業をしたい」
「訪問入浴で困っている方を救いたい」。
このような夢を持っている方はいませんか?しかし、そもそも起業の仕方がわからず、ビジネスアイデアも固まっていないのではないでしょうか。
そこで今回は、訪問入浴で起業する方法やビジネスアイデア、失敗を避けて成功するための具体的なステップを解説します。
この記事を読めば、訪問入浴でどのように起業をしていけばよいか全体像が掴めます。
なぜ今、訪問入浴での起業が「手堅い」ビジネスと言えるのか?
「介護業界は大変そう」「今から参入しても大丈夫だろうか」。そんなイメージがあるかもしれません。
しかし、介護保険制度に支えられた訪問入浴事業は、他のビジネスにはない成長基盤を持っています。
なぜ堅実なビジネスとして成立するのか。その構造的な理由を3つの視点から解説します。
超高齢社会が支える「なくならない需要」
日本は、国民の4人に1人が65歳以上という、世界でも類を見ない超高齢社会に突入しています。
国は医療費抑制のため、「病院から在宅へ」という方針を推進しており、自宅で介護を受ける高齢者は今後も増え続けます。
それに伴い、寝たきりの方でも自宅で入浴できる訪問入浴サービスの需要がなくなることはありません。
流行り廃りとは無縁で、景気の波にも左右されにくい。絶対になくならない市場が、訪問入浴で起業する強みです。
介護保険制度がベースの「安定した収益構造」
訪問入浴事業のほとんどは、介護保険制度を利用して行われます。
利用者はレンタル料の1割(所得に応じて2~3割)を負担し、残りの大部分は国民健康保険団体連合会(国保連)から事業者へ支払われます。
これにより、事業者は利用者のお財布事情に左右されにくい、安定した収入を確保できます。
一度契約すれば、利用者がサービスを必要とする限り、毎月継続的に収益が発生する「ストック型」のビジネスモデルである点も、事業計画を立てる上で大きなメリットです。
大手にはない「信頼」が武器になる地域密着型ビジネス
介護サービスにおいて、最も重要なのは信頼です。
訪問入浴は、利用者の自宅というプライベートな空間にお邪魔し、身体に直接触れる、極めてデリケートなサービスです。
大手企業のサービスでは難しい、利用者一人ひとりの身体状況やその日の体調、家族の想いにまで寄り添った、きめ細やかな対応が求められます。
「〇〇さんだから、安心してお任せできる」。地域での個人的な信頼関係こそが、参入障壁となり、大手との競争において個人事業者の強力な武器となるのです。
【重要】起業前に知るべき、訪問入浴3つの指定形態と進むべき道
訪問入浴事業を始めるには、行政から訪問入浴介護事業者としての指定を受ける必要があります。
この指定の形態は複数あり、どれを選ぶかによって事業の範囲や収益性が大きく変わります。
| 指定形態 | 根拠法 | 対象顧客 | 許可の難易度 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 訪問入浴介護 | 介護保険法 | 要介護1~5の認定を受けた方 | 高い | ・いわゆる「介護保険」が使える事業 ・看護師1名+介護職員2名の人員基準 ・最も一般的で安定したモデル |
| 介護予防訪問入浴介護 | 介護保険法 | 要支援1・2の認定を受けた方 | 高い | ・要支援者向けのサービス ・訪問入浴介護と同時に指定を受けるのが一般的 |
| (介護保険外の)自費サービス | 定めなし | 要介護認定を受けていない方、保険適用外のサービスを希望する方 | 低い | ・指定は不要だが、これ単体での起業は困難 ・介護保険事業と組み合わせて収益を上げる |
結論として、訪問入浴として起業するのであれば、介護保険が適用される「訪問入浴介護」と「介護予防訪問入浴介護」の指定を同時に受けるのが王道です。
そして、これに「自費サービス」を組み合わせることで、収益の最大化を目指します。
指定申請は非常に専門的なので、介護事業専門の行政書士に相談するのが、結果的に確実で早い道です。
訪問入浴起業にあたって、ビジネスアイデアや悩み、不安などがある方は、ぜひスタートアップアカデミーにご相談ください。
現在公式LINEから無料の起業相談会を実施しています。相談会に参加すると、いまのあなたのすべきことが明確になります。
9割が陥る「儲からない訪問入浴」3つの罠と回避術
「指定さえ取れば、ケアマネジャーが仕事を紹介してくれる」。と思ってしまうかもしれませんが、蓋を開けたら、まったく紹介されないこともよくあります。
指定事業者は全国に飽和状態で、ただ待っているだけの事業者は淘汰されていきます。なぜ、多くの事業者が儲からないと嘆くのか。
根本原因である3つの失敗パターンと回避するための具体的な方法を解説します。
罠1:【低稼働率の罠】依頼を待つだけ。「ケアマネ営業」の本当の意味を知らない
失敗する事業者の典型は、「開業しました」と挨拶に行くだけで、あとは紹介の連絡をひたすら待つ待ちの営業スタイルです。
多忙なケアマネジャーは、数十の事業者の中から、最も信頼でき、対応が迅速で、専門性の高い事業者を選びます。
回避術は、御用聞きではなく、課題解決のパートナーになること。
「〇〇な症状の利用者様には、この入浴方法が効果的です」「急な依頼も、24時間対応します」など、ケアマネジャーの業務を助ける情報提供や、他社にはない強みを積極的に提案し、「困ったときは、まず〇〇さんに相談しよう」と思われる存在になることが重要です。
罠2:【低単価の罠】「介護報酬」だけで稼ごうとし、自費サービスを取りこぼす
訪問入浴事業の収益は、国が定めた介護報酬だけではありません。自費サービスにこそ、大きな利益の源泉があります。
