2025.09.09 起業ガイド

【音楽事務所の起業】設立手順と「稼げる」ビジネスモデルの作り方

【音楽事務所の起業】設立手順と「稼げる」ビジネスモデルの作り方


アーティストの才能を、もっと世の中に広めたい、自分の手で、新しい音楽シーンを創りたい。

この熱い情熱は、音楽事務所を起業するために大事な原動力です。

しかし、情熱だけではアーティストの人生を背負うことはできません。

今回は、音楽事務所を立ち上げたい方向けに、設立手順や稼げる音楽事務所を作るための、具体的な経営戦略とノウハウを徹底解説します。この記事を読めば、音楽事務所での成功率を上げられます。

あなたの事務所はどのタイプ?音楽事務所の3つの機能

「音楽事務所」と一言で言っても、その役割は多岐にわたります。

成功する音楽事務所を起業するためには、自社がどの機能に軸足を置くのかを、最初に明確にする必要があります。

現代の音楽事務所は、主に3つの重要な機能を持っています。

音楽事務所の3つの主要機能
機能 主な役割 収益の源泉
1. マネジメント機能 アーティストの育成、スケジュール管理、営業活動、ブランディング マネジメント手数料(ライブ、メディア出演料など)
2. レーベル機能 音源の企画・制作(レコーディング、マスタリング)、CD・配信の流通 CD売上、デジタル配信・サブスク収入
3. 音楽出版機能 楽曲の著作権管理、プロモーション、利用開発(カラオケ、CMなど) 著作権使用料(JASRACなどからの分配)

かつては、これらを大手レコード会社や音楽出版社が分業していました。

しかし、個人でも起業しやすくなった現代では、これら3つの機能を自社で統合し、アーティストの活動から生まれる収益を最大化する戦略が主流になりつつあります。あなたの事務所は、どの機能を強みとして、アーティストを成功に導きますか?

音楽事務所の設立|失敗しないための5ステップ

音楽事務所の起業は、思いつきで始められるものではありません。

アーティストの人生を預かる責任の重い事業です。ここでは、あなたの情熱を具体的な形にするための、失敗しない5つのステップを解説します。

ステップ1:コンセプト設計|どんなアーティストを、どう売り出すか

すべてのビジネスは、このコンセプト設計から始まります。

「どんなジャンルの、どんなアーティストを発掘し、世の中の誰に、どのように届けていきたいのか」を、一言で説明できるようにしましょう。

例えば、「地元・名古屋の若手ロックバンドを、SNSとライブ活動を中心に全国区に押し上げる」といった具体的なビジョンです。

このコンセプトが、アーティスト選びからプロモーション戦略まで、すべての活動でブレない軸となります。

ステップ2:法人設立|株式会社か?合同会社か?

社会的信用を得て、アーティストと正式な契約を結ぶためには、法人格の取得が推奨されます。

主な選択肢は「株式会社」と「合同会社」です。将来的に大きな資金調達や事業拡大を目指すなら、信用度の高い「株式会社」。

まずはコストを抑えてスピーディーに始めたいなら「合同会社」が適しています。設立費用は、合同会社なら約10万円、株式会社なら約25万円が目安です。

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ステップ3:事業計画と資金調達|夢を数字で語る

自分の情熱を、金融機関や投資家が納得する数字に落とし込むのが事業計画です。

アーティストの育成費用や音源の制作費、プロモーション費用、そして事務所の運転資金など、必要な資金を詳細に算出します。

自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫の創業融資などを活用しましょう。音楽ビジネスの収益性を、客観的なデータとロジックで説明できるかが、資金調達の鍵となります。

ステップ4:アーティストの発掘と契約|原石を見つけ、仲間になる

事務所の成功は、所属アーティストの魅力にかかっています。

ライブハウスやSNS、オーディションなどで、あなたのコンセプトに合う「原石」を探し出しましょう。

そして、見つけたアーティストとは、対等なパートナーとして向き合い、ビジョンを共有することが重要です。

その上で、双方の権利と義務を明確にした「専属マネジメント契約書」を公正な内容で結びます。

ステップ5:プロモーション戦略|最初のヒットを生み出す

契約したアーティストを、世の中に知ってもらうための戦略を立て、実行します。

YouTubeでのMV公開、TikTokでのショート動画投稿、音楽配信サービス(TuneCoreなど)への登録、ライブイベントの企画など、あらゆる手段を駆使します。

