2025.12.26 起業ガイド
掃除屋で起業は儲かる?「FCか個人か」の正解と失敗しない開業全手順【2025年版】
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「初期費用をかけずに独立したい」
「特別なスキルはないけど体力には自信がある」。
そんな理由から、掃除屋での起業を考える人は後を絶ちません。
確かに、店舗も在庫も不要な掃除屋は、最も参入障壁が低いビジネスの一つです。
しかし、裏を返せば「誰でも始められる=ライバルが多い」ということ。
安易に参入し、価格競争に巻き込まれて1年以内に廃業するケースも少なくありません。
この記事では、未経験から掃除屋として独立し、フランチャイズ(FC)に頼らずに高収益を上げるための戦略と、失敗しないための具体的な開業手順を包み隠さず解説します。
最後まで読むことで、掃除としてどのように起業し、どうすれば成功できるのかがわかります。
誰でもできるからこそ「差別化」が必要。掃除屋起業のリアル
掃除屋の仕事は、大きく分けて「空室清掃(賃貸物件の入退去時)」と「在宅清掃(個人宅のエアコンや水回り)」の2つがあります。
どちらも技術があればできると思われがちですが、実は「技術3割・営業7割」の世界です。
どれだけピカピカにする腕があっても、お客様に見つけてもらえなければ売上はゼロです。
特に2025年現在は、大手FCだけでなく、マッチングアプリ(くらしのマーケット等)を利用した個人業者がひしめき合っています。
この中で生き残るには、「何でもやります」ではなく、「〇〇専門」という強みを持つか、圧倒的な「リピート化の仕組み」を持つ経営者になる必要があります。
体力勝負だけでは限界が来る?「経営脳」への切り替え
個人で開業する場合、最初は自分が現場に出て稼ぐことになります。
しかし、掃除は肉体労働です。
若いうちは良くても、40代、50代と歳を重ねるにつれて、体力的な限界が必ず来ます。
また、怪我や病気で動けなくなった瞬間に収入が途絶えるリスクもあります。
成功している掃除屋の多くは、早い段階から「自分が動かなくても回る仕組み」を作っています。
アルバイトを雇ってチーム制にしたり、単価の高いエアコンクリーニングや店舗定期清掃にシフトしたりと、労働集約型からの脱却を見据えた「経営脳」を持つことが、長く稼ぎ続けるための条件です。
ハウスクリーニング市場の将来性と「ニッチ化」の重要性
共働き世帯や高齢者世帯の増加により、ハウスクリーニングの市場規模は拡大傾向にあります。
特に「エアコンクリーニング」は夏の必需品となりつつあり、需要は爆発的です。
しかし、そこは大手FCが広告費をかけて争うレッドオーシャンでもあります。
個人が勝つための戦略は「ニッチ化」です。
例えば、「洗濯機分解洗浄専門店」「ペットがいる家庭専門」「アレルギー対策専門」など、ターゲットを絞ることで、大手が拾いきれない需要を独占できます。
「掃除屋」という広い看板ではなく、特定の悩みに刺さる専門家を目指しましょう。
【徹底比較】フランチャイズ加盟 vs 完全個人独立
掃除屋を始める際、最大の岐路となるのが「フランチャイズ(FC)に加盟するか、個人で独立するか」です。
FCに加盟すれば、ブランド力とノウハウ、そして初期の仕事紹介(本部による)が得られますが、加盟金や毎月のロイヤリティが発生します。
一方、個人独立は自由度が高く利益率も良いですが、集客や信用構築を全て自分で行う必要があります。
結論から言えば、「営業が大の苦手で資金に余裕があるならFC」「利益率重視で自分で集客する覚悟があるなら個人」が正解です。
以下の比較表を参考に、自分に合うスタイルを見極めてください。
| 比較項目 | フランチャイズ(FC)加盟 | 完全個人独立 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 200万〜500万円(加盟金・研修費等) | 30万〜50万円(道具代・車両費等) |
| ロイヤリティ | 売上の数% または月額固定(5万〜) | 0円(利益は全て自分) |
| 技術習得 | 本部研修あり(未経験でも安心) | 独学、スクール、現場アルバイト |
| 集客力 | ブランド力あり・本部紹介あり | ゼロから構築(HP・チラシ・Web) |
| 自由度 | 低い(指定洗剤、指定ユニフォーム等) | 高い(価格もサービスも自由) |