入浴後の保湿ケアや爪切り、簡単なマッサージ、あるいはシーツ交換や居室の清掃などです。
多くの事業者は、無料の親切で行ってしまったり、料金を請求することに遠慮したりしています。
これらの付加価値サービスを明確にメニュー化し、「〇〇ケア:1,000円」といった形で、事前に料金表として提示するのが重要です。
これにより、顧客満足度と客単価の両方を向上させることができます。
罠3:【チーム崩壊の罠】情報共有不足と過重労働で、職員が定着しない
訪問入浴は、看護師1名、介護職員2名の「3人1組」で行うチームワークが命です。
しかし、経営者が現場に出ず、チーム内の情報共有が不足すると、「あの利用者の注意点を伝え忘れた」といったミスや事故に繋がります。
また、無理なスケジュールを組めば、職員は心身ともに疲弊し離職につながり、事業停止も考えられます。
回避術は、日々のミーティングで利用者情報を密に共有する仕組みを作ること、そして、移動時間も考慮した無理のない訪問スケジュールを組むことです。
職員が安心して長く働ける環境作りこそ、経営者の最重要課題です。
月収100万円を安定させる!訪問入浴起業・成功ロードマップ5ステップ
では、どうすれば失敗の罠を避け、社会に貢献しながら月収100万円以上を安定的に稼ぐことができるのでしょうか。
ここでは、あなたの想いを、持続可能な儲かる事業へと変えるための、具体的な5つのステップを解説します。このロードマップに沿って、着実に準備を進めていきましょう。
ステップ1:【事業計画と資金調達】融資を引き出す「勝てる収支計画」の作り方
訪問入浴で起業するには、訪問入浴車の購入や備品、事務所経費、当面の運転資金など、最低でも800万円~1,500万円の資金が必要です。
自己資金で不足する分は、日本政策金融公庫の創業融資などを活用します。融資審査の鍵を握るのが「事業計画書」です。
なぜこの地域で開業するのか(市場調査)、競合とどう差別化するのか(独自の強み)、そして、1日の訪問件数と単価から算出した売上予測と、人件費や車両維持費などの経費を基にした、詳細な「収支計画」を提示する必要があります。
ステップ2:【法人設立と指定申請】最短ルートで「訪問入浴介護事業者」になる
介護保険事業を行うには、法人格が必須です。
まずは、株式会社または合同会社を設立しましょう。設立手続きは司法書士に依頼するのが確実です。
同時に、事業所に常勤で配置する必要がある「管理者」「看護職員」「介護職員」の人員基準を満たす必要があります。
あなた自身が管理者や看護師の要件を満たせない場合は、有資格者を雇用しなければなりません。
法人設立と並行して、専門家の助言を受けながら、膨大で複雑な指定申請書類の準備を進めるのが、起業までの最短ルートです。
ステップ3:【車両・設備準備】失敗しない入浴車と備品の賢い選び方
事業の核となる「訪問入浴車」の選定は、極めて重要です。
新車は高価(800万円~)ですが、故障リスクが低く、最新の安全・衛生機能を備えています。
中古車(300万円~)は初期投資を抑えられますが、年式や走行距離、メンテナンス履歴を慎重に確認する必要があります。
リースをする場合、浴槽のタイプ(昇降式か、分割式か)や、事業所の駐車スペースに入るかどうかも含め、複数のメーカーや販売店から話を聞き、デモンストレーションを行った上で、自社のサービス内容に最適な一台を選びましょう。
ステップ4:【人材採用とチーム作り】「辞めない組織」を作る採用と教育のコツ
起業成功は「人」、チームの質で決まります。
特に、看護師の確保は多くの事業者が苦労する点です。
求人広告では、給与や待遇だけでなく「利用者様とじっくり向き合える」「チームワークを大切にする」といった、あなたの事業所の理念や働きがいを伝えましょう。
採用後の研修では、技術指導だけでなく、接遇マナーやチーム内の連携方法について徹底的に教育します。
そして、スタッフの頑張りを正当に評価し、給与や賞与に反映させる仕組みを構築することで、辞めない組織作りを構築可能です。
ステップ5:【営業戦略】ケアマネに「あなたを指名させる」最強の営業ツールとは
仕事の獲得は、地域の居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが所属)や、地域包括支援センターへの営業が中心です。
ただ名刺を配るだけの営業では、その他大勢に埋もれてしまいます。
ケアマネジャーに「あなたを指名させる」ための最強の営業ツールは、「利用者様・ご家族様の声」と「具体的なサービスメニュー表」です。
実際にサービスを提供したお客様からの感謝の手紙やアンケート、そして、介護保険外の自費サービスを含めた、分かりやすい料金体系をまとめたパンフレット。
これらを持参し、事業所の提供価値を具体的にアピールしましょう。
まとめ:訪問入浴とは、利用者の「尊厳」を守る、誇り高き仕事である
訪問入浴の起業は、病気や障がいによって入浴を諦めていた方の「もう一度、湯船に浸かりたい」という切実な願いを叶え、生きる喜びと安らぎを提供する、極めて社会的意義の高い仕事です。
訪問入浴の事業を進める方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
「事業が軌道にのるまでサポートがほしい」
「起業に必要な準備や具体的な手順を教えてほしい」
など起業に関する疑問がある方は、ぜひスタートアップアカデミーの公式LINEから無料の起業相談会にお申し込みください!
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