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2026.10.07 起業ガイド

起業費用の平均は975万円?中央値と内訳を解説

起業費用の平均は975万円?中央値と内訳を解説

起業を考え始めたとき、多くの人がまず気になるのが「いったいいくらかかるのか」ということでしょう。

貯金でまかなえるのか、借入が必要なのか。費用の見当がつかないままでは、計画を立てることもできません。

実は、起業にかかる費用は年々少額化する傾向にあり、数百万円以下で事業を始める人も珍しくなくなっています。

この記事では、公的な調査データをもとに起業費用の平均と実態を確認し、費用の主な内訳、業種や形態による違い、資金の調達方法、そして費用を抑えるコツまでを詳しく解説します。

起業費用の平均はいくら?最新データで確認

起業費用の実態を知るうえで最も参考になるのが、日本政策金融公庫が毎年実施している「新規開業実態調査」です。

同公庫の融資を利用して開業した事業者を対象とした調査で、開業にかかった費用や資金の調達方法などが詳しくまとめられています。

2025年度の調査によると、開業費用の平均値は975万円でした。1,000万円近いと聞くと、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、この数字だけで判断するのは早計です。

注目したいのは、開業費用が長期的に少額化しているという点です。

かつては開業費用が1,000万円を大きく超える年も珍しくありませんでしたが、近年は店舗を持たない事業や、小さな規模から始める事業が増えたことで、全体の水準が下がってきました。

インターネットを活用した集客や販売が一般化し、大きな設備投資をしなくても事業を始められる環境が整ったことが背景にあります。

なお、この調査は融資を受けて開業した人が対象のため、自己資金だけで小さく始めた人は含まれにくい点にも注意が必要です。実際の起業費用は、平均値よりも低い水準にある人が多いと考えられます。

起業準備について知りたい方は、下記記事も読んでみてください。

・起業準備のフローチャート完全ガイド|アイデア検証から法人設立・資金調達・開業までの全手順

平均値と中央値の違いから見える起業費用の実態

起業費用を正しく理解するには、平均値だけでなく中央値にも目を向けることが大切です。

平均値は、すべての開業者の費用を合計して人数で割った値です。一方、中央値は、費用の少ない順に並べたときにちょうど真ん中に来る人の金額を指します。ごく一部の人が数千万円規模の大きな投資をすると、平均値はその影響で大きく引き上げられてしまいます。

日本政策金融公庫の2025年度調査では、開業費用の中央値は600万円でした。

平均値の975万円と比べると、およそ400万円も低い水準です。さらに、開業者の約4割は500万円未満で事業を始めています。

つまり、「起業には1,000万円近くかかる」というのは一部の大規模な開業に引っ張られたイメージであり、実際には数百万円規模で起業している人が多数派ということになります。

もちろん、業種によって必要な費用は大きく変わります。次の章では、費用の中身を具体的に見ていきましょう。

起業費用の主な内訳

起業費用は、大きく分けると次のような項目で構成されています。

物件の取得費

店舗や事務所を借りる場合、保証金や敷金、礼金、仲介手数料、前家賃などがかかります。

保証金は家賃の数か月分から10か月分程度になることもあり、店舗型の事業では大きな負担です。

内装工事費と設備費

店舗の内装工事や、厨房機器、美容機器、パソコンなどの設備にかかる費用です。飲食店や美容室のように専門的な設備が必要な業種ほど、この項目が大きくなります。

手続きや設立の費用

個人事業主なら開業届の提出に費用はかかりませんが、法人を設立する場合は、株式会社で20万円以上、合同会社で6万円以上の実費が必要です。業種によっては許認可の申請手数料もかかります。

運転資金

家賃や人件費、仕入れなど、事業を回すために毎月かかる費用です。事業が軌道に乗るまでの数か月分を開業時に確保しておくのが一般的で、見落とすと資金不足に陥る原因になります。

このほか、ホームページやチラシなどの広告宣伝費、初期在庫の仕入れ費なども含めて計算しましょう。

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業種や形態によって起業費用はこう変わる

起業費用は、どんな事業をどんな形で始めるかによって大きく変わります。ここでは、代表的なタイプごとの傾向を見てみましょう。なお、金額はあくまで目安であり、地域や規模によって上下します。

最も費用を抑えやすいのが、店舗を持たない無店舗型の事業です。Webライターやデザイナー、コンサルタントなど、パソコンと通信環境があれば始められる仕事なら、数十万円程度で起業することも可能です。自宅を事務所にすれば家賃もかかりません。