個人開業なら初期費用は30万円?資金の内訳と節約術
個人で始める場合、軽バン(車両)さえあれば、道具や洗剤を揃える費用は30万円程度で済みます。
高圧洗浄機、ポリッシャー、脚立、各種洗剤、ブラシ類などが主な内訳です。
最初は高価な業務用マシンを無理に買う必要はありません。
家庭用のケルヒャーや、ホームセンターで買える道具でも、使いこなせばプロの仕上がりは出せます。
むしろ重要なのは、道具にお金をかけることよりも、「損害賠償保険」への加入にお金をかけることです。
作業中に家具を壊したり、水漏れを起こしたりした際のリスクヘッジは、プロとして最低限のマナーです。
未経験からプロになるための「技術習得」と「道具選び」
「未経験でいきなり独立して、クレームにならないか不安」という方も多いでしょう。
掃除屋には国家資格のような必須資格はありませんが、お客様の家に入る以上、プロとしての振る舞いと確かな技術が求められます。
技術を学ぶ方法は主に3つ。「FCの研修を受ける」「民間のスクールに通う」「清掃会社でアルバイトをする」です。
最もおすすめなのは、「繁忙期(3月や12月)に清掃会社でアルバイトをして、給料をもらいながら現場を学ぶ」ことです。
現場の段取り、汚れの落とし方、お客様対応など、マニュアルにはないリアルなノウハウが身につきます。
これだけは揃えろ!プロ用洗剤・機材の最低限リスト
プロとアマチュアの違いは「洗剤の知識」にあります。
汚れには酸性・アルカリ性・中性があり、それを中和して落とすのが化学(ケミカル)の基本です。
ホームセンターの洗剤だけでなく、業務用洗剤メーカー(横浜油脂工業やニイタカなど)の製品を使いこなせるようになりましょう。
最低限揃えるべきは、エコ洗剤(多目的)、強アルカリ洗剤(油汚れ用)、酸性洗剤(水垢・尿石用)、次亜塩素酸ナトリウム(カビ取り用)の4種類です。
これらを汚れの度合いに合わせて希釈して使います。
道具は使いやすさが作業スピードに直結するため、少し高くてもプロ仕様のものを選ぶと、結果的に時給単価が上がります。
仕事がない恐怖を消す!「空室清掃」と「在宅清掃」の戦略
独立後の最大の恐怖は「電話が鳴らないこと」です。
これを防ぐには、ターゲットに合わせた営業戦略が必要です。
安定収入を作るなら「空室清掃(原状回復)」、高単価を狙うなら「在宅清掃」が基本です。
空室清掃は、不動産管理会社や大家さんからの依頼がメインです。
単価は安めですが、一度気に入られれば継続的に仕事が入ります。
一方、在宅清掃は個人のお客様からの依頼で、単価は高いですが、集客コストがかかります。
開業当初は、不動産屋への営業回りで「空室清掃」を取りに行き、最低限の売上を確保しつつ、徐々にWeb集客で「在宅清掃」を増やしていくハイブリッド戦略が、最も生存率を高めます。
Web集客のコツ:くらしのマーケット活用と自社HPの役割
個人が開業直後に集客するなら、「くらしのマーケット」や「ミツモア」などのマッチングプラットフォームへの登録は必須です。
これらは手数料がかかりますが、SEO対策なしで集客できる強力なツールです。
ここでの勝負は「口コミ」と「プロフィール写真」です。
清潔感のある笑顔の写真、誠実な自己紹介、そして初期のお客様からの高評価口コミを集めることに全力を注ぎましょう。
そして、プラットフォームである程度実績ができたら、必ず「自社ホームページ」を持ちましょう。
手数料なしで直接依頼を受ける受け皿を作り、MEO対策(Googleマップ登録)を行うことで、利益率の高い直請け案件を増やしていきます。
まとめ:リピート率8割を目指す「愛される掃除屋」の仕組み
掃除屋のビジネスは、新規集客ばかりを追いかけると疲弊します。
理想は「また〇〇さんにお願いしたい」と言われるリピーターだけでスケジュールが埋まる状態です。
そのためには、掃除の技術はもちろんですが、「接客」と「アフターフォロー」が重要です。
作業前の丁寧な説明、作業中の気遣い(家具の養生やスリッパ持参など)、そして作業後の「何かあればすぐ飛んできます」という一言。
こうした人間力が、大手FCとの差別化になります。
定期的に「エアコンの効きはどうですか?」「年末の大掃除の時期ですね」といったLINEやDMを送るなど、忘れられないための工夫も大切です。
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