最初は一つのプラットフォームに集中し、小さな成功事例を作ることが、その後の大きな飛躍に繋がります。

CDが売れない時代の「稼ぎ方」|音楽事務所の収益モデル

「CDが売れない時代に、音楽事務所はどうやって儲けているの?」

これは、誰もが抱く疑問です。音楽事務所の収益源は、CD売上だけに依存していません。収益源をいかに多角化できるかが、経営安定の鍵となります。

現代の音楽事務所 収益源ポートフォリオ
収益の種類 具体例 ポイント
ライブ・イベント収入 チケット売上、出演料 最も利益率が高く、ファンとの直接的な接点となる
グッズ販売収入 Tシャツ、タオル、オンラインくじなど ファンのエンゲージメントを高める重要な収益源
デジタル・サブスク収入 Spotify, Apple Musicなどからの再生分配 ストック型の収益。楽曲数が資産となる
著作権・原盤権収入 カラオケ、CM使用、放送での印税 音楽出版機能を持つことで、収益を最大化できる
ファンクラブ・コミュニティ収入 月額制のオンラインサロン、ファンクラブ会費 コアなファンとの繋がりが生む、安定した収益

このように、ライブを中心に据えつつ、グッズ、配信、権利、コミュニティといった複数の収益源を組み合わせることで、安定した経営基盤を築くことができます。

特に、ファンとの直接的な繋がりを生む「グッズ」と「ファンクラブ」は、これからの時代の音楽事務所にとって、ますます重要視されます。

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トラブル回避の必須知識|契約と著作権の基本

音楽事務所の経営は、アーティストとの信頼関係がすべてです。

そして、その信頼関係の土台となるのが、法律に基づいた「公正な契約」です。権利に関する知識不足は、将来、深刻なトラブルを引き起こす原因となります。

アーティストとの「専属マネジメント契約書」必須項目

アーティストと契約を結ぶ際は、必ず書面で契約書を交わします。

口約束は絶対にいけません。契約書には、主に以下の項目を明記する必要があります。

  • 契約期間:いつからいつまで、独占的にマネジメントするか。
  • 業務範囲:事務所が何をどこまでサポートするのか。
  • 報酬の分配:売上から経費を引いた利益を、事務所とアーティストで、どのような割合で分配するか。
  • 権利の帰属:制作した楽曲の著作権や原盤権は、どちらに帰属するのか。

上記の項目を曖昧にすると、後で必ず揉め事になります。

「著作権」と「原盤権」の違いを理解する

音楽には、大きく2つの権利が存在します。

  • 著作権:メロディーや歌詞といった「楽曲そのもの」に関する権利。作詞家・作曲家が持つ。
  • 原盤権(著作隣接権):レコーディングされた「CDなどの音源そのもの」に関する権利。音源の制作費を負担したレコード会社や事務所が持つことが多い。

この2つの権利をどちらが管理し、そこから生まれる収益をどう分配するのかを、契約時に明確に定めておくことが、健全な事務所経営の必須条件です。

JASRAC等の管理団体との契約は必要か?

楽曲の著作権使用料を自分で徴収するのは非常に困難なため、通常はJASRACやNexToneといった著作権管理団体に管理を委託します。

これにより、テレビやカラオケなどで楽曲が使われた際に、使用料が分配されるようになります。

事務所として音楽出版機能を持つのであれば、これらの団体との契約は必須といえます。

まとめ:音楽事務所の起業は、才能への「投資」である

音楽事務所の起業は、単なるビジネスではありません。それは、アーティストの才能という、計り知れない可能性への「投資」です。

アーティストの夢を、そしてあなた自身の夢を、持続可能な形で実現するためには、音楽への愛情と同じくらい、ビジネスへの冷静な視点と戦略が不可欠です。

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