出張型のサービスも比較的少ない費用で始められます。ハウスクリーニングや出張整体などは、車両や機材の費用が中心になり、数十万円から数百万円程度が目安です。

店舗を構える事業になると、費用は一気に増えます。

美容室や整体院、教室など、小規模な店舗型サービスでは、物件取得費と内装費、設備費を合わせて数百万円から1,000万円前後かかるケースが一般的です。

さらに費用が大きくなりやすいのが飲食店です。厨房設備や内装工事に多額の費用がかかるため、1,000万円を超えることも珍しくありません。居抜き物件を活用すれば、大幅に費用を抑えられる場合もあります。

自分の起業費用を見積もる手順

平均や相場を知ったら、次は自分の事業に必要な費用を具体的に見積もってみましょう。手順を踏めば、思いのほか正確な数字がつかめます。

最初に行うのは、必要なものを書き出すことです。物件、内装、設備、備品、許認可、広告、初期在庫など、事業を始めるまでに必要なものを思いつく限りリストにします。

同業者のブログや開業経験者の話、フランチャイズの募集資料なども、抜け漏れを防ぐヒントになります。

次に、それぞれの金額を調べます。物件は不動産会社のサイトで相場を確認し、内装や設備は複数の業者から見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは、その金額が妥当かどうか判断できません。

開業資金が見えたら、運転資金を計算します。毎月の家賃や人件費、通信費、仕入れなどの固定的な支出を合計し、売上がほとんどなくても耐えられる月数分を見込みます。

一般的には3〜6か月分が目安です。生活費もあわせて計算しておくと、資金計画全体の見通しが立ちます。

最後に、予備費として全体の1〜2割程度を上乗せしておくと安心です。起業の準備では、想定外の出費がつきものだからです。こうして算出した金額と、手元の自己資金を比べれば、融資でいくら調達すべきかも自然と見えてきます。

起業費用の主な調達方法

起業費用をすべて自己資金でまかなえる人は多くありません。主な調達方法を知っておきましょう。

基本となるのは、やはり自己資金です。自己資金は返済の必要がなく、融資を受ける際にも計画性を示す材料として評価されます。会社員のうちから計画的に貯めておくことが、起業の選択肢を広げる第一歩です。

自己資金で足りない分は、融資で補うのが一般的です。代表的なのが、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。

新たに事業を始める人や開業後間もない人が利用でき、制度上の自己資金要件は撤廃されています。都道府県や市区町村が金融機関、信用保証協会と連携して行う制度融資も、利子補給や保証料の補助を受けられる場合がある心強い選択肢です。

国や自治体の補助金・助成金も活用できます。返済不要の資金ですが、多くは事業を実施した後に支払われる後払いの仕組みのため、いったんは自分で費用を立て替える必要があります。公募の時期も限られているため、最新の情報をこまめに確認しておきましょう。

このほか、家族や知人からの借入、クラウドファンディングで資金を集める方法もあります。

起業費用を抑えるためのコツ

起業費用は、工夫次第で大きく抑えられます。

まず検討したいのが、小さく始めることです。最初から理想の店舗や設備をそろえるのではなく、自宅やレンタルスペース、シェアオフィスで始め、お客さんがついてから規模を広げていけば、失敗したときの損失も最小限で済みます。

店舗が必要な事業なら、居抜き物件の活用が効果的です。前のテナントが残した内装や設備をそのまま使えれば、内装工事費や設備費を大幅に削減できます。設備は中古品やリースを活用するのも一つの方法です。

固定費を抑える意識も大切です。家賃や人件費は、売上がなくても毎月かかり続けます。開業当初は家族の協力を得たり、必要な業務だけを外注したりして、固定費を低く保ちましょう。

ただし、削ってはいけない費用もあります。運転資金の確保と、事業の質に直結する部分への投資です。安さを優先しすぎて事業の魅力を損なっては本末転倒です。メリハリをつけた資金計画を立ててください。

まとめ:起業費用の平均は975万円だが少額で始める人が多数派

日本政策金融公庫の2025年度調査によると、起業費用の平均は975万円、中央値は600万円で、開業者の約4割は500万円未満で事業を始めています。

費用は業種や形態によって大きく異なり、無店舗型なら数十万円で始めることも可能です。

自己資金と融資、補助金を組み合わせ、小さく始めて固定費を抑えることで、無理のない起業を実現しましょう。